現代病「スマホ依存症」を改善しよう!原因・体への不調・治す方法を解説
スマホはネット検索やゲーム、動画鑑賞などさまざまな役割があり、子供から大人まで欠かせないアイテムになっています。
しかし、スマホは依存性が高いため、使いすぎると「スマホ依存症」になって心身や生活に悪影響を与えることがあります。
現代病ともいわれるスマホ依存症はどのように対処すればいいのでしょうか。
今回は、スマホ依存症が起こる原因、スマホ依存症から起こる不調、治す方法など、スマホ依存症対策情報を詳しく紹介します。
Contents
スマホ依存症とは?
スマホ依存症(スマートフォン依存症)の明確な定義はありませんが、一般的には「常にスマホが手放せなくて、操作していないとソワソワしたりイライラしたりする状態」が当てはまります。
スマホ依存になると気持ちが落ち着かず、日常生活に支障が出ることがあります。
とくに、子供のスマホ依存は学業や健康に影響を与えるため、心配する保護者も少なくありません。
子供のスマホ利用の割合は?
実際に子供(未成年の学生)はどのくらいスマホを使っているのかチェックしていきましょう。
内閣府の「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年の95.8%(中学生:97.4%・高校生:98.9%)がネットを利用していると回答しています。
そのうち、スマホでネットを利用していると回答した割合は67.1%という結果が出ているため、中高生はスマホを使う機会が多いことがわかります。
ネット利用の1日の平均時間は、約205分(小学生・中学生・高校生の平均)。
3時間以上の割合は全体の52.1%と、前回の調査・令和元年度の46.6%を上回る結果となっています。
子供の頃からスマホでネット利用することが当たり前となっている現代社会では、スマホ依存率が高まるのも納得でしょう。
参考:内閣府:令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)
スマホ依存症になる原因
スマホ依存症になる原因はさまざまですが、スマホの利便性や情報量の多さが関係しているのは間違いないでしょう。
具体的にどのような原因があるのか紹介していきます。
SNSの普及
LINE・Instagram・Tik Tok・TwitterなどSNSの普及によって、アプリを開けばすぐにいろいろな情報に触れることができるようになりました。
SNS上では好きな有名人や友達の投稿を見たり、興味や関心があることを共有できたりと気軽に娯楽に触れることができます。
そのため、SNSを利用する頻度が多くなり、スマホ依存につながるのも当然でしょう。
SNS・ゲーム・動画が尽きない
スマホで気軽に見られるSNS・ゲーム・動画などのコンテンツは終わりがありません。
これらは常に更新されていて、飽きないように作られているからです。
「気になる動画を見ていたら他の動画も続けて見てしまう」「いつの間にか長時間経っていた」という経験がある人も多いでしょう。
尽きない情報を追いかけて、気がついたら依存症になってしまうことも少なくありません。
コミュニケーションの場になっている
現代ではSNSでのつながりが強く、友人やフォロワーとコミュニケーションを楽しむためにスマホの使用頻度が増えている人もいます。
SNSにすぐアクセスしたいという気持ちから、肌身離さず持っていることも珍しい光景ではありません。
「仲間はずれにされたくない」「返信がないのが気になる」など、不安感からスマホ依存傾向が高まるケースもあります。
治療が必要になるスマホ依存症の影響
スマホ依存症は心身に悪影響を与えて、治療が必要となる不調が起こる場合があります。
スマホ依存症の代表的な健康への影響を紹介します。
肩こり
スマホは下を向いて使うことが多いため、頭を支えている首に大きな負担がかかります。
長時間スマホを使えば首から肩の血行が悪くなり、肩こりが起こる原因となります。
腰痛
前かがみの姿勢は、腰に約200kgの負担をかけるといわれています。
スマホを使うときは、目線が下向きになり気が緩んで前かがみになりがちです。
そのため、腰の関節のズレや血行不良などから腰痛を引き起こしやすくなります。
眼精疲労
近くのものを見るときは、目のピントを合わせる毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉が緊張状態になります。
ずっとスマホを見続けると、毛様体筋の緊張状態が続いて眼精疲労につながります。
猫背・巻き肩
スマホをうつむいて使い続けると、猫背や巻き肩になるケースもあります。
猫背や巻き肩は見た目が悪くなるだけだけでなく、たるみやむくみ、太る原因にもなります。
姿勢の悪さから、肩こりや冷え性、腰痛、便秘などの不調を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
ストレートネック
ストレートネックは、下を向く姿勢によって首の骨のカーブがまっすぐになってしまうことをいいます。
スマホの使いすぎが原因となるため、スマホ首と呼ばれることもあります。
ストレートネックは首や肩のコリ、頭痛、手の痺れ、めまい、吐き気など、さまざまな症状を引き起こすので、安易に受け止めずしっかり予防しましょう。
ドライアイ
