想像妊娠の実態とは?原因・症状&本当の妊娠との見分け方・治し方を解説!
「想像妊娠」というと、ドラマや小説の中だけの出来事だと思っていませんか?
しかし、想像妊娠はそうしたフィクションの話ばかりではありません。
実際に想像妊娠の症状に苦しんでいる人も少なくないのです。
今回の記事では、想像妊娠の実態や原因、さらには想像妊娠の症状が出たときの対処法について解説していきます。
Contents
想像妊娠とは
想像妊娠(偽妊娠)とは、実際は妊娠していないにもかかわらず、妊娠と似たような症状が体に現れることです。
想像妊娠は決して珍しいことではなく、妊娠を疑ってクリニックに相談する女性は少なくありません。
ちなみに、人間以外ではジャイアントパンダや犬にも、乳腺の発達や食欲不振といった妊娠と同じような症状がでる「偽妊娠」が起こることが知られています。
偽妊娠の症状がある飼い犬の場合、薬の投与で治療することが可能です。
また、偽妊娠に効果的な予防方法は避妊手術です。
自然に治ることもありますが、発情の度に症状が出てしまえば、犬も辛い思いをしてしまいます。
偽妊娠の予防を考えている飼い主さんは、避妊手術を検討するといいでしょう。
想像妊娠の原因
想像妊娠の症状にはその人の精神状態が深く関わっています。
妊娠を望む気持ちが強い、あるいは逆に妊娠したくない気持ちが強いと、妊娠と同じ症状が出るとされており、本人の精神状態が大きく影響しているといえるでしょう。
妊娠という事象への強いこだわりがあることがストレスとなって、ホルモンバランスや自律神経を乱すことがあります。
こうした体の変調が排卵の遅れを引き起こし、あたかも妊娠したかのような症状が出てしまうのです。
本当の妊娠とほぼ同じ!想像妊娠の主な症状
想像妊娠によって起こる体の変化は、実際の妊娠初期の症状と本当によく似ています。
具体的な想像妊娠の症状は以下のとおりです。
生理が遅れる
ホルモンバランスや自律神経が乱れることにより、生理が遅れたりストップしたりすることがあります。
生理がこないのは典型的な妊娠のサインでもあるため、妊娠だと誤解してしまう人が多いでしょう。
生理予定日をすぎても生理がこないときは、すぐ妊娠を疑わずに今までの生活を振り返ってみると、原因が判明するかもしれません。
つわりのような気持ち悪さがある
妊娠を意識しすぎることによるホルモンバランスの乱れは、体調にも大きく影響します。
その結果、吐き気や食欲不振といったつわりに近い症状が起こるのです。
つわりは妊娠5週目からはじまることが多いため、気持ち悪さは女性にとって妊娠初期と勘違いされやすい症状でしょう。
少量の出血がある
ホルモンバランスが乱れることで、生理不順だけでなく不正出血が起こることがあります。
実は妊娠初期にも「着床出血」といった少量の出血が起こることがあるため、こちらも本当の妊娠と誤解しやすい症状のひとつです。
デリケートな女性の体は、子宮内部や膣は少しの刺激で出血を起こすことがあるので、ティッシュについた血を見て「妊娠だ」と勘違いしてしまう人は多いかもしれません。
腹痛
想像妊娠の症状として、腹痛も挙げられます。
妊娠初期には子宮が大きくなることで、腹痛が起こりがちです。
想像妊娠の場合は単なる生理痛である可能性が高いですが、妊娠初期の症状と非常に似ているため、妊娠を疑うケースがあるでしょう。
想像妊娠と本当の妊娠の見分け方
想像妊娠と本来の妊娠の症状は非常によく似ています。
そのため、本人の感覚で見分けるのはかなり難しいでしょう。
ここでは、妊娠初期のような症状が見られたときの想像妊娠との見分け方を紹介します。
基礎体温を測る
女性の体温は月経周期にあわせて変化します。
排卵日から生理予定日までの2週間は「黄体期」と呼ばれ、プロゲステロン(黄体ホルモン)が活発になるもっとも妊娠しやすい時期です。
この時期は体温が高く、通常であれば生理の開始とともに体温が低下していきます。
一方、妊娠が成立するとしばらく高体温が続くようになるのです。
ゆえに、基礎体温の高い時期(高温期)が17日以上続いたら、妊娠した可能性が高いと考えられます。
妊娠検査薬で陰性・陽性をチェックする
