勿忘草(ワスレナグサ)の名前の由来や花言葉とは?特徴や育て方も解説
春から初夏にかけて、米粒ほどの小さな花をたくさん咲かせる勿忘草。
そんな勿忘草が、どんな花言葉を持つかご存じでしょうか。
今回は、勿忘草の名前の由来や、ドイツで有名な悲恋の物語が基とされている花言葉について紹介。
ほかにも、特徴や育て方も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
勿忘草の名前や花言葉の由来は悲恋の物語からだった?
勿忘草は小さな花を咲かせるその姿から、儚げなイメージを持たれることが多い植物です。
原産はヨーロッパで、昔パリでは恋人へのプレゼントとして親しまれていたのだとか。
まずは、勿忘草の名前や花言葉の由来について解説していきましょう。
勿忘草の別名は「ヒメムラサキ」や「ルリソウ」
勿忘草が日本に入ってきたのは、明治時代。
主に観賞用として輸入され、鉢植えや花壇で育てられていたものが、戦後に野生化したといわれています。
ワスレナグサは「勿忘草」や「藍微塵」と書きますが、これは当て字です。
花の色によって「ヒメムラサキ」や「ルリソウ」といった別名を持ちます。
色ごとに異なる花言葉「私を忘れないで」「真実の愛」「真実の友情」
勿忘草は青い小さな花が有名ですがピンクや白、薄紫なども存在し、花言葉はそれぞれ異なります。
たとえば青やピンク、白の勿忘草では以下のような花言葉です。
- 青い勿忘草…「真実の愛」
- ピンクの勿忘草…「真実の友情」
- 白い勿忘草…「私を忘れないで」
「真実の愛」や「私を忘れないで」は、勿忘草に共通した花言葉ともいわれています。
勿忘草の花言葉が怖いといわれる理由
「私を忘れないで」という花言葉を聞くと、少し怖いイメージを持つかもしれません。
勿忘草の花言葉は、ドイツに昔から伝わる恋人同士の悲恋物語が由来といわれています。
ある日、ドナウ川のほとりを騎士ルドルフと恋人のベルタが散歩をしていると、川辺に美しく咲く小さな花を見つけました。
ベルタのために、ルドルフはその花を取ろうとしますが、足を滑らせ川の急流に飲み込まれます。
ルドルフは流されながらも最後の力を振り絞り、手に持っていた青い花をベルタへ投げ「私を忘れないで!」と叫び、姿を消しました。
愛する人を亡くしたベルタは、その花に彼が残した最後の言葉を名づけ、ルドルフのお墓へ供えたといわれています。
このような伝説から「私を忘れないで」や「真実の愛」という花言葉が生まれました。
悲しい結末でしたが、深い愛で結ばれた2人の物語からは、怖いイメージを持つ必要はないといえるでしょう。
勿忘草ってどんな花?特徴と基本情報を知ろう!
勿忘草は開花を迎えると、小さな5枚の花弁がまとまって咲く可愛らしい姿が人気です。
小さい花ながらもたっぷりと咲くため、庭先で大きな存在感を放ちます。
では、そもそも勿忘草とはどんな花なのか、属性や形態などの基本情報や特徴を見ていきましょう。
勿忘草の基本情報
勿忘草の基本情報は、以下のようになっています。
- 属性…ムラサキ科ワスレナグサ属
- 学名…myosotis alpestris(ミオソティス・アルペストリス)
- 英名…forget-me-not
- 原産地…ヨーロッパ
- 形態…一年草(寒冷地では多年草)
- 草丈…10~50cm
- 開花期…3月下旬~6月上旬
- 花の色…青、ピンク、白、紫
勿忘草の特徴
勿忘草は、見た目とは裏腹に丈夫な性質で、多少の日陰でも大きな株に育ちやすい特徴を持ちます。
しかし、暑さに弱く開花後に枯れるため、日本では一年草に分類されます。
一般的に出回っている勿忘草の草丈は、10〜20cmほどですが、なかには40〜50cmほどになる種類のものも。
葉は細長い楕円形で、ハツカネズミの耳に似ていることから、ギリシャ語の「mys(ハツカネズミ)」と「ous(耳)」が合わさって、属名の「ミオソティス」の語源となりました。
ガーデニング用に流通している勿忘草の種類
ガーデニング用に流通している勿忘草の種類は主に2つで、それらの園芸品種が市場に出回っています。
一つめは、ミオソティス・シルヴァチカと呼ばれるもので、和名はエゾムラサキ。
日本でも自生する姿が見られる種類で、成長すると草丈は50cmほどになります。
二つめは、日本でノハラワスレナグサと呼ばれるミオソティス・アルペストリスで、ヨーロッパのアルプス山脈などが原産地です。
草丈は10〜20cmくらいになり、高冷地の草原や山地で自生しています。
これら2つの園芸品種として「ミオマルク」や「ドワーフブルー」などが人気です。
勿忘草の育て方とは?種まきや植え付けの季節についても解説!
