睡蓮(スイレン)の花言葉とは?怖いと言われる由来や花の色別で意味を解説
睡蓮(スイレン)は、水面に浮かぶような花姿が神秘的で美しい花。
睡蓮鉢(スイレン鉢)で金魚やメダカを一緒に育てるビオトープや、モネの絵画でも人気の花ですが、どんな花言葉があるか知っていますか?
実は、睡蓮の花言葉にはちょっと怖いものもあるのです。
この記事では、睡蓮の基本情報と花言葉や由来、色別の意味を紹介しています。
Contents
睡蓮(スイレン)の基本情報と特徴
睡蓮(スイレン)は、スイレン科スイレン属で、世界中に広く分布しており、いろいろな品種がある多年生の水生植物。
睡蓮は、7月7日と7月24日生まれの人の誕生花です。
はじめに、睡蓮の基本情報と特徴、ハスとの見分け方について解説しましょう。
睡蓮の特徴
睡蓮の特徴は、水の中から茎が伸びて育ち、葉や花がまるで水面に浮かんでいるように見えることです。
池の底など泥の中に根を張り、水中から伸びる茎が水面から出てから葉や花をつけ、水面に浮かぶように育ちます。
地下茎から伸びた花柄の先に1つずつ花が付き、水面で開花するため、水に浮いているように見えるのです。
エジプトではナイル川の水かさが増す時期に、睡蓮の白い花が水面を覆う様子から「ナイルの花嫁」という呼び名もあります。
名前の由来
睡蓮という名前は、睡蓮とハス(蓮)が似ていることに由来しています。
睡蓮の花は、日が昇ると開花して夕方になると眠るように花を閉じることから「眠る蓮」という意味の「睡蓮」と呼ばれるようになりました。
日本に自生する睡蓮の一種「ヒツジグサ」は、現在で言うと午後2時を意味する「羊(ヒツジ)の刻」頃に、花が閉じることからつけられた名前です。
また、スイレン属の属名Nymphaeaは、ギリシャ語で「水の妖精」を意味するnymphaiaを語源とする名称です。
睡蓮の種類
睡蓮の種類を大きく分けると、寒さに耐えられる温帯スイレン、寒さに耐えられない熱帯スイレンの2種類です。
温帯スイレン(温帯性スイレン)は、耐寒性があり屋外に置いたままでも冬を越せます。
花の色は、ピンク、赤、白、黄色などです。
熱帯スイレン(熱帯性スイレン)は、15℃以下では生育できないため、冬には温かいところで育てるか休眠させる必要があります。
花の色は、紫、青、赤、ピンクなどで、昼咲きや夜咲きなど品種が豊富なことから、人気があります。
ハスとの違い
睡蓮の名前の由来ともなっているハス(蓮)は、睡蓮と似ている水生植物ですが、見分け方のポイントは2つあります。
1つ目は葉の形で、葉に切れ込みがある方が睡蓮で、切れ込みがない方がハスです。
今度モネの絵を見たら、葉に切れ込みがある睡蓮かどうか、チェックしてみて下さいね。
見分け方の2つ目は、水面から出た茎の長さです。
睡蓮は花や葉が水面に浮かぶように育ちますが、ハスは成長すると水面より高い位置まで茎が伸びます。
葉や花が水面から空中に高く伸びた茎から出ていればハス、花や葉がほとんど水に浮いている状態なら睡蓮です。
睡蓮の花言葉と由来
古代から人類に親しまれている睡蓮の花には、水面に浮かぶように咲く姿や、可憐でスピリチュアルなイメージからつけられた、いろいろな花言葉があります。
続いては、睡蓮の花言葉と意味、由来を紹介しましょう。
清純な心
睡蓮の花言葉「清純な心」は、白く透明感のある、睡蓮の花のイメージからつけられた花言葉。
観賞用の睡蓮と違って、昔から自生している睡蓮には白い花が多く、暗い水面に浮かんでいるように見える白い花は、純潔さや清純さを連想させます。
また、池や沼などの底にある暗い泥の中から、上に向かって成長して、水面で清々しい花を咲かせる睡蓮は、純粋で清らかな心を持つ人のイメージがあります。
英語圏でも睡蓮の花言葉は「purity of heart(清らかな心)」なので、海外のお友達に睡蓮をプレゼントする場合も、別の花言葉があるかと気にする必要はありません。
信仰
古代から世界中で人々に親しまれてきた睡蓮には、宗教的なモチーフといった印象があるため「信仰」という花言葉もあります。
睡蓮は、日が昇る時に花が開いて夕方に日が落ちる頃に花を閉じるため、古代エジプトでは睡蓮の花は太陽や生命のシンボルとして、建造物の装飾などでよく使われていました。
仏教では、泥の中から両手を挙げているように見える睡蓮や蓮の花を総称して「蓮華」と呼び、仏教のシンボルとなる花として今も尊ばれています。
信頼
睡蓮の花が開く前には、丸く大きなつぼみがゆっくりと時間をかけて膨らんでいきます。
その姿は、自分の中にしっかりと真心を包みこんでいる、誠実な人格を連想させるでしょう。
睡蓮の花言葉「信頼」は、そのような睡蓮が開花する時のゆったりとして、落ち着いた雰囲気からつけられたのかもしれません。
花が開く時は、ゆっくりと一枚ずつ大きな花びらが開いていくため、決して慌てることのない落ち着いた人物の、丁寧な所作を思わせるような開花を見られるでしょう。
愛情
睡蓮の花言葉には「信頼」と同じように、大切なものをしっかりと包みこんでいるように見える、ふっくらしたつぼみの形からイメージできる「愛情」という花言葉もあります。
太陽の光を受けて、ゆっくりと花が開いていく睡蓮のつぼみは、お互いの気持ちを通わせながらじっくりと愛を育てていくプロセスを連想させるでしょう。
好きな人や大切な方への愛情を示すギフトとして、美しい睡蓮の花をプレゼントしてみるのも素敵ですね。
睡蓮の怖い花言葉とは?
