twitterで話題となった「全肯定ハム太郎bot」ってなに?なぜ流行ったの?
「全肯定ハム太郎bot」というものを知っていますか?
作者河井リツ子による人気漫画『とっとこハム太郎』の主人公であるハム太郎をモチーフとし、一時ネット上でブームを巻き起こしたbotです。
Twitterにおいて大きな話題となった「全肯定ハム太郎bot」とは一体なんだったのか?
今回の記事では、この流行の謎に迫ってみたいと思います!
Contents
「全肯定ハム太郎」まとめ
まずは、全肯定ハム太郎botの始まりから終わりまでの流れについてまとめてみました。
全肯定ハム太郎とは?
モチーフとなったハム太郎とは、人気漫画およびそれを原作としたアニメ『とっとこハム太郎シリーズ』の主人公であるハムスターの男の子です。
会話の語尾に「~のだ!」「~なのだ!」をつけて話すという特徴があります。
その可愛らしさから、今現在でも人気の高いアニメキャラクターのひとり(一匹)です。
この可愛いハム太郎をアカウント画像に使った謎のbotが誕生したのは2018年の6月。
以下のつぶやきがはじまりでした。
ハム太郎に話しかける謎の人物に対し「そうなのだ!」と肯定してくれるハム太郎、という内容です。
社会や人間関係への不満などに対しても、ハム太郎は応えてくれます。
その後もさまざまな愚痴に対して、ハム太郎はけなげにも「そうなのだ!」「その通りなのだ!」と答えてくれる、というつぶやきが続きます。
この、辛い愚痴に対してハム太郎が全力で肯定・代弁してくれる、というスタイルがTwitter視聴者に受けたのか「全肯定ハム太郎bot」はわずか68というツイート数の段階で、一般アカウントとしては異例の10万フォロワーを獲得します。
実は元ネタがあった!炎上して活動終了
急激にフォロワー数を伸ばし、一気に人気アカウントとなった「全肯定ハム太郎bot」ですが、活動はあっけない形で終了します。
これは、はじまりのつぶやきが他アカウントのパクリであることが発覚したためです。
元ネタの「私くらいの年齢の女」を「今を生きる人間」に改変してはいるものの、後に続く文章はまさにそのまま。
特にパクリに厳しいインターネットの世界では許されるはずもなく、開始からわずか10日ほどで「全肯定ハム太郎bot」は活動終了のお知らせをすることとなりました。
吉良吉影との組み合わせが話題に
勢いのある文体や、悩み多き大人の心をかわいいハム太郎が全肯定してくれる、という面白さがTwitterユーザーの心をとらえた「全肯定ハム太郎bot」。
さらにはTwitter絵師(※Twitter上に定期的に創作した絵を載せる人)によって吉良吉影とのコラボ作品が作られるに至りました。
吉良吉影とは荒木飛呂彦による人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する殺人鬼。
主人公と敵対する人物でありながら、そのスタイリッシュな雰囲気と特異なキャラクター造形で人気の高い人物です。
件のコラボ作品は、吉良吉影独特の理屈っぽい主張の横に全肯定ハム太郎を置くことで、殺人鬼をハムスターが擁護しているというシュールな事態に。
どちらも人気の高いキャラということもあり、ある意味熱い共演となったわけです。
この作品を載せたつぶやきは1万以上のリツイートと3万近い「いいね」、さらにはたくさんのコメントや反響ツイートを獲得しました。
全肯定ハム太郎はなぜ流行った?
