シンクロニシティとは?心理学的な意味と頻繁に起こる理由を簡単に解説!
偶然の一致が起きる「シンクロニシティ」とはどんなもので、何が原因で起こるのでしょうか。
たまたまとった行動が意外な展開になったり、何となく頭に浮かんだことが現実化したりすることが続くと、何か意味があるのではと気になりますよね。
この記事では心理学的なシンクロニシティの簡単な解説と、頻繁に起こる理由を紹介しています。
Contents
シンクロニシティとは?
シンクロニシティは、心理学者のカール・グスタフ・ユングによって提唱された概念で「意味のある偶然の一致」のことです。
一見すると無関係な複数の事象が同時に起きたり、結果的に因果関係が生じたりすることで、日本語ではよく「共時性」や「同時性」と訳されます。
シンクロニシティは虫の知らせや第六感と呼ばれる、理屈では説明できない感覚によって何かを察することや、予感が的中するときにも使われます。
【簡単に解説】シンクロニシティの意味
ユング心理学におけるシンクロニシティの意味を一言で言うと「因果関係がないことが類似性や近接性を持つこと」です。
因果関係とは「結果」と「直接的な原因」の関係のことですが、シンクロニシティでは「直接的な原因とは無関係に思えること」と「結果」の間に関係性ができます。
ユングはシンクロニシティが起こる理由を「集合的無意識によるもの」としました。
集合的無意識とは、個人の心理より心の深層にある「無意識の層」のことで、普段は意識できない領域のことです。
「表面上の因果関係はなくても、無意識の層においては繋がりがあるため、シンクロニシティが起きる」とユングは提唱したのです。
身近で起こるシンクロニシティの具体例
シンクロニシティは、普段の生活のいろいろなシーンで常に起きています。
「たまたま」と思っていたけれど、実はシンクロしていたということに後から気づいて、驚く場合もありますよね。
次は、身近に起こるシンクロニシティの具体的な事例を紹介します。
贈られた物が壊れる→贈ってくれた人の身に何かが起こる
友達からもらったぬいぐるみの足が急に取れてしまい、何となく不安を感じていたら、実はその友達自身が事故で足の怪我をしていた…という事例が挙げられます。
ぬいぐるみが壊れたことと、友達の事故は何の関係もないのですが、不思議な偶然を感じますよね。
ぼんやりと不安を感じた理由はわかりませんが、第六感や虫の予感といわれるテレパシーのような感覚だったのかもしれません。
昔の友人をふと思い出す→その友達から連絡が来た
ふと昔の友人のことを思い出し「最近、どうしてるんだろう」と思っていたら、その友達から連絡が来て驚いたという経験はありませんか?
逆に近頃会っていなかった友人のことを思い出して、なんとなく連絡したら「今、ちょうど君のことを考えてたよ!」と相手に驚かれた、なんていうこともあるでしょう。
その場にいないはずの人の悪口を言っていたら、急にその人が現れてびっくりしたというケースも少なくありません。
ふと昔通っていたお店に足を運ぶ→今月で閉店だった
昔よく通っていたお店で、最近はあまり行くことがなくなっていたのに、突然行きたくてたまらなくなり足を運んでみたところ、今月で閉店だったというケースもあります。
特に思い出すようなきっかけもなく、お店から連絡があったわけでもないのに、ふと行きたくなったのは不思議ですね。
理屈では説明のできない感覚が「閉店する前にもう一度行きたい」という気持ちを呼び起こし、実際に行動を起こさせたのかもしれません。
欲しい物ができた→情報をよく見聞きするようになる
電化製品をそろそろ買い換えようと思い始めると、電車の中でセールの広告を目にしたり、たまたま手に取った雑誌で新製品の紹介を見たりするようになりますよね。
検索して関連した広告が出てくるようになることはありますが、それ以外でもなぜか情報を頻繁に見聞きするようになってきます。
欲しいと考えていることと、その情報が次々に入ってくることとの間に関連はないはずです。
そうにもかかわらず、まるで意識の変化が現実にも影響を与えているような経験をした人は多いでしょう。
なんとなく郵便受けを見に行く→楽しみにしていた商品が届いた
注文して楽しみにしていた商品があり、まだ届く時期ではないけれど、なんとなく郵便受けを見に行ったら、ちょうど自宅のポストに届いたという人もいます。
期待していなかったのに、急に郵便受けを見に行こうと思ったことと、思った以上に早く届いたことは、ただのラッキーな偶然なのでしょうか。
郵便屋さんの来る時間と、郵便受けを見に行くことを思いついた時間が、たまたま同じだったのも不思議ですね。
親友や恋人と行きたい場所ができた→相手も同じことを考えていた
親友や恋人と行きたい場所ができて、今日言おうかなと考えていたら、相手も同じことを考えていて、先に相手からその場所へ行こうよと誘われ驚くこともありますよね。
自分の考えを読まれたようで不思議な感覚ですが、仲の良い相手とは発想や趣向が似てくるので、実際に話をしなくても考えが伝わることはよくあるでしょう。
話をしてみると、偶然同じ紹介記事を読んだり動画を目にしていたりして、行きたくなった経緯までも同じということもあります。
なんとなく嫌な予感がした
旅行の前になんとなく嫌な予感がして、実際に行ったら急なアクシデントが起き、計画していた予定が台無しになったという話もたまにありますよね。
特に霊感があるタイプやネガティブ思考でもないのに、なぜか「よくないことが起きそうな気がする」と感じるような不思議な感覚は、誰しもたまには経験することです。
そのような悪い予感があるときに、考えすぎだろうと無理に出かけると、予感が的中してしまうことも少なくありません。
夢で見た光景が現実に起こった
初めて行ったはずの場所なのに既視感があり、思い出してみたらそこは夢で見た光景と同じだったという経験はありませんか?
