ピークエンドの法則とは?ビジネス&恋愛での効果的な活用方法を紹介
ビジネスや恋愛に使える心理学「ピークエンドの法則」。
ピークエンドの法則をうまく活用すれば、さまざまな場面で印象アップが狙えます。
人生をより豊かにしたいなら、心理学を学んでおいて損はありません。
今回の記事では、ピークエンドの法則の効果的な活用方法について解説します。
活用事例を交えて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ピークエンドの法則とは
「ピークエンドの法則」とは、最大限に感情が動いたとき(ピーク)とその出来事の最後(エンド)が、全体的なイメージを決定づけるという法則のことです。
心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏によって提唱されました。
たとえば、高校時代で最高に楽しかった文化祭を経験(ピーク)し、第一志望の大学に合格して卒業を迎えた(エンド)とします。
この場合、両者がポジティブな出来事なので、高校生活はハッピーという評価になるでしょう。
もちろん高校時代では辛い出来事もあったはずですが、ピークとエンド以外の思い出はさほど記憶に残らないことがわかるはずです。
ピークエンドの法則をうまく使えば、他人に効果的な印象を植え付けることができます。
良い印象を与えられるか、悪い印象になってしまうかはピークとエンドにかかっていると言っても過言ではありません。
ピークエンドの法則をうまく活用して、ビジネスや恋愛で有利な立場を手に入れましょう。
ピークエンドの法則がわかりやすくなる事例
続いては、ピークエンドの法則をより正確に理解できるよう具体的な事例を紹介します。
ディズニーやUSJ
ディズニーやUSJといった人気テーマパークは、待ち時間が長いことでも有名です。
何時間も待たされるというのは通常苦痛な出来事のはずですが、そのせいでディズニーやUSJが嫌いになったという人は案外少ないもの。
これは、乗り物に乗っている瞬間が「ピーク」であり、乗り終え満足した状態が「エンド」となるからです。
つまり、アトラクションを楽しむ瞬間が「ピークエンド」に当てはまっているため、待ち時間の辛い経験は些末なこととして処理され、全体の印象が良くなるのでしょう。
テーマパークが多くの人に愛されているのは、待ち時間の苦痛を忘れるほどアトラクションが楽しいから、といえるのです。
花火大会
花火大会もピークエンドの法則が上手に使われている事例です。
花火大会では、ずっと同じ花火玉が打ち上がり続けることはありません。
目玉の花火をクライマックスの演出として使い、最後には大きな花火を連続で打ち上げるのが一般的でしょう。
もともと花火自体は綺麗ですが、人々の記憶に残るのはやはりピークとエンドの部分です。
そのため、どこの花火大会でもクライマックスとエンディングでの打ち上げ演出にこだわるのです。
映画
映画はピークエンドの法則が当てはまる最たるものといえます。
映画鑑賞後に思い出されるのは、ストーリーのピークとラストシーンの部分でしょう。
ピークとエンドが自分の満足いくものなら、その映画への評価は高くなるはずです。
一方、山場のない作品やラストシーンに肩透かしをくらうような作品は、「あまり面白くなかった」という感想になりがちです。
どんでん返しがある映画や感動的な映画が好まれやすいのは、このピークエンドの法則にガッチリ当てはまっているからでしょう。
【ビジネス編】ピークエンドの法則の効果的な活用方法
ここでは、ピークエンドの法則をビジネスシーンで活用する方法を紹介します。
売上を上げたいと考えているのなら、ぜひ取り入れてみてください。
営業では特別感を意識する
営業ではセールストークが重要です。
トーク内のピークとエンドでお客さんに好印象を与える提案ができれば、売上アップにつなげることが可能でしょう。
そのためには、ここだけの特別感を意識することが大切です。
「今なら〇%値引きします」「今回だけ〇〇が付いてきます…」といったように、特別な情報を出すことで商品やサービスへの興味を高めることができます。
また、相手から要望があった場合は、すぐに了承せず一旦渋るのもポイントです。
ある程度交渉した末に要望が通れば顧客の成功体験となり、最終的な満足度を高められるからです。
接客ではお客さんの去り際に力を入れる
接客ではエンドに当たる、お客さんの去り際に力を入れるとよいでしょう。
飲食店やアパレルショップといった店舗では多くの場合、商品の提供がピークに当たります。
