アンズ(杏)の花言葉には怖い意味もある?特徴や名前の由来も解説
サクラよりも少し早い時期に、梅に似たピンクの花を咲かせるアンズ。
サクラや梅に間違われることも多い花ですが、そんな勘違いされやすいアンズの気持ちを反映したような花言葉がつけられています。
今回はアンズの特徴や花言葉を解説します。
いじらしい姿が微笑ましく感じるような、花言葉の由来も紹介しているので必見です。
Contents
アンズ(杏)の花言葉を一覧でチェックしよう!
アンズには、以下のような花言葉があります。
- 乙女のはにかみ
- 臆病な恋
- 慎み深さ
- 不屈の精神
アンズの花言葉は、同じ時期に咲くサクラとの関係性に由来するものが多数。
春の主役であるサクラに対して、モジモジしているような姿をイメージするかわいらしい花言葉ばかりです。
まずは、それぞれの花言葉の由来や意味を詳しく見ていきましょう。
「乙女のはにかみ」
「乙女のはにかみ」という花言葉がつけられた由来は、アンズが咲く時期と関係しています。
アンズの花は、サクラよりも少し早く咲き始めます。
花びらが少しピンクがかっていることもあり、サクラよりもひと足早く咲いたことに恥じらいを感じている姿をイメージさせるため「乙女のはにかみ」という花言葉がつけられました。
「臆病な愛」
「臆病な愛」という花言葉の由来はいくつかの説がありますが、いじらしいアンズの気持ちが反映されたとするものが代表的です。
アンズの花はサクラの花にも似ているため、詳しい人でなければサクラとアンズを誤認してしまいます。
自分がサクラではないことによって、見る人を失望させてしまわないか?
自分のこともかわいいと愛でてくれるだろうか?
春の主役といっても過言ではないサクラと勘違いされてしまうアンズが、そんな風に不安に思っているのではないかというイメージを恋愛にたとえて「臆病な愛」という花言葉が生まれたとされています。
「慎み深さ」
「乙女のはにかみ」と同じように、アンズの咲く時期に由来しているのが「慎み深さ」という花言葉です。
アンズは春の主役であるサクラよりも先に花を咲かせますが、サクラよりも目立たないように慎ましくしている様から、この花言葉がつけられています。
サクラよりも先に咲いてしまうことに対して、気後れしているような姿に見えることから「遠慮」という花言葉も。
サクラよりも先に咲くことを気にしているような、アンズの控えめな姿がイメージされます。
「不屈の精神」
ここまで挙げた花言葉とは一転して「不屈の精神」というたくましい花言葉も。
アンズは厳しい冬の寒さに耐えて、硬い幹から春に花を咲かせます。
このタフな生命力をたたえて「不屈の精神」という花言葉がつけられたといわれているのです。
アンズの花言葉に怖い意味はある?
アンズには「疑惑」「疑い」といったネガティブな花言葉も。
このような怖い花言葉がついた由来は諸説あります。
一つは、アンズの花が同じ時期に咲くサクラや梅と見間違えやすいという説。
もう一つは、故事成語「李下に冠を正さず」に由来する説です。
「李下に冠を正さず」とは「李(スモモ)の木の下で冠を直そうとすると、その実を盗もうとしているように誤解されるから避けるべき」とする故事に基づいた言葉。
そのため、本来はアンズではなくスモモを意味する故事成語ですが、混同されてアンズの花言葉になったのではと考えられています。
そもそもアンズってどんな花?
