ロマンス詐欺とは?恋愛目的を装った詐欺の手口や見分け方を徹底解説

ネットやニュースなどで、「ロマンス詐欺」という言葉を聞いたことはありませんか。
ロマンス詐欺とは、人の恋愛感情に付け込んでお金を騙し取る詐欺の手法です。
この記事では、ロマンス詐欺の意味や手口、見分け方について徹底解説していきます。
ロマンス詐欺に引っかからないために、きちんと目を通しておきましょう。
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ロマンス詐欺とは
ロマンス詐欺とは、恋愛や結婚目的を装って異性に近づき、最終的にお金を騙し取る詐欺のことです。
手口としては主に「投資を勧めてお金を騙し取る」「相手の情に訴えてお金を騙し取る」の2つが挙げられます。
近年、ロマンス詐欺の被害件数・被害額は増加傾向にあります。
ロマンス詐欺に遭わないためには、手口や見分け方を知って備えておくことが大切です。
投資話を持ちかけられるロマンス詐欺が増加中
近年、特に増加しているのは、投資話を持ちかけられるタイプのロマンス詐欺です。
警察の調査によると、ロマンス詐欺の7割以上は投資話を口実にお金を騙し取るパターンとされています。
このパターンでは、「2人の将来のために投資したい」「結婚資金調達のためのいい投資がある」などの言い分で、暗号資産や架空の投資に誘導しようとします。
最初は利益が出たように見せかけることで相手を騙しやすくするという、巧妙な手口を使っている事例も多いです。
ロマンス詐欺の2大手口と具体的事例
前述した通り、ロマンス詐欺は「投資を勧めてお金を騙し取る」「相手の情に訴えてお金を騙し取る」の2パターンが多いです。
ここからは、実際にあったロマンス詐欺の事例を紹介しますので、確認していきましょう。
投資を勧めてお金を騙し取る
最近の主流は投資を進めてお金を騙し取るパターンです。
ここでは、実例を紹介します。
とある40代男性が、SNSで友達申請された女性と交流をしていくうちに恋愛感情を抱くようになりました。
ちょうどその頃に女性から投資話を持ちかけられます。
「2人の将来のために投資でお金を貯めよう」「必ず儲かる」などと言われ、
話を信用した男性は投資用のスマホアプリをインストールした後に女性が指定した口座に振り込みを行いました。
結果、300万円もの現金を騙し取られてしまったのです。
相手の情に訴えてお金を騙し取る
相手の情に訴えてお金を騙し取る方法は昔からある王道の方法といえます。
実際にあったロマンス詐欺の被害状況は以下に記した通りです。
とある40代女性が、イギリス在住の韓国人を自称する男とSNSで仲良くなりました。
一度も会うことがないまま結婚の約束を取り付けるほど、女性は男性に夢中だったそうです。
その男性からSNSを通じて、「仕事のお金を建て替えて欲しい」「もし払えないと契約違反で捕まることになる」という話を聞かされます。
その話を信じた女性は、指定された口座に複数回振込入金し、結果お金を騙し取られてしまったのです。
ロマンス詐欺と恋愛目的の見分け方
上記の事例のように、恋に盲目になってしまっているタイミングでは簡単に相手を信じ、ロマンス詐欺に引っかかりやすくなります。
ロマンス詐欺と本当の恋愛を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、ロマンス詐欺と恋愛目的の見分け方を解説します。
知り合ってすぐに熱烈なアプローチをしてくるかどうか
ロマンス詐欺の場合、知り合ってすぐに熱烈なアプローチをすることが多いです。
できることなら、時間をかけずにお金を騙し取りたいという下心がそうした行動を起こさせます。
ロマンス詐欺師は、知り合ってすぐ「一目惚れした」「これは運命の出会いだ」などと言って相手に熱烈にアプローチします。
詐欺師にとっては「多少強引でも怪しまない純粋な人」の方が引っかけやすいといえます。
知り合ってすぐの強引なアプローチでも受けてしまう人は注意が必要です。
結婚や将来の話をするタイミングが早いかどうか
出会って間もないのに結婚や将来の話をされたら、ロマンス詐欺を疑った方がいいでしょう。
結婚や将来の話は信頼関係が深まってからするのが一般的で、それにはある程度の時間が必要です。
出会ってからそれほど時間が経っていないのに具体的な結婚や将来の話をしてくるのであれば、ロマンス詐欺の可能性が高まります。
会ったこともない相手から将来の話をされたら、なおさら警戒が必要です。
直接会ってくれるかどうか
ロマンス詐欺では、「会おう」と言っても直接会ってくれることはありません。
なぜなら、SNSで使っている写真はAIで作ったものだったりネットで拾ったものだったりと、やりとりしている相手本人のものじゃないからです。
直接会わない理由は、素性がばれないようにするためのリスク回避と美男美女の写真をアイコンにすることで相手に好印象を抱かせたいという明確な目的があります。
「写真や動画は送ってくるのに一向に会おうとしない」という相手なら、ロマンス詐欺を疑いましょう。
プライベートな話題を嫌がるかどうか
ロマンス詐欺師は、プライベートな話題を嫌がる傾向があります。
自分の素性を明かすと、後に捜査のヒントになるような情報を与えてしまうからです。
プライベートな質問を嫌がったり、適当にはぐらかしたりと、なかなか素性を明かそうとしない相手であれば、ロマンス詐欺を疑う必要があります。
相手の文章に違和感があるかどうか
ロマンス詐欺では、相手の文章に違和感を覚えることもあります。
ロマンス詐欺の主犯は外国人であることも多いため、無理に翻訳したような文章や拙い日本語で話す場合があるのです。
