仮面浪人が裏切り者扱いされるのはなぜ?後ろめたい気持ちをなくす方法
第一志望に合格できず、滑り止めの大学に通いながら、第一志望校に再挑戦することを「仮面浪人」といいます。
学生の仮面をかぶった浪人生というわけですが、なぜか仮面浪人は裏切り者と見なされてしまい、悪いイメージを持たれることが少なくありません。
今回は仮面浪人が裏切り者扱いされる理由と後ろめたい気持ちをなくす方法を紹介します。
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仮面浪人が裏切り者扱いされるのはなぜ?
第一志望を諦めずに再挑戦することは悪いことのようには思えませんが、なぜ仮面浪人は裏切り者扱いされるのでしょうか。
まずは、仮面浪人が悪いイメージを持たれる理由について紹介していきましょう。
大学合格を喜んでくれた人の気持ちを裏切るから
本人にとっては滑り止めでも、大学合格は親や教師にとって喜ばしいことに変わりはありません。
たとえ第一志望でなくても合格を心から喜んでくれる友達もいますし、祝福の言葉や入学祝いの贈り物を親戚からもらうこともあります。
とくに親は我が子が大学生になるための入学金や学費、教材費、生活費といった決して小さくない費用を負担してくれています。
仮面浪人は、こうした大学入学を喜んでくれた人の気持ちを裏切ることになるため、悪い印象を抱かれがちなのです。
大学の教授や先輩の好意に背くことになるから
入学した大学側も新入生のためにさまざまな態勢を整えています。
先輩主催の歓迎会に誘われて参加したという人もいるでしょう。
それもこれも同じ大学の仲間という意識があるからこそです。
「学閥」という言葉もあるように、大学の仲間意識は大学卒業後にも大きな影響を与えることがあります。
新入生が思う以上に大学内の結束は固く、他の大学を狙う行為は大学の教授や先輩の好意に背くことになるため、仮面浪人は裏切り者だと受け止める人が出てくるのです。
今までの友達関係をリセットすることになるかもしれないから
滑り止めとはいえ、入学を決めた以上キャンパスライフはスタートします。
入学式や新歓コンパなどで自然と新しい友達ができるでしょう。
そうした出会いは自分だけでなく、相手にとっても意味のあるものです。
とくに大学では、自力で情報収集しなければならないことがあり、キャンパスで情報共有できる友達はとても貴重な存在です。
大学における友達付き合いは単なる遊び仲間というよりも、キャンパスライフを充実させるために必要不可欠といっても過言ではありません。
しかし、こうして築いた今までの友達関係を、リセットすることになるかもしれないのが仮面浪人です。
関係がリセットされれば友達もいい気はしないため、自分勝手な裏切り行為という印象を持たれてしまうのです。
在学生を見下していることにつながるから
今の大学に満足できないからこそ再受験するのですから、仮面浪人の動機自体が入学した大学への否定になるため、裏切り者と受け止められてしまうことがあります。
自分にとっては滑り止めでも、この大学が第一志望だった新入生はたくさんいます。
愛校精神を持つ学生から見れば、仮面浪人はこの程度の大学では満足できないといわれているようで、決していい気はしないでしょう。
それに再受験するのは当然上位の大学で、受験自体が在学生を見下していることにつながるため、周囲の学歴コンプレックスを刺激する問題ともなりかねません。
裏切り者扱いだけじゃない!仮面浪人のデメリット
裏切り者扱いされがちな仮面浪人ですが、受験環境を考えても問題点はいくつかあります。
ここでは、仮面浪人のデメリットについて見ていきましょう。
誘惑が多いため勉強をサボりがちになる
センター試験から大学受験を経てようやく手に入れたキャンパスライフだけに、どうしても気持ちが緩みがちになるのが仮面浪人のデメリットです。
とくに中学受験、高校受験と3年ごとに受験と向き合ってきた人は、休みたい気持ちになってしまうのは仕方がないかもしれません。
大学の同期生はバイトをしたり、サークル活動に参加したりと充実した大学生活を満喫してます。
固い決意を持って仮面浪人しようと思っても、飲み会や遊びに誘われたり、サークル活動が魅力的に見えたりして何かと誘惑が多いため、勉強をサボりがちになる人が多いでしょう。
結局中途半端に終わるリスクがある
大学で講義を受けながら受験勉強を続けるのは至難の業です。
大学の講義自体が初めての体験ですから、ついていくだけでも大変です。
さらにレポート提出やテストが重なれば、受験勉強どころではなくなってしまうでしょう。
いざ受験勉強をしようと思っても、今度は遊びのお誘いがあったり、ゲームをやりたくなったりと、二重生活は常に自己管理との戦いです。
二兎追うものは一兎も得ずで、結局中途半端に終わるリスクがあるのが、仮面浪人のデメリットです。
大学で孤立しやすく友達ができにくい恐れがある
受験勉強する時間の確保を徹底する仮面浪人は、大学で孤立しやすい傾向があります。
