北枕は風水的にやめたほうがいい？なぜだめ？むしろ運気がアップする？

「北枕は縁起が悪い」と言われていますが、実は風水の本来の考え方では北枕は良いとされているのをご存知ですか？

この記事では、北枕の本当の効果から各方角の運気への影響、そして寝室全体の風水までくわしく解説します。

最適な寝室環境を整えて、毎日の睡眠から幸運を引き寄せましょう。

北枕は風水的には◎｜方角ごとの効果

「北枕は縁起が悪いから避けた方がいい」と、一度はそんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、風水の世界では、北枕はむしろ運気を上げるための良い方角とされています。

北だけでなく、それぞれの方角で期待される効果があり、その効果は方角ごとに異なるエネルギー（＝気）が流れているため、違いがあるということをご存知ですか。

風水では、寝室や枕の向きを変えることで運気をコントロールできると考えられているのです。

ここでは、方角ごとの効果について解説します。

北枕：恋愛運・健康運アップ

北枕は、恋愛運や健康運を高めたい人にとって、特におすすめの方角です。

風水において北は「水」の気を司ります。

水は、愛情や信頼関係を育むエネルギーを持つとされ、穏やかで深い人間関係を築く手助けをしてくれるのです。

また、男女間の結びつきを強める効果も期待できるため、恋愛運アップには最適な方角と言えるでしょう。

健康面では「頭寒足熱（ずかんそくねつ）」という言葉がありますが、これは頭を冷やし足を温めることが健康に良いという考えです。

日本では北が涼しく南が暖かいという地形であるため、北枕は質の高い睡眠を促し、心身の疲労回復を助けてくれると考えられています。

北枕は、地球の磁場の流れに沿って眠るため、血行が促進され体調が整いやすくなるという説もあるため、体調を整えたいなら北枕がおすすめです。

東枕：勉強運・才能運を高める

東枕は、勉強運や仕事運、そして若々しさや発展のエネルギーを高めたい人におすすめの方角です。

風水では、東は「木」の気を持ち、草木が芽吹きぐんぐん成長していくように、新しいエネルギーや発展、成長を促す力があるとされています。

そのため、東枕で寝ると、フレッシュな気持ちで目覚め、やる気や活力が湧いてくるでしょう。

特に、勉強や仕事において新しい知識を吸収したり、創造的なアイデアを生み出したりするのに適しています。

また、東は太陽が昇る方角であり、一日の始まりの象徴です。

朝日が持つ強力な陽のエネルギーは、頭の回転を速め、集中力を高める効果も期待できるでしょう。

若々しさを保ちたい、積極的に行動したいという人にも、東枕は良い影響を与えてくれます。

西枕：仕事運・金運を上げ安定させる

西の方角は、1日の終わりを象徴する方向であり、風水では収穫や安定、実りの意味があります。

西枕は、一生懸命努力してきた成果が現れやすくなるため、仕事運アップに効果的です。

西は「金」の気を持ち、豊かさや蓄財とも深く関連しています。

そのため、仕事で成果を上げて収入アップを目指したい人や、商売繁盛して経済の安定を願う人は、西枕で寝ると良いでしょう。

また、西枕は太陽が沈む方角であることから、リラックス効果や安定感ももたらします。

心を落ち着かせたい方や、家族との関係を穏やかに保ちたい方にもおすすめです。

南枕：人気運・才能運を引き出す

南枕は、人気運や才能運を高め、直感力や芸術的なセンスを磨きたい人におすすめです。

南は、太陽が最も高く昇り、その光が最も強く降り注ぐ方角です。

風水では「火」の気を持ち、情熱や華やかさ、美しさ、そしてインスピレーションを象徴します。

そのため、南枕で寝ることで、あなたの魅力や才能を最大限に引き出し、周囲からの注目を集める力を与えてくれるといわれているのです。

しかし、南は気が強すぎるため、敏感な人や疲れ気味の人は落ち着かず熟睡できない場合もあるでしょう。

体調や気分に合わせて方角を調整してください。

北東枕：転職・不動産取得に吉

北東枕は、人生の大きな変化を望むときや、財産を築きたいときに力を貸してくれる方角です。

風水では北東は変化や成長を象徴する方位とされ、人生の転機や新しいスタートに関わる運気を高める効果があると考えられています。

