お賽銭でダメな金額や硬貨はある?神社で願い事をしてはいけない理由も解説
「お賽銭はいくらがいいの?」「神社で願い事をしてはいけないって本当?」など、ふだん何気なく行っているお賽銭や参拝ですが、実は知っておくと良いマナーやタブーが存在します。
この記事では、お賽銭で避けるべき金額や硬貨の選び方や願い事の伝え方、参拝時のマナーについて解説します。
大切なご縁をより深めるためにも、正しい知識を身につけましょう。
お賽銭でダメな金額
神社やお寺にお参りする際、多くの方がお賽銭を納めますが、実は避けた方がよい金額があることをご存知でしょうか。
金額によっては、不吉な意味を持つとされるものもあります。
ここでは、お賽銭として適切でない金額とその理由について詳しく解説します。
お賽銭で避けるべき金額とその意味
お賽銭で避けるべき金額というものは、いくつか存在します。
日本は、昔から縁起を担ぐ文化があるため、数字や語呂合わせによる意味を重視してきました。
例えば「4」は「死」「9」は「苦」を連想させるため、縁起が悪いといった考え方です。
これらの考え方はあくまでも語呂合わせや迷信に基づくものであるため、神社で納めるお賽銭の金額は、気持ちが大切とされています。
しかし、それでもなんとなく気になってしまうという方は多いでしょう。
次の項目では、具体的にどのような金額が縁起が悪いとされているのか、一覧でご紹介します。
避けるべき金額やその背景を意識することで、よりすっきりとした気持ちで、丁寧な参拝ができるでしょう。
語呂合わせで縁起が悪いとされる金額一覧
お賽銭の金額で縁起が悪いとされるものの多くが、数字の語呂合わせに由来しています。
みなさんも無意識のうちに、縁起が悪いから避けておこうと思う数字があるのではないでしょうか。
ここでは、一覧にしてご紹介します。
| 金額 | 理由・連想させること |
| 4円 | 死 |
| 6円 | 無い、縁が無い |
| 9円 | 苦しみ |
| 10円 | 遠縁、縁が遠ざかる |
| 24円 | 二重の死を連想させるため |
| 33円 | 散々な目にあう |
| 43円 | 死産、不幸な出産を連想させるため |
| 49円 | 死と苦しみを連想させるため |
| 65円 | ろくなご縁がない |
| 75円 | なんのご縁もない |
| 85円 | やっぱりご縁がない |
| 95円 | 苦しいご縁 |
上記の他にも、たくさんの語呂合わせが考えられます。
この金額も縁起が悪いのか、と初めて気づいたという方もいるのではないでしょうか。
これらの語呂合わせは、あくまでも日本独特の文化や言葉遊びから生まれたもので、科学的な根拠はありません。
しかし、気になる場合は、これらの金額を避けてお賽銭を納めるのもよいでしょう。
また、縁起がいいとされている語呂合わせは、15円(十分なご縁)、25円(二重のご縁)、115円(いいご縁)、125円(じゅうにぶんなご縁)、415円(よいご縁)などです。
金額によってご利益は違う?
お賽銭の金額によってご利益が変わるということは、基本的にありません。
神様は、私たちの気持ちを見ています。
高額なお賽銭を納めたからといって、特別によいことが起こるわけではありませんし、少額だからといってご利益が減ることもありません。
ただし、お賽銭は、神様への感謝の気持ちを表すだけでなく、神社を維持・運営していくための大切な資金源となります。
お賽銭が集まることで、神社の建物や境内の整備が行われ、私たちが快適に参拝できる環境が保たれるのです。
神様への感謝の気持ちと、神社を支える気持ちを表すため、自分にとって無理のない金額で心を込めて納めましょう。
お賽銭の金額で悩むよりも、日々の生活の中で感謝の気持ちを持ち、神様への敬意を忘れず過ごすことが大切です。
お賽銭でダメな硬貨

神社やお寺に参拝する際、お賽銭として納める硬貨にも、実は避けた方が良いものがあるのです。
ここでは、お賽銭として適さない硬貨の種類や状態、外国コインの取り扱いについて詳しく解説します。
せっかくの参拝が逆効果にならないよう、どのような硬貨を選ぶべきか、またどのような硬貨を避けるべきかを知っておきましょう。
避けるべき硬貨の種類
お賽銭箱に入れる硬貨にも、気をつけた方が良いものがあります。
もちろん、お賽銭は神様への感謝の気持ちであるため、基本的にはどの硬貨をお賽銭として納めても問題ありません。
しかし、いくつか注意しておきたい点があります。
まずは縁起の面での話になりますが、10円玉と500円玉は避けたほうがよいです。
10円は、先述の通り「遠縁」を連想させ、縁起が悪いため。
500円玉は、額も大きく縁起もいいようですが、一番大きな硬貨というのが問題で、500円玉よりも大きな硬貨はない、つまり「これ以上の効果(硬貨)はない」という意味になってしまうのです。
そのため、縁起を気にする方は、10円玉や500円玉は避けたほうがいいでしょう。
また、近年では1円玉も避けたほうがいい硬貨となっています。
理由は実務的なことで、神社がお賽銭を金融機関に入金する際に、手数料がお賽銭の額以上にかかってしまうからです。
お賽銭のせいで、神社に手数料分の赤字が出てしまうというのも本末転倒な話であるため、お賽銭を入れる際には配慮しましょう。
硬貨の状態で気をつけること
お賽銭で使う硬貨は、その状態にも気を配ることが大切です。
例えば、汚れた硬貨やサビついたもの、ひどく曲がったり傷ついたりした硬貨は避けたほうがよいでしょう。
お賽銭は、神様への敬意を示すお供え物です。
神様に対して失礼に当たらないように、できるだけきれいな状態のお金を使い、心を込めて祈る気持ちを表しましょう。
外国のコインはお賽銭として適切?
