深層心理を探るロールシャッハテストの検査手順や無料診断、学べる本を紹介

年齢や男女問わず心理テストや心理分析、性格診断のようなものは、人気がありますよね。

仲間内ですれば盛り上がりますし、暇な時間にサッとやれるところも簡単で楽しいです。

近頃、深層心理が解るという投影法のひとつ「ロールシャッハテスト（ロールシャッハ検査法）」が人気を集めていますが、ご存じでしょうか？

舌を噛みそうな名前の「ロールシャッハテスト」とは、図形・図版を見て何に見えたか答えることで、あなたの心の内や人格が解ってしまうパーソナリティ検査です。

名前は知らなくても、テストを見れば“あー！”と反応する人も多いはず。

今回は、そんな心理診断法ロールシャッハテストについてご紹介します。

ロールシャッハテストとは？

まずは、ロールシャッハテストがどんなものなのか、少しご紹介します。

ロールシャッハテスト（精神診断学）は、インクの染みのような図形を見せて、それが何に見えるか回答し、分析をするという検査方法です。

その回答や感じたことを元に、被験者の性格検査・心理検査をします。

臨床心理士も使っている心理療法の一つです。

言葉で説明しても、なんだかザックリしていてよくわかりませんよね。

簡単にいうと、解りにくい画像がどう見えるかによって、その人の思考パターンや心の内に秘めているものが解るというロールシャッハ反応（心理的洞察）を使った心理テストのような診断方法です。

1920年代に、スイスの精神科医のヘルマン･ロールシャッハ博士によって考案されました。

そしてその後、ロールシャッハワークショップの理事を務めていたジョン・E・エクスナーにより、解釈のための標準化されたシステムが構築されました。

これはエクスナー法と呼ばれ、構築当時は批判の声を上げる心理学者もいましたが、ロールシャッハテストにおける現代の標準的な解釈法となっています。

深層心理や思考パターンを把握するような場面で使用されている、妥当性・信頼性の高い心理テストです。

心理カウンセリングや、職業適性試験で使用されるテスト

心理テストと聞くと、遊びの一貫というか軽いノリでするものというイメージもありますよね。

しかし、ロールシャッハテストには本人が自覚していない深層心理が、どんな傾向があるのかを検査するという確固たる意図があり、研究者・臨床心理学者(心理臨床家)・臨床発達心理士の間でも評価を得ています。

例えば、警察官であれば心の奥底に、反社会性があっては務まりません。

自動車の免許を取得する際にも、自分が自覚していないような衝動性があっては、事故を起こしかねません。

そういった大事な試験や免許を取得する際にも用いられるテストで、その職業に相応しい人なのかを判断する材料としても使用されています。

また、心理カウンセラーによる心理カウンセリングや原因不明の体調不良など、心の病が関係しているかもしれない場合の心理アセスメントなどにも使用されています。

身近なところでいうと、ストレス診断などにも活用され、ロールシャッハテストで深層心理を知ることによって、メンタルヘルスのためにより的確な治療や支援を行うために実施される場合もあります。

病院で受けるロールシャッハテストは治療の一貫で、保険適用される場合があります。

一般的に治療に必要と診断されれば、健康保険が適用され1時間1,300円程度で検査を受けることが可能です。

ただ、興味本位からロールシャッハテストを受けてみたい！という場合には、実施してもらえる場所はほぼ無いと思われますが、精神科の病院に申し出てみるのが良いでしょう。

しかし、治療でない場合の診断は実費となるので、高額の費用が発生する場合もあります。

ロールシャッハテストの手順

なかなか堅苦しいテストのように感じますが、一般的には専門機関を通じて結果を調べて貰うテストです。

テストには、ロールシャッハ・カードというカードを使用し、10枚1組のカードを使用して行います。

カードには白黒の物とカラーの物があり、それぞれが5枚ずつのセットになったカードを用います。

【テストの手順】

1. カードを見ながら何に見えるのかを答える。
2. なぜ、そう見えたのか理由を答える。
3. 違うカードを見ながら、何度か繰り返す。

ロールシャッハテストには正解というものがないため、何と答えれば〇といったものではありません。

何に見えても構わず、どんな感情を抱いても良いのですが、それを正直に全て答えること正確な結果に繋がります。

カードを見て答えるだけのテストですが、回答についての質問をされる為、長い場合にはロールシャッハテストに2時間ほど必要になる場合もある心理診断法です。

診断者は、テストの内容は回答した言葉だけでなく、被験者の表情や様子、回答までの時間も記録用紙に残しておきましょう。

回答した内容は、統計データと照合し分析した後に結果が出ます。

結果の開示はしている機関としていない機関がありますので、詳しい内容が知りたい場合は、事前にその旨を申し出ておきましょう。

診断結果の分析方法は？

心理学などを専攻していた人には、馴染みのあるロールシャッハテスト。

しかし、診断はとても難しく、検査者や実施者によっても内容や解釈が異なるケースもあるといわれているため、日本ロールシャッハ学会が定めるロールシャッハ包括システムによってテストを行う者に認定資格を求める制度も整備されつつあります。

主に回答した内容と照らし合わせ、スコアリングシステムを用いてポイント制で診断をするものですが、有資格者以外の一般の人が診断を下すには無理がありそうです。

以下、参考になりそうなサイトがありますので興味のある人は読んでみて下さいね。

ロールシャッハ法における言語表現の分析方法

http://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/dspace/bitstream/10270/3465/2/19-92.pdf