ゆえに商品の品質向上を目指すのはもちろん、去り際に力を入れることでお店の印象をより良くすることが可能です。
お見送りは丁寧に行う、ちょっとしたノベルティを渡すなど、去り際の工夫で「またここに来よう」という気持ちにさせられるでしょう。
また、接客中に失敗があった場合でも最後に誠実な態度を見せることで、全体の印象を回復させられるはずです。
製品開発では商品のウリを尖らせる
製品開発では、ピークに当たる「商品のウリ」をとことん尖らせることが大切です。
他にはない特徴や利便性など、ここをウリにしたいという部分にスポットを当てることで周囲の賛同も得られやすくなります。
すべてが平均的なものよりも、一か所徹底した「ウリ」がある商品のほうが注目も集まりやすく、ヒットにつながる可能性が高いです。
商品の使用感が良ければ、ピークエンドの法則で顧客満足度を高められるでしょう。
ホテルや旅館では朝食を豪華にする
ホテルや旅館のサービスでは、朝食がいわゆる「エンド」に当たります。
そのため、朝食をウリにしている宿泊施設は概ね顧客満足度が高く、口コミでも高評価を受けている所が多いでしょう。
顧客の心をつかみたいなら、朝食を豪華にするのがおすすめです。
料理の品質に満足したままチェックアウトしてもらえば、リピーター獲得につながりやすくなります。
【恋愛編】ピークエンドの法則の効果的な活用方法
ピークエンドの法則は恋愛シーンでも活用することができます。
好きな人の気持ちをつかみたいなら、ぜひピークエンドの法則を取り入れてみましょう。
LINEは会話が盛り上がったところでやり取りをやめる
好きな人と親しくなりたいなら、LINE中にピークエンドの法則を活用しましょう。
会話が盛り上がったところでやり取りをやめると、楽しい出来事として相手の記憶に残ります。
LINEのやり取りにポジティブな印象を持てば、またメッセージ交換をはじめたくなるでしょう。
レスや絵文字が多くなる、普段より文章が長くなるといった兆候があれば、相手があなたとのLINEを楽しんでいる証拠です。
もっと話したいかもしれませんが、「そろそろ寝るね!」と潔く切り上げることで、好印象を残せますよ。
デートではメインイベントを用意する
デートでは「ピーク」に当たるメインイベントを用意しましょう。
- 良い雰囲気のお店で食事する
- 綺麗な夜景を見に行く
- カップルシートで映画を見る
など、何か1つメインになる楽しみを決めておくのがポイント。
だらだら街歩きするよりもまちがいなく盛り上がるため、相手も「またデートしたい」と思ってくれるはずです。
デートの解散時にポジティブな感想を伝える
ピークエンドの法則を恋愛で取り入れるなら、デートの解散時がとくに重要です。
あまりにあっさり別れてしまうと、その日のデートはあまり印象に残らないかもしれません。
別れ際には「今日は楽しかった!ありがとう」と、ポジティブな感想を相手に伝えることが大切です。
間違ってもしつこく家に誘ったり、わがままを言って相手を困らせたりしないようにしましょう。
恋人とは綺麗に別れることで復縁の可能性を残せる
もし恋人と別れることになったら、なるべくクールに引き下がることをおすすめします。
揉めずに綺麗に別れることで復縁の可能性が残るからです。
別れるときにしつこくすがってきた相手には嫌な印象が残りやすく、やり直したいとはあまり思えません。
喧嘩別れとなれば、連絡すらとれなくなるかもしれません。
元カレ・元カノとの復縁を期待するなら「今までありがとう」と、相手に感謝の気持ちを伝えて綺麗に別れるようにしましょう。
ピークエンドの法則を使うとより豊かな人生を送れる
ピークエンドの法則を知っていれば、物事の印象を良い方向にコントロールすることができます。
ビジネスシーンや恋愛シーンなど、ここぞというときにピークエンドの法則を活用するのがおすすめです。
どこかでミスしたとしても、ピークとエンドに力を入れることでリカバリーできるでしょう。
日常でも上手にピークエンドの法則を取り入れて、より豊かな人生を送ってくださいね。
- ピークエンドの法則とは、最大限に感情が動いたとき(ピーク)とその出来事の最後(エンド)が、全体的なイメージを決定づけるという法則のこと
- ピークエンドの法則がわかりやすい事例としては、ディズニーランドや花火大会、映画などがある
- 営業では特別感を出す、接客では客の去り際を重要視するなど、ピークエンドの法則をビジネスで活用することが可能
- 恋愛シーンでピークエンドの法則を取り入れるなら、デートではメインイベントを用意し別れ際はポジティブな感想を伝えることがポイント