そのため、転職や転居、不動産の購入といった、新しいステージへ進む際にエネルギーを高めてくれるでしょう。

北東は「鬼門」とも呼ばれ、古くから日本では特別な意味を持つ方角です。

鬼門は悪い気が入りやすいとされる一方で、しっかりと整えることで大きな幸運を呼び込めるとも言われています。

北東枕にすることで、停滞した運気を動かし、人生を前向きに変化させる力を得られるでしょう。

北西枕：仕事運・勝負運が上がる

北西枕は、仕事で成功したい、社会的な地位を高めたい、あるいは大切な場面で実力を発揮したいと願う人に特におすすめの方角です。

リーダーシップや勝負強さを引き出し、目標達成を力強くサポートしてくれるといわれています。

風水において北西は、天や主人を象徴する方角とされ「金」の気を持つとされており、古くから、重要な役割を担う人物の寝室や玉座は北西に向けて配置されていました。

そのため、一家の主や組織のリーダーといった、責任ある立場の人に良い影響を与えると考えられています。

南東枕：対人運・旅行運を良くする

南東枕は、人との縁を広げたい、コミュニケーションを円滑にしたい、そして楽しい旅行に出かけたいと願う人にぴったりの方角です。

風水において南東は「風」を象徴する方角とされています。

風は情報を運び、物事を遠くまで広める力を持っているため、新しい人との出会いや、有益な情報を引き寄せ、人間関係を豊かにしてくれるでしょう。

また、交渉事やコミュニケーションをスムーズに進める力も与えてくれるため、営業職の人や、多くの人と接する機会の多い人にもおすすめです。

南西枕：家庭運・結婚運に効果

南西枕は、温かい家庭を築きたい、結婚して幸せになりたい、そして安定した穏やかな生活を送りたいと願う人に、特におすすめの方角です。

家庭円満や子宝、そして努力が実を結ぶといった効果が期待できるといわれています。

風水において南西は「土」の気を持ち、大地や母を象徴する方角です。

大地が作物を育み、母が子を慈しむように、安定感や育成、そして包容力といったエネルギーに満ちています。

そのため、南西枕は、家庭内の調和を促し、家族みんなが安心して暮らせる環境を作るのに適しているでしょう。

結婚運を高めたい人や、夫婦関係を円満に保ちたい人、子宝に恵まれたいと願う人にとっても、非常に良い影響を与えてくれるためおすすめです。

北枕はなぜだめ？やめたほうがいいと言われる理由

北枕について「なんとなく縁起が悪い」「やめたほうがいい」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

実は、北枕が嫌われる理由には、日本独自の風習や歴史的背景などが深く関係しています。

ここでは、なぜ北枕がだめとされてきたのか、その理由や背景について解説しましょう。

理由①：亡くなった人を北枕で寝かせる風習がある

北枕が縁起が悪いと言われる最も大きな理由は、日本では亡くなった人を安置する際に北枕にするという風習があるためです。

この風習の起源は、仏教の開祖であるお釈迦様が亡くなられた時の姿にあるといわれています。

お釈迦様は、頭を北に、顔を西に向け、右脇を下にして横たわって涅槃（ねはん：全ての煩悩から解放された悟りの境地、つまり死）に入られたと伝えられています。

この「頭北面西右脇臥（ずほくめんさいうきょうが）」という姿に倣い、亡くなった方を北枕で寝かせることが、故人が安らかに旅立てるように、そしてお釈迦様のように悟りを開けるようにという願いを込めた作法として広まりました。

こうした背景から、生きている人が亡くなった人と同じように北枕で寝ることは、死を連想させたり死を招いたりするのではないかという考えが生まれ、縁起が悪い、不吉であるとして避けられるようになったのでしょう。

理由②：古来の日本家屋では北側が寒く湿気が多かった

北枕が避けられるようになったもう一つの理由として、昔の日本の家屋構造と、それに伴う生活環境の問題が挙げられます。

現代の家のように断熱性や気密性が高くなかった時代、家の北側にある部屋は、日当たりが悪く、一年を通して寒くてジメジメしやすい場所でした。

特に冬場は、北風が吹き付けることもあり、北側の部屋は家の中でも冷え込みやすい場所だったため、北側に枕を向けて寝るのは不健康、避けた方がいいという認識が広がったのでしょう。