外国のコインをお賽銭として使用するのは、できれば避けたほうがよいでしょう。
基本的に、日本の神社では日本のお金(日本円)を納めるのが正式です。
お賽銭を金融機関に入金する際、外国のコインは使用できません。
そのため、神社側としても管理や処理に困り、そのまま保管しているというケースも多いのです。
そうはいっても、外国人の中には自国の通貨を使用したいという方もいるかもしれません。
その場合は紙幣を使用するとよいでしょう。
また、対応に困った外国コインはユニセフに募金をしているという神社もあるようです。
募金も大切なことではありますが、神社が困ることのないように、できる限り日本円を使用しましょう。
神社で願い事をしてはいけないって本当?
「神社では願い事をしてはいけない」という話を、聞いたことはないでしょうか。
結論から言うと、神社で願い事をすること自体は間違いではありません。
しかし、その方法や考え方に誤解があることが多いです。
ここでは、神社参拝の本来の目的や正しい願い事の考え方について解説します。
神社参拝の本来の目的と感謝の気持ち
神社を願い事をする場所と捉えている人はいないでしょうか。
神社は本来、すでに授かっていることへの感謝を神様に伝えるための場所です。
神社参拝の際は、毎日を無事に過ごせていること、健康でいられること、大切な人たちがいることなど、たくさんの恵みを受けて生きているということに対して感謝し、神様にご挨拶しましょう。
例えば、初詣の際は「去年も無事に過ごせました。ありがとうございます」と先に感謝を伝え、その上で新しい年の平安を祈るのが正しい流れです。
お願いごとだけを伝えるのではなく、今ある幸せや健康への感謝から始めましょう。
願い事と神様への祈りの違い
願い事と祈りには、少し違いがあります。
願い事は「○○したい」「○○になりますように」というように、自分の欲求や希望を神様にお願いすることです。
一方祈りは、神様の力を信じ、感謝の気持ちを込めて、より良い方向へ導いていただけるようにお願いすること。
例えば「家族が健康でありますように」という願いは、家族の健康を願う気持ちを表す祈りとなります。
重要なのは、自分のことばかりを願うのではなく、他者の幸せや社会全体の平和を願う気持ちを持つことです。
神様は、利己的な願いよりも、利他的な祈りに耳を傾けてくれると言われています。
願い事をする際の正しい考え方
願い事をする際には、日頃の感謝以外にも大切なことがあります。
それは、具体的な目標を伝えることと、努力を誓うことです。
漠然とした願いでは、神様にもしっかりと認識してもらえません。
「〇〇のために、〇〇を達成したい」というように、具体的な目標を伝えましょう。
そして、願い事を神様に丸投げするような、他力本願も神様は聞き届けてくれません。
神様は、努力する人を応援してくれます。
「〇〇を達成するために、〇〇を頑張ります」というように、努力することを誓いましょう。
自分の運気を下げない願い事の仕方
神社で願い事をする際は、願い事の仕方によっては、逆に自分の運気を下げてしまう可能性もあります。
マイナスの気持ちを神様にぶつけたり、自己中心的なお願いばかりしたりすることは、神様に対して失礼にあたるためです。
他者の不幸を願う、復讐や報復を求める、常識的に見て不可能な内容、自分の責任を他者に転嫁する、神様を試す。
このような願いは、してはいけません。
こうしたマイナスな要素の強い願い事は、自分自身の心を穢すことになり、結果的に運気を下げる可能性があります。
自分の行いを振り返り、感謝の気持ちを忘れずに、前向きな気持ちで願い事をするように心がけましょう。
神社の参拝にタブーはある?

