入籍と結婚の違いとは？婚姻や婚約の意味・婚姻届けの提出に必要なものも

恋人とゴールインしたとき「結婚」と「入籍」、どちらの言葉を使うべきなのでしょうか。

同じように見える言葉ですが、実は意味が違います。

今回の記事では、入籍と結婚の違いや婚姻や婚約の意味について解説します。

婚姻届けの提出に必要なものも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

入籍とは？

入籍と結婚とではいったい何が違うのでしょうか。

まずは、結婚にまつわる言葉の意味について見てみましょう。

入籍は『元々ある戸籍に入ること』

「入籍」の本来の意味は、『元々ある戸籍に入ること』です。

しかし、結婚するときは2人がそれまで入っていた親の戸籍から抜け、新たに夫婦の戸籍を作ります。

このように親の戸籍に入っている人が結婚するなら「結婚＝入籍」とはなりません。

とはいえすでに親の戸籍から抜けて自分の戸籍を作っている人もいて、その戸籍に配偶者が入るというパターンもあります。

結婚は『夫婦になること』

「結婚」の意味は『夫婦になること』で、法律が整備される前から男女が夫婦になれば「結婚した」と認められてきました。

そのため婚姻届を提出しない事実婚であっても、世間的には「結婚している」と見なされることが多いのです。

婚姻は『民法上での結婚の呼び方』

同じく結婚を意味する「婚姻」という言葉もありますが、婚姻は『民法上での結婚の呼び方』でもあります。

正式に夫婦になるために役所に提出する書類を、『結婚届』ではなく『婚姻届』と呼ぶことからも、民法上での呼び方であると分かるでしょう。

婚約は『結婚の約束をすること』

「婚約」とは婚姻予約のことで、『結婚の約束をすること』をいいます。

結婚を決めたら、まずは婚約をするカップルも少なくありませんよね。

婚約のみの場合は役所に提出する書類や手続きなどはありませんが、一般的には婚約指輪を送ったり結納を行なったりすることが多いのです。

入籍にまつわるQ&A

結婚といえば入籍と思いがちですが、それぞれの意味は異なります。

ここでは、よくある入籍にまつわるQ&Aをまとめてみました。

入籍と結婚の違いは？

入籍と結婚の違いは、元々ある戸籍に入るか新しい戸籍を作るかです。

親の戸籍に入っている人が結婚する場合、2人の新しい戸籍を作るので「結婚」となり、「入籍」とはいわないのです。

婚姻届と入籍届の違いは？

婚姻届と入籍届は全くの別物です。

結婚をするときに役所に提出するのが『婚姻届』で、養子縁組や再婚などにより子供が新しい父母の戸籍に入るときに必要なのが『入籍届』となります。

結婚にまつわる話題で「入籍」という言葉を聞く機会が多いので、『入籍届』も婚姻関係の書類なのではと思いがちですが、別な書類なので注意しましょう。

入籍と結婚式はどちらが先？

入籍と結婚式の順番に特に決まりはありません。

ただ、土地ごとのしきたりや親族間の慣習などもありますから、お互いの家族に相談した上で順番を決めた方がスムーズに進められるでしょう。

結婚記念日はいつになる？

結婚記念日がいつになるかについても、特別な決まりはありません。

法的には婚姻届を提出した入籍日が夫婦として承認された日になりますが、親しい人に祝福されたときに夫婦になったと考える人もいるでしょう。

また、何らかの事情で希望の日にちに書類の提出や挙式ができないこともあります。

そんなときはプロポーズした日や婚約した日などを結婚記念日にしても問題はありません。

ふたりにとって覚えやすくお祝いしやすい日を選ぶといいでしょう。

婚姻届を提出しない場合はどうなる？

婚姻届を提出しない場合、事実婚となります。

事実婚でも周囲の人からは夫婦と見なされますが、「内縁の妻」「内縁の夫」といった呼び方になることが多くなります。

また、法的には婚姻関係にあると認められていない状態なので、夫婦として得られるべき法的な権利は受けられません。

パートナーの入院や手術時の同意書にサインができなかったり、遺産や保険を受け取れなかったりといったデメリットは出てくるでしょう。

また、子供ができた場合は婚外子あるいは非嫡出子となり、父親は認知の手続きをしないと法的に親子関係にはなれません。

婚姻届を提出するまでに準備しておくもの

婚姻届を出すときにはどのようなものが必要なのでしょうか。

最後に、婚姻届を提出するまでに準備しておくものを紹介します。

婚姻届

婚姻届を提出するときになくてはならないのが「婚姻届」の書類です。

正式名称は「婚姻届書」で、全国の役所の戸籍課に行けば、どこでも無料でもらえます。

書類をもらうときには身分証などは不要です。

雑誌の付録などの可愛いデザインの婚姻届も利用できるので、日頃からウェディング雑誌などをチェックしておくといいかもしれませんね。

戸籍謄本（または抄本）

婚姻届けを提出する役所が2人の本籍地の市区町村ではない場合、「戸籍謄本（または抄本）」が必要になる場合がほとんどです。

どちらを提出するかは市区町村によって異なりますが、どちらかわからないときは全員分が記載されている謄本を取っておくといいでしょう。

戸籍謄本や抄本は本籍地の役所でもらえますが、遠方だと郵送対応になることがあります。

コンビニの端末でマイナンバーカードを使って出力できる市区町村もありますが、全ての役所が対応しているわけではありません。

郵送になると1〜2週間ほどかかる場合もあるため、早めに確認し、必要ならば手配しておきましょう。

旧姓の印鑑

これまでは婚姻届の提出には旧姓の印鑑も必要でしたが、2021年から婚姻届の押印は必須ではなくなりました。

とはいえ結婚という人生の節目ですから、多くのカップルが婚姻届に押印して提出しているのが現状です。

また、自治体によってルールが異なる場合もあるので、提出予定の役所にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

黒のボールペンまたは万年筆

婚姻届は、黒のボールペンか万年筆で記入しましょう。

鉛筆や消せるボールペンなどの使用はNGです。

書き間違えた場合は二重線を引いて欄内の余白に正しく書き直せばOKです。

身分証明書

婚姻届を提出するときには本人確認書類の提示が必要なので、忘れず持参しましょう。

運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きのものであれば1点の提示でOKです。

顔写真のない保険証といった身分証の場合、2枚以上の提示が必要になるのであらかじめ確認しておくことをおすすめします。

入籍とはもともとある戸籍に入ること！

混同されがちな「結婚」と「入籍」ですが、実は意味が違います。

入籍とはもともとある戸籍に入ることですが、初めて結婚するときは親の戸籍から抜けて2人の新たな戸籍を作ります。

そのため、結婚＝入籍とはならないわけです。

「結婚したら入籍の手続きが必要？」と勘違いしてしまいそうですが、親の戸籍に入っている場合は必要ないと覚えておいてくださいね。

婚姻届の提出までには、準備をしておくべきものがいくつかあります。

自分たちには何が必要なのかをよく確認して、前もって準備しておきましょう！