長風呂によって得られる効果と意外なデメリット|正しい入浴法まで紹介
日本人は昔から温泉や銭湯が好きですよね。
疲れた体を癒やすために、バスタブにお湯を張ってゆっくり浸かる人も多いのではないでしょうか。
最近では、スマホを防水ケースに入れてお風呂の中に持ち込み、YouTubeや映画を観るなどついつい長風呂してしまう人も少なくありません。
今回は、美容効果や健康効果がありそうな長風呂に焦点を当てて、長風呂で得られる効果や意外なデメリット、正しい入浴法まで紹介していきます。
お風呂に浸かるのが習慣の人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
長風呂によって得られる効果
入浴には「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」の3つの作用があり、疲労回復やむくみ防止などのメリットを得られます。
湯船に浸かることで体温が上がることを「温熱作用」といいます。
新陳代謝が促され、体内の老廃物が汗となり流れ出ることで疲労回復の効果を得られることが期待できるのです。
また、「水圧作用」で手足の血管や内臓が影響を受けてリンパや血液の流れが良くなり身体のむくみをとってくれる効果もあります。
座りっぱなしの仕事などで足の血液の流れが悪くなっている人は、血流改善効果も期待できるでしょう。
さらに、「浮力作用」によってリラックス効果も得られるので、ストレス解消にと長風呂をする人は少なくありません。
意外と多い…長風呂がもたらすデメリット
長風呂のメリットを紹介しましたが、実はデメリットも意外と多く発表されています。
長風呂はやり方を間違えると体調を崩す危険性があります。
美容や健康に良いとされる反面、注意も必要です。
長風呂がもたらすデメリットも良く理解しておきましょう。
脱水症状や熱中症の原因になり得る
長い時間の入浴は大量の汗をかきやすいため、体内の水分量が減少して脱水症状や熱中症になるリスクがあります。
脱水症状や熱中症は夏に起きやすいイメージですが、バスルームの中では季節に関係なく起こりうるため、こまめな水分補給が大切です。
肌が乾燥しやすくなる
長風呂は肌を乾燥させる原因になることがあります。
お風呂は肌に良いというイメージを持つ人も多いですが、長時間の入浴は角質層の潤い成分であるセラミドを洗い流してしまう恐れがあり、かえって肌への負担が大きくなる可能性があります。
長く浸かりたいときには、保湿成分入りの入浴剤を使うなど、肌の乾燥を防ぐための対策が必要です。
心臓・肺に負担がかかる
お風呂に浸かる時間が長ければ長いほど、心臓や肺に負担がかかります。
長時間の入浴は体力を奪いやすく、疲れた状態で入ると体調を悪化させる原因にもなりかねません。
また、室内から浴室へ移動する際に体温が一気に変化しヒートショックを起こす危険性も考えられます。
冬場は身体を温めようと長風呂になりやすいため、ヒートショックが多発する季節ともいわれており、十分な注意が必要です。
頭痛が悪化する恐れがある
お湯に長時間浸かって血行が良くなることで血管が拡張され、頭痛が悪化する恐れがあります。
とくに、片頭痛持ちの人は要注意!
片頭痛の予兆である肩こりがあるときに、長風呂で身体を温めすぎてしまうと余計にひどくなってしまうのです。
症状が現れたら長時間の入浴は控え、さっとシャワーで済ませるなど、状況によって入浴シーンも工夫しましょう。
寝つきが悪くなることも…
お風呂に入ると心身ともにリラックス状態になることから、「ぐっすり眠れるだろう…」と思っている人は多いでしょう。
しかし、熱めのお湯で長風呂をすると交感神経を活性化させてしまうため、寝つきを悪くする可能性が高いです。
交感神経が優位な状態とは、脳が興奮していたり緊張していたりする状態のことをいいます。
そのため、入浴後に眠りにつこうとしても頭が冴えてしまいなかなか寝つくことができません。
【Q&A】長風呂に関する疑問を解決!
「長風呂はダイエットや美容に良い」と良く耳にすることがありますが、実際のところどうなのでしょうか。
ここでは、長風呂に関する疑問を解決していきます。
誤った認識をしている可能性があるので、本記事の情報を参考に知識を深めてみてくださいね。
発汗によるダイエット効果はある?
長風呂はダイエットに効果的と思っている女性は多いですよね。
身体が温まり新陳代謝が上がることで汗が流れ、痩せると思っていませんか?
しかし、長風呂=痩せるという考えは勘違いです。
お風呂の後に体重が少し減っているのは、体内の水分が汗として流れ出ただけで本質的には脂肪は燃焼されていません。
もちろんむくみ解消の効果はありますが、体重を減らすようなダイエットをするなら運動や食事制限など、他の方法を加える必要があるといえます。
ニキビの改善に効果的?