「全肯定ハム太郎bot」は、なぜこんなにもネットユーザーの心を捉えたのでしょうか。
馴染みのあるハム太郎のアイコン
ハム太郎が登場する『とっとこハム太郎』の漫画連載が始まったのは1997年です。
さらに2000年にはテレビ東京系でアニメ化され、ハム太郎はアニメ界を代表する人気キャラクターとなりました。
ハム太郎を子どもの頃楽しんでいた世代は、現在20代から30代になっていると思われます。
また、今現在も商品展開され続けているため、ハム太郎の漫画やアニメを知らない世代であっても見たことがあるという、多くの人にとって「馴染みのある」キャラであることは間違いありません。
造形自体も可愛らしく、子どもはもちろん可愛いもの好きな人なら間違いなく惹きつけられる見た目でもあります。
そんな愛されキャラのハム太郎のアイコンに、懐かしさを感じた人は多かったはずです。
このように「ハム太郎」という大衆に受け入れられやすいアイコンが、「全肯定ハム太郎bot」を流行らせた要因の1つであることは間違いないでしょう。
みんなの不満を全て受け止め肯定してくれる
ハム太郎は、ヒマワリの種がお気に入りのハムスターの男の子。
人間とも心が通じ合えるとってもかわいいハムスターです。
可愛く元気なハム太郎を見ながら、「ハム太郎が家にいたらなぁ」と子供の頃憧れた人もいるでしょう。
ハム太郎は、多くの人にとって「子供の頃に大好きだった友達」のような存在です。
そんな友達が、大人になった自分の辛さを全肯定してくれるなら、こんなに嬉しいことはありませんよね。
しかし残念ながら、社会においては肯定してくれる友達ばかりではありません。
特に接客業や営業など、仕事上で他人の理不尽な要求に振り回されるという人も多いのではないでしょうか。
そうした日々の暮らしの不満や辛さを抱える現代人の心に「全肯定ハム太郎bot」は上手くハマったのです。
きっかけがツイパクだったこともあり、その活動を全肯定することはできませんが、「全肯定ハム太郎」が一時的にでも多くの人に癒しを与えていたことには間違いないでしょう。
また「全肯定ハム太郎bot」が活動を終了した後も、こうしたニーズに応えるようにさまざまな形で肯定してくれる系のコンテンツが流行しました。
しかるねこ(@mojacookie)の登場キャラである「あまやかすねこ」や、褒めてくれるアプリの開発などが話題となったことも記憶に新しいです。
また、2019年のM-1でファイナリストとなった「ぺこぱ」は、肯定するツッコミで人気者の仲間入りを果たしました。
今、こうした肯定系が注目を集めるのは、多くの人がネガティブなコミュニティや否定ありきの会話に疲れていることの表れといえるでしょう。
疲れた大人がいなくならない限り、今後も肯定系コンテンツの人気は続くのではないでしょうか。
全肯定ハム太郎のテンプレをコピペする人続出
現在ブームを起こした「全肯定ハム太郎bot」のアカウントページは削除されています。
しかし、今だ「全肯定ハム太郎」を話題に出している人は少なくありません。
また、単純な「肯定」の意味で「全肯定ハム太郎」というワードが使われることもあり、言葉自体がネット用語として一般化したともいえます。
その意味では「全肯定ハム太郎」はまだ現役の存在なのかもしれません。
元の「全肯定ハム太郎bot」が消えたあとでも、ネットの中で複製され、語り継がれる全肯定ハム太郎は、本家のハム太郎同様愛され続けているのです。
現在でも、全肯定ハム太郎と同じ構文を利用したtwitterアカウントはいくつか存在しています。
- 全肯定ハム太郎bot(@YEShamutaro)
2018年より活動。基本リプに対して肯定したつぶやきを送るという形を取っている。
本家の全肯定ハム太郎bot同様、勢いのある語り口が特徴。
- エンジニア全肯定ハム太郎bot(@YES_SW_ENGINEER)
エンジニアを肯定することに特化した全肯定ハム太郎bot。
見ているだけで、エンジニアの仕事が大変そうだということが伝わってくる。
現代人の疲れた心にピッタリとマッチした「全肯定ハム太郎bot」。
現在もなお、全肯定ハム太郎のハッシュタグや関連タグを見かけることは多いです。
Twitter以外でも、YouTubeなどの投稿動画のタイトルに使われたり、関連記事や関連動画が作成されるなど、その影響は全肯定ハム太郎がいなくなった後でも続いています。
子供の頃ハム太郎に憧れたように、心の中に肯定してくれるハム太郎を飼いたいという夢を大人になった今でも多くの人が持ち続けているのかもしれません。
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人は誰しも肯定されたいもの!相手の気持ちを受け止めることが大切!
わずか10日という短い活動期間ながら、全肯定ハム太郎botは多くの人に注目されました。
そして今でも、全肯定ハム太郎という言葉自体は生き続けています。
それは、誰しもが自分のことを「肯定されたい」「受け止めて欲しい」と思っているからでしょう。
相手を否定し、間違いを指摘するだけの人間関係は辛いもの。
時には全肯定ハム太郎を見習って、相手の気持ちを受け止めることも大切です。
また、そうすることで相手からも全肯定してもらえることがきっとあるはずです。
- 全肯定ハム太郎botとは、2018年に突如現れたハム太郎が全てを肯定してくれるbot
- 人気に火がつき10万超えのフォロワーを獲得するが、パクツイであることが判明したため、わずか10日ほどで活動を終了
- みんな大好きなハム太郎をモチーフとしたアイコンが、多くの人に受け入れられるきっかけとなった
- 肯定して欲しいという現代人のニーズと合致した結果、全肯定ハム太郎は流行した