心を苦しめる「罪悪感」の正体とは?罪悪感の意味や消滅する方法を解説!
抱く感情の中でも自分自身を苦しめるのが罪の意識を意味する「罪悪感」です。
例えば、人間関係など日常生活の中で嫌なことがあった場合、例えその時は辛くてもやがて時間が経過すればその嫌な気持ちは忘れられるでしょう。
しかし罪悪感はそうはいかず、長い間…いや、それどころか一生苦しめられる人もいるのです。
そこで今回の記事では、罪悪感における意味や消滅させる方法を解説していきます。
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「罪悪感」の意味とは?
罪悪感は感情であり、すなわち心と関係性のある言葉です。
そこで、これを心理学として捉えて心理学辞典を参考にすると、「社会的・道徳的な規範に背いて重大な過失を犯した意識や感情を持った場合、自尊心を失って犯した過失の罪ほろぼしをしようとする感情が起きる」と解説されています。
この解説から分かるのは、罪の意識…すなわち過失を犯した意識や感情によって自尊心を失い、そして犯した過失に対して罪滅ぼしをしたいと感じてこそ罪悪感といえるということです。
例えば「仕事で重大なミスをして悪いことをしたと悔やむ」だけでは罪悪感とはいえず、その悔やみによって自尊心を失って罪滅ぼしをしたいと思ってこそ罪悪感の感情といえます。
「罪悪感」の英語表記・例文
「罪悪感」の英語表現は一般的に「guilt feelings」を使用しますが、「a sense of guilt」と表現することもあります。
- 例文:he had terrible feelings of guilt
意味:彼はひどい罪悪感を持っていた
- 例文:showing a sense of guilt
意味:罪悪感を示すさま
それぞれの表現を使った例文を紹介するとこのようになりますが、例文の光景を想像するとやはり自らの犯した過失を悔やんで落ち込む姿が想像できますね。
引用元:https://ejje.weblio.jp/content/%E7%BD%AA%E6%82%AA%E6%84%9F
【罪悪感の正体】恋愛・仕事にも関係する7つの罪悪感
罪悪感には7つの種類があると心理カウンセラーは謳っています。
罪悪感を抱く相手は家族、親、子どもなどさまざまですが、罪悪感そのもののパターンはここで紹介する7種類が主だと考えて良いでしょう。
人に何かしてしまった時の罪悪感
罪悪感の例として最も実感しやすくかつ分かりやすいもので、加害者の心理があげられます。
ちなみに、心理学では加害者と被害者の関係性はイコールの解釈がなされています。
なぜなら、加害者に傷つけられた被害者は加害者を恨んで攻撃的になるためで、実際に攻撃すればその瞬間に被害者もまた加害者へと変わるからです。
一方、攻撃された元の加害者は原因を作った張本人とはいえ、攻撃を受けた時点で被害者へと変わります。
被害者は加害者へ、加害者は被害者へ、つまり被害者と加害者は同じ立場へとなり得るのです。
助けてあげられなかった罪悪感
この場合は行動そのものに悪意はなく、むしろ善意を感じられる行動をとっていますが、善意ある行動をとるからこそ罪悪感が生まれるパターンもあるのです。
「助けてあげたい」「救ってあげたい」という気持ちには人間らしい優しさを感じられますが、実際に行動した結果助けられなかったらどうでしょうか。
助けられない、もしくは救ってあげられない自分自身に対して無力だと感じてしまうでしょう。
この無力感こそ罪悪感となり、つまりこの場合の罪悪感は無力感と言い換えることもできます。
何もできなかった罪悪感
罪悪感は自分の言動によって生まれる感情と解釈しがちですが、それは違います。
仮に前述のとおりだとしたら、何もしなければ罪悪感は生まれないことになるでしょう。
しかし、何もしていないからこそ罪悪感が生まれることもあり、それがこのパターンです。
最も、実際に何も行動していないため自分が罪に問われることはないですが、誰からも責められないからこそ余計に辛く、自分自身を責めてしまいます。
その感情はまさしく罪悪感そのものであり、「あの時にこうしておけばよかった」と自分のとった行動に対して後悔するのです。
恵まれた環境への罪悪感
『あるもの』を持っていない人にとって、『それ』を持っている人は羨むべき存在です。
ただ、実際に『それ』を持っている人はそのことに価値を感じられず、むしろ自然なことだと感じているでしょう。
とはいえ、家族全員健康な人が認知症で家族が施設に入所している介護者に対して現在の日常を語れるでしょうか。
この場合、家族全員健康であることに対するデメリットやネガティブな気持ちを話題にするケースが多く、そういわないと相手に対して悪いように思えるからです。
これは、自分が相手よりも恵まれているがゆえの罪悪感のあらわれになります。
思い込みによる罪悪感
ネガティブ、自己嫌悪とも表現される感情ですが、これもまた罪悪感に含まれます。
罪悪感は解消しなければ潜在意識に蓄積されていき、そうするとやがて自分の存在そのものに罪悪感を抱くようになります。
極端な話、失敗ばかり繰り返せば自分はダメな人間だと思い込んでしまうでしょう。
このパターンで問題となるのは、罪悪感の直接の原因が特定できないことで、なぜなら原因は数々の罪悪感の蓄積によるものだからです。
自分では幸せになるための行動をとりつつも、その行動によって罪悪感が蓄積されていくため、何をやってもうまくいかない状態に陥ってしまいます。
そして、そんな自分自身を否定してしまうのです。
他者の罪悪感が移ってしまう罪悪感
愛する人は助けたいと思うのが当然の心理、しかしその当然の心理は思わぬ罪悪感を生む原因にもなります。
経済的に苦しい家族がいたとして、親が子に対して「親のせいでこんな生活にさせてごめんね」と謝罪したとします。
この時、親は間違いなく罪悪感を抱いていますが、子はそれを責めようとせず「私のせいでいっぱいお金がかかったのだから、私が悪い」と返したとします。