美肌になりたいからと、長風呂していませんか?
SNSでモデルや芸能人が「1時間入浴しました」「長風呂して肌が潤いました」などと、投稿しているのを見て真似する人は多いでしょう。
しかし、実際には長風呂はニキビ予防の大敵なのです。
お風呂に入ると毛穴が開き毛穴汚れを落としやすくしますが、長風呂は不要に毛穴を開きすぎる原因になるため、ニキビを悪化させてしまう可能性が高まるといわれています。
毛穴が開いた状態で大量の汗をかくので、ニキビ菌が増殖しやすい環境を作ってしまうのです。
そうなると、ニキビ肌の改善どころか悪化してしまう可能性があるでしょう。
ニキビを治したいなら長風呂は控え、優しく洗うことも忘れないでくださいね。
全身浴と半身浴どっちがいいの?
全身浴と半身浴は、その日の気分や身体の状態に合わせて使い分けると良いでしょう。
全身浴は短時間で疲労回復効果が期待できるので、早く温まって疲れをとりたいという人におすすめです。
女性は、生理中で経血量が多いとシャワーで済ませる人も多いですが、水圧でお風呂の中に経血が漏れてしまう心配はほとんどないため、基本的に湯船に浸かって問題ありません。
しかし、長風呂をしすぎると身体に負担がかかるので、その点に注意して入浴するよう心がけましょう。
一方、半身浴は水圧がそれほどかからないため身体への負荷が少なく、リラックスした時間を過ごしたい人におすすめです。
また、全身浴よりも長い時間お湯に浸かることに向いているため、むくみが気になるときには半身浴が良いでしょう。
長風呂派の人へ!正しい入浴法を紹介
最後に、長風呂が好きな人に向けて正しい入浴方法を紹介します。
気をつけるべきポイントを押さえて、お風呂の時間を楽しみましょう。
お湯の温度はぬるめに設定
長風呂するときは38度〜40度のお湯に設定しましょう。
熱すぎると身体に負荷がかかりやすく、リラックスするどころか逆に疲れてしまいます。
少しぬるめの温度なら交感神経が優位になることもなく、副交感神経が活性化されるので寝つきも良くなりますよ。
バブルバスやアロマ効果のある入浴剤を使うと、よりリラックスできるでしょう。
時間は30分までを目安にする
入浴時間は長くても30分が理想的です。
30分を超える入浴は浴室熱中症にかかるリスクが高くなり、身体に負荷がかかります。
肌にも悪影響を及ぼす可能性もあるので要注意です。
タイマーをセットするなどして、30分を超えないよう気をつけましょう。
入浴前後の水分補給は欠かさない
長風呂をすると大量の汗とともに、体内の水分が失われていきます。
脱水症状や熱中症を引き起こさないためにも、入浴前後の水分補給は必要不可欠です。
一度の入浴で500ml程度の水分が体内から失われるといわれているので、同じ分だけ水分を摂ると良いでしょう。
水道水ではなくミネラルウォーターを飲むようにしてくださいね。
水が苦手な人は、お茶でも構いません。
とくに入浴前に水分をたくさん摂取しておけば、体内から水分が出ていっても脱水症状になるリスクを防ぐことができます。
お風呂上がりはしっかり保湿する
お風呂の温度をぬるくしても、お湯に浸かれば肌は多少なりとも乾燥してしまいます。
バスタイムの後はボディクリームやオイルなどで保湿を行い、肌に潤いを与えましょう。
体温が温かいうちに塗るのが効果的なため、3分以内にケアできるのが理想的といえます。
正しい入浴法で長風呂が至福のリラックスタイムに…
長風呂はいくつかのポイントを押さえておけば、安全で健康効果も高いリフレッシュタイムになります。
「今まで間違った入浴法をしていた…」という人は、この記事で紹介したことや関連記事も参考に、今日からさっそく正しい入浴法を実践してみてください。
また、最近では美容に効果的な入浴剤やバスグッズなどの商品が多く販売されているので、それらを取り入れてさらにお風呂時間を楽しむのもおすすめです。
正しい入浴法を実践し、長風呂を至福のリラックスタイムにしちゃいましょう。
- 長風呂には疲労回復やむくみ防止などの効果がある
- 長風呂がもたらすデメリットとして、「肌が乾燥しやすくなる」「心臓・肺に負担がかかる」などが挙げられる
- 長風呂はダイエットやニキビ改善には向いていない
- 短時間で疲労回復したいなら全身浴、むくみや血行改善には半身浴がおすすめ
- 「お湯の温度はぬるめに設定」「入浴前後の水分補給は欠かさない」など正しい入浴法を実践しよう