フットインザドアとは?ビジネスや恋愛に活用できる心理テクニックを解説
「フットインザドア」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
行動心理学で使われる用語で、ビジネスや恋愛に活用できる心理テクニックの1つで、「言葉は知っていたけど使い方がよくわからない」という人も多いかもしれません。
この記事では、フットインザドアとは何かを紹介し、ビジネスや恋愛に活用できる心理テクニックを解説します。
Contents
心理学におけるフットインザドアとは
「フットインザドア」とは、ビジネスシーンで活躍する心理テクニックの1つですが、使いこなすためには、どんな意味があるのかをしっかりと理解しておくことが大切です。
まずは、心理学におけるフットインザドアとはどんなものなのか、意味や原理、言葉の由来などをチェックしておきましょう。
フットインザドアの意味と原理
フットインザドアとは、心理テクニックの1つです。
営業などの物を売るビジネスシーンなどで活用されることが多いテクニックで、自分の要求を通すために使われます。
はじめから大きなお願いをすると相手に断られてしまうことが多いので、それを避けるためにフットインザドアを活用するのです。
小さな要求からはじめて徐々に要求のレベルを上げていくことで、最終的には自分の思うとおりに要求を満たしていくテクニックのことを言います。
フットインザドアの由来
フットインザドア(foot in the door)は、セールスマンが物を販売しようとして門前払いされそうになったときに「まずはお話だけでも」と言って、少しだけ開いたドアにつま先を入れている様子から付けられています。
一度でも「はい」と言ってしまうと、「いいえ」と言いにくくなるという心理を利用し、少しだけ開いたドアから、最終的には大きな要求を成功させる手法のことです。
フットインザドアを活用するメリット
フットインザドアを活用するメリットは、大きな要求でもこの手法を使うことで、最終的には相手に承認してもらえるようになることです。
人は自分の行動や考え方を統一したいという気持ちが働くため、一度「はい」と言ってしまったことと同じような内容だと、次も「はい」と言うのが自然だと感じて「いいえ」と言いにくくなります。
これを「一貫性の原理」と言い、フットインザドアはこの原理を利用しているのです。
フットインザドアとドアインザフェイスとの違い
フットインザドアと似たような言葉に「ドアインザフェイス」があり、どちらも自分の要求を満たすために使う心理テクニックです。
フットインザドアは、小さな要求からスタートし、段階的に要求のレベルを上げていくのに対して、ドアインザフェイスは、最初に大きな要求をして相手が断ることで罪悪感を抱かせるところからスタートします。
断ってしまったという罪悪感から、それよりも小さな要求で自分ができそうなことであれば受け入れてしまうという心理を利用しているのがドアインザフェイスです。
どちらも自分の要求を受け入れてもらうために使いますが、相手によって使い分けるようにしてくださいね。
フットインザドアを活用する際の注意点
すぐにでもフットインザドアテクニックを、ビジネスシーンで活用したいと思った人もいるのではないでしょうか。
しかし、このテクニックを使いこなすためには、いくつか気をつけなくてはいけないことがあります。
次で紹介する注意点を覚えておいて、効率よくフットインザドアを試してみてくださいね。
ここからは、フットインザドアを活用する際の注意点を紹介します。
はじめの要求と最終の要求がかけ離れないようにする
はじめの要求と最終の要求がかけ離れすぎないように気をつけましょう。
最初は小さな要求からスタートするのがフットインザドアですが、イエスと言ってもらいたいがために、あまりに小さな要求だったり、最終目的とかけ離れた要求になってしまうと、自分が達成したい最終の要求まで辿り着けない可能性があります。
小さな要求からステップアップしていくとしても、本命の要求からかけ離れすぎないように注意してください。
段階的に出す要求に関連性を持たせる
段階的に出す要求に関連性を持たせることも大切です。
いくら小さな要求を承認してもらったからといって、最終目的とあまりにかけ離れた要求だと、本命の要求に辿り着くのが難しくなってしまいますよね。
たとえ低価格で購入しやすいからと言って、最終的に販売したいものと全く違う商品を販売すると、本当に売りたかった商品に辿り着くのは難しいですよね。
段階的に出す要求は、自分の最終目標と関連性を持たせることを忘れないようにしましょう。
要求は徐々に大きくしていく
要求は徐々に大きくしていくようにするのもポイントです。
最初1万円のお試し商品を購入してもらったのに、次の商品が50万円の商品だった場合、あまりに金額が大きくなりすぎて相手も驚いてしまいますよね。
このように、要求を急に大きくしてしまうと、失敗する可能性が高いので、1万円の商品の次は3万円というように要求は少しずつ大きくして、相手に違和感を感じさせないことが大切です。
最終的な要求に応じてもらうまで報酬を与えない(アンダーマイニング効果)
最終的な要求に応じてもらうまで報酬を与えないことも頭に入れておきましょう。