神社参拝には、知らないうちに行ってしまいがちなタブーやマナー違反があります。
古くから伝わる参拝作法には理由があり、それを知ることで神様への敬意を正しく表しましょう。
ここでは、参拝時に気をつけるべきマナーや避けるべき行動について詳しく解説します。
参拝者が知っておくべき基本的なマナー
神社での参拝には、守るべき基本的なマナーがあります。
これらは神様への敬意を表すために古くから伝わるものです。
まず大前提として神様の領域に入るため、日常よりも丁寧な立ち振る舞いが求められます。
難しいマナーはなく、神様に対して失礼にならないように、把握しておくとよいでしょう。
神社参拝時の基本マナーは以下のとおりです。
- 鳥居をくぐる前に一礼する
- 参道の中央は神様の通り道なので端を歩く
- 手水舎(てみずや・ちょうずや)で手と口を清める
- 本殿前では脱帽し、静かに行動する
- お賽銭を入れ、鈴を鳴らす
- 「二拝二拍手一拝」(二礼二拍手一礼)でお参りする
初詣や七五三など、参拝者が多く上記のマナーを守れない場合は気にしすぎる必要はありません。
基本的なマナーを理解し実践することで、より心地よく神様に向き合うことができるでしょう。
賽銭箱への正しいお金の入れ方
賽銭箱にお金を納める際にも、いくつかのマナーがあります。
まず、お賽銭を投げ入れるのは避けましょう。
お賽銭を投げ入れることで穢れを払うといった意味合いもあったようですが、今は賽銭箱にそっと入れるのが正しい作法です。
お賽銭は、昔はご神前にお米をお供えしていたものが、時代の流れとともにお金に変化したものであるため、神様へのお供え物だということを認識しておきましょう。
次に、お賽銭の種類についてです。
お賽銭は、お札でも硬貨でもどちらでも構いません。
ただし、お札の場合は、できるだけ新札を用意するのが望ましいとされています。
また、お賽銭の金額についても、特に決まりはありません。
自分の気持ちに合わせて、無理のない金額を納めましょう。
参拝時の作法で避けるべき行動
参拝時の作法にも、避けるべき行動がいくつかあります。
友人や家族と来ている場合は、ついおしゃべりしてしまうかもしれませんが、境内では、静かに過ごしましょう。
特に、本殿の前では、神聖な気持ちで手を合わせることで、自分の祈りや願いをしっかり神様に届けることができます。
また、写真撮影が禁止されている場所では、撮影を控えてください。
許可されている場所でも、周囲の人の迷惑にならないように注意が必要です。
境内での飲食は、基本的に禁止されています。
休憩所など、許可されている場所以外の場所で、飲食しないようにしましょう。
近年はペットとともに参拝したいという声もありますが、ペットを連れての参拝は、禁止されている場合が多いため、事前に確認しておいてください。
最後は喫煙についてですが、基本的に境内は禁煙です。
喫煙場所が設けられている場合は、そちらで喫煙しましょう。
これらの行動は、神社への敬意を欠く行為とみなされる可能性があります。
参拝する際には、周囲への配慮を忘れずに、正しい作法を守りましょう。
お賽銭と参拝のタブーを知って神様とのご縁を深めよう
お賽銭や神社参拝には、日本ならではの伝統やマナーがたくさんあります。
金額や硬貨の選び方、願い事の正しい伝え方、参拝時に気をつけるべき作法など、その伝統やマナーを知って守ることは、神様への敬意を表す大切な心がけです。
そんなに難しいことではないため、少し意識するだけでより清らかな気持ちでお参りでき、自分自身や家族、友人の幸せにもつながります。
正しい知識やマナーで神様と向き合い、ご縁をいっそう深めていきましょう。
神社でのひとときを、心静かに、誠実な気持ちで過ごしてみてください。
- お賽銭は縁起の悪い金額や硬貨を避けるのが基本
- 神社参拝の本来の目的は感謝の気持ちを伝えること
- 願い事は自己中心的にならず努力や感謝も込める
- お賽銭は静かに丁寧に納めるのがマナー
- 正しい参拝作法を守ることで神様とのご縁が深まる




