若者言葉の「尊い」の意味とは?オタク用語としての使い方を解説

最近、「尊い」という言葉をよく目にしませんか?
「尊い」とは、崇高であることや高い価値を持つことを意味する言葉ですが、現在SNSを中心として使われている「尊い」は少し用法が異なります。
では、若者言葉・オタク言葉としての「尊い」とは、一体どういった意味があるのでしょうか。
今回の記事では、「尊い」の意味やオタク用語としての使い方、類語表現などについて詳しく解説していきます。
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「尊い」とは
「尊い」は「とうとい」あるいは「たっとい」と読み、崇高であることや価値のあることを表す言葉です。
しかし、近年別の意味で使われることが増えています。
SNSを中心としてよく見かけるワードなので、2種類の意味の違いを知っておけばよりコミュニケーションの幅が広がるはずです。
「尊い」の2つの意味を、今一度チェックしておきましょう!
「尊い」の本来の意味
本来の意味での「尊い」は、崇高で近寄りがたいさまや高貴であること、ありがたいことなどを表す言葉です。
例えば、神様のような人を超えた存在や、非常に高い身分の相手について語るとき、あるいは二度と巡り合えないような貴重な体験を評するときなどに使われます。
「あの方は尊い」
「すべての命は尊い」
つまり、従来の意味では、強い敬意や滅多にないありがたいこと、非常に価値が高いことを表現しているのです。
オタク用語としての「尊い」の意味
オタク用語としての「尊い」は、基本的に「推し」への誉め言葉として使用されています。
「推し」とは、お気に入りのアニメキャラやアイドル、応援している相手のことです。
その「推し」への気持ちが溢れそうなときに、「推しが尊い」と表現します。
この場合の「尊い」には、「神聖さを感じるほどの存在である」「他の何者にも代えがたいほど魅力的である」といった意味が含まれており、単純に好きというよりも、もっと信仰心の強い愛情を込めた言い回しだといえるでしょう。
もともとはオタク用語のひとつでしたが、現在では若者を中心に幅広く浸透しています。
【例文付き】オタク用語の「尊い」の使い方
続いて、具体的なオタク用語としての「尊い」の使い方を見ていきましょう。
推しの素晴らしさを言葉にしたいとき
- 推しが地球上にいるだけで尊い
- イベントで推しを見て、やっぱり尊いことを再確認した
オタク用語「尊い」のもっともスタンダードな使い方が、推しの素晴らしさを言葉にしたいときです。
推しの存在を讃えたいときや、推しのパフォーマンスに心射貫かれたときなど、「素晴らしい」「最高である」ということを表現するために「尊い」が使われます。
好きな人を褒め称えたいとき
- 彼女の笑顔が尊すぎる
- うちの犬可愛すぎて尊い
身近な存在に「尊い」が使われるパターンもあります。
例えば、彼氏や彼女のことを褒め称えたいときや大好きな対象を賛美したいときなど、「素敵だ」という気持ちを強調したいときに便利です。
感動の気持ちを表したいとき
- 昨日のドラマの展開が尊すぎた
- 逆転ホームランで優勝した名試合、何度見ても尊い
感動の気持ちを表現したいときも「尊い」を使うことができます。
この場合は人ではなく、作品の素晴らしさや盛り上がった試合などに対して使われることが多いです。
また、ある人の行動に感動したときにも、「〇〇さん(の思いやり)が尊い」といった使い方をします。
かけがえのなさを表現したいとき
- 小さき命への尊みを感じている
- 2人の絆が尊すぎる
かけがえのなさを表現したいときも、「尊い」を使うことができます。
愛おしさや切なさ、溢れる感動の気持ちを「尊い」の一言に集約しているのです。
オタク用語の「尊い」の類語・言い換え表現
オタク用語「尊い」は、別の表現で言い換えることが可能です。
ここでは代表的な言い換え表現をいくつか紹介していくので、文脈や自分の気持ちに合わせて使い分けてみてくださいね。
「てぇてぇ」
「てぇてぇ」とは「尊い」の砕けた言い回しです。
「てぇてぇ」は他の言葉と組み合わせることで、意味を強調して使うことができます。
例えば、「ありがてぇてぇ」は「とてもありがたい」という意味合いになります。
「萌え」
クラシックなオタク用語である「萌え」も、「尊い」とニュアンスが近い言葉です。
「萌え」はキャラクターやアイドルへの愛情などを表現するときに使うフレーズであり、「〇〇が尊い」は「〇〇萌え」と言い換えることができます。
「エモい」
強い感動や心を揺さぶられたことを表す「エモい」も、「尊い」の言い換えとして使うことができます。
「エモい」の語源は「emotional」で、感傷的・切なさといったニュアンスがあります。
「尊い」よりも哀愁のある表現だといえるでしょう。
「天使」
とてつもなく素敵な存在を褒める表現として、「〇〇は天使」というものがあります。
推しや好きな人の素晴らしさを表すことができ、オタク用語の「尊い」に近い意味合いです。
また、同じような言い回しとして「〇〇は神」などもあります。
「琴線に触れる」
「琴線に触れる」とは、心が動かされること、強く感動することを意味する表現です。
「尊い」や「エモい」はスラング的な言葉なので、くだけた場でしか使えません。
しかし、「琴線に触れる」は小説などでもしばしば使われる言い回しです。
とても感動したことを伝えたいとき、TPOに合わせて「尊い」などのオタク用語と使い分けることをおすすめします。
「尊い」を使って推しへの気持ちを表現しよう
「尊い」は推しへの褒めや好きな人への感情など、幅広く使える汎用性の高い表現です。
単に「素敵」「好きすぎる」よりも臨場感のある感情を伝えることができるでしょう。
ただし、本来の意味は異なりますし、ネットスラングなので人によっては意味が伝わらないこともあります。
「尊い」を使うときは相手や場面に気をつけましょう。
友達や趣味仲間とのコミュニケーションで「尊い」を活用してみてください。
- 「尊い」は、本来崇高で近寄りがたい存在や高貴なさまを表す言葉
- オタク用語としての「推し」は、推しの素晴らしさを伝えたいとき、好きな人を褒め称えたいときなどに使われる
- オタク用語「尊い」の類語表現には「てぇてぇ」「萌え」「エモい」「天使」などがある