マインドコントロールとは?洗脳されやすい人・する人の特徴と解き方
マインドコントロールとは、他人を思いのままに操ることです。
英語の「mind control」からきており、直訳では「心の制御です」
マインドコントロールを「洗脳」と認識していることも多いでしょう。
「もしかしたら自分はマインドコントロールされてるかも」と不安に思ったことはありませんか?
または、周りの人に対して「あの人、洗脳されてる?」と感じたことがある人もいるでしょう。
この記事では、マインドコントロールとは何かを解説し、洗脳されやすい人・する人の特徴と解き方を紹介します。
Contents
マインドコントロールとは?
マインドコントロールとは、本人に気づかれないように、その人の精神状態や行動をコントロールすることを言います。
もともとは、自己啓発の手法の1つとして生まれた言葉で、ポジティブな意味合いで使われていました。
そのため「洗脳」と同じような意味ですが、洗脳よりもマインドコントロールの方が暴力など危険な行為に触れないこととしてとらえられることが多いようです。
まずは、マインドコントロールとは何かについてみていきましょう。
マインドコントロールは人間本来の心理的反応の結果
マインドコントロール=怖いというイメージを持つ人は多いでしょう。
しかし、マインドコントロールは、人間本来の心理的反応の結果であり、日常生活でもたくさん存在しています。
例えば、「ギブアンドテイク」と言われるように、友人などに何かしてもらったときに、お返しをしたいと考える人は多いですよね。
これを普通のことと捉える人は多いかもしれませんが、他人に行動を掌握されているため、このような行動も全てマインドコントロールの1つになるのです。
このように、マインドコントロールは、私たちの生活にありふれていますが、悪用する人が多いため、ネガティブなイメージが定着しています。
マインドコントロールをする方法は?
マインドコントロールをするには、まず外部からの情報を遮断し、視野が細く狭くなるような状況を作ります。
その後、心理的テクニックを使ったり、潜在意識に働きかける言葉をかけたりして精神を支配し、相手の思考や行動を思うがままに操るのです。
マインドコントロールで使われる心理学の原理
マインドコントロールされないように気をつけたいけど、何に注意したらいいかわかりませんよね。
そんなときは、心理学の原理をしっかり知っておくことが大切です。
人はどのようにして洗脳されていくのかを理解していれば、日頃から注意して過ごせるようになりますよ。
ここからは、マインドコントロールで使われる心理学の原理を解説します。
返報性の原理
返報性の原理はマインドコントロールで使われる心理学の原理の代表例です。
これは「ギブアンドテイク」とも言われるもので、誰かに何かをもらったらお返しをしなければと思う精神を指しています。
何かしてもらったらお礼をするのは当たり前だと感じる人は多いでしょう。
しかし、相手のアクションに対して、自分が行動を起こすという行為そのものは、マインドコントロールされていると言える行動なのです。
一貫性の原理
マインドコントロールで使われる心理学の原理には一貫性原理というものもあります。
アウトドア用品を買うならこのお店、保険に入るならこの人から、などと決めている人は多いのではないでしょうか。
このように人は、無意識に自分の行動に一貫性を持たせようとする傾向にあり、それを利用したのが一貫性の原理です。
セールスマンが使う「フットインザドア」と呼ばれる販売テクニックなども一貫性の原理を利用したものです。
社会的証明の原理
社会的証明の原理も、マインドコントロールで使う心理学の原理です。
人は何かを判断するとき、他人からみてその判断が正しいかどうかを基準にします。
そのため「あの人も、この商品を絶賛している」と言われるとその商品がいいと思えてくるのです。
このようにビジネスの場面で、社会的証明の原理を使ったマインドコントロールはよく使われます。
好意の原理
好意の原理は、自分が好意を抱いている人の言うことなら、悪いはずがないと思わせてしまうマインドコントロールの手法です。
恋人だと思っていた人からお金を騙し取られた事件などは、好意の原理を利用したマインドコントロールが原因と言えるでしょう。
また、自分が好意を抱いていたり、信頼している相手の頼みなら仕方ないと考えて、頼み事を聞いてしまうなども、この原理にあたります。
権威への服従原理
マインドコントロールで使われる心理学の原理の1つに権限への服従原理もあります。
人は権限に弱い傾向があり、権限のあるものの命令にはあまりよく考えずに従うことが多いです。
「普段テレビを観ないけど、好きなアイドルが出演してるから観る」など、内容を深く考えずに視聴することってありますよね。
または、有名な人が紹介していたから安心だろうという心理状態になり購入してしまう、ということもあるでしょう。
このような行為を権限への服従原理と言います。
希少性の原理
希少性の原理も、セールスではよく使われるマインドコントロールの手法です。
限定100個、残り4日、などと言われて「今しか買えない」という気持ちになった結果、深く考えずに購入してしまったという経験はないでしょうか。
このように「もう買えないかもしれない」「これは貴重な機会だ」という心理状態にさせることが希少性の原理です。
