ウツボグサの花言葉とは?名前の由来・意味・効能を徹底解説
6月~8月に開花時期を迎える多年草の一種ウツボグサ。
古くから漢方薬として使われ、日本でも利尿薬や消炎薬に用いられています。
普段、あまり聞かない花名のため、存在を知っている人は少ないかもしれません。
今回は、ウツボグサの花言葉に加え、特徴や効能について解説します。
ウツボグサについて知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
Contents
ウツボグサの花言葉
ウツボグサには「協調性」「優しく癒す」の2つの花言葉があります。
どちらも良い意味をもつ花言葉ですね。
「協調性」は、唇形をした紫色の花が、上から下へと穂に密集して咲く様子からつけられたといわれています。
確かに、一緒に上を目指す姿は協調性のある人をイメージさせますね。
「優しく癒す」は、ウツボグサが昔から薬として用いられてきたため、つけられました。
ウツボグサは、ビジネスシーンで効率を上げたい人・癒しがほしい人にぴったりな植物です。
ウツボグサはどんな特徴を持つ花?
「協調性」「優しく癒す」といった、すてきな花言葉がついているウツボグサ。
実際に見たことはあっても、どんな特徴をもつ花なのか知っている人は少ないでしょう。
ここからは、ウツボグサの特徴を解説します。
- 和名:ウツボグサ
- 英名:Self Heal
- 開花時期:6月~8月
- 誕生花:6月16日・9月19日
紫色の花を咲かせる
ウツボグサの花は小さい紫色で、6月~8月が開花時期です。
まず、花が咲くまでに高さが10cm~30cmほどまで成長し、茎や葉には白い毛が生えてきます。
花期を迎えると、茎の上に松ぼっくりのような形をした花穂(かすい)が3cm~8cmほど出現。
穂の上から下に向かって密集して花を咲かせます。
しかし、最下部が咲く頃には上から枯れはじめ、盛夏を迎えると花は一枚もありません。
黒っぽい花穂だけが残り、この様子から夏枯草(かこそう・かごそう)という漢名(漢方名)がつけられました。
かつては、採集したウツボグサを天日干しにし、生薬として用いられたようです。
花の形が弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ている
ウツボグサを漢字で表すと「靫(靭)草」と書きます。
この漢字の由来は、武士が弓矢を入れて背負うための細長い筒・靫(うつぼ)に似ていることからです。
「空穂」と表記する場合もあり、かつては雨天時の矢入れとして使われていました。
日当たりの良い山野に生息
ウツボグサは日当たりの良い山野に生息しています。
沖縄を除く日本各地で見られ、低山・山のふもと・丘陵・原野などに分布。
また、アジア東部または北東部にも生息し、道端に咲いていることもあります。
枯れていたら雑草に見えるかもしれませんが、初夏に可愛らしい紫色の花を見つけたら、それはウツボグサですよ。
ウツボグサにある効能
ウツボグサは古くから漢方薬として使われてきました。
花穂が茶褐色になり枯れかかる前に採集し、天日干しすることで夏枯草にしたのです。
ここからは、ウツボグサ(夏枯草)の効能について解説します。
利尿作用
ウツボグサは塩化カリウムを多く含んだ植物です。
そのため、尿の出を良くする利尿薬として用いられてきました。
また、むくみを軽減するのにも効果があるといわれ、実際日本でもぼうこうの症状が抑えられたという事例が。
服用する際は、夏枯草を煎じ薬草茶のように煮出してから飲みます。
消炎
ウツボグサには塩化カリウムのほか、渋み成分であるタンニンも多く含まれています。
タンニンにはもともと消炎作用があるため、ウツボグサは患部の熱をとるのに用いられてきました。
なので、ぼうこう炎や目の充血などに効果があるといわれています。
ただし、服用して良いのは、あくまで患部に熱感がある人のみ。
タンニンは、組織や血管を縮める「収れん作用」があるため、冷え性の人や妊婦の服用は禁止されています。
ウツボグサに似た花と花言葉集
ウツボグサは、山のふもとや丘陵などの道端に咲いています。
しかし、なかにはウツボグサに似た花も多く、ぱっと見では判断できないかもしれません。
ここからは、ウツボグサに似た花と花言葉について解説します。
イヌゴマ「善良」「正直」
7月~8月に花期を迎えるイヌゴマは、ウツボグサと同じシソ科のためよく似ています。
茎の高さはウツボグサとそれほど変わらず、花穂に花が咲くのも同じ。
違いは、花弁が淡紅色なのに加え、湖畔や川岸などの湿地帯に生息していることです。
花言葉は「善良」「正直」の2つで、どちらもイヌゴマの茎が真っ直ぐ伸びる姿からつけられました。
カキドオシ「楽しみ」「享楽」
4月~5月頃に開花時期を迎えるカキドオシも、ウツボグサやイヌゴマと同じシソ科の植物です。
しかし、両者とは違い花穂はなく葉の付け根から花を咲かせます。
また、咲きはじめは20cmほどに直立するものの、枯れた後はつるのように茎が地面を這い1m以上にまで成長。
加えて、ウツボグサは無味無臭ですが、カキドオシは爽やかな香りがします。
花言葉は「楽しみ」「享楽」の2つで、どちらも思いのまま茎が伸びていく姿からつけられました。
ヒメオドリコソウ「陽気」「愛嬌」「快活」「春の幸せ」
主に、3月~5月頃に開花時期を迎えるヒメオドリコソウもシソ科の植物です。
そのため、ウツボグサと同じく花びらは上下に開いた唇形。
蜜や花粉を求めてやってきた虫たちが入りやすい構造になっているため、受粉するのに一役も二役も買っています。
ウツボグサとの違いは、環境が整っていれば1年中咲いていることに加え、花穂はなく葉の下に花を咲かせる点です。
花言葉は「陽気」「愛嬌」「快活」「春の幸せ」の4つで、前の3つは名前の由来と同じく、笠をかぶった踊り子が元気に踊っているイメージから。
「春の幸せ」は、ヒメオドリコソウが暖かくなる時期に咲き、春の訪れを感じることからつけられました。
ウツボグサの花言葉は「協調性」「傷を癒す」!特徴や効能を知ろう
ウツボグサは初夏から開花時期を迎え、これから夏本番という時に枯れてしまうのが特徴の植物です。
枯れて日干しされたウツボグサは夏枯草と呼ばれ、古くから漢方薬として用いられてきました。
このことから、ウツボグサには「優しく癒す」という花言葉がついています。
また、花穂に密集して花が咲く様子から「協調性」という花言葉も。
日本各地に生息しているので、日当たりの良い場所を見つけたらウツボグサを探してみてください。
花期であれば、可愛らしい紫色の花が見られますよ。
- ウツボグサの花言葉は「協調性」「優しく癒す」
- 日当たりの良い山野に生息し、紫色の小さな花を咲かせる
- 盛夏を迎える頃には枯れ、黒っぽい花穂だけが残る
- 煎じ煮出して飲むと、利尿や消炎作用があるといわれている
- ウツボグサに似たシソ科の植物も多い