とくに入学直後の新歓シーズンは友達作りに重要な時期ですが、受験のために付き合いや誘いを断ってばかりいると、友達ができにくいでしょう。
再受験に成功すれば1年間の辛抱ですが、うまくいかなければ今の大学で卒業まで孤立したまま過ごすことになる可能性もあります。
金銭面での負担がある
大学に入学した時点で入学金、教材代、授業料の一部は既に支払い済みです。
再度受験する際は、受験料が加算されることになります。
第一志望に合格すれば、もちろんその分の入学金や授業料が必要になります。
学生のうちは親が教育費を負担するケースがほとんどですから、仮面浪人するなら親とよく話し合っておきましょう。
授業料は払ったものの講義にはほとんど出ず、受験勉強に専念した挙句、受験に失敗してしまえば、授業料や受験料だけでなく費やした時間さえも無駄になる可能性があるのです。
知っておきたい!仮面浪人のメリット
仮面浪人のデメリットを見てきましたが、もちろん悪いことばかりではありません。
続いて仮面浪人のメリットを見ていきましょう。
万が一落ちたとしても行く学校がある
仮面浪人のメリットは、万が一第一志望の大学に落ちたとしても行く学校があるという点です。
もし滑り止めの大学に入学せずに再受験を目指すなら、予備校に通ったり、通信教育の大学受験講座を受けたりして浪人生活を送ることになりますが、モチベーションを維持できなければ、かえって合格成功率が下がってしまうリスクがあります。
そうなれば第一志望に受かるどころか、受験する大学のランクを下げざるを得ないこともありますし、下手をすると滑り止めの大学すら受からないケースもあるでしょう。
しかし仮面浪人であれば、たとえ受験がうまくいかなくても、滑り止めの大学に通い続けることができます。
再受験に失敗したときの精神的ダメージが軽減されるのは、仮面浪人のメリットといえます。
ストレス発散の場が増える
宅浪で受験勉強に励めば、精神的に追いつめられてしまうことがあります。
予備校通いをしていれば塾講師に相談することもできますが、宅浪ならともに頑張る仲間もおらず、毎日1人で黙々と机に向かわざるを得ません。
そうなれば孤独感に苛まれ、精神的に参ってしまうことがあるのです。
しかし、仮面浪人であれば受験勉強で行き詰っても、大学に行けば話し相手がいますし、気分転換もできます。
大学でリフレッシュしてから机に向かえば、再び勉強に専念できるはずです。
単位を引き継げる可能性がある
第一志望と滑り止めの大学によっては、今まで取得した単位を引き継げる場合があります。
今の大学でしっかり勉強して単位を取得し、志望校に引き継げることができれば、授業料や時間を無駄にせずに済みますよね。
気になる人は、志望校に引き継ぎの制度があるか確認しておくのがおすすめです。
「仮面浪人=裏切り」という後ろめたい気持ちをなくす方法
メリットも多い仮面浪人ですが、人間関係を考えるとついためらってしまいます。
「仮面浪人=裏切り」という後ろめたい気持ちをなくす方法はないのでしょうか。
最後は、前向きな気持ちで仮面浪人に向き合う方法を解説します。
信頼できる友達に打ち明ける
仮面浪人を決めたら、信頼できる友達に打ち明けるといいでしょう。
大学で親しくしてくれる友達に隠したままでは、どうしても後ろめたく感じてしまいます。
確かに愛校精神に燃える相手には好印象を持たれないでしょうが、今の大学の評価とは別に自分自身のこだわりとして第一志望に再挑戦したい気持ちを真摯に伝えれば、裏切りと捉えずに理解を示してくれる人もいるでしょう。
仮面浪人であることを打ち明けてしまえば、自分の気持ちも楽になるはずです。
勉強に専念できる環境を作る
いつまでも後ろめたさに囚われていると、仮面浪人しても良い結果にはつながりません。
志望大学を受験したいなら、勉強に専念できる環境を作るようにしましょう。
最終学歴は将来的に履歴書に記載するものだけに一生ついて回ります。
チャンスがあれば更に上を狙いたいと思うのは、決して悪いことではありません。
やるべきことを決め、環境が整ってしまえば周りの雑念は気にならなくなるはずです。
大学と受験勉強の両立は自己管理の徹底が大事ですが、無理せず長続きする方法を見つけることが大切です。
もし身近に仮面浪人経験者がいれば、話を聞いてみるのもいいでしょう。
仮面浪人を成功させて行きたい大学に合格しよう!
大学入学を祝福してくれた親や友達、入学後に親身になってくれた教授や先輩たちのことを思うと、仮面浪人することを後ろめたく感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、だからといって意に染まない大学で学び続けるのは決して得策ではありません。
どうしても第一志望に挑戦したいという固い決意があるのなら、親や親しい友達に自分の本心を打ち明けて理解を求めましょう。
場合によっては今の大学で取得した単位を引き継ぐこともできるので、これまでの学びも決して無駄にはなりません。
どんな体験も自分自身の意思の力でプラスに変えていくことができるはずです。
仮面浪人を成功させて行きたい大学に合格しましょう!