国際ロマンス詐欺とは？巧妙な手口や騙されないための見分け方を解説

世の中には、人の恋愛感情や結婚願望を利用した悪質な詐欺が少なくありません。

中でも近年増加傾向にあるのが、外国人との恋愛・結婚に憧れる人をターゲットとした「国際ロマンス詐欺」です。

「素敵な出会いを探しているつもりだったのに、実は詐欺師だった…」なんて事態は避けたいですよね。

そこで今回の記事では、国際ロマンス詐欺の実情や手口、騙されないための見分け方を解説していきます。

国際ロマンス詐欺とは

国際ロマンス詐欺とは、外国人を装ってターゲットに近づき、恋愛感情を抱かせてから相手の金銭をだまし取る詐欺のことを意味します。

ほとんどのロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリを通じて仕掛けられるため、直接本人に会わないまま被害に遭ってしまうのが厄介なところです。

お金のある先進国の男女が狙われることが多く、日本人も例外ではありません。

とくに、近年は国内でも被害者が増加傾向にあるため、SNSやマッチングアプリの利用者は十分に気をつける必要があるといえるでしょう。

国際ロマンス詐欺の手口と流れ

国際ロマンス詐欺の被害者は、ごく普通の男女であることがほとんどです。

「私は大丈夫！」と思っていても「巧妙な手口に気づかないまま騙されていた…」なんてことも少なくありません。

国際ロマンス詐欺に引っ掛からないためにも、まずは詐欺の手口や流れをよく知っておく必要があるでしょう。

魅力的な外国人を装って近づく

国際ロマンス詐欺師は、魅力的な外国人を装って近づいてきます。

資産家や医師、あるいは軍人やパイロットなど、お金を持っていそうな職業を装っていることが多く、プロフィール写真も美男・美女が設定されています。

つまり、絵にかいたような魅力的な外国人男性・女性に見えるため、マッチングした人はつい興味を持ってしまうのです。

恋愛感情を抱かせて信頼関係を築く

SNSやマッチングアプリで知り合ったあとは、ターゲットに恋愛感情を抱かせるように、さまざまな方法でアプローチしてきます。

やり取りの中で愛の言葉を囁いたり、具体的な将来の話をしてきたりと、本気度が高いことをアピールしてくるのです。

また、周囲の人から「詐欺なのでは…？」と横やりを入れられないように、「周りは2人の関係を邪魔してくるかもしれないが、自分だけはあなたの味方だよ」などと主張することも忘れません。

