睡眠時にうなされる原因は何?睡眠前のNG行動や安眠するための方法を解説
睡眠時にうなされると、眠っても疲れが取れなくて翌日も辛いですよね。
自分では気づかないうちにうなされていて、人から指摘されてはじめて疲れが取れなかった原因に気付くことも。
この記事では、睡眠時にうなされる原因や安眠のために気を付けたい睡眠前のNG行動、ぐっすり眠るためのポイントを紹介します。
Contents
「うなされる」とはどういう状態?うなされるの意味
「うなされる」とは、眠っているときに恐ろしくなったり不快に感じたりして、苦しそうな声を出したり苦し気な表情になること。
うなされている状態だと睡眠が浅くなるので、長時間眠っても疲れが取れません。
また、うなされると夜中に目が覚めたり、もう一度眠ろうとしてもなかなか寝付けないことも。
結果として睡眠不足に陥り、翌日は肉体的にも精神的にも疲労を感じることになるでしょう。
うなされるのはなぜ?睡眠中にうなされる3つの原因と理由
睡眠時にうなされる原因は、精神的な疲労や体調不良など、さまざまです。
眠れないからと睡眠薬やアルコールを飲んでみても、本質的な原因が解消されていなければ、睡眠トラブルを治すことはできません。
どうして自分がうなされているのか原因を把握して、根本的な解決を目指しましょう。
次は、寝ている時にうなされる主な原因について解説します。
悪夢の影響
誰かに追いかけられたり、怖い目に合ったりする悪夢を見て、うなされた経験がある人は多いのではないでしょうか。
悪夢は、睡眠中にうなされる主な原因の1つ。
人の睡眠リズムは、眠りの浅い「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」の繰り返しで、悪夢を見るのは、レム睡眠の時間が多いといわれています。
もしも悪夢の原因が日常的なストレスにあって、一時的なものであればよくあることなので、あまり心配する必要はないでしょう。
しかし、トラウマとなるような出来事が悪夢の原因になっていて、日常生活に支障をきたすようなら、悪夢障害という睡眠障害になる恐れがあります。
日常のストレスや不安の影響
日常のストレスや不安なども、睡眠中にうなされる原因です。
起きている間に受けたストレスや心配事、不満などの感情をたくさん抱え込んでいても、周りの人はもちろん、本人でさえ気付いていないケースがあります。
そのように抑圧されたストレスやネガティブな感情は、脳がリラックスしている睡眠時に解放されて表に現れてくることがあるのです。
睡眠時に、普段と違う様子で寝言を言っていたり、ひどくうなされたりしていたら、それは抑え込んでいた感情が解放されているのかもしれません。
本人は無意識のうちに言っているため、起きたときには何も覚えていない場合もあります。
風邪や発熱の影響
風邪をひいて体力が落ちているときや病気で発熱しているときは、睡眠中に悪夢を見たりうなされたりすることがあります。
これは脳の中で、恐怖や心配を感じる役割をする扁桃体が、発熱によって活発化することが原因です。
ただでさえ扁桃体には、レム睡眠時に活発になる傾向があります。
そこにさらに発熱や発汗が起これば、より扁桃体を活発化させることになるので、普段以上に悪夢を見たり、うなされたりしやすくなるでしょう。
叫ぶほどの場合は精神疾患の可能性もある
寝言や悪夢でうなされる症状が悪化して、叫んだり何かに暴力をふるうほどの睡眠障害になった場合は、レム睡眠行動障害と呼ばれる精神疾患の可能性もあります。
何かに追いかけられたり争ったりする夢を見て、叫び声を上げたり夢の中で闘っているつもりで、無意識に近くの人に暴力をふるっている場合は、精神科の治療が必要かもしれません。
仕事の都合などで不規則な睡眠を取る人に多く見られる症状で、飲酒やストレスで悪化する症例が報告されています。
うなされやすくなる睡眠直前のNG行動
眠りたいのになかなか寝付けない人や、うなされるため眠りが浅い人は、眠りを妨げるNG行動を就寝直前にしている可能性があります。
あなたが普段ベッドに入る前に何気なくとっている行動が、実は睡眠不足の原因かもしれません。
次は睡眠直前に行うと安眠できなくなってしまう、NG行動を紹介します。
激しい運動
健康やボディシェイプのために適度な運動をすることは、ストレスを解消し心地よい疲労感で寝つきを良くするのに役立ちます。
しかし、寝る直前に激しい運動をするのは、安眠のためには逆効果。
心拍数を上げて交感神経が活性化するため、脳が覚醒して眠りにくくなってしまうのです。
どうしても筋トレなどの激しい運動を夜に行いたい場合は、就寝の3時間前には終わらせるようにしましょう。
忙しくて難しい場合は、心拍数を上げないようなヨガやストレッチなど、体をリラックスさせる運動を選んでください。
カフェインやアルコールの摂取
睡眠前のカフェインやアルコールの摂取も、眠れなくなる原因の1つ。
カフェインの効果は若い人で1〜2時間持続するといわれており、就寝前に摂取すると寝つきが悪くなって、うなされる原因になることがあります。
カフェインといえばコーヒーを思い浮かべますが、緑茶やハイカカオチョコレートにも多く含まれているので、寝る前に摂取する場合は時間や量に気を付けましょう。
また、アルコールには一時的な催眠作用がありますが、酔いが覚めた後は逆に寝付けなくなってしまうため要注意です。
