ヤグルマギク(矢車菊)の花言葉は?意味や由来・ヤグルマソウとの違いも紹介
春から初夏にかけて、目にすることの多いヤグルマギク(矢車菊)。
宝石の呼び名にされるほど美しい青色のほかにも、紫や白といった可憐な花を咲かせます。
今回は、そんなヤグルマギクの花言葉にフォーカスしてご紹介。
ヨーロッパで親しまれ、歴史的な逸話がもとになった花言葉の由来も解説します。
Contents
ヤグルマギク(矢車菊)の花言葉の意味・由来は?
ヤグルマギクにはいくつかの花言葉があります。
ヤグルマギクの可憐な姿に由来する花言葉や、ヨーロッパに伝わる逸話をもとにしたものなど、代表的な花言葉の意味や由来をチェックしていきましょう。
優美・繊細・優雅
ヤグルマギクの花言葉として代表的なのが「優美・繊細・優雅」です。
花言葉がつけられた由来は諸説ありますが、青や紫・白といった落ち着いた花の色や、可憐な花の姿からつけられたといわれています。
ヤグルマギクの英名「コーンフラワー(Corn flower)」は、最高色のサファイアを表す呼び名です。
宝石の呼び名にも用いられるほど美しい花として「優美・繊細・優雅」という花言葉がつけられたのでしょう。
教育
ヤグルマギクの「教育」という花言葉は、かつてのドイツ・プロイセンのルイーゼ王妃のエピソードに由来するのだとか。
ナポレオン軍に追われた王妃は、王子2人を連れて麦畑に身を隠し、咲いていたヤグルマギクで花冠を作り、子ども達に希望を持つように教え諭したとされています。
この逸話をもとに、ヤグルマギクに「教育」という花言葉がつけられているのです。
独身生活
ヤグルマギクには「独身生活」という一風変わった花言葉もあります。
これは、独身男性が襟元にヤグルマギクを飾るという欧米の風習「バチェラーズボタン」に由来するもの。
「パートナーを探している」という意味も含まれているため、恋人のいる相手にプレゼントするときは、注意が必要です。
ヤグルマギク(矢車菊)の海外での花言葉は?
ヤグルマギクはヨーロッパを原産とする植物であるため、日本語以外でも花言葉が親しまれています。
他の言語でも日本語同様に、花の美しさや歴史的な逸話に由来したものが多いようです。
各国共通の美しさを持つ、ヤグルマギクの花言葉をチェックしてみましょう。
英語
ヤグルマギクの花言葉は、英語圏でも「delicacy(繊細・優美・思いやり)」「refinement(上品・優雅)」など似たような意味が多いです。
英語版の花言葉も日本語版と同じように、青紫の美しい花と可憐で小さい花から連想してつけられたといわれています。
フランス語
フランス語では「Bleuet(ブルエ)」と呼ばれるヤグルマギク。
「恥ずかしがり屋…だけど直すから(Je suis timide… Mais je me soigne)」という詩的な花言葉を持っています。
内気さを表すフランス語の花言葉も、日本の花言葉にあるように、ヤグルマギクが持つ繊細なイメージに由来するものといえるでしょう。
ドイツ語
ドイツ語では「私は希望をあきらめない(ch gebe die Hoffnung nicht auf)」という花言葉があります。
これはまさしく、ナポレオンの侵攻から子どもたちと逃げるプロシア王妃の逸話によるものでしょう。
ポジティブで力強い花言葉なので、誰かを応援したいときに贈るメッセージにもぴったりです。
ヤグルマギク(矢車菊)はどんな植物?