そうしたやりとりの中で、ターゲットは相手のことを信頼し、依存的な恋心を抱いてしまうのでしょう。

巧妙な手口でお金を要求する

恋愛感情を抱かせて相手を信用させることに成功したら、ついにお金の要求が始まります。

この段階では「結婚の約束」をしていることがほとんどであり、婚約者という立場で油断させて金銭の相談をしてくるパターンが多いです。

上記のような理由をつけて、最初は少額の金銭を要求してきます。

ターゲットは「婚約者」「恋人」の立場から、あまり抵抗なくお金を貸してしまう傾向があります。

一度送金したら最後、徐々に要求額が増えていき、気づいたときにはかなりの額を吸い取られてしまうのです。

お金を受け取って行方をくらます

ある程度お金を受け取ったロマンス詐欺師は、突然行方をくらませる傾向があります。

これは、詐欺に気づいたターゲットが周囲や警察に相談して身バレすることを防ぐためです。

そのため、ターゲットから追及されたり、もうお金を絞り取れないことがわかったりすると、急に連絡が取れなくなってしまいます。

連絡手段がなくなれば相手を追求することが難しくなるため、泣き寝入りしてしまう人がほとんどなのです。

国際ロマンス詐欺師の特徴と見分け方

マッチングアプリなどで出会いを探している人にとって、国際ロマンス詐欺は非常に身近な問題だといえます。

うっかり詐欺に引っかかってしまわないように、国際ロマンス詐欺師の特徴と見分け方を知っておきましょう。

プロフィールが魅力的すぎる

マッチングアプリやSNSのプロフィールが魅力的すぎる人には注意が必要です。

誰もが憧れるような職種で高収入、かつ魅力的な外見といったプロフィールは、ターゲットを惹きつけるためのウソである可能性があります。

あまりにも完璧なプロフィールや美男美女すぎる人物には、警戒心を持ったほうがいいでしょう。

出会ってすぐに熱烈なアプローチをしてくる

出会ってすぐ熱烈なアプローチをしてくる人にも注意が必要でしょう。

早急に恋愛や結婚をほのめかす人は、ターゲットに恋愛感情を抱かせてお金をだまし取ることを目的とした詐欺師である可能性が高いです。

お互いをよく知らない段階でのアプローチには、くれぐれも注意してください。

直接会ってくれない

国際ロマンス詐欺師は、徹底的に直接会うことを避けてきます。

「会いたい」とは言うものの、「仕事が忙しい」「乗ろうとした飛行機にトラブルが起きた」など、いろいろな理由をつけて会おうとしない場合は要注意です。

儲け話を提案してくる

儲け話を提案してくるのも、ロマンス詐欺師の特徴です。

とくに、仮想通貨や投資にまつわる儲け話をしてくる人は、怪しいと思って間違いありません。

自分の投資での成功をアピールして、ターゲットの心理的障壁を軽くした上で、お金を引き出すのが目的だといえるでしょう。

資産状況や職業を知ろうとしてくる

国際ロマンス詐欺師は、ターゲットの資産状況や職業を知ろうとしてきます。

相手にお金があるのかをいち早く見極めて、ターゲットとして適しているかどうかを確認しようとしてきます。

やたらと貯蓄額や投資経験、不動産の有無や生活レベルなどを聞き出そうとしてくる人には警戒した方がいいでしょう。

国際ロマンス詐欺に引っかかる人の特徴

国際ロマンス詐欺に引っかかりやすい人には、共通した特徴があります。

どんなタイプの人がロマンス詐欺の被害に遭いやすいのか、その特徴は以下の通りです。

詐欺師は、人のちょっとした心のスキに取り入るのが上手いです。

ゆえに、30代以上で結婚に焦っていたり、孤独感が強くすぐに人を信用してしまったりするようなタイプの人は、格好のターゲットになってしまいます。

また、インターネットに不慣れで危険性をよく理解していない人も、騙されてしまうリスクが高いでしょう。

たとえお金に余裕があったとしても、ネットで知り合っただけの他人に、現金を渡すのは大変危険な行為です。

もし自分がこうした特徴に当てはまっているのなら、SNSやマッチングアプリでの出会いには、さらに警戒心を強めることをおすすめします。

国際ロマンス詐欺に引っかからないようにする方法

巧妙に狙ってくるロマンス詐欺師を避けるためには、引っかからないための方法を知っておくことが大切です。

詳しくみていきましょう。

お金の相談は絶対に断る

マッチングアプリやSNSで知り合った人からお金の相談をされても、絶対に断るようにしてください。

ネット上であっても「親しくなると断りにくい…」と思うかもしれませんが、それこそが詐欺師の手口なのです。

冷静に考えれば、一度も会ったことのない相手にお金を要求するのは、極めて不自然な行為だといえます。

知り合った外国人に金銭を要求されたとしても、毅然とした態度で断るようにしましょう。

個人情報を教えないようにする

ネット上で知り合った相手には、必要以上に個人情報を教えないようにしてください。

具体的な住所や電話番号、職業以外にも、資産状況や家族構成なども教えないほうがいいでしょう。

相手が詐欺師だった場合、詳しい個人情報は悪用される可能性が高いです。

とくに顔の見えないネット上の知り合いには、普段よりも慎重になることをおすすめします。

信用できる相手なのか検索して調べる

知り合った外国人が信頼できる相手なのか知りたいのなら、検索して調べるのも1つの手です。

写真を画像検索することで、プロフィール欄に使われている画像が本物かどうかが確認できます。

また、国際ロマンス詐欺師の情報交換を行っているサイトもあるので、そうした場所を参考にするのもおすすめです。

会話に矛盾点がないか注意する

知り合ったばかりの相手に騙されないためには、会話の矛盾点に気づくことが大事です。

相手が詐欺師の場合、子供がいるはずなのに独身のような生活サイクルを送っていたり、今撮ったはずの写真の時刻がおかしかったりするなど、細かい部分の整合性が取れていないことが多い傾向にあります。

設定や会話に矛盾が出てきたら「詐欺師かもしれない…」と、まずは疑うことが大事です。

相手から共有されたURLにアクセスしない

ネット上で知り合った人からURLを共有されても、絶対にアクセスしてはいけません。

URL先で個人情報を入力させられたり、お金を振り込みさせられたりするなど、危険なものである可能性が高いことがあります。

国際ロマンス詐欺から身を守るためにも、信頼性の低いURLはクリックしないようにしましょう。

国際ロマンス詐欺に遭ってしまったときの対処法3ステップ

たとえ十分に気をつけていたとしても、国際ロマンス詐欺に気づかずお金を渡してしまうことがあるかもしれません。

もしも国際ロマンス詐欺に遭ってしまったら、以下のステップに従って対処することをおすすめします。

ステップ1:金融機関や投資サイトの運営に連絡する

国際ロマンス詐欺に関しては、金融機関や投資サイトを通じてお金を支払ってしまうパターンがほとんどでしょう。

まずは、そうした支払い先の運営に連絡して対処を求めてください。

金融機関であれば取引口座の凍結、投資サイトであれば暗号通貨の返還請求をすることで、被害拡大を防ぐことができるかもしれません。

ステップ2:過去のやり取りや証拠を集める

詐欺にあったことを証明するために、過去のやり取りや証拠は徹底的に集めておきましょう。

上記の内容が客観的にわかる証拠があれば、詐欺を証明する際に役立てることができます。

さらなる被害者を出さないためにも、相手のやり口を徹底的に明らかにすることが大事です。

ステップ3:国民生活センターなどの専門機関に相談する

証拠がそろったら、国民生活センターなどの専門機関に相談しましょう。

「まずはどう対処すべきか知りたい」「警察や弁護士はハードルが高い」という人には、国民生活センターがおすすめです。

何から手を付ければいいかわからなくても、具体的な対処法を教えてもらえます。

最寄りの警察署に被害届を提出するのが一般的な方法ですが、国際ロマンス詐欺の場合は残念ながら犯人の特定が難しい傾向があります。

さらには、逮捕できてもお金が返ってくる可能性は低いです。

お金を返してほしいのなら、さらに民事で訴える必要が出てくるでしょう。

その場合、弁護士に相談することで法的なアドバイスやサポートを受けることが可能です。

国際ロマンス詐欺に引っかからないように気をつけよう

国際結婚に憧れがあったり、インターネットに慣れていなかったりすると、優しい外国人につい心を許してしまうこともあるかもしれません。

しかし、国際ロマンス詐欺は、恋心を利用した非常に卑劣な詐欺です。

少しでも「おかしいな…」と思うことがあったら、ぜひ周囲の人に相談してみてください。

「一般社会と同じようにSNSやマッチングアプリにも詐欺目的の人が存在する」ということを忘れないことが、国際ロマンス詐欺の被害を防ぐことにもつながるでしょう。