僻み(ひがみ)の意味とは?妬みとの違い、使い方、性格を直す方法まで解説
自分より優れた人や恵まれた人を見ると、つい僻んでしまうことはありませんか?
僻みは誰にでもある感情ですが、あまり僻んでばかりいると自分に自信が持てないばかりか、人間関係にも悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
そこで今回の記事では「僻み」の意味や使い方、僻みっぽい性格を直す方法を紹介していきます。
Contents
「僻み」とは?
まずは「僻み」の詳しい意味や使い方をみていきましょう。
意味・読み方
「僻み(ひがみ)」とは、物事をありのままに受け入れず、ひねくれた見方や考え方をすることを意味します。
また、僻みには自分が不当に扱われているといった、歪んだ被害妄想が含まれていることも多いです。
使い方
「僻み」の動詞形は「僻む」です。
彼は同級生を僻んでいる、のようにひねくれた見方をしている人の様子を表すことができます。
また、「僻み根性」「僻みっぽい人」といった使われ方も多いです。
【例文】
- 彼は僻み根性が強い
- 僻みっぽい人とは距離をおいて接したほうが良い
これらは『僻みやすい性質』、もしくは『僻みやすい性質をもった人』を言い表しています。
ちなみに「僻み」の類語としては、「嫉み」「恨み」などを挙げることができます。
僻みと妬みの違い
「僻み」と非常に似た言葉に「妬み」があります。
これらは混同されがちですが、実は表現しているニュアンスに違いがあるので注意が必要です。
僻みは自分の立場が低いと認識しているがゆえの感情であるのに対し、妬みは相手の立場が上であることから生じる気持ちです。
両者ともに他人の立場がうらやましくて憎い、といったネガティブな感情が含まれていますが、そのスタート地点が異なることは覚えておいたほうが良いでしょう。
また、僻みと妬みは対立する感情ではないため、両方の心理状態が同時に起こることもありえます。
「僻み妬み」という言葉があるように、自分の立場は低いのに相手の立場が不当に優遇されていることが憎い、と歪んだ考え方を持つ人は少なくありません。
英語表記
「僻み」を英語で表記する場合は「jaundiced」あるいは「prejudice」を使います。
jaundicedは「偏見をもった」「僻んだ」といった意味を含む単語であり、僻んで他人を見ることは「jaundiced view」、僻み根性は「jaundiced mind」などと表すことが可能です。
また、prejudiceは「偏見」や「歪んだ見方」を意味しており、物事を歪ませてとらえていることを強調したい場合はこちらの英語表現が適切でしょう。
僻みっぽくなる人の心理・特徴とは
続いては、僻みっぽくなる人の心理や特徴について解説します。
被害妄想で悪口を言い出す
僻みっぽい人は周りの言動を歪んでとらえる傾向があります。
そのため、他人のなんてことない言葉をネガティブに受け取るなど被害妄想にとらわれています。
結果として周囲は仮想敵だらけになり、少しでも復讐しようと悪口を言い出してしまうのです。
必要以上に勝ち負けにこだわる
僻みっぽい人は必要以上に勝ち負けにこだわりがちです。
基本的に負けず嫌いなので、他人のほうが優れていると感じると本気で悔しがり、さらに僻むという悪循環に陥ってしまうのです。
また、勝ちたいからといって努力するわけではなく、その相手の足を引っ張ることばかり考えています。
何でもかんでもネガティブに考える
何でもかんでもネガティブに考えるのも、僻みっぽい人の特徴です。
せっかくの好意を裏があるに違いないと考えるなど、何かとネガティブな方向に持っていってしまいます。
そうした歪んだ見方をしてしまうのは、根底に他人への不信感があるからです。
また、自分は常に不当な扱いを受けているという気持ちも強いため、世の中に対しても不満が多くなりがちです。
自己評価が低すぎる
僻みっぽい人は自己評価が低すぎる傾向があります。
他人と比較して「自分はダメだ」と思い込み、そうしたコンプレックスを刺激する他人の存在がストレスだとすら考えています。
自己評価がアップすれば僻み根性も薄れる可能性がありますが、そもそもがマイナス思考ゆえになかなか自尊心を高めることができません。
人の優秀な部分が認められない
優秀な人は優秀な人としてそのまま受け入れられれば良いのですが、僻みっぽい人にはそれができません。
つい自分と比較して嫉妬心や劣等感を増幅させがちです。
また、優秀な人は自分にとって嫌な存在であり、それゆえに他人の優れた部分を認めるのが難しいです。
他人が褒められたり評価されたりしているのを見るのは、僻みっぽい人にとっては何より辛いことなのです。
叶わない理想を掲げる
僻みっぽい人は叶わない理想を掲げがちです。
理想は高いのですが、実力や努力が伴わないので本来の自分とはどんどんかけ離れてしまいます。
