日本料理・和食の正しい食べ方とは?基本マナー&美しい食べ方のコツを紹介
食事マナーは会食やデート、冠婚葬祭で必ずチェックされる大人の常識です。
フランス料理といったナイフとフォークを使う食べ方は把握していても、意外と見逃してしまうのが日本料理の食事マナー。
この記事では、今さら人には聞きにくい和食の食べ方をテーブルマナーを含めて紹介します。
和食の食べ方・作法を身につける【基本マナー】
子どもの頃は気にすることが少なかった日本料理・和食の食べ方ですが、大人になると食事マナーを試されてしまう場面が多々あります。
まずは、絶対に覚えておきたい基本マナーを紹介するので、正しく食事を楽しみましょう。
おしぼりは手を拭くのみ使用
お店に入り、席につくとおしぼりが提供されます。
袋に入っているおしぼりや除菌されたタオルおしぼりなど、お店によってタイプは異なりますが、基本の食事マナーは変わりません。
このおしぼりは、手を拭くために提供されたものであって、それ以外に使うのはNGマナーになります。
口を拭いたり、テーブルを拭いたりしないよう気を付けましょう。
食事の挨拶では手を合わせる
食事をいただくときは「いただきます」と手を合わせましょう。
食べ終わったら「ごちそうさま」と同じく手を合わせます。
これにはきちんと理由があり、
- 食事を作ってくれた人に感謝する
- 食材を育ててくれた人に感謝する
- 食事を提供してくれた人に感謝する…など
自分自身が口にする食事に携わってくれた人々に感謝しましょう。
魚料理・肉料理すべての食材に命があることを忘れてはいけません。
正しいお箸の使い方をする
お箸の使い方は、食べ方にとても影響があります。
間違った箸使いをしてしまうと、相手に悪印象を与えたり不快感を抱かれたりしてしまうかもしれません。
以下の使い方には、とくに注意しましょう。
NGな箸使い | 持ち方(使い方)の特徴 |
刺し箸 | 食材に箸を刺して食べる |
寄せ箸 | 手の届かない器を箸で引き寄せる |
ねぶり箸 | 食事中に箸先を舐める |
迷い箸 | 食べる食材を迷って器の上で箸をウロウロさせる |
さぐり箸 | 器にある食事を奥のもの(下にあるもの)を箸で探る |
渡し箸 | 食事の途中で器に箸を置く ※箸置きにおくのが正しい |
叩き箸 | 器を箸で叩く |
なみだ箸 | 箸から汁がポタポタたれる |
指し箸 | 箸で人のことを指す |
噛み箸 | 箸を噛む(咥える) |
立ち箸 | お茶碗の米に箸を立てる |
食べ終わった後のお皿は重ねない
店員さんが片付けやすいようにと、食べ終わった後のお皿を重ねてしまう人が多いですが実はマナー違反です。
お皿を重ねてしまうと、器の裏側が汚れてしまったりテーブルが汚れてしまったりするからです。
下げてくれる店員さんにお任せするようにしましょう。
食べかけをお皿に戻さない
食べかけ、口に運んだ食べ物を自分のお皿であっても戻すのはNGです。
噛んだあとが見えてしまうのは、不快感を与えたり不衛生だと思われたりします。
箸で切れるものは、小さく切ってからいただきましょう。
手皿で食事をいただかない
食事をいただくときに、手をお皿代わりにする光景をよく目にしませんか?
