「外向性」という言葉の意味とは?外向性・内向性の違いを知る特徴を解説
「あの人は外向性」「自分は内向性」といった表現を見聞きしたことはありませんか。
「外向性」とは、人の性格的特徴を表すのに使われる言葉です。
しかし、具体的に「外向性」を説明せよといわれても案外難しいもの。
そこで今回の記事では、「外向性」という言葉の意味や「内向性」との違いについて解説していきます。
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「外向性」の意味とは?
外向性とは、「外」という単語が使われているとおり、興味や関心が常に外側に向いているような性質を表す言葉です。
まずはこの「外向性」の意味や使い方について詳しく見ていきましょう。
類義語や使い方
「外向性」はもともと心理学において性格を分類する際に使われてきた用語です。
ユングの分析心理学や、アメリカの心理学者であるルイスゴールドバーグの「ビッグ・ファイブ理論」などに用いられていることで知られています。
ビッグ・ファイブ理論によれば「外向性」を持つ人の特徴には以下のものがあげられます。
- 積極性
- 社交性
- 明るさ
また、発達心理学者のジェローム・ケーガンによる、生後4か月の子どもたちを対象とした研究報告によれば、外向性や内向性といった性質には脳の遺伝的傾向が関わっているということもわかっています。
教育や環境要因の影響もゼロではありませんが、ある程度の気質は子どもの頃から決定づけられているといえるでしょう。
これらのレポート以外でも、さまざまな心理学研究やパーソナリティ研究に「外向性」の概念は導入されています。
外向性の人は活動的で自身の外側のことに興味をもちやすいです。
社交性や積極性も高く、たくさんの人と交流することで力を発揮しやすい性格といえるでしょう。
そのため、コミュニケーション能力が重要な場面では成果をあげやすいのも利点です。
「外向性」と同じような意味をもつ類義語としては、「外向的」「社交性」「楽天的」「積極性」「バイタリティのある」「パワフルな」などを挙げることができます。
【使い方の例】
- あの人は外向性が高い
- 外向性と内向性のバランスのとれた性格だ
英語でいうとなんていうの?
英語で「外向性」を表す場合、「extrovert(外向性の人、外向性な)」や「outgoing(社交的な)」といった単語が使われることが多いです。
ちなみに心理学用語での外向性は「extroversion」です。
【例】
- He has an extrovert personality.
(彼は外向的な性格だ)
- an extrovert
(外向性の人)
外向性の人に共通する性格的特徴
続いては、外向性の人に共通する性格的特徴を見ていきましょう。
当てはまる項目が多ければ、あなたも「外向性の人」といえます。
初対面の人とフレンドリーに話すことができる
人が大好きで人見知りとは無縁な外向性の人は、初対面の相手ともフレンドリーに接することができます。
積極的に話題を提供し相手のことも知ろうとするので、すぐに仲が深まりやすいです。
人間は好意的な相手に対して心を開きやすいもの。
グループ内の集まりなどで人間関係の架け橋になるのも、この外向性タイプの人でしょう。
ただ、少々強引に相手の懐に入り込もうとするため、人見知りの人からは苦手意識を持たれる可能性もあります。
人を喜ばせることを好む
外向性の人は人を喜ばせることを好みます。
相手を笑顔にすることが生きがいなので、サプライズプレゼントやパーティーを計画するのも大好き。
他人をよく見ているので、相手の本当に求めていることを汲み取るのも上手です。
また、他人を喜ばせることができる自分自身も好きという、少々ナルシストな面もあります。
自分のことを他人に話すことに抵抗がない
外向性の人は隠し事や秘密、といったこととは基本的に無縁です。
自分のことを他人に話すことに抵抗がないため、なんでも自分からいってしまいます。
自分自身のことを話すのは、他人との距離を縮めるコツでもあります。
ゆえに、外向性の人は自然と相手と親しくなることができるのです。
環境が変化しても動じない
外向性の人は環境が変化してもあまり動じません。
むしろ、そうした変化や刺激を楽しむような部分をもっています。
転勤や引っ越し、配置転換・新たな子育てなど、通常ならストレスの要素になることでも「新しい出会い」としてポジティブに考えられるのです。
考えるよりもまずは行動にうつすタイプが多い
考えるよりもまずは行動にうつすタイプが多いのも、外向性の人の特徴です。
石橋を叩いて渡るよりも、とにかく渡ってみよう!という考えなので、失敗してしまうことも少なくありません。
しかし、楽天的な外向性の人は「仕方ない」と割り切るのもはやいです。
慎重さには欠けるものの、行動力がものをいう営業職などにはもってこいの性格といえるでしょう。
内向性の人に共通する5つの特徴!
