DV・デートDVチェックリスト|肉体的・精神的暴力から身を守る方法
身近な人から受ける暴力を意味する「DV(ドメスティック・バイオレンス)」。
DV男やDV女と交際や結婚することになれば、心身に支障をきたす恐れがあります。
健やかな生活を送るには、DVチェックをして自分の身を守ることが大切です。
今回の記事では、DV・デートDVチェックリストを紹介します。
肉体的・精神的暴力から身を守る方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
DVの種類
DVとは親しい間柄で行われる暴力のことです。
該当する行為には、以下のような種類があります。
- 「身体的暴力」 …顔をたたく・首を絞めるなど、肉体に暴力を振るう行為
- 「精神的暴力」…暴言・無視など、言葉や態度によって精神的苦痛を負わせる行為
- 「経済的暴力」…貢がせる・生活費を渡さないなど、金銭的な自由を奪う行為
- 「性的暴力」…セックスの強要・ポルノ動画を無理矢理見せるなど、性的な嫌がらせ行為
- 「デートDV」…交友関係を制限する・束縛するなど、恋人間で行なわれるDV行為
DVチェックリスト【種類別】
親密な相手から暴力を受けていたとしても、「単なる喧嘩」「騒ぐほどのことじゃない」と軽く考えてしまうと、DVの当事者であることに気づけません。
そこで現状を客観的に判断できる、DVチェックリストを種類別に作成しました。
チェック数が多ければ多いほどDVの可能性は高くなります。
以下のチェック項目をひとつずつ確認してみましょう。
身体的暴力
- 叩かれたり殴られたりしたことがある
- 実際に殴りはしなかったが、手を振り上げられたことがある
- 小突かれたり、付き飛ばされたりしたことがある
- 手や腕を掴まれたことがある
- 襟を掴まれ、壁に押し付けられたことがある
- 髪の毛を引っ張られたことがある
- 物を投げつけられたことがある
精神的暴力
- 無視されたことがある
- 「バカ」「アホ」などと人格否定されたことがある
- SNS上で誹謗中傷を受けたことがある
- 大声で怒鳴られたことがある
- 癇癪(かんしゃく)を起こして八つ当たりされたことがある
- 大事にしているものを壊されたり、捨てられたりしたことがある
- 責任転嫁されたことがある
経済的暴力
- デート代の支払いを強要されることが多い
- 高額なプレゼントをねだられ、断ると不機嫌になる
- 働くことを邪魔したり、仕事を辞めさせようとしたりする
- お金を借りて返さない
- 一緒に住んでいるのに、生活費を渡さない
- 家族の生活費を使い込む
性的暴力
- 性行為を強要されたことがある
- 避妊に非協力的
- ポルノ動画を無理矢理見させられたことがある
- 同意なしで裸や性行為を撮影してくる
- 性行為が下手だとけなされる
- 浮気をし、バレたら開き直る
- 性感染症を移されたことがある
デートDV
- 他の異性と一緒にいるだけで不機嫌になる
- 他の異性と話すことを禁止してくる
- 異性とのメッセージや通話履歴を勝手にチェックされる
- 異性のアドレスを無断で消されたことがある
- 常に行動を監視してくる
- メールやLINEにはすぐに返信することを要求してくる
- 自分好みの格好をするよう強要される
- キスやハグ、性行為を無理強いする
- 友達や家族との約束をキャンセルさせたがる
DV加害者の特徴をチェック!