夢の中で起きたことがそのまま現実になったり、微妙に違うとはいえほとんど夢の通りになったりと、予知夢のような夢を見たことがある人は意外と多いといわれています。
頻繁に同じシチュエーションの夢を見ると感じていたら、後日何か重要なことが起きる前兆だったと驚く場合もあります。
提唱者のユング自身が経験したシンクロニシティ現象
シンクロニシティを提唱したユング自身も、不思議な現象を経験しています。
ユングはそのとき抑うつ症患者の男性を治療しており、彼が環境の変化とともに症状が悪化してきたことを心配していました。
ある日、寝ていたユングは誰かが部屋に入ってきたような不思議な感覚と、後頭部に強い痛みを感じたのです。
翌日ユングは、その患者の男性がピストルで頭を撃ち、自殺をはかったことを聞かされました。
離れた場所にいながら患者の男性の痛みを感じるという、自らの不思議な経験で、ユングはこういった事象をシンクロニシティと結論づけたのです。
シンクロニシティが頻繁に起こる理由
いつもより頻繁にシンクロニシティを感じることがあると、何か特別な理由があるのかと気になるものです。
シンクロニシティは科学的な概念である一方、科学では説明できない部分の要素を持っていて、原因が明らかにされていないこともあります。
次はシンクロニシティが頻繁に起こる場合の、科学的根拠に基づいた理由と、それ以外の視点からの理由について解説します。
科学的な見方ではシンクロニシティは頻繁に起こりやすい
シンクロニシティが起こる確率を統計学的に計算すると、ある程度頻繁に起こることが立証できます。
しかし、人間は物事を主観的に判断しがちなため、その現象をより奇跡的に、そしてより偶発的に感じてしまうのです。
有名な「誕生日問題」を例に「同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるには、何人必要か?」という問題の答えを推測してみましょう。
かなりの大勢が必要に感じますが、理論上の答えはわずか23人。
このように、印象と現実の間に誤差が生じたために、多くの不思議な一致が起きたかのように感じてしまうのです。
科学的に説明できないシンクロニシティが頻繁に起こる理由
シンクロニシティが起きる理由は、科学的に証明できる部分もあります。
しかし、それだけでは説明のつかない不思議な事象がたくさんあるのも事実です。
テレパシーや予知などの超心理学的な事象が、科学や心理学として認められるのか、単なるスピリチュアルに過ぎないのかについては、さまざまな解釈があります。
ユングも非科学的なことまで手を広げた心理学者として批判されることは多いのですが、現実に起きていることのすべてが、科学で説明できることばかりとは限りません。
次は科学とは別の視点から、シンクロニシティが頻繁に起きる理由を紹介しましょう。
次のステップに進む合図
まるで自分の背中を押してくれるかのような、嬉しいシンクロニシティが続くときは、あなたが次のステップに進むべきときだという合図かもしれません。
あなたに行動を起こす準備ができていて「もう新しいステージに進んでいいよ」「進むのは今だよ」とシンクロニシティが告げているのです。
このようなときは、思い切って新しいことにチャレンジしてみると良いでしょう。
転換期・変化が訪れる前触れ
人生において大切な転換期・変化が訪れるときにも、頻繁にシンクロニシティが起こるといわれています。
ふと見た時計に同じ数字が並んでいた、知りたかった情報がたまたま入手できたなど、ちょっとした偶然が続くときは、何か大きな出来事が起こる前触れかもしれません。
最近なんだかついているな、なんかラッキーが続いているなと感じるときは、大きなチャンスがやってくる可能性があるでしょう。
自分のエネルギーが高まっている時
自分のエネルギーが高まり、自分の意識と感情と現実の周波数がぴったり合っているときは、次々と良い状態が起きるシンクロニシティが続くでしょう。
考えたことが現実化したり、物事がどんどん良い調子で進むようになります。
ただし、思考が現実に影響を及ぼすため「幸運が続いて怖い」「今に何か悪いことが起きるはず」などと考えてしまうと、自分で自分の幸運をブロックしてしまうこともあるので注意が必要です。
引き寄せの法則によって物事が自分に引き寄せられた
シンクロニシティが頻繁に起こるのはたまたまではなく、自分が物事を引き寄せたからだという考え方もあります。
スピリチュアルな考え方では「波長が似ている物は引き寄せ合う」という法則があるので、自分の周りで起きることは、自分が原因だといわれています。
たまたまに思えるような不思議な現象も、自分に似たものや無意識の望みを、いつの間にか引き寄せた結果なのかもしれません。
シンクロニシティが示す人生へのメッセージを上手に受け取ろう!
シンクロニシティは因果関係がないはずのことが同時に起きることなどを表し、第六感や虫の予感といわれることもあります。
心理学的には「普段意識できない無意識の層『集合的無意識』によって起こる」という概念が提唱されました。
実は偶然の一致は身の周りではよく起こっていて、科学的な理由があって頻繁に起きる場合と、スピリチュアルな意味があって起きる場合があります。
シンクロニシティが続いたら、自分に送られた人生へのメッセージとして上手に受け取ってみましょう。
- シンクロニシティとは意味ある偶然の一致のことで「共時性」「同時性」と訳される
- 心理学的には集合的無意識により起こることだと提唱された
- 不思議な一致は意外と日常生活でもよく起きていること
- 頻繁におこる原因は科学的な場合とそれ以外の場合がある
- シンクロニシティが続くのは何かの予兆かも