その瞬間、子は親の罪悪感を自分のものへとしてしまい、相手の罪悪感をコピーして自ら背負ってしまうのです。
このパターンでは自分自身に罪悪感が芽生えたわけではないため、罪悪感で苦しみつつもその根源が分かりづらい状態へと陥ります。
生まれ持った罪悪感
これは宗教的な意識になります。
キリスト教では原罪と呼ばれる考え方が存在しており、それは「人は生まれながらにして罪を背負っている」という考えです。
最も、この考えは人を否定するためのものではなく、感謝と謙虚の気持ちを忘れずに生きることを説いたものだと解釈されています。
ただ宗教上の教えである以上、熱心な信者であればあるほど自分の存在に罪悪感を抱いてしまうでしょう。
心理学からみる罪悪感を消滅する方法3選
罪悪感は7つの種類に分けられていると解説しました。
罪悪感は「感」の文字が示すとおり感情…すなわち心の問題であり、そのため罪悪感を消滅するには心理学を視点として考える必要があります。
そこで、心理学からみて罪悪感を消滅する方法を3つ解説します。
罪悪感を自分のせいだけと考えない
罪悪感は、ある問題が起こった時にそれが自分のせいだと考えることで芽生えます。
それは責任感が強い長所ともいえますが、一方で多角的に物事を見られない短所ともいえ、その問題が起こった原因は相手や環境などにもあるのだと考えるようにしましょう。
要するに自責思考を緩和させるべきで、そのためには客観的な視点で自分を見つめて気持ちを落ち着け、冷静な判断ができる心理状態を作り出してください。
素直に謝る・素直に感謝する
罪悪感は秘めた感情でもあり、そのため気持ちを秘めないことが罪悪感消滅の方法になります。
具体的には、例え些細なミスだとしても素直に謝ること、そして感謝の気持ちを言葉で伝えることです。
ミスを認めなければ、自身の中でミスの原因を解決することができず罪悪感が残ってしまいます。
また、感謝の言葉を伝えることで文字どおり相手に対する感謝の気持ちを実感でき、その気持ちが罪悪感を弱めてくれるのです。
罪悪感で得た感情をバネにする
犯した過ちに対して後悔しか残らなければ、罪悪感は決して消滅することはありません。
ですから、過ちを犯した時にはそれを糧にして前向きな気持ちを持つことを大切にしてください。
過ちを犯した時、二度と同じ過ちを犯さないよう対策を考えればそれだけで成長につながる可能性が広がります。
このように、過ちを糧と捉えることができるようになれば、自分の中で過ちの意味も変化して罪悪感は薄れていくでしょう。
自分を苦しめる罪悪感がない人になるための本2選
自分の性格や考え方は、アドバイスやカウンセリングで簡単に変えられるものではありません。
自分を苦しめる罪悪感がない人間になるには学ぶことも必要で、そのために役立つKindle版も販売されている本を2冊紹介します。
いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本
出典元:https://www.amazon.co.jp/%E3%81%84%E3%81%A4%E3%82%82%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%81%9B%E3%81%84%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E7%BD%AA%E6%82%AA%E6%84%9F%E3%81%8C%E3%81%99%E3%83%BC%E3%81%A3%E3%81%A8%E6%B6%88%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E6%A0%B9%E6%9C%AC-%E8%A3%95%E5%B9%B8/dp/4799324810
「自分は今幸せではない」と思っている人は、罪悪感が存在していることが原因の可能性があります。
人気心理カウンセラーの根本裕幸氏が罪悪感をテーマにして、感情が発生する仕組みや付き合い方を丁寧に解説しています。
すべての罪悪感は無用です
出典元:
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%BD%AA%E6%82%AA%E6%84%9F%E3%81%AF%E7%84%A1%E7%94%A8%E3%81%A7%E3%81%99-%E6%96%8E%E8%97%A4-%E5%AD%A6/dp/4594081347/ref=pd_lpo_14_t_1/356-0069823-0591670?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4594081347&pd_rd_r=3468f542-ea6f-45ba-a2d6-2e118eecc64d&pd_rd_w=I4yNH&pd_rd_wg=0vzYg&pf_rd_p=4b55d259-ebf0-4306-905a-7762d1b93740&pf_rd_r=K40KN5KTZ3FEJ2WNFP9Y&psc=1&refRID=K40KN5KTZ3FEJ2WNFP9Y
現代社会では無用な罪悪感を背負った人が多く、それがさまざまな病の原因にもなっています。
自分を認める、自分を愛する、そして自分らしく生きるため、そのヒントが読み解ける一冊です。
見えない呪縛「罪悪感」から自分を解き放ちましょう。
浮気や失敗、無力感から生まれる「罪悪感」と向き合い、次に活かすことが大切!
罪悪感に対して、避けるのではなく向き合って活かそうとする気持ちが大切です。
罪悪感があっても自分だけのせいだと思わず、また過ちを自覚しているのであれば素直に謝罪するようにしましょう。
そして、過ちに対して自分を責めるだけでなく糧にして次に活かすのです。
失敗を失敗として捉えるのではなく、成功への糧と捉えることで心を苦しめる罪悪感を消滅させることができるでしょう。