ここではDV加害者の特徴をチェックしていきます。
以下の傾向をもつ人が身近にいるなら、注意したほうがいいかもしれません。
自分に自信がない
DV行為を犯してしまう人は自分に自信がありません。
「他人に好かれる自分」を信じることができず、相手が離れていってしまうのではという不安を常に抱えています。
2人の関係をつなぎ止めておくことに必死になり、束縛したり監視したりするのです。
また、DV加害者は他人に同意してもらえないと、自分のすべてを拒否されたように感じてしまいます。
そうなれば更に自信を失うことになるので、自分を守るために攻撃的な言動に走ってしまうのでしょう。
何事も三日坊主
DV加害者は何をやっても長続きせず、三日坊主になりやすいのが特徴のひとつです。
すぐに飽きたり諦めたりしてしまうので、必然的に達成感を得る機会は少なくなります。
何事もうまくいかないのは自分のせいですが、それを認められず、常にストレスを溜めては身近な人に八つ当たりしてしまいます。
とにかく意志が弱いため、DV行為をやめると宣言しても、同じことを繰り返しがちです。
感情コントロールが苦手
すぐにカッとなったり落ち込んだりと、DV加害者は感情コントロールが苦手な傾向にあります。
自分の荒ぶる感情をセーブできないからこそ、そのまま他人にぶつけてしまうのです。
怒ったかと思えばすぐに笑う人は感情豊かな印象ですが、もしかしたら感情をコントロールできていないのかもしれません。
攻撃的なところがあるならDV加害者になる可能性があるため、相手の性格を見極めるようにしましょう。
自慢話が多い
自慢話が多いのも、DV加害者に見られる特徴です。
彼らは自己肯定感が低く、常に他人の承認を必要としています。
しかし共感性は低いので、どうすれば他人から承認されるかがわからず、自分をよく見せること以外の方法を思いつきません。
その結果、人を見下すような発言が多くなり、モラハラ加害者になってしまうのです。
自己顕示欲が強く、自慢話ばかりしてくる人には注意したほうがいいでしょう。
DV被害者の女性・男性が身を守る方法
男女問わず、DV被害に遭ったらどうすればよいのでしょうか。
最後に、DV被害者の女性・男性が身を守る方法について紹介します。
嫌という気持ちを伝えて更生を促す
パートナーから理不尽な仕打ちを受けたら、嫌という気持ちをはっきり伝えるようにしましょう。
人と人は対等です。
どちらか一方が我慢しなければ成立しないのであれば、それは健全な関係とはいえません。
もちろんどれだけ嫌でも向き合わなければならないことはあります。
しかし、相手からの暴力は容認すべきことではありません。
嫌だという気持ちを伝えて、なぜDVに走るのか相手の心理について考えてみましょう。
DV行為は自信のなさからくる不安が引き金となることが多いです。
しかしそれを自覚できないと、何度でも同じことを繰り返してしまいます。
相手の抱えている問題に寄り添い、更生を促すことで本質的な問題を解決できるはずです。
DV行為に走ってしまう人向けの更生プログラムもあります。
必要なら専門家の手を借りて、根本的な解決を目指しましょう。
身の危険を感じたら警察を呼ぶ
残念ながら当事者同士の話し合いでは解決しないこともあります。
相手に手を出されたり脅されたりして、身の危険を感じたら警察を呼びましょう。
「単なる喧嘩」「これくらいのことで」と考えてしまうかもしれませんが、どんな理由であれ、身に危険が迫っている事実に変わりはありません。
警察に通報されてやっと加害者が事の重大さに気づくこともありますし、被害届を出せばDVの証拠を残せます。
警察にはDV専門のスタッフもいますので、接近禁止や避難シェルターの紹介など、その場に合った対応も期待できるでしょう。
いきなり警察を呼ぶことに抵抗があるなら、まずは警察相談専用電話「#9110」に連絡するのがおすすめ。
1人で悩まず、専門家の知恵を借りればきっと良い解決策が見つかるはずです。
DV相談機関を利用する
「これってDV?」と疑問に思ったら、まずは第三者に相談しましょう。
親しい友人だけでなく、弁護士やDV相談機関を利用するのもおすすめです。
配偶者暴力相談支援センター、あるいはそれに準じる施設が各都道府県、市町村に設置されています。
内閣府が設置するDV相談窓口は、全国どこからでも利用できます。
どこに相談すればいいかわからないという人は、以下のサービスを活用してみてください。
【DV相談ナビ】
- 電話相談:#8008(シャープ はれれば)
※全国共通の番号で利用できるDV相談ナビサービス
※発信地などの情報から最寄りの相談機関に自動転送
※匿名でも相談可能
【DV相談+(プラス)】
- 電話相談:0120-279-889
- SNS・メール相談:https://soudanplus.jp/
※電話・メールは24時間対応・SNSチャット相談は12:00~22:00
※外国語での相談にも対応可能
DVチェックをして自分の身を守ろう!
人間誰でも「親しい相手がそんなひどいことをするはずがない」と信じたいものです。
辛い思いをしていても、波風を立てるのが嫌で「DVではない」と過小評価してしまう人は少なくありません。
人間は心の平穏を保つため、異常事態が起きても「これは正常の範囲内だ」と楽観視する傾向があります。
深刻なDV被害を受けても別れたり離婚したりしないカップルや夫婦がいるのは、そうした心理現象があるからです。
DVか否かは客観的な視点に立って判断することが大切です。
このページで紹介した情報をもとにDVチェックをして、自分の身を守りましょう。
1人で悩まず、まずは専門家に相談してみてくださいね。
- DVの種類を細かく分けると、身体的暴力・精神的暴力・経済的暴力・性的暴力・デートDVがある
- DVチェックリストで当てはまる項目がないか客観的に判断しよう
- DV加害者には自信がない・三日坊主・感情コントロールが苦手・自慢話が多いなどの特徴がある
- DV被害者の女性・男性が身を守る方法には、嫌と伝えて更生を促す・身の危険を感じたら警察を呼ぶ・DV相談機関を利用するなどがある