「外国人で日本語を勉強中」といった理由づけをしてくることもあるでしょう。
もちろん、本当にただただ外国人と交流しているだけの可能性もありますが、一方でロマンス詐欺である可能性も考慮しておくべきです。
病気や不幸を理由にしてお金を要求してくるかどうか
ロマンス詐欺では、相手の優しさを利用してお金を騙し取ろうとするケースがあります。
「病気でどうしてもお金が必要」「事故に遭ってお金が必要」といったように、同情を誘ってお金を要求して来たらロマンス詐欺のサインです。
断ると「こんなに困ってるのに助けてくれないんだ」「自分のことを大事に思ってくれてないんだ」などと、あなたの罪悪感を刺激して、何とかお金を騙し取ろうとします。
会ってもいない相手にお金を工面してもらうなど普通の感覚ではありえません。
しかし、人の親切心や同情心につけ込んでお金を騙し取るのがロマンス詐欺の常套手段です。
2人の将来のために投資話を持ちかけてくるかどうか
投資話を持ちかけてくる場合も要注意です。
前述した通り、ロマンス詐欺の多くは投資に誘導してお金を騙し取ろうとします。
特に、「2人の未来のために投資が必要」という点を強調してくるのは、ロマンス詐欺の常套手段です。
「自分の将来を考えてくれている」と盲目にならず、一度ロマンス詐欺を疑うようにしましょう。
世の中には簡単にお金が増えるような投資話はありません。
ネカマやなりすましの違和感があるどうか
ロマンス詐欺では、ネカマ(ネット上で男性が女性になりすますこと)が犯人の場合もあります。
プロフィール写真があまりにも美女だったり顔の一部を隠していたりする場合は、拾い画像を使っているネカマの可能性があります。
この場合、「女性特有の質問をしてみる」「別の写真を要求してみる」などの方法で、ネカマやなりすましを見抜けるかもしれません。
なにか怪しい点があれば、上記の質問をしたり連絡をやめたりしましょう。
「ロマンス詐欺かもしれない」と思ったときの対処法5ステップ

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最後に、「ロマンス詐欺かもしれない」と思ったときの対処法を解説します。
5つのステップに分かれているので、ひとつずつ見ていきましょう。
ステップ1:相手との交流を絶って運営に連絡する
ロマンス詐欺を疑ったら、まずは相手との交流を絶ってSNSやマッチングアプリの運営に連絡しましょう。
運営によって相手のアカウントが凍結され、新たな被害者を生む可能性を減らすことができます。
ただし、既に金銭的な被害を受けている場合は、「運営に通報して終わり」ではいけません。
ステップ2に進みましょう。
ステップ2:相手とのやりとりや証拠を集める
警察に被害届を出すために、相手とのやりとりや証拠を集めてください。
金銭の要求をしている文面やなりすましの証拠などを集めれば警察が動きやすくなるため、ロマンス詐欺師を逮捕できる可能性が高まります。
やりとりのスクリーンショットや指定された口座の番号なども押さえておけば、捜査に役立ちます。
ステップ3:警察に被害届を出す
ロマンス詐欺の証拠を集めた後は、警察に被害届を出してください。
被害届を出して初めて、警察は捜査を開始してくれます。
警察への相談記録や被害届受理番号を発行し、控えておけばその後の調査の進捗情報を知るのに役立ちます。
被害届を出したら、ステップ4に進んでください。
ステップ4:送金した金融機関に連絡する
ロマンス詐欺の被害届を出した後、送金した金融機関への連絡も忘れてはいけません。
犯罪に利用された口座だと認められれば、相手の口座を凍結することができます。
また、送付先の口座にお金が残っていれば、被害額を返金してもらえる可能性があります。
新たな被害者を生まないためにも、送付先の銀行の口座に連絡を入れましょう。
ステップ5:警察相談窓口や国民生活センターに相談する
最後に、警察相談窓口や国民生活センターへの相談です。
【ロマンス詐欺の被害を受けた場合の主な連絡先】
警察の電話相談窓口:#9110
消費者ホットラインの電話相談:188
国民生活センター越境消費者センター:https://www.ccj.kokusen.go.jp/home
ステップ1〜4までを行った後は、被害をリカバリーするためにも相談を忘れずに行いましょう。
ロマンス詐欺の手口を理解して騙されないようにしよう
ロマンス詐欺は、相手の恋愛感情を利用してお金を騙し取る手口の詐欺です。
恋愛に夢中になりすぎてしまうと、ロマンス詐欺に引っかかる可能性が高くなってしまいます。
ロマンス詐欺から身を守るためには、手口を理解したうえで警戒を怠らないことが大切です。
無闇にお金を渡したり個人情報を開示したりせず、なにか怪しい点があればすぐに交流を絶つようにしましょう。
もしも被害に遭ってしまったら、上記のステップ1〜5を迅速に行い、少しでも被害を回復できるように努めてください。
- ロマンス詐欺とは、恋愛や結婚目的を装って異性に近づき、最終的にお金を騙し取る詐欺のこと
- ロマンス詐欺の2大手口は「投資を勧めてお金を騙し取る」「相手の情に訴えてお金を騙し取る」
- ロマンス詐欺と恋愛目的の見分け方は「知り合ってすぐに熱烈なアプローチをしてくるかどうか」「結婚や将来の話をするタイミングが早いかどうか」「直接会ってくれるかどうか」など
- 「ロマンス詐欺かもしれない」と思ったときの対処法5ステップは「ステップ1:相手との交流を絶って運営に連絡する」「ステップ2:相手とのやりとりや証拠を集める」「ステップ3:警察に被害届を出す」「ステップ4:送金した金融機関に連絡する」「ステップ5:警察相談窓口や国民生活センターに相談する」