マインドコントロールを悪用した事例
マインドコントロールは、ギブアンドテイクのように、無意識に使われることもありますが、意図的に悪用して使われることの方が多く、社会的問題になっています。
カルト教団やマルチ商法などで被害にあったというニュースを耳にしたことがある人も多いでしょう。
自分も被害に合わないようにするためには、人がどのようにして被害にあったのかを知っておくことが大切です。
ここからは、マインドコントロールを悪用した事例を紹介します。
カルト教団
オウム真理教などカルト教団のニュースを耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
非常識なことばかりさせられているのに、どうして信じているんだろうと疑問に思った人もいるかもしれませんが、これこそがマインドコントロールなのです。
巧妙なマインドコントロールで支配されることにより、家族や友人なども捨て、危険なことにまで手を出してしまう。
それによりオウム真理教で起きたような痛ましい事件を起こしてしまうのでしょう。
マルチ商法
学生を中心に被害が拡大しているのがマルチ商法でのマインドコントロールです。
自分の正体を隠して相手に接近して、しっかりした人間関係を築いた後、高額商品を販売したり、宗教集団などに誘導する手法をマルチ商法と言います。
最近は、オンライン化が進んだことで、マッチングアプリで出会った恋人に騙されたという学生も増えているようです。
ネットワークビジネス
ネットワークビジネスもマインドコントロールを悪用した事例が多いです。
ネットワークビジネスとは、会員を増やしてネットワークを作り、たくさんの人を使って商品を販売する手法を言います。
会員になった人は、友人などを勧誘し「私もこの商品を使ってとても良かったからあなたも使ってみない?」などと口コミを利用して相手をマインドコントロールするのです。
マインドコントロールのやり方は4つの種類にわかれる
マインドコントロールで相手を支配するやり方は大きく4つにわかれています。
これから紹介する4つの方法に心当たりがある人は、マインドコントロールされている可能性があるので注意してくださいね。
早速、マインドコントロールの4つのやり方をみていきましょう。
行動のコントロール
1つ目のやり方は行動のコントロールです。
あの人と一緒にいるのはやめた方がいい、住む場所を変えた方がいい、寝る時間や1日の過ごし方など、あれこれ干渉されたことがある場合、相手はマインドコントロールしようとしている可能性があります。
思考のコントロール
2つ目は思想のコントロールです。
カルト宗教などで多く使われるマインドコントロールのやり方で、自分に都合のいい思想だけを徹底的に教え込みます。
都合の悪いことや辻褄の合わない知識を得る時間が取れないほどに自分たちの思想を教え込むことで、相手は完全にその思想を信じるようになってしまうのです。
感情のコントロール
3つ目は感情のコントロールです。
「これをしないと死ぬかもしれない」などと大きな恐怖を与えることで相手の行動や思想を支配します。
宗教に入った人が「この宗教を抜けたら、恐ろしい人生が待っている」などと言われるのも感情のコントロールです。
情報のコントロール
最後は情報のコントロールです。
これはある程度マインドコントロールがされている状態で行われることが多いですが、自分に都合の悪い情報が得られないように相手の情報をコントロールします。
スマホを自由に見れなくしたり、新聞やニュースなどからも情報を得られないように制限することで、支配する側から与えられた情報だけが知識となるため、より相手を信じてしまうのです。
マインドコントロールする人、される人の特徴
マインドコントロールは自分とは無関係だと思っている人もいるでしょう。
しかし、マインドコントロールは気づかないうちにかかっているものなので、自分は大丈夫と安心しすぎないようにしましょう。
ここからは、マインドコントロールをする人、される人の特徴を紹介します。
マインドコントロールされている人の特徴
マインドコントロールをされてしまっていても、自分が誰かにコントロールされているという自覚がない人がほとんどです。
まさか自分が騙されるはずはないと思っているため、そもそも洗脳されていること自体に気づけません。
支配されている対象や相手を完全に信じきっているので、家族や友人など周囲の意見を受け付けられない人が多いのも特徴です。
マインドコントロールをされやすい人の特徴
マインドコントロールをされやすい人は、自分に自信がなくネガティブ思考な人が多いです。
そのため、自分の意見より相手の意見が正しいと思いがちなので、簡単に洗脳されてしまうのです。
また、生真面目な性格の人が多いのも特徴。
真面目な性格の人は、何かしてもらったらきちんとお礼をしなくてはと思う傾向にあるため、マインドコントロールされやすいのです。
マインドコントロールをする人の特徴
マインドコントロールをしてしまう人は、自分の気持ちを大袈裟に表現する人が多いです。
気持ちを大袈裟に表現することで、相手が気にかけてくれるようになるため、自分の思うように相手を動かすことができるようになります。
また、自分の考えをしっかり伝えられる人が多いのも特徴で、尊敬される人が多いです。