また、「こうであらねばならない」という固定観念に縛られる傾向もあるため、そこから少しでも離れるとそれがコンプレックスになりがちです。
結果として、理想の自分と現実の自分との乖離に苦しむことになり、さらには高い理想を叶えている他人に対しては僻みの気持ちが強くなってしまうのです。
僻みっぽい性格を直す方法
歪んだ考えを持っている僻みっぽい人と付き合うのは骨が折れるものです。
ゆえに、僻みっぽい性格を放置してしまうと、そのうち周囲から人がいなくなってしまうかもしれません。
ここでは、僻みっぽい性格を直すための対処方法を紹介していきます。
自分の僻みっぽさが気になっているという人は、ぜひ今日からでも実践してみましょう。
愚痴・噂話・悪口から遠ざかる
僻みっぽい性格を改善したいなら、愚痴・噂話・悪口といったネガティブな話題からは遠ざかることをおすすめします。
ネガティブな話題はネガティブな感情を増幅させるもとです。
もしも周囲に愚痴や悪口を好む人が多いのなら、ぜひそうした人間関係からは距離をおくようにしましょう。
また、リアル以外でもSNSやネガティブなネット記事などの噂話や悪口、世間への不満といったネガティブな内容が書かれたものはあまり見ないのがおすすめです。
ヒマな時間を作らない
人間はヒマな時間があると余計なことを考えがちです。
他人を僻む気持ちに振り回されそうなときは、あえて忙しくしてヒマな時間を作らないようにしましょう。
忙しければ他人を僻んでいる場合じゃなくなります。
趣味や習い事を始めるなど、ぜひ時間の有意義な使い方を模索してみましょう。
感情を自己分析してみる
他人を僻む癖がついているなら、そうした自分の感情を自己分析することが大切です。
なぜ同僚が評価されるのを僻んでしまうのか、どうして充実した友人を僻んだ眼で見てしまうのか、その僻みの根底にあるものを冷静に見つめなおしてみましょう。
自分の感情の奥底にあるものがわかれば、それを解決するための方法も見つけられるかもしれません。
また、努力ではどうしようもないことだった場合は、僻みの原因から一旦距離をおくことをおすすめします。
僻みっぽい人への対処法
自分の僻みの気持ちはある程度対処できたとしても、他人の僻みは厄介です。
もしも周囲に僻みっぽい男性・女性がいる場合は、ぜひ以下の対処法で乗り切ることをおすすめします。
嫉妬される話はしない
僻みっぽい人は常に自分と他人を比べる傾向があります。
そうした人には比べるような隙を与えないことが大切。
もしもあなた自身に良いことがあったとしても、僻みっぽい人には話をしないようにしましょう。
恋人の話や仕事の話、あるいは買い物や旅行の話など、相手にとっては何が地雷になるかわかりません。
下手に嫉妬されないよう、あまり自分の個人的な情報は明かさないことが賢明でしょう。
距離を置いて接する
僻みっぽい人の性格を矯正するのは困難です。
歪んだ見方が癖になっているため、たとえあなたがアドバイスしたとしても素直に聞き入れてくれる可能性はほとんどないでしょう。
下手に関わると逆恨みされる可能性もあります。
トラブルに巻き込まれないためにも、僻みっぽい人とはできるなら距離をおいて接することをおすすめします。
褒めてあげて満たす
僻みっぽい人と疎遠になることが困難な場合は、できるだけ褒めてあげるのがおすすめです。
僻みっぽい人はコンプレックスが強く、満たされていない人が多いです。
そうした不満を少しでも解消してあげるために、その人の良い部分は積極的に褒めるようにしましょう。
良いところを見つけてあげれば、相手の僻み根性も少しずつ薄らいでいくかもしれません。
僻み根性は捨てて素直に生きよう!
自分より優れた人や満たされた人を見てしまうと、どんな人でも少なからず僻んでしまうものです。
しかし、もしそうした僻みの感情が癖になっているなら要注意。
他人と比べて自分は劣っている、きっと相手はこんな自分を馬鹿にしているに違いないという気持ちが強いなら、僻み根性をこじらせている可能性大です。
僻みに囚われてしまう前に、自分の僻み根性の原因を冷静に分析してみることをおすすめします。
また、僻むだけでなく自分自身も努力するなど、他人へのうらやましさをポジティブな原動力にすることも大切です。
ぜひ僻み根性は捨てて、さまざまなことを素直に受け入れるようにしてくださいね。
- 僻みとは、物事や他人のことを素直に受け入れず歪んだ見方をしてしまうこと
- 僻みっぽい人には、被害妄想が強い・何でもネガティブに考える・自己評価が低いといった特徴がある
- 僻みっぽい性格を直すには、噂話や悪口からは遠ざかる・ヒマな時間を作らないといった対策が有効
- 僻みっぽい人が身近にいる場合は距離をおくのが一番。どうしても関わらざるを得ない場合は、相手を褒めるなどして劣等感を刺激しないようにしよう