「厚かましい」とは?意味やビジネスシーンでの使い方を例文付きで解説

「厚かましい」という言葉を正しく使えていますか?
「厚かましく申し訳ないのですが」「厚かましいお願いではありますが」など、ビジネスシーンでしばしば使われる言葉ですが、正しく使えているか自信のない人も多いでしょう。
ビジネスで活用するためにも、正しい使用方法を知っておくことが大切です。
今回の記事では「厚かましい」の意味やビジネスシーンでの使い方を解説していきます。
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「厚かましい」とは
まずは、「厚かましい」の意味や語源について解説します。
「厚かましい」の意味
「厚かましい(あつかましい)」とは、遠慮がなく図々しいさま、行動や言葉に慎みがないという意味の言葉です。
「厚い」は人への関わりが激しいこと、「かましい」はその傾向があるという意味であり、これらが組み合わさって「厚かましい」を形成しています。
「(誰か特定の人物を指して)迷惑な行動が多く無遠慮だ」といった意味で使われることが多く、一般的にネガティブな意味合いが強いです。
また、他人ではなく自分に使う場合は、「厚かましいお願いで申し訳ないのですが…」とへりくだったニュアンスで使われることもあります。
「厚かましい」の語源
「厚かましい」の語源は諸説あります。
まずは、図々しさを意味する「面の皮が厚い」が「厚皮」になり、それが「厚かわしい」になり、最終的に「厚かましい」となったという説です。
他にも、図々しいという意味を持つ「厚顔(こうがん)」がもとである説や、「面厚構へしく(つらあつかまへしく)」からきた説などがあります。
「厚かましい」は方言?
「厚かましい」という言葉は、地方によって異なる意味を持ちます。
例えば、兵庫県の播磨では「あつかましい」は「忙しい」という意味になり、愛媛県の伊予では「うるさい」「やかましい」といった意味になります。
地域によっては使い方が異なるので注意しましょう。
ビジネスシーンで「厚かましい」を使うときの注意点
「図々しい」「言動に慎みがない」といった意味を持つ「厚かましい」を、仕事相手に使うのは失礼です。
ビジネスシーンで「厚かましい」を使うときは、基本的には自分に対して使うようにしましょう。
何かを依頼するときに、「厚かましいお願いで申し訳ありませんが」と付け加えると、普通に「お願いします」と言うよりも丁寧な印象を与えることができます。
敬語表現なので、目上の相手に対して使うこともできます。
ただし、乱用すると丁寧な印象が削がれてしまうので、ここぞというタイミングで使うようにしましょう。
【例文付き】ビジネスシーンでの「厚かましい」の使い方
「厚かましい」は、ビジネスシーンにおいて欠かせない表現のひとつです。
具体的な「厚かましい」の使い方を例文と一緒に見ていきましょう。
相手に何かお願いをするとき
- 厚かましいのは承知の上ですが、明後日夕方頃お時間をいただければと思います。
- 厚かましいお願いで恐縮ですが、こちらのプランの検討をよろしくお願いいたします。
- ご多用のところ厚かましくて大変恐縮ですが、20日までにご提出お願いいたします。
「厚かましい」は相手に何かお願いするときに使用することができます。
「厚かましい」を使用することで、「我がままな申し出であることは承知の上でお願いしたい」という申し訳ないニュアンスを含ませることができるのです。
少し強引なお願いや緊急のお願いなど、相手に負担をかけるであろう申し出をする際には「厚かましい」を付け加えましょう。
感謝の気持ちを表すとき
- 大変厚かましいお願いであったにもかかわらず、迅速なご対応ありがとうございました。
- 厚かましくも、今回のご提案に甘えさせていただきます。
- こちらの厚かましい申し出を快く引き受けていただき、大変感謝しております。
強い感謝の気持ちを表すときにも、「厚かましい」は使うことができます。
相手に負担をかけて申し訳ない気持ちと、対応にとても感謝しているという気持ちを同時に伝えることができるでしょう。
「厚かましい」の類語や意味の違い
最後に「厚かましい」の類語や意味の違いを紹介していきます。
伝えたい相手やニュアンスによって使い分ければ、より表現の幅を広げることができるでしょう。
「図々しい」との違い
「図々しい」とは「ずうずうしい」と読み、自分勝手で相手の都合を考えない様子、恥知らずで身勝手なさまを意味します。
「厚かましい」と比べると、より自己中心的で迷惑なニュアンスが強いといえるでしょう。
「厚かましい」と同じく、自分以外に使う場合は失礼な表現にあたるため、注意が必要です。
「おこがましい」との違い
「おこがましい」は、生意気で差し出がましい、身の程を知らないことを意味します。
「厚かましい」は同等の相手にも使いますが、「おこがましい」は目上の相手に使われます。
上司や目上の相手に意見する際など、「生意気とはわかっていますが…」というニュアンスで使用されることが多いです。
「僭越」との違い
「僭越」とは「せんえつ」と読み、自分の立場や地位の範囲を超えた行動をとること、出過ぎた言動をとることを意味します。
「厚かましい」は相手への無遠慮を意味しますが、「僭越」は身の程を知らない失礼さを表現しています。
「失礼ながら」「恐縮ながら」と同じような意味合いで、スピーチや挨拶文などでも使われる言い回しです。
「厚かましい」を正しく使いこなせるようになろう
「厚かましい」は、お願いや感謝の気持ちを伝えることができる便利な言葉です。
面倒な案件や緊急の予定などを提案する際に、「厚かましいお願いで申し訳ありませんが」と付け加えれば、よりへりくだったニュアンスを表現することができるでしょう。
ただし、「厚かましい」を自分以外の人に対して使うのは禁物です。
失礼な表現に当たるので、自分以外には使わないようにしましょう。
ぜひ「厚かましい」の意味を正しく知って、ビジネスシーンの中でも上手に活用してくださいね。
- 「厚かましい」とは、遠慮がなく図々しいさま、行動や言葉に遠慮がないこと
- ビジネスシーンにおいての「厚かましい」は自分に対してのみ使う言葉
- ビジネスシーンにおいて「厚かましい」は、相手にお願いするときや感謝の気持ちを表すときに使うことができる
- 「厚かましい」の類語表現には、「図々しい」「おこがましい」「僭越」がある