新しい結婚の形「共生婚」とは?夫婦に訪れるメリット・デメリットを紹介
近年、個人の性質や趣向において多様性が認められるようになってきましたよね。
婚姻関係においても、夫婦がルームシェアのように別々に生活を送る共生婚という新しい形が生まれています。
お互いに恋愛感情はなく、文字通り「共に生きる」だけの結婚です。
「従来の結婚には興味がないけど、共生婚は自分の価値観に近いかも」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、共生婚のメリット・デメリットや共生婚を決めたときの注意点について紹介します。
将来の選択肢の1つとして視野に入れてみてください。
新しい結婚の形「共生婚」とは?
そもそも共生婚というのはどのようなものなのでしょうか。
ここではその詳しい内容について解説します。
男女のルームシェア感覚
共生婚と1番近い感覚はルームシェアです。
それぞれ自立した男女が同じ家で共同生活しているだけなので、束縛や干渉は一切ありません。
生活する部屋や、生活費の管理も別々です。
基本は自分の部屋で過ごして、時間が会えば一緒に食事をとったりテレビをみたりするという結婚生活になります。
恋人同士の触れ合いはない
恋人の関係性でないというのも共生婚の特徴の1つ。
あくまで男性と女性が一緒に暮らしているだけなので、恋愛感情はなくセックスもしません。
共生婚は恋愛関係ではなく信頼関係で結ばれているパートナーといえます。
中には、必要に応じて「妻」「夫」の役割をきちんと果たす契約を結んでいるケースもあります。
この場合いわば、そのための結婚でもあるといえるでしょう。
同居との違いは?
共生婚がルームシェアや同居と違う点は、婚姻届を提出していることです。
「親を安心させたい」「周りの目を考えて既婚者という肩書きが欲しい」という理由で同居ではなく共生婚を選ぶ人が多いようです。
ただし、一般的な同居とは違い、名前が変わったり、相手の親族との付き合いができたりと2人だけの問題ではなくなることには注意が必要です。
「共生婚」のメリット・デメリット
お互いに干渉しない新しい結婚の形である共生婚。
従来の結婚に窮屈さを感じていた人にとっては魅力的に映りますよね。
しかし、共生婚にはメリットだけでなくデメリットも存在するので、行動に移す前に把握しておきましょう。
メリット:結婚しても自分ペースで過ごせる
結婚しても自分の生活スタイルを崩さなくていいのは、共生婚の大きなメリットです。
夫婦生活を送る上で仕事をやめたり、趣味の時間を減らしたりする必要はありません。
自分の時間がなくなるのが嫌で結婚したくないという人にとっては、ぴったりです。
メリット:助け合える安心感がある
経済的、精神的に自立していてもずっと1人で暮らすことに不安を感じることもありますよね。
共生婚ならば、何かあったときにお互い助けあえるという安心感があります。
誰かが近くにいて、心の支えになってくれるのも共生婚のメリットの1つです。
メリット:フラットな関係でいられる
いくら好きな人でも、ずっと一緒に生活していると不満が溜まってきますよね。
相手に期待してしまう分、失望することも多くなります。
相手の嫌なところばかり目についてしまうこともあるでしょう。
お互いに干渉することがないのでフラットな関係を保てるのも共生婚のメリットです。
程よい距離感をキープできるので、トラブルが起きても感情的にならず冷静に対処できます。
メリット:感覚の違いで揉めることがない
どんなに相性のいい夫婦でも、夫婦生活を送る上で価値観のずれは必ず生じます。
夫婦が揉める原因のほとんどがこの感覚(価値観)の違いが原因と言っていいでしょう。
共生婚ならば、そもそも生活スタイルを合わせる必要がないので、感覚の違いで揉めることがありません。
ストレスのない夫婦生活を送れるのも、共生婚ならではといえるでしょう。
デメリット:好きな人ができたら困る
共生婚は恋愛感情のない婚姻関係なので、配偶者以外に好きな人ができてしまう可能性があります。
共生婚のパートナーと婚姻関係を結んでしまっている以上、好きな人と結ばれるためには不倫か離婚という選択肢を取らざるを得ません。
共生婚をしてしまったがために、本当に好きな人を諦めなくてはいけないこともあるでしょう。