これをアンダーマイニング効果と言い、人は一度報酬をもらってしまうと「自分から自発的に行動を起こしている」という意識がなくなってしまいます。
たとえば、商品を無料で与えてしまうと、その商品をお金を払ってでも欲しいという気持ちが薄れてしまい、結果として契約まで辿り着けなくなってしまうのです。
そのため、最終的な目的に辿り着くまでは報酬を与えないようにしましょう。
フットインザドアのテクニック活用事例【ビジネス編】
ビジネスシーンでフットインザドアのテクニックを使いたいという人は多いでしょう。
しかし、実際に活用しようと思っても、具体的にどうやったらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そんなときは、実際にビジネスシーンでフットインザドアを使った場合の具体例を参考に真似してみるのがおすすめです。
早速、フットインザドアのテクニック活用事例を見ていきましょう。
アポイントを取る
お客様とアポイントを取るときにフットインザドアは有効です。
仰々しく「商品の説明をしたいのでお時間いただきたいのですが」と言ってしまうと、相手が構えてしまい断られてしまう可能性は高いでしょう。
しかし、フットインザドアの手法を活用して「2、3分でいいのでお時間いただけますか?」と言うことで「少しならいいですよ」と言われる確率が高くなるのです。
飛び込み営業
フットインザドアは飛び込み営業で使われることが多い手法です。
たとえば、販売したい商品がある場合に「押し売りなどはしないので、1ヶ月だけ使ってみていただけませんか?」などと話を持ちかけます。
1ヶ月後に「こちらの商品はいかがでしたか?」とお客様に伺って「とてもよかったです」と言われた場合「このまま購入することもできますがいかがなさいますか?」などと話を進めていくのです。
最初、1ヶ月だけ使ってしまったことから、一貫性の原理がはたらき、相手がイエスという可能性が高くなります。
商談(販売)
販売の仕事などをしていて、お客様が購入を迷っているときにもフットインザドアを使ってみましょう。
「少しの間無料で使ってみませんか?」「ご試着してみるだけでも大丈夫ですよ」などと相手が簡単にできそうなことから提案すると、断られる可能性は低くなります。
このようにフットインザドアを利用すれば、相手が気軽にはじめられるところからスタートして、最終的には販売までつなげることができるでしょう。
フットインザドアのテクニック活用事例【恋愛編】
フットインザドアのテクニックはビジネスシーンだけでなく恋愛など日常生活にも使うことができます。
フットインザドアを使えば、小さなお願いを積み重ねていくことで、いずれはお付き合いするところまで繋げることができるかもしれません。
しかし、恋愛シーンでフットインザドアの具体的な活用方法がわからないという人も多いのではないでしょうか。
ここからは、恋愛の場合のフットインザドアのテクニック活用事例を紹介します。
連絡先を聞く
気になっている人がいるけど、連絡先を知らないという場合は、フットインザドアを使って連絡先をゲットしましょう。
急に連絡先を聞くのではなく、話しながら自然に「連絡先も教えてもらえる?」と言うのがポイントです。
たとえば、みんなで写真を撮ったときに「今の写真、いい感じだったね!」と言った後「写真送ってもらっていい?」と聞くことで自然と連絡先を交換することができます。
食事やデートに誘う
食事やデートに誘うときにもフットインザドアは有効な手法です。
まずは誘うきっかけを作りましょう。
急に食事やデートに誘うのではなく「一緒に課題をやらない?」「一緒に写真を見よう」など相手が「はい」と言いやすい内容で話を切り出すのがポイント。
その後「せっかくだから食事に行かない?」というように、食事やデートに話を進めていくと成功率がぐっと高まりますよ。
ホテルや自宅に誘う
ホテルや自宅に誘うときにもフットインザドアを使ってみましょう。
ストレートにホテルや自宅に誘ってしまうと、警戒心が強くなりぐっとハードルが上がってしまいます。
そのため、一緒にDVDを見ない?美味しいスイーツを食べない?など、相手が気軽に「いいよ」と言いやすい内容で提案してみてくださいね。
フットインザドアの心理テクを恋愛に生かそう!
フットインザドアは、小さなお願いからはじめて、段階的に要求を大きくしていく心理テクニックの1つです。
ビジネスシーンで使われることが多く、セールスなどでよく見られます。
フットインザドアを使うときには、はじめの要求と最終の要求がかけ離れすぎないように気をつけましょう。
ビジネスだけでなく、恋愛でも使うことができる心理テクニックなどで、上手に活用して意中の相手をゲットしてくださいね。
- フットインザドアは小さな要求を段階的に積み重ねて、大きな要求を成功させる心理テクニック
- ビジネスシーンで使われることが多く、アポイントを取るときに「1、2分でいいので話を聞いてください」などと使われる
- フットインザドアを使うときは、はじめの要求と最終の要求がかけ離れすぎないように注意する
- 恋愛でも使うことができるテクニックなので、上手に使って気になる相手をデートに誘おう