実は手皿はマナー違反になります。
日本食は通常、小さなお皿を持って食事をいただきます。
たとえば醤油をつければ醤油用の小皿を持って食事をいただくことが美しいマナーとされているのです。
汁物は音を立ててもいい
お蕎麦やお味噌汁など汁物は音を立ててはいけないと思われがちですが、温かい汁物は音を立てて食べることが基本マナーです。
ただしオールマイティに音を立ててもOKということではないので、迷ったときは立てないのが無難でしょう。
また、食べ物を噛む音はNGなので気をつけてくださいね。
食事を残さない
日本では、食事を残すことをNGマナーとされています。
「いただきます」「ごちそうさま」と挨拶をするのと同じ理由で、感謝の気持ちを伝えるためです。
食物アレルギーな場合は仕方ありませんが、事前に伝えられるのであれば料理人(店員さん)に伝言しましょう。
また頼んだものの、どうしても満腹になってしまった場合はお店側に「美味しかった」気持ちはきちんと伝え、感謝するようにしてください。
味が薄い物からいただく
基本的に食事は味が薄い物からいただくことをマナーとします。
これは繊細な味付けを濃い味で消してしまわないためです。
和食であれば、
- 汁物
- お米
- おかず
- 副菜
の順でいただくのが良い食べ方になります。
食べながら会話はしない
人と食事を楽しむのに、会話は欠かせませんよね。
しかし口に食べ物を含んだまま、おしゃべりをすると口の中身が見えてしまったり、ポロポロ溢してしまったりします。
食事相手の気分を害してしまう行為です。
食べ物は飲み込んでから話すか、どうしても食べながらになる場合は口元を手で覆って話すようにしましょう。
美しい食べ方・所作になる5つのコツ
美しい食べ方は、正しい食事マナーが必要不可欠ですが所作も大切になります。
最後に、懐石料理にも会席料理にも映える5つの美しい所作を紹介します。
正しい姿勢で座る
当たり前のようで、意外と緩んでしまうのが姿勢です。
最初は気にしていても、食事や会話に夢中になって背中が丸くなったり左右どちらかに姿勢が偏ったりしてしまいます。
常に意識高く食事をすることで姿勢は保たれるもの。
椅子に座って食事をいただく際は、深く座り凛とした姿勢を意識しましょう。
一口サイズにカットして食べる
好きな食べ物やお腹が空いているときは、早く食事をいただきたいですよね。
しかし急いで食べようとすると、品のない食べ方になってしまいます。
大きな口を開けて、大きな一口を頬張る。
まるでリスのようにもぐもぐ食べる姿は、クチャ食べや手皿などマナー違反の原因にもなり兼ねません。
見た目的にも良い印象は与えないので、いくら美味しそうな食事でも一口サイズにカットにしていただきましょう。
お箸(カトラリー)の動作をゆっくりする
日本食では、お箸を使うことがほとんどですが、もしカトラリーを使っていただくときも動作はゆっくりと行うようにしましょう。
一つひとつの動作をゆっくりすることで、上品な印象を与えることができます。
また、心に余裕が生まれその場の雰囲気を穏やかにできたり、会話も心地よいものにできたりといい相乗効果になります。
髪の毛が食事に入らないように配慮する
髪の毛が長い人は、食事の邪魔にならないように気を付けましょう。
髪の毛が食事に入ってしまうと、髪の毛が汚れるだけでなく、盛り付けも台無しにしてしまいます。
何より一緒に食事をしている人に不衛生な印象を持たれるかもしれません。
サッと髪の毛をまとめて、不要なことに気を取られず食事を楽しみましょう!
和の敷居を大切にする
和室で日本食をいただくときは、お部屋のマナーも守らなければなりません。
敷居や畳の縁を足で踏むことは、禁じられています。
踏んでしまうと、その家の人を軽んじていることと同じ意味を持つからです。
襖や障子を開けて入室するときは、とくに足元も意識するようにしましょう。
食べ方・作法のマナーを身につけて大人の魅力を見せつけよう!
食事姿は意外と見られているもので、職場の人・恋人・好きな人・家族・友人など、いろんな人の目が光っていると思っておきましょう。
食べ方のマナーがなっていないことから、「あの人とは食事したくない」「ガサツな人」「恋愛対象には見られない」なんてことになり兼ねません。
もう大人なのですから、食べ方・作法の基本マナーは最低限押さえておきましょう。
正しい食事マナーで大人の魅力を見せてくださいね!
- 食べ方の基本マナーは、お箸を正しく使う・手を合わせる・残さないなど当たり前のことが含まれる
- 手皿をしない・食べ終わったお皿を重ねない・おしぼりは手拭き以外使わないなど、見落としがちなマナーもある
- 食べ方のマナーと一緒に美しい所作を取り入れることで上品な印象を与えられる