睡蓮には、あまり知られていませんが、怖い花言葉もあります。
由来がわかると納得できるのですが、初めて聞くとドキッとするかもしれません。
次は、睡蓮の怖い花言葉や、その由来を紹介しましょう。
「終わった恋」「冷淡」
睡蓮の怖い花言葉「終わった恋」「冷淡」は、ギリシャ神話を由来とした花言葉です。
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは、かつて妖精ニンフと愛し合っていました。
しかし、ある日ヘラクレスは心変わりをして、ニンフを捨ててしまったのです。
深く悲しんだニンフはナイル川に身を投げて、自らの命を絶ちました。
神話では、彼女をかわいそうに思った神々が、ニンフを睡蓮の花に変えたと言われています。
この話が由来となり、2人の関係を表す「終わった恋」や、ヘラクレスの心変わりを意味する「冷淡」が、睡蓮の花言葉になりました。
「滅亡」
睡蓮には、さらに「滅亡」という恐ろしい花言葉もあります。
その由来は、睡蓮の花を太陽のシンボルとして信仰していた古代エジプト文明だと言われています。
古代エジプトは栄華を極めた時代もありましたが、時代の流れの中で滅びてしまったことから、睡蓮に「滅亡」のイメージが生じたのです。
睡蓮の花は、過ぎ去った過去の文明に思いを馳せるとともに、現代の私たちに滅びることのはかなさを伝える花なのかもしれません。
古代エジプトでは、亡くなった人の復活を願い、復活のシンボルでもある睡蓮の花を棺の上に置いて、弔う習慣もあったそうです。
睡蓮の花言葉は色別に意味がある?
睡蓮は、白色の他に黄色系、ピンク系、青・紫系など、鮮やかな花色が楽しめるのも魅力的な植物で、睡蓮全般の花言葉とは別に、色別の花言葉もあります。
最後に、睡蓮の花の色別に、花言葉と意味を紹介しましょう。
白の睡蓮
白い睡蓮の花言葉は「純粋」「純白」「清浄」です。
睡蓮全般の花言葉と同じように清潔なイメージで、暗い水面から浮かび上がるように咲く、輝くような純白の花や、花色の印象からつけられた花言葉だと言えるでしょう。
白い睡蓮の花のピュアで汚れのない姿は、心の美しさも象徴しているような花なので、清純な心を持った女性や男性へのギフトにもおすすめです。
ピンクの睡蓮
睡蓮には、淡いピンクから鮮やかなピンクまで、豊富な色味のピンク系の花を咲かせる種類が揃っています。
ピンク系の睡蓮の花言葉は、色の濃さには関係なく、全て「信頼」です。
水面でひときわ目を引くピンクの睡蓮の花は、存在感十分の華やかさがあります。
見る人の心を和ませてくれるような温かみや、安心感を覚えさせてくれる色のイメージから、つけられている花言葉なのでしょう。
黄色い睡蓮
クリーム色のような柔らかく薄い黄色や、キュートな印象のある元気な黄色い花を咲かせる睡蓮もあります。
黄色い睡蓮の花言葉は「優しさ」と「甘美」です。
暗く活気のないところに当てられた光のようで、寂しい気持ちに寄り添ってくれるような、黄色の活力のあるカラーからイメージされた花言葉なのでしょう。
黄色い睡蓮には、見る人の心を甘く心地よい気持ちで満たしてくれるような、艶やかな雰囲気もありますよね。
青・紫の睡蓮
観賞用の睡蓮や熱帯性スイレンの中には、深く落ち着いたブルーや、エキゾチックな紫色など、ビビッドな寒色系の花を咲かせる品種もあります。
花言葉はピンクの睡蓮と同じ「信頼」ですが、エレガントで力強い印象を与えるカラーから連想される花言葉なのでしょう。
目が覚めるような、くっきりとした青色の睡蓮には「知恵」「自己覚醒」などの、知的な意味の花言葉もあります。
睡蓮の花言葉は「清純な心」!プレゼントするなら色別の意味や由来も確かめよう
睡蓮は、水底の泥に根を張って茎を伸ばし、水面で葉や花をつけるため、浮いているように見える神秘的な花です。
「眠る蓮」と書く名前が示すようにハス(蓮)に似ていますが、葉の形や茎の長さで見分けられるでしょう。
花言葉は「清浄な心」「信仰」「信頼」などで、暗い水の中から浮かび上がるように咲く姿や、宗教的なシンボルにされてきたことなどからイメージされています。
また、ギリシャ神話や古代エジプト史に由来する「終わった恋」「滅亡」など、ちょっと怖い意味もあります。
睡蓮全体の花言葉の他に、花色別の花言葉もあるので、ギフトにするなら色別の花言葉や由来も確かめて贈るのをおすすめします。
- 睡蓮は水底から伸びて葉や花が水面に浮かんでいるように見える水生植物
- 古代より世界中で親しまれ、花が閉じる時間や蓮に似ていることから宗教的なシンボルにもなっている
- 花言葉は花のイメージから「清浄な心」「信仰」「信頼」などがある
- ギリシャ神話や古代エジプト史に由来する、怖い花言葉もある
- 睡蓮をギフトにするなら、花言葉や色別の意味もチェックして贈ろう