サクラと間違われて恥じらっているという、かわいらしいイメージのあるアンズですが、そもそもどのような植物なのでしょうか。
ここからは、アンズの基本情報をはじめ、特徴や名前の由来まで紹介していきます。
アンズについてさらに詳しく見ていきましょう。
アンズの基本情報
- 科・属名:バラ科・サクラ属
- 和名:アンズ(杏)
- 英名:Apricot
- 学名:Armeniaca vulgaris(Prunus armeniaca)
- 原産地:中国
- 開花時期:3月~4月ごろ
- 誕生花: 2月23日、3月1日、4月12日、10月2日
アンズは、梅やサクラのように春に花を咲かせる落葉小高木。
丸みを帯びた花は梅に似ていますが、桜のように直立した樹形と縦に筋の入った樹皮がアンズの特徴です。
3月から4月にかけて花を咲かせ、6月から7月にかけてオレンジ色の実をつけます。
実はデザートから薬まで幅広い用途で使われる
アンズの実は、アプリコットジャムやアンズ飴、シロップ漬けのようなスイーツにも利用されています。
実から取り出した種は「杏仁(きょうにん)」という生薬にも。
鎮咳や去痰に効果があり、五虎湯(ごことう)や麻黄湯(まおうとう)といった漢方薬に利用されています。
また、種の核をすりつぶした汁を寒天で固めたものが、薬膳料理としてつくられていた杏仁豆腐の始まりです。
このように、アンズはデザートから薬まで幅広く活用されています。
「アンズ」の由来と英名「アプリコット」の語源
日本で呼ばれている「アンズ」という名前は、中国語の「杏子」に由来しています。
中国では、紀元前4000年ごろから食用や薬として利用されていました。
日本にアンズが伝えられた時期ははっきりしませんが、平安時代の書物にはすでに「カラモモ(唐桃)」として記されているそうです。
16世紀初めごろから、西洋でもローマをはじめとしてヨーロッパ各地に広がり、南ヨーロッパ系品種が確立。
イタリアからイギリスへ輸入された際に「Praccox(早熟の果物)」と呼ばれていましたが、最終的に現在の英名である「Apricot」になったとされています。
アンズと同じ3月1日の誕生花は他にもある!
諸説ありますが、アンズの誕生花とされているのは以下の四つです。
- 2月23日
- 3月1日
- 4月12日
- 10月2日
この章では、こちらの四つの中から3月1日が誕生花となっているアンズ以外のお花を紹介します。
それぞれの花言葉も一緒に紹介していくので、お祝いの言葉や普段の感謝の気持ちなどを込めて、花の贈り物を検討してみましょう。
ヤグルマギク
ヤグルマギクは、花壇や公園などで見かけることも多い、鮮やかな青色が目を惹く春の花です。
花持ちも良いため、ギフトとしてもおすすめ!
爽やかな印象があるため、白や黄色の花と組み合わせてフラワーアレンジメントに取り入れても際立ちます。
ヤグルマギクの花言葉は「清純」「繊細」「優美」など。
ヤグルマギクの優美な美しさと花言葉は、特別な人への贈り物にぴったりでしょう。
プリムラ・オブコニカ
プリムラ・オブコニカは、白やピンク、黄色など春らしい色がかわいい小ぶりな花。
プリムラ・ジュリアンやプリムラ・ポリアンサなど種類が多数あり、それぞれ花言葉が異なります。
プリムラ・オブコニカの花言葉は「しとやかな人」「青春の美しさ」など。
「青春」に関する花言葉はプリムラ全般に共通しています。
ラッパスイセン
明るい黄色が特徴的なラッパスイセンも、春を告げる花として3月1日の誕生花となっています。
花言葉には「報われぬ恋」という少しネガティブな意味もありますが「尊敬」というポジティブな意味も。
フラワーアレンジメントでは、白いチューリップや青いムスカリを合わせるとより春らしさを演出できるのでおすすめです。
ハクモクレン
ハクモクレンは、3月から4月にかけて白い美しい花を咲かせます。
公園や街路樹などでもよく見られ、庭木として育てているという家もあるでしょう。
一つの枝にたくさんの花を咲かせるため、透明な花瓶に枝を一本飾るだけでも華やかになります。
ハクモクレンは花の姿がユリに似ていることから「気高さ」や「高潔な心」といった高貴な意味の花言葉を持ちます。
アンズにはネガティブな花言葉も!贈るときは要注意
アンズには、春の主役であるサクラに対する気持ちを反映するかのような、いじらしい花言葉がつけられています。
ただし、なかには「疑い」や「疑惑」といったネガティブな意味もあるため、花言葉を込めたプレゼントを贈るときには注意が必要です。
誕生日プレゼントとして送るのであれば、同じ日が誕生花になっている花も多くあるため、花言葉をチェックしながら贈る花を選びましょう。
- アンズは咲く時期が近いサクラに対して遠慮したり恥じらったりする花言葉が多い
- 「疑惑」や「疑い」といったネガティブな花言葉もあるのでプレゼントにするときは要注意
- 3月1日の誕生花はアンズ以外にも、ヤグルマギクやハクモクレンなどがある