ロールシャッハ・テスト発達水準スコアーと知的機能の関連について

http://www.prccs.otemon.ac.jp/item/clinic/clinic03_tuji.pdf

実際にストレスチェックしてみる

実際にストレス診断ができるロールシャッハテストがありますので、1度トライしてみるのも良いでしょう。

無料のロールシャッハテストは簡易版テストのため、図柄が何に見えるか5つの回答から選ぶ方式です。

あなたには、どんな風に見えるのでしょうか？

例えば、ひとつの図柄を見て、ある人にはトンボに見えたり花に見えたりと千差万別です。

本家のロールシャッハテストでは、どんな回答をしてもOKですが簡易版では思った回答に近い物を選択する形になります。

ここが心理テストとよく似ているところですよね。

回答によってストレスの度合いがパーセンテージでわかるので、日によっても答えが違う場合があるかもしれません。

さらに「自分にこんな部分があったんだ」と新たな自分を知るきっかけになるかもしれませんよ。

無料で診断できるロールシャッハテスト

ロールシャッハテストは、病気の治療や職業の適性を測る診断ですが、無料で出来る診断もあります。

診断の中には、イラストを見てどんな風に見えますか？というものが多いです。

そこで「カエル！」「壊れた石」「おばあさんの顔」などと、受検者は直感で答えることが大切となります。

深層心理を見るテストですから、深読みはせずに答えてみて下さい。

正解のない質問だからこそ、結果にハッとすることがあるかもしれません。

恋人の本音を知りたい！嘘はついていない！？というのは誰にでもある心理です。

無料のロールシャッハテストを使って、気になる相手の深層心理を知るのも人間性を見極める手助けになるかもしれません。

http://mirrorz.jp/article/rorschach-wish/

ロールシャッハテストが学べる本3選

ロールシャッハテストに纏わる商品が数多く発売されていますので、ここではロールシャッハテストについてもっと詳しく学びたい人におすすめの3冊を紹介します。

【初心者のおすすめ】ロールシャッハ・テストの学習―片口法スコアリング入門

引用元：https://www.amazon.co.jp/dp/4760840087/ref=cm_sw_r_tw_dp_6S4Q5BD80GCJZY68D9A3?_encoding=UTF8&psc=1

ロールシャッハテストを学ぶ初心者におすすめの一冊です。

ロールシャッハテストのスコアリングを練習できる本で、問題量が多く反応領域・反応決定因・反応内容と細かく記載されています。

片口法（スコアリング）を習得するのに必須の一冊といっても過言ではありません。

【精神科医師を目指す】ロールシャッハ・テスト―その実施・解釈・臨床例

引用元：https://www.amazon.co.jp/dp/4761004436/ref=cm_sw_r_tw_dp_274F8XKJMB7YJ82W980E

スコアリングをベースに新しい知識と3つの臨床例についてや、実際の場面でロールシャッハテストを教えるコツや経験について、専門的に書かれた一冊です。

これから精神科医を目指す人にもマニュアル本のひとつとして熟読することをおすすめします。

【ロールシャッハの必携書】ロールシャッハ・テストワークブック

引用：https://www.amazon.co.jp/dp/4772407774/ref=cm_sw_r_tw_dp_657KST0C3PBBF34TM472?_encoding=UTF8&psc=1

著者は、本記事の冒頭でもご紹介した、現代ロールシャッハの標準的な解釈法を構築したジョン・E・エクスナーです。

このワークブックは、最新のシステムに対応し、受検者の反応のコード化とスコアリングのためのポイントが丁寧に解説されています。

さらに、トレーニングのための練習問題が多く掲載されているテスト体系にもなっているため、臨床心理士や精神科医など、専門的な分野を目指す人にとっての必携書と言えるでしょう。

番外編|謎めいた絵がフェイスブックで話題に

少し前の話になりますが、Facebookで話題になったロールシャッハテストのような図柄がありました。

投稿された途端、世界中のFacebookユーザーからコメントとシェアが相次いだもの。

リアクション数は3､4万人、7,000件以上のシェアと1､6万人のコメントを集めたものです。

見たことある！という人もいるのではないでしょうか。

ただし、こちらの図解はロールシャッハテストのような深層心理を診断するものではなく、何に見えるかという内容。

正解のあるクイズのようなものですが、1度チャレンジしてみて下さい。

http://buzzap.jp/news/20160420-rorschach-facebook/

ロールシャッハテストであなたにぴったりの恋人をGET！

ロールシャッハテストは、とても奥深いものですが、簡単に診断できるという楽しみもあります。

自分の診断をして、本当の性格や相性を知ってみてはいかがでしょうか？

その時は、友達に「異常回答じゃん」「え、サイコパスなの？」とイメージと違う…と思われたら嫌だな、という人はこっそり診断することをおすすめします。

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最後に

ロールシャッハテストについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか？

自分や恋人・友人の深層心理を探るのは、とっても楽しいですよね！

正式なロールシャッハテストは、職業の適性や発達障害など病気の診断に使用するものですが、無料で出来る診断なら仲間とワイワイ・一人でこっそりでも楽しめそうです。