多くのガーデナー達から愛され続ける勿忘草を、庭で育ててみましょう。
ここでは、種まきのタイミングや栽培方法のコツについて、詳しく解説していきます。
難しいことはほとんどないため、ぜひチャレンジしてみてください。
種まきのタイミングと苗選び
勿忘草の種をまくタイミングは、暖地だと9月後半~10月にかけてが一般的です。
種をまく際は、腐葉土や堆肥などの有機肥料を施した日当たりや風通しのいい場所に直まきします。
嫌光性種子のため、種をまいたら忘れずに土をかけましょう。
多くの苗を育ててから植える場合は「ポットまき」といって、ビニール製の黒いポットに種まきをします。
苗を購入する場合は、葉が生き生きとした濃い緑色のもので、花がこれから咲くものを選ぶのがおすすめ。
年明けから徐々に市場に出回るので、チェックしてみてください。
苗の植え付け方法
苗の植え付けは、10月中旬〜11月上旬。
地植えでは、有機肥料を投入した土に苗を植えましょう。
鉢植えにする場合は、ポットのサイズより1〜2周り大きめの鉢が適しています。
また、市販の培養土に肥料が含まれていないものは、緩効性化成肥料を施しておきましょう。
地植え、鉢植えともに植え付けが完了したら、たっぷりと水を与えてください。
寒さに強いとされる勿忘草ですが、霜柱が立つような地域では敷き藁などで防寒対策が必要です。
育て方のポイント
植え付け後は、日々のメンテナンスを忘れずに行いましょう。
勿忘草の管理は特に難しいことはありませんが水やりや追肥、病害虫対策などをきちんとすることで、花の付きが良くなり長く楽しめます。
以下で詳しく説明していきましょう。
根付くまではしっかりと水やりをしよう
植え付け完了後は水切れを起こすと根が弱る恐れがあるため、根付くまでしっかりと水やりをすることがポイント。
土の表面が乾いたら株全体は避け、株元の地面に向かってたっぷりとあげます。
地植えの場合は根付くと下から水が上がってくるため、日々の水やりは不要ですが、乾燥が続くような時期には水を与えてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたり茎葉がだらんと元気をなくしたりしていたら、水やりのタイミングです。
植物が発するサインを見逃さないよう、しっかり管理していきましょう。
追肥は少なめにして様子を見る
追肥のタイミングは、生育が盛んになる3月上旬ごろがベスト。
鉢植えの場合は、水と一緒に肥料が流れやすいため春以降は月に1度ほど追肥しましょう。
草花用の肥料なら液体でも固形肥料でも使えます。
あまり与えすぎると葉ばかりが茂りやすくなり花付きが悪くなる場合があるため、規定量より少なめにして様子を見ながら調整していきましょう。
花がらを摘むと長く楽しめる
咲き終えた花がらをこまめに摘み取ると、開花期間が延び花を長く楽しめます。
また、株周辺をきれいにしておくことで、病害虫対策になるメリットも。
しかし、勿忘草はこぼれ種で繁殖する特徴があるため、来シーズンも花を楽しみたいなら、摘まない方がいいでしょう。
病害虫対策をしよう
勿忘草で注意したい主な害虫は、アブラムシ類で3月ごろから発生してきます。
体長2~4mmほどの小さな虫で、新芽や茎に群がって吸汁します。
対策は、オレート液剤やパイベニカ乳剤などの殺虫剤を散布すること。
また「灰色かび病」という病気にも要注意。
やや低温で多湿の時期に多く、花や葉、つぼみなどに灰色のカビが発生します。
灰色カビ病には、カビが付いた部位を切り取り、トップジンMスプレーなどの殺菌剤を散布し対策しましょう。
勿忘草を花束に!プレゼントにおすすめのシーンはこちら!
勿忘草は、小さな花ながらも束になると存在感が一気に増し、華やかさを演出できます。
お祝いごとや記念日などのプレゼントにぴったりです。
最後は、勿忘草のプレゼントにふさわしいおすすめのシーンを紹介します。
敬老の日に
勿忘草を、日ごろからお世話になっている祖父母へ、敬老の日にお祝いとしてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
アメリカには「祖父母の日」という敬老の日に似たイベントがあり、勿忘草を贈る光景をよく目にします。
日本でもだんだんと広がりを見せていることから、敬老の日に花をプレゼントする際は、勿忘草を検討してみてください。
仲良しの友達に
「真実の友情」という意味を持つピンクの勿忘草を、仲良しの友達へ贈ってみましょう。
友情の証として、誕生日などのお祝いごとでプレゼントすると、より絆が深まりそうです。
また、白い勿忘草は「私を忘れないで」という意味なので、引っ越しや転職などで離ればなれになる友達や同僚に今までの思い出とともに贈ると喜ばれます。
恋人同士・夫婦の記念日に
「真実の愛」という花言葉を持つ勿忘草は、恋人同士や夫婦の記念日に最適なプレゼントといえるでしょう。
言葉に出しにくい気持ちも、花束にすることで相手へ素直に伝えやすいかもしれません。
長く大切にしたい場合は、ブーケにアレンジしてもらうと、枯れたあともドライフラワーとして楽しめるのでおすすめです。
勿忘草を花言葉とともに大切な人へ贈ろう!
勿忘草の花言葉は、ドイツの恋人同士の悲しい物語から生まれました。
「私を忘れないで」「真実の愛」「真実の友情」は、どれも相手を大切に想う気持ちを表現するもの。
メッセージカードを添えて、大切な人へ贈ってみましょう。
勿忘草は、栽培方法も難しくないため、ぜひガーデニングにも挑戦してみてくださいね。
- 勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」「真実の愛」「真実の友情」。
- 一年草の勿忘草は、3月下旬〜6月上旬が開花時期で、青やピンク、白といった小さな花が咲く。
- 勿忘草は、根付くまでしっかり水やりをし、成長が著しい3月ごろに追肥、病害虫対策をきちんと行なう。
- 勿忘草は、敬老の日や仲の良い友達、恋人同士や夫婦の記念日などのプレゼントとしておすすめ。