共生婚をするときには、本命の相手ができたときのリスクを理解しておくべきです。
デメリット:夫(妻)を介護できるか
共生婚をすれば、恋愛感情がなくとも婚姻関係にあるので、一生を共にすることになります。
年を重ねていけば、どちらかが介護が必要になることもあるでしょう。
そのときに、単なる同居人の関係に近いパートナーを介護できる覚悟があるかというのは深刻な問題です。
また、それは介護する側だけでなく介護される側になった場合も同様です。
共生婚は、若く元気なうちは楽だと感じるかもしれませんが、年をとったときに大きな負担になる可能性があります。
デメリット:義理親の介護問題がある
結婚は2人だけの問題ではなく、お互いの家族も関わってきます。
義父母が体調を崩して介護が必要になったときに、「共生婚なので私は関わりません」と切り捨てるのはなかなか難しいですよね。
パートナーは理解していても、周りの人たちから白い目で見られることもあるでしょう。
共生婚をする前に、「結婚は自分だけでなく家族がつながる」という重みを理解しておかなくてはなりません。
「共生婚」を決めたときの注意点
共生婚は新しい結婚の形なので、思いがけない落とし穴があるかもしれません。
従来の結婚では起こりえないトラブルが起きることもあるでしょう。
最後に共生婚を決めたときの注意点を紹介するので、パートナーと共有してください。
夫婦のルールを決める
それぞれ自由に過ごすとはいえ、同じ家で暮らす以上しっかりとルールは決めておくべきです。
共有スペースの掃除分担や、どちらかが体調を崩したときの対応など細かくルールを定めておけば後々揉めることがありません。
快適に暮らしていくために、最初に話し合いをして価値観のすり合わせをしておきましょう。
また恋愛事情についても話し合っておく必要があります。
「恋人は作ってもいいのか」「風俗を不倫とみなさないか」など、あくまで戸籍上は婚姻関係にあるのですから、リスク回避の意味も込めてルールを決めておくと安心でしょう。
信頼関係を築いてから結婚する
恋愛感情がない結婚をするのですから、2人の間には強い信頼関係が必要です。
「この人といると楽だから」というような軽い気持ちではなく、「この人と一生を共に過ごしていけるか」をしっかり考えなくてはなりません。
この先何十年と一緒にいられるような尊敬できる相手を選びましょう。
子どもについて話し合う
共生婚は基本的に肉体関係を伴わないので、子どもができることはありません。
そのため、子どもが欲しいときにはきちんと話し合う必要があります。
とくに女性にとって妊娠や出産というのはデリケートな問題ですよね。
2人で暮らしていくのか、子どもを作るのか、将来のプランを共有しておきましょう。
老後・遺産について話し合う
共生婚をするときには老後のことまで考えておかなくてはなりません。
お互いの介護や遺産についてもどうするか決めておきましょう。
あらかじめ決めておかないと、親族とトラブルになる可能性があります。
共生婚をするならしっかり将来を話し合おう!
共生婚は従来の形式に縛られない新しい結婚の形です。
一緒に住んでいながらお互いが干渉することなく、自由に生活できます。
しかし、新しい形であるために、従来の結婚では起こりえない問題が出てくる可能性があります。
共生婚をするならばお互いの価値観や将来のプランをしっかりとすり合わせなくてはなりません。
女性の場合「ママになりたい人」「専業主婦になりたい人」は共生婚には向いていないでしょう。
男性も然り「家事を任せたい人」「癒してほしい人」には向いていません。
自分がどのような結婚生活を送りたいのか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
関連記事も参考にしながら、自分らしいライフスタイルを送りましょう!
- 共生婚とは、恋愛感情のない男女が婚姻関係を結んで同居する新しい結婚の形である
- 共生婚は「結婚しても生活スタイルを変えなくて良い」「助け合える安心感がある」「フラットな関係でいられる」などのメリットがある
- 共生婚のデメリットは「好きな人ができたときに困る」「愛がなくともお互いの介護ができるか」などがあげられる
- 共生婚を決めるときの注意点は「夫婦のルールを決める」「信頼関係を築く」「子どもについて話し合う」などがある