本当の妊娠かどうか見分けたい場合、妊娠検査薬を使うという方法もあります。
妊娠検査薬とは、妊娠した女性特有のホルモンである「hCG」が、自分の体内で分泌されているかどうかをチェックできるものです。
「hCG」は妊娠していない女性の体内には存在しないため、妊娠検査薬が反応しなければ想像妊娠の可能性が高くなります。
ただし、検査薬の使い方を誤ってしまうと正しい検査結果が出ないことも十分考えられるため、不安な人は病院で相談した方が良いでしょう。
想像妊娠の治し方
想像妊娠は過度な妊娠への渇望や恐怖、あるいは妊活へのプレッシャーなど、妊娠にまつわるストレスが強いことで起こります。
想像妊娠の症状に悩まされたときは、まず「妊娠していない」ことを自覚することが大切です。
基礎体温をつけたり妊娠検査薬で調べたりと、妊娠していない客観的なデータを揃えることで、次第に受け入れていくことができるでしょう。
それでも治らない…という場合は、産婦人科などの専門医の診察を検討してみてください。
エコー画像を見せてもらい、しっかり診察した上で「妊娠していない」ことを告げられれば、偽妊娠であることを納得しやすくなるはずです。
心理的な要因が根強いようであれば産婦人科医のほかに、心療内科を受診することをおすすめします。
また、日本にはまだ数少ないですが「生殖心理カウンセラー」という、妊娠や出産に関する心の悩みを専門に取り扱うカウンセラーも存在します。
妊娠に関する悩みが根深いと感じている人は、そうした専門家に相談するのも1つの手です。
想像妊娠の予防法
想像妊娠は妊娠に関する悩みを自分ひとりで抱え込むことで起こりやすくなります。
もし、妊娠に関するプレッシャーを感じているなら、ぜひパートナーに相談してください。
パートナーに言いづらい人は、カウンセラーや医師に相談してもOKです。
いずれにせよ、妊娠についての不安を解消することが予防につながります。
同時にホルモンバランスを整えることも大切です。
ホルモンバランスの乱れはストレスだけでなく、不規則な生活が大きく関係しています。
ぜひ、普段から規則正しい生活を心がけてください。
また、妊娠を希望していない場合は、医療機関でピルの処方を受けることが、想像妊娠の予防につながるでしょう。
ピルを服用すれば妊娠をほぼ確実に防ぎ、ホルモンバランスを整えることが期待できるため、前向きに検討してみるといいかもしれません。
想像妊娠は男性も起こるケースがある
実は、男性でも想像妊娠に似た症状が起こるケースがあります。
主にパートナーが妊娠することで、そばにいる夫も頭痛や不眠、つわりのような症状に悩まされることがあるそうです。
こうした症状は「クーヴァード症候群」と呼ばれ、父親になるプレッシャーやパートナーへの強い共感によって引き起こされるといわれています。
ただし、男性の場合は本当に妊娠しているわけではないので、体調を崩したときは薬を服用すれば症状が軽くなるでしょう。
妻の体調が安定することで、男性の症状が次第になくなっていくのが一般的なため、過度に不安を覚える必要はありません。
妊娠の症状が現れたときは焦らず対応することが大事
ストレスやホルモンバランスの乱れなどによって、誰にでも起こる可能性のある「想像妊娠」。
もし自分の体に妊娠の症状が現れたら、万が一本当に妊娠している可能性を考慮しつつ、焦らずに対応するようにしましょう。
まずは、妊娠しているのかどうかを正しく見極めることが必要です。
場合によっては、産婦人科医やカウンセラーなどの専門家の力を借りることも考えましょう。
「今は妊娠していない」ということが自覚できれば、次第に想像妊娠の症状は消失していくはずです。
- 想像妊娠とは、妊娠していないにもかかわらず妊娠初期のような体の不調が起こることを意味する
- 妊娠を強く望んでいる人や、反対に妊娠や出産への不安が強い人に想像妊娠の症状が現れやすい
- 想像妊娠の症状には、つわりのような体調不良や不正出血、生理の遅れなどがある
- 想像妊娠か本当の妊娠かを見分けるには、基礎体温をチェックしたり妊娠検査薬を使用したりするのが有効
- 想像妊娠の症状を改善するには、妊娠していないことを自覚することが大事