青やピンク、白などかわいらしい姿の花を咲かせるヤグルマギクですが、そもそもどのような植物か知っていますか。
ヤグルマギクは公園や花壇で目にすることも多い花ですが、詳しく知らない人も多いでしょう。
ここからは、ヤグルマギクの特徴や名前の由来など、知識を深めていきましょう。
ヤグルマギクとは
- 科・属名:キク科・ヤグルマギク属
- 学名:Centaurea cyanus
- 和名:矢車菊
- 英名: Cornflower、Bachelor’s-button
- 原産地:ヨーロッパ
- 開花時期:4月~6月
- 誕生花:3月1日、3月5日、3月22日、4月11日、4月19日、4月26日、5月10日、5月11日
ヤグルマギクは、ヨーロッパ原産の一年草です。
春から初夏にかけて青やピンク、白色の花を咲かせるのが特徴。
原種は一重咲きですが、出回っている品種は園芸用や観賞用に改良された八重咲のものが多いです。
3月から5月にかけて、誕生花とされている日が複数ありますが、ヤグルマギク全般でいうと3月1日、3月5日、3月22日が該当します。
ヨーロッパで親しまれている
ヤグルマギクは、古くからヨーロッパや西アジアで親しまれてきました。
その証拠に「ヴィーナスの誕生」が有名なイタリア人画家・ボッティチェリの作品に描かれたり、エジプト王ツタンカーメンの墓から発見されたりと様々な場所に登場しています。
また、プロシア王妃がヤグルマギクの花冠を贈った王子の一人が初代ドイツ皇帝となったことから、皇帝の花としてドイツの国花にもなっているほどです。
ヤグルマギクは、ヨーロッパでも長い間人々から愛されている花といえるでしょう。
ヤグルマギクの名前の由来
ヤグルマギクの「矢車」とは、鯉のぼりの先端につける風車のような部分のこと。
和名の「ヤグルマギク」は花の形が矢車に似ていることや、端午の節句の時期に咲くことに由来しています。
学名である「Centaurea cyanus」は、ギリシャ神話のケンタウロスが語源。
ケンタウルスの賢者が、矢車菊を薬草として用いていたことに由来しています。
ヤグルマソウとの違い
ヤグルマギクと間違われやすいのが、ヤグルマソウ(矢車草)。
かつては、ヤグルマギクをヤグルマソウと呼ぶこともありましたが、本来まったく異なる種類の植物です。
どちらも矢車に似た姿から名付けられていますが、矢車のような花を咲かせるヤグルマギクに対して、ヤグルマソウは放射線状に広がる矢車のような大きな葉を付けます。
ヤグルマソウは、とても小さい白い花がふわふわと集まって咲くため、見た目もまったく異なる植物です。
ヤグルマギク(矢車菊)の花言葉はプレゼントにもピッタリ!
「優美・繊細・優雅」という、繊細で可憐な花をイメージさせる花言葉があるヤグルマギクは、プレゼントや贈り物、おもてなしにもおすすめ。
花束やアレンジメントだけではなく、プレゼントのバリエーションも豊富です。
ここからは、ヤグルマギクを贈るアイデアをチェックしていきましょう。
食用としてお料理に
ヤグルマギクは、エディブルフラワーとして食用にも利用されています。
料理やお菓子を彩る飾りとしてだけではなく、ハーブの一種でもあるため、ハーブティーやハーブウォーターとしても使われています。
フランス語の花言葉「恥ずかしがり屋…だけど直すから」という意味に想いを込めて、距離を縮めたい相手とのティータイムに、ヤグルマギクを添えてみてもいいかもしれません。
ドライフラワーとして飾って
ヤグルマギクは、フラワーアレンジメントとして重宝するだけではなく、ドライフラワーにして飾るのもおすすめです。
色褪せも少なく、吊るしておくだけで簡単にドライフラワーが作れます。
生花の花束としてしばらく楽しんだ後は、ドライフラワーにしておけば長く楽しめるでしょう。
ドイツ語の「私は希望をあきらめない」という花言葉に想いを込めて、資格や受験の勉強をがんばる人へのプレゼントにおすすめです。
育てやすい花としてガーデニング初心者にも
ヤグルマギクは青や紫、ピンクなどさまざまなカラーバリエーションがあるうえに、ガーデニング初心者でも育てやすい植物なので、鉢植えとしてプレゼントするのもおすすめです。
「優雅」という花言葉に想いを込めて、庭づくりをしながらゆったりとした時間を過ごしてほしい人への贈り物にもぴったりではないでしょうか。
ヤグルマギクの花言葉に怖い意味はない!安心して想いを込めたプレゼントを贈ろう!
紫やピンク、白い花が可憐なヤグルマギクには、花の美しさや歴史的な逸話などに由来した花言葉がつけられています。
「優美・繊細・優雅」「私は希望をあきらめない」など、ポジティブな意味を持つ花言葉も多くあるためプレゼントにもぴったり。
観賞用としてだけではなく、料理やお菓子に添えたり園芸用として贈ったりと、プレゼントバリエーションも豊富です。
大切な相手へ、ヤグルマギクの花言葉を贈ってみてはいかがでしょうか。
- ヤグルマギクには「優美・繊細・優雅」「教育」「独身生活」といった花言葉がある
- ヨーロッパでも長く親しまれ「私は希望をあきらめない」というドイツ語の花言葉も
- ヤグルマソウと混同されやすいが、見た目も種類もまったく違う植物
- 観賞用のフラワーアレンジメントだけではなく、食用や園芸用としてもおすすめ