マインドコントロールの解き方
家族や友人など大切な人が洗脳されていて、できればマインドコントロールを解いてあげたいけど、どうしたらいいのかわからないという人もいるでしょう。
マインドコントロールを解く場合、まずは自分が洗脳されているという事実をしっかり受け止めることが大切です。
最後に、マインドコントロールの解き方を紹介します。
マインドコントロールされている人との関係を良好に保つ
まずはマインドコントロールされている人との関係を良好に保つことが大切です。
相手との関係が良くないと、発言が影響力を持たなくなってしまいます。
頭ごなしに「あなたは洗脳されている」などと言って、相手に不快な思いをさせたり、傷つけたりすることがないように気をつけましょう。
支配している側の手口や情報を集める
支配している側の手口や情報を集めて、どうやってマインドコントロールを解くか戦略を立てるのもいいでしょう。
まずは、マインドコントロールされてしまった人が、どうやって洗脳されていったのかを知ることが大切です。
カルト宗教に洗脳されてしまっているとしたら、どうやって宗教を知ったのか、普段どんなことをしているのか、教祖様はどんな人なのかなどを何気ない会話から聞き出してみましょう。
支配者に対して疑問を抱かせる
支配者に対して疑問を抱かせるのも効果的です。
何をするにも支配者を頼っている状態の場合は「もっと自分の意見を大切にしてもいいんじゃない?」などと聞いてみましょう。
効果的に質問することで、支配されていることに気づいてくれる可能性は高いです。
客観的に自分を見つめてもらう
支配者に対して疑問を持てるようになったら、客観的に自分を見つめてもらうようにしましょう。
急に客観的に自分を見つめるのは難しいので、ここでは否定と肯定をセットにしたトレーニングを取り入れるのがおすすめです。
支配者に「これはとてもいいことだ」と言われたら、心の中で「これはとても悪いことだ」と唱え続けるというトレーニング。
これを続けていくと、これまで支配者だけに向いていた視点が、もう一人の自分の視点で物事を考えられるようになります。
色々な人の話を聞く耳をもってもらう
色々な人の話を聞く耳をもってもらうことも大切です。
マインドコントロールされていると、支配者やその組織の話だけを聞くようになるため、その話に違和感や疑問を感じなくなります。
家族や友人など、支配者と全く関係ない人の話を聞くことで、これまで自分が信じていたものに対して疑問を抱くようになり、マインドコントロールから抜け出すきっかけになるでしょう。
物事を善悪で決めるような議論はしない
物事を善悪で決めるような議論はしないように気をつけてください。
マインドコントロールされやすい人は、もともと物事にいい、悪いをはっきりさせたがる傾向にあります。
支配者はそれを利用して、自分の行いや思想こそが「善」だと刷り込ませていくのです。
何事も善悪だけで判断するのではなく「どちらでもない」「どちらでもいい」という考え方があることを伝えることで、これまでの自分の考えは少し違ったのかも、と思えるようになります。
解けた後の戻れる場所を作る
マインドコントロールが解けた後の戻れる場所を作っておくことも大切です。
洗脳されてしまった人は、家族や仕事など、全てを捨てて支配者と生活を共にしていることも多いでしょう。
洗脳が解けたとしても、自分に戻れる場所がないと、なかなかそこを離れることができませんよね。
家族と喧嘩別れしてしまった場合は、一緒に謝りに行ってあげて誤解を解くなど、洗脳が解けた後に戻れる場所を作ってあげましょう。
感情的な指摘や強制的な環境変化は逆効果
感情的な指摘や強制的な環境変化は逆効果なのでやめましょう。
洗脳されてしまった人が心配で、つい感情的な言葉で指摘してしまったり、支配者から強制的に引き剥がそうとしてしまいたい気持ちはあるでしょう。
しかし、それらの行為は逆効果になってしまいます。
支配者は友人や家族が、この活動に反対することを予想して、そのような事態がやってくることをすでに告げているのです。
「悪の力が働いて、あなたの行いを妨げようとしている」などと言われてしまい、余計に支配者への崇拝が進んでしまう可能性も高いです。
マインドコントロールされた人を助けるために仕組みと解き方を理解しよう!
マインドコントロールとは、本人に気づかれないようにその人の精神状態や行動などをコントロールすることを言い、カルト宗教やマルチ商法などで悪用されることが多い手法です。
自分に自信がなく常にネガティブな人はマインドコントロールされやすい傾向にあります。
マインドコントロールされた人を助けるためには、まずその人との関係を良好に保つように心がけた上で、支配している側の手口や仕組みを聞き出してしっかり理解することが大切です。
色々やったけど、うまくいかないという場合は、カウンセラーなど専門家の力を借りるのもおすすめですよ。
- マインドコントロールとは、本人に気づかれず思想や行動を支配すること
- カルト宗教やマルチ商法、ネットワークビジネスなどで悪用されることが多い
- マインドコントロールされている人は、まさか自分が騙されているとは思っていない
- マインドコントロールを解くためには、その人との人間関係を良好に保ち、支配者の手口を理解した上で、支配者に対して疑問を抱かせるようにしよう