スマホを見るときは集中してまばたきが減ってしまい、涙の減少や質の低下からドライアイになりやすくなります。
ドライアイになると、目の乾きや疲れ、ゴロゴロ感、かすみなど目に違和感を抱き、集中力低下につながります。
スマホ老眼
20代・30代にも関わらず、「近くのものがぼやける」「夕方になると見えづらい」と、目の悩みを抱える人も少なくありません。
実はこのような症状は現代人に多く、「スマホ老眼」と呼ばれています。
スマホを近くで見続けることが原因となり、加齢による老眼と同じように目のピント調節機能が低下すると症状が現れます。
うつ病
スマホ依存は脳疲労を起こし、思考力・意欲低下の原因になります。
自律神経も乱れやすくなるため、睡眠障害やうつ病につながる恐れがあることは見過ごせません。
子供だけじゃない|スマホ依存症診断
KDDI・KDDI総合研究所・国際電気通信基礎技術研究所が大人の男女(20~69歳)を対象にした調査によると、コロナ前と比べてコロナ禍のほうがスマホ使用の機会が多くなっていることがわかっています。
さらに、スマホ依存・インターネット依存症・ゲーム依存症(ゲーム障害)を示す割合が1.5倍以上に増えたという結果が出ています。
参考:コロナ禍でスマートフォン利用時間が増加し、ゲーム障害、ネット依存傾向の割合は1.5倍以上増加 | 2021年 | KDDI株式会社
スマホ依存が懸念されるのは、子供だけではありません。
「もしかすると自分も依存状態になっているかも…」と感じた人は、スマホ依存度をチェックしてみましょう。
以下の項目に多く当てはまるほど、スマホ依存の可能性が高くなります。
【スマホ診断チェックリスト】
- スマホを目覚まし代わりにしている
- スマホでタスク管理している
- スマホの触りすぎで仕事が捗らない
- 仕事中もスマホが気になる
- スマホがないとイライラする
- SNSのチェックは欠かせない
- いつも時間オーバー気味にスマホを使う
- トイレにもスマホを持っていく
- 周囲からスマホ依存症と言われる
- スマホなしは我慢できない
- スマホゲームが大好き
- 充電器を常に持ち歩いている
スマホ依存症の治し方
スマホ依存傾向があるなら、悪化させないように対策をとりましょう。
最後に、スマホ依存症の治し方を紹介します。
通知設定をすべてオフにする
通知が鳴るとスマホに意識がいってしまうため、仕事や勉強の邪魔になります。
重要な通知はバイブにして、ゲームなどの通知設定はすべてオフにしましょう。
ミュートにすることで、スマホを気にする機会が少なくなりますよ。
不要なアプリは削除する
SNSやゲーム、動画などは依存度が高く、一度見だしたら止まりません。
「深夜になってもやめられない」「ちょっとした隙間時間でもSNSを開けてしまう」そんな人は、アプリ自体を削除してしまいましょう。
アプリを消してしまえば、つい開いていた習慣がなくなって時間を有効活用できるようになるはずです。
アプリを消したくない場合は、非表示にしたりフォルダに隠したりして簡単にアクセスできないようにしましょう。
見えないところにスマホを保管
スマホはテーブルの上など目に見える場所に置きがちです。
目に入るとすぐに手に取ってしまうので、バッグや引き出しの中など見えないところに保管するようにしましょう。
友達・恋人に協力してもらう
自分だけでスマホ依存を克服するのが難しいときは、友達や恋人に協力してもらうと対策しやすくなります。
目標を達成したときは報告して一緒に喜んでもらったり、スマホを長時間操作しているときは注意してもらったりしましょう。
人に見られていると感じれば、努力しやすくなりますよ。
スマホ離れする時間を作る
スマホの利用時間を短縮するために、スマホ離れする時間を作りましょう。
「寝室には持っていかない」「食事中は触らない」「お風呂やトイレに持っていかない」など目標を立てて、徐々にスマホを使わない時間を延ばしていくのがおすすめです。
最近では使用時間を制限したり一定時間スマホをロックできたりするスマホ依存アプリがあるので、うまく活用してみるといいですね。
他のことに集中する
スマホを気にしないようにするには、他のことに集中するのも効果的です。
電車の中や待ち合わせ中などスマホを触りがちな時間は、文庫本などを持ち歩いて読書をするとよいでしょう。
スマホ依存を解消するために、新しい趣味を始めるのもおすすめです。
スマホ依存症を卒業して時間の大切さを思い出そう!
スマホ依存は、子供から大人まで陥る可能性がある現代病として問題視されています。
生活に必要不可欠になっているアイテムだからこそ、付き合い方を考えなければいけません。
依存が強い場合は自分で治すのは難しいため、専門家によるスマホ依存治療を受けることをおすすめします。
心身の不調がひどいときも、放置せずに医師に相談してくださいね。
スマホ依存を卒業して、時間の大切さを思い出しましょう!
- スマホ依存症は常にスマホが手放せず、操作していないとソワソワしたりイライラしたりする状態のこと
- スマホ依存症は、SNSの普及や閲覧情報が尽きない、コミュニケーションの場になっているなどの原因がある
- スマホ依存症になると、肩こり・スマホ老眼・うつ病など見過ごせない症状が起こることがある
- スマホ依存対策には、通知をすべてオフにする・見えないところにスマホを保管する・他のことに集中するなどの方法がおすすめ