カフェインとアルコールが持つ利尿作用も、睡眠を中断させる原因になります。
スマホやPCを見る
寝る直前までスマホをチェックしている人は多いですが、スマホやPC、デジタル機器の液晶画面のブルーライトは、睡眠の質を下げる原因となります。
その理由は、人間が本来持っている体内時計。
通常、人は朝日を浴びると覚醒ホルモンであるセロトニンの分泌が始まり、14時間後に睡眠ホルモンのメラトニンに切り替わります。
しかし、朝日にも含まれているブルーライトを夜に浴びてしまうと、体内時計がまだ昼かと勘違いするため、ホルモンの分泌や切り替えがうまく働きません。
安眠のためにも就寝前1〜2時間は、スマホやデジタル機器は見ないようにしましょう。
ホラー映画の鑑賞
ホラー映画を見たり怖い話を聞いた後には、それに関連した悪夢を見やすくなります。
悪夢はうなされる原因となるので、ぐっすり眠るためには寝る直前のホラー鑑賞は避けた方が良いでしょう。
また、実際に映画を観ていなくても、怖いシーンを想像しながら眠ったりするのも、悪夢を見る原因になります。
寝る直前は、心身共にリラックスできるように心がけましょう。
【安眠対策】ぐっすり眠るためのコツとポイント
睡眠中にうなされないようにするためには、質の良い睡眠をとってぐっすり眠ることが大切です。
就寝時間だけに気を遣うのでなく、日頃の生活習慣全体を健康的にして睡眠環境を改善していきましょう。
最後は、うなされることなく脳も体も休まる安眠のために、今日から行いたい対処法を紹介します。
食事は寝る2~3時間前までに済ませる
おなかがいっぱいになると眠くなりますが、寝る直前の食事は消化にも安眠にも良くありません。
満腹状態で眠ると胃や腸が休まらないので、眠りが浅くなってしまうのです。
うなされずに安眠するには、食事は寝る2〜3時間前までに済ませましょう。
どうしても食事が遅くなってしまう日は、内臓の負担にならないような胃に優しいものを選ぶか、ホットミルクなどで軽く空腹を満たす程度にするのがおすすめです。
睡眠環境を整える
安眠のためには、睡眠環境を整えることが大切です。
寝室の温度は、季節に合わせてエアコンなどで適温を保つようにしましょう。
夏の冷やし過ぎや冬の暖め過ぎは、かえって眠りを浅くするので、寝具やパジャマなどで調整するのがおすすめ。
特に直接肌に触れるものは、ファッション性よりも快適性を重視して、自分が心地よく過ごせる素材や厚さのものを選びましょう。
また、寝室の照明が明る過ぎると寝つきが悪くなります。
間接照明や暖色系のライト、タイマーなどを使って、脳や目を徐々に睡眠モードにするように工夫してみましょう。
規則正しい生活を送る
寝る時間や起きる時間が毎日違うような不規則な睡眠サイクルでは、質の良い睡眠がとりにくくなります。
なるべく同じ時間に寝て同じ時間に起きる生活を送り、自分の睡眠サイクルを身体に覚えさせるのが理想的です。
どうしても同じ時間に寝るのが難しい場合は、起きる時間だけでも毎日同じ時間にしてみましょう。
規則正しい生活で自然な睡眠サイクルができれば、眠りの質が向上し、うなされることもなくなってくるはずですよ。
タンパク質をしっかりとる
食生活を整えてタンパク質をしっかりとることも、安眠につながります。
睡眠に影響するホルモンのセロトニンとメラトニンの生成には、食事から摂取する必須アミノ酸のトリプトファンが必要です。
トリプトファンを多く含む食材は、牛乳・鶏肉・魚類・卵・豆類など。
これらの食品から上質なタンパク質を積極的にとるようにすれば、眠りの質が改善され朝までうなされずにぐっすり眠れるようになるでしょう。
寝る前にネガティブなことを考えない
うなされる原因となる悪夢を見ないようにするために、寝る前のマインドの見直しも重要です。
その日起きた嫌な出来事を思い出したり、心配しても仕方ないようなことを心配し続けたり、ネガティブなことはなるべく考えないように心がけてください。
寝る前に考えたことは脳に残りやすいので、ポジティブなことをたくさん考えるようにしましょう。
そうすれば、寝ている間や翌日にもポジティブな印象が頭に残るはず。
悪夢にうなされることなく良い夢を見られるように、眠りにつくときは意識的に嬉しかったことや楽しみなことを考えるのがおすすめです。
うなされる要因を取り除いて、安眠できる環境を整えよう!
睡眠中にうなされると、眠りが浅くなったり目が覚めて寝付けなくなったりするので、眠っても疲れが取れません。
原因は悪夢や日常のストレスの他、発熱や精神疾患などさまざまで、深刻な場合は睡眠障害になることも。
睡眠直前の、激しい運動、アルコールやカフェインの摂取、スマホやPCチェックなどは安眠を妨げるため、控えるようにしましょう。
眠りの質を向上するためには、食事の時間や寝る時間など生活習慣から変えていくことが必要で、睡眠環境や食生活、考え方も影響します。
脳も体も休めるような眠りをとるために、うなされる原因を取り除いて、安眠できる環境を整えてみてくださいね。
- 睡眠中にうなされると、眠っても疲れが取れない
- うなされる原因は悪夢やストレスで、体調不良や精神的な問題が影響する場合もある
- 寝る直前のNG行動は、激しい運動、アルコールやカフェイン、スマホチェックなど
- 睡眠を改善するには生活習慣全体から改善していくことが大切
- うなされる原因をなくして、朝までぐっすり眠ろう