現代では住宅性能も向上し、北側の部屋でも十分暖かく快適な寝室が作れるため、昔ほど気にする必要はありません。

しかし、ご年配の方の中には今も「北は体によくない」と考える方が多いようです。

北枕に対する日本と海外の考え方の違い

ここまで、日本で北枕が避けられる理由について見てきましたが、実は世界に目を向けると、北枕に対する考え方は大きく異なります。

特に風水の本場である中国や、インドの伝統的な建築学などでは、北枕はむしろ良いもの、運気を上げるものとして推奨されています。

欧米でも特定の方角を忌み嫌う文化はあまり見られず、ベッドの位置や置き方は好みや間取り、日当たり重視で決めるのが一般的です。

こうした海外の価値観と比べると「北枕＝悪い」という認識は、日本独自の考え方であることがお分かりいただけるでしょう。

枕以外｜寝室に取り入れたい風水

枕の向きだけでなく、寝室全体の環境を整えることも、良い運気を呼び込むためにはとても大切です。

一日の疲れを癒し、新たなエネルギーをチャージする寝室は、風水において最も重要な場所の一つといえるでしょう。

ここでは、ベッドの配置から寝室の色選び、さらには小物使いまで、今日からすぐに実践できる寝室の風水術をご紹介します。

心地よい寝室作りで、ぐっすり眠れて運気もアップする、そんな理想の空間を目指しましょう。

ベッドとドアの配置を工夫して運気アップ

風水では、寝室のドアとベッドの位置関係が特に重要視されます。

最も避けたいのは、ベッドがドアの真正面にある配置です。

ドアは気の出入り口であり、そこから入る気は時に勢いが強すぎることがあります。

ドアの真正面にベッドがあると、強い気が寝ている自分に直接当たり、無防備な状態の心身に負担がかかってしまうのです。

落ち着いて眠れなかったり、悪い夢を見やすくなったりするといわれているため、避けたほうがいいでしょう。

理想的なのは、ドアから斜めの位置にベッドを配置し、ヘッドボードを壁につけることです。

これにより「気」が安定し、安眠効果が高まります。

部屋の広さが限られる場合は、パーテーションや背の高い家具で仕切りを作ると効果的です。

寝室に適した色選びで心身を整える

寝室の色使いも風水において重要な要素です。

色は私たちの心理状態や体調に直接影響を与えるため、目的に合った色を選びましょう。

寝室に特におすすめなのは、アースカラーと呼ばれるベージュ、ブラウン、アイボリーといった自然を連想させる色や、淡いグリーン、ラベンダー、パステルブルーなどの優しい色合いです。

これらの色は心を穏やかにしリラックス効果を高めてくれるため、枕カバーやカーテンなどに使用すると、質の高い睡眠へと導いてくれます。

健康運を高めたい場合は、安心感や癒しを与えるグリーン系や、木の温もりを感じさせるブラウン系が良いでしょう。

恋愛運や結婚運をアップさせたいなら、優しさや愛情を象徴する淡いピンク系、金運アップさせたい場合は、落ち着いたイエロー系やクリーム色など、あなたの叶えたい未来によって色を決めるのもおすすめです。

鏡の位置と向きに注意して気の流れを良くする

寝室に鏡がある場合は、配置や向きに特に気をつけましょう。

風水では、鏡は気（エネルギー）を跳ね返す力が強いため、良い気だけでなく悪い気も跳ね返してしまう性質があります。

寝室で最も注意したいのは、自分の寝ている姿が鏡に映り込んでしまう配置です。

寝ている間は、私たちの魂が無防備な状態になっています。

その無防備な姿が鏡に映ると、鏡の中の自分と気が反発し合ったり、自分の気が鏡に吸い取られてしまったりして、エネルギーが消耗し疲れが取れにくくなったり悪夢を見やすくなったりするでしょう。

鏡は、ベッドの正面や真横など、寝姿が直接映らない場所に置くことが基本です。

ドレッサーなど、どうしても寝姿が映り込んでしまう位置に鏡がある場合は、寝る前に布をかけて鏡面を覆うようにしましょう。

観葉植物の選び方と置き場所で運気を高める

観葉植物には空間の気を浄化したり、活性化させたりする役割があるといわれています。

風水においても、観葉植物は生き生きとしたエネルギーを発し、部屋の気の流れを良くしてくれるアイテムとして非常に重要視されているのです。

特におすすめなのは、パキラ、ポトス、サンスベリア、アイビーなど葉が丸く柔らかい形状のものや、根をしっかり張るパワーのある種類です。

逆に、トゲトゲしたサボテンや強すぎる香りの植物は寝室では避けた方が良いでしょう。

置き場所としては、部屋の隅や、気の流れが滞りやすい場所に置くと、悪い気を浄化し、気の巡りを良くしてくれる効果が期待できます。

ただし、ベッドの頭のすぐ近くに置くと、寝ている間に植物の気が直接当たりすぎて、かえって落ち着かなくなる場合もあるため、少し離れた場所に置くのが良いでしょう。

北枕を賢く取り入れて寝室から幸運を呼び込もう

「北枕は縁起が悪い」というイメージは、日本の古い風習から来ていますが、風水ではむしろ健康運や恋愛運を高める良い方角です。

東枕なら才能運、西枕なら金運といったように、目的に合わせて他の枕の向きを選ぶのも良いでしょう。

大切なのは、古くから伝わる意味や背景をしっかり理解し、自分や家族が心からリラックスできる環境を整えることです。

また、枕の向きだけでなく、ベッドやドア・鏡・色・観葉植物などの工夫も運気アップの鍵となります。

自分に合った風水を生活に上手に取り入れ、心地よい寝室で幸運を呼び込みましょう。