外向性の対義語は「内向性」です。
控え目で目立つことを嫌う内向性は日本人に比較的よくみられる気質です。
しかし、内向きで消極的なイメージが強いことから、そうした内向者をネガティブに捉えてしまう人もいるかもしれません。
内向性の長所に目を向けつつ、5つの特徴を見ていきましょう。
注目されることが苦手
内向性の人たちは外向性タイプとは逆に、控え目で興味が内向きの傾向があります。
ゆえに、他人から注目されるのは大の苦手。
知らない人と交流するのも避けたいので、なるべく目立ちたくないという気持ちが強いです。
また、地位や名声といったことにもあまり興味がありません。
とにかく目立たず静かに生活したい、と思っている人が多いです。
リアクションが控えめ
内向性の人はリアクションが控え目です。
笑ったり泣いたりという感情の発露を、あまり他人に見せたくないと思っているからです。
そもそも感情の動き自体が、外向性の人と比べるとフラット。
そのためリアクションが薄く冷たい印象を受けますが、本人には悪気は一切ありません。
社交的ではない
あまり社交的でないのも内向性の人の特徴です。
外向性の人とは違い、よく知らない人と積極的に関わりたいとは思っていません。
むしろ、他人との過度な交流がストレスになるタイプです。
とはいえ、まったくのコミュ障というわけではなく、必要以上に他人と関わるのを好まないというだけです。
常に慎重
常に慎重な態度なのも内向性の人の特徴のひとつでしょう。
新しいことや見慣れないことにはすぐに飛びつかず、しっかりと資料を読んだり方法を考えた上で行動に移します。
疑り深い面もあり、自分が納得しなければ決してゴーサインを出しません。
石橋を叩いたまま結局行動できない場合もありますが、慎重さを必要とする場面では必要な人材です。
ひとりで黙々と作業をすることが好き
外向性の人がみんなとの行動を好むのに対し、内向性の人はひとり作業を好む傾向があります。
外に出かけるよりも、家でゆっくり過ごしたいタイプ。
集中力も高く、コツコツと積み上げる地道な作業が苦になりません。
好きなことや興味のあることへの積極性も強いので、専門職や研究職、プログラマーといった突き詰める必要のある仕事に向いているといえるでしょう。
この記事を参考に外向性かどうか診断し自分と向き合おう!
社会の中には外向性の人もいれば内向性の人もいます。
一見水と油のように真逆のタイプですが、その実お互いを補い合うことも可能です。
それぞれのパーソナリティの特徴を知れば、友人や同僚といった周囲の人々への接し方も変わってくるのではないでしょうか。
また、外向性・内向性どちらがより優れているということではなく、それぞれの長所や短所を理解することがもっとも大切です。
ぜひこの記事を参考に、自分自身と向き合うヒントにしてみてくださいね。
- 「外向性」とは、外側への興味が強く積極性のある性質を表す言葉
- 外向性の人は社交性が高く、状況や環境の変化にも動じないといった特徴をもつ
- 外向性と逆の性質は「内向性」。内向性の人は目立つことは苦手だが、地道な作業が得意な研究肌である
- 外向性・内向性それぞれの特徴を理解し、人間関係に活かすことが大切