認められたいと思う人の心理とは?強すぎる承認欲求が恋愛の邪魔をする理由
「認められたい」「褒められたい」という人間なら誰もが持っている感情を「承認欲求」といいます。
承認欲求が強すぎる人は、相手にどう思われるかばかりが気になり、本来の自分を見失いがちです。
自分中心の価値観が、ときには恋愛の邪魔をすることも。
今回の記事では、承認欲求が強い人の心理や、恋愛に及ぼす影響についてまとめてみました。
Contents
「認められたい」と思う男女の心理的特徴とは?
承認欲求には2種類あります。
「誰でもいいから自分を認めてほしい」という一般的他者からの承認欲求と、「大切な人に認められたい」という親和的他者からの承認欲求です。
人間にはどちらの欲求も備わっていますが「承認欲求の強い人」とは、一般的他者・親和的他者を問わず、とにかく「認められたい」という欲求が強い人を指します。
自分をアピールする行動や誰よりも目立とうとする行動の裏には「注目されたい」「認められたい」などの心理が隠されているのです。
「認められたい」と思う男女の心理的特徴を紹介していきます。
他者から褒められたい
他者から褒められることは、承認欲求が強い人にとってなによりの喜びであり、安心でもあります。
「承認欲求」とはそもそも自分の存在を認められたいという強い欲求。
褒められたり、良い評価を得ることで満たされるものです。
褒められたいと仕事や勉強を頑張る人もいれば、良い子ぶりっこをする人もいます。
方法はさまざまですが、すべては「褒められたい」「認められたい」一心からの行動です。
周りの人より注目されたい
承認欲求が強い人は、とにかく自分に注目を集めたがるのが特徴です。
話していても自分の話ばかりになり、ときにはエピソードを盛ることも。
そういった行動は、周囲からみれば目立ちたがり屋で自分勝手だと思われることも少なくありません。
それでも承認欲求が強い人にとって注目されることは「認められる」ことと同じであり、喜びを感じるのです。
仕事の頑張りを理解してほしい
承認欲求が強い人は、自分で自分を認めてあげる「一般承認」ができません。
がんばっても、成功しても、どこか不安な気持ちが消えないのです。
そのため、社会的に意義や価値のあることを行い集団に受け入れてもらおうとする「社会的承認欲求」が強く、褒められる・認められるために頑張ろうとします。
頑張っていなければ価値がない、という価値観に支配されていると言い換えることもできるでしょう。
仕事の頑張りを理解してほしいあまり、アピールするような行動に出ることもあります。
自分に自信がない
自分で自分を褒めてあげられない、自分が頑張ったことを認めてあげられない人は、どうしても自分に自信を持つことができなくて承認欲求が強くなる傾向があります。
自分に自信がない人は自己承認ができず、他者承認を得ることでしか自分の価値を保つことができません。
そのため、常に他者の目が気になり、頑張っていることを過剰にアピールする傾向があります。
人と比較しがち
承認欲求が強い人は、自分のことも他人のことも客観的に評価できない傾向にあります。
人と比較し、優劣をつけることでしか自分の価値を認めることができません。
さらに、承認欲求が強い人は自分に自信がない人が多く、人と比べて劣っている点ばかりを見つけてしまいがち。
そのため他者に認めてもらうことで自分を認め、自分の価値を保とうとするのです。
しかし、他者より優れていても得られるものは優越感だけであり、自己肯定感ではありません。
承認欲求は、他者との比較で得られるものではないのです。
「認められたい」承認欲求が含まれる自己実現理論とは?
人間には5つの基本的欲求が備わっていると、心理学者マズローは唱えました。
欲求はピラミッドのように重なっており「承認欲求」は頂点に近い高次な欲求です。
さらにマズローは、人間はひとつの欲求を叶えるごとに次の欲求を叶えるべく努力する生きものだともいいました。
これをマズローの「自己実現理論」といいます。
生きるための最低限の欲求から、社会に属したいという欲求、集団で認められたいという高次な欲求まで、順に満たしていきたいと思うのが人間なのです。
ここでは、人間に備わっている5つの欲求を、欲求ピラミッドの下層から解説しましょう。
生理的欲求
欲求ピラミッドの最下層は「生きていくために最低限必要な欲求」である生理的欲求です。
食べる・眠るといった欲求がここに該当します。
通常の生活が送れているということは、生理的欲求が満たされているということ。
そうすると人は、無意識に次の欲求を満たそうとするのです。
このように、欲求ピラミッドを下層から順に満たしていくこと、欲求が満たされるごとに次の欲求を満たそうとすること、これが「自己実現論」であるとマズローは説いています。
安全欲求
安全・安心を求める欲求のことを「安全欲求」といい、安全な場所で眠りたい・安定した収入を得たい・健康な状態を維持したいといった欲求がこれに該当します。
安全を欲するのは人間の本能。
安全欲求は、人間としてはまだまだ原始的な欲求であるといえます。
しかし、異なる心理学者によると安全欲求は「親和的承認」ともいわれ「ありのままの自分で大切な人に愛されたい」という欲求も含まれるという説もあります。
ありのままを認められ、愛され、守られることで得られる安心感が安全欲求のひとつということなのでしょう。
社会的欲求
社会的欲求になると「人間らしさ」のある高度な欲求に近づいてきます。
家族や会社といった集団に属していたい・集団に受け入れられたいといった欲求がこれに該当します。
またの名を「所属欲求」といい、集団のなかで役目を果たしたいという思いや、集団に所属できているという安心感も社会的欲求に含まれるのです。
承認欲求
集団に属すという社会的欲求が満たされると、次は集団のなかで承認されたいという欲求が出てきます。
これが「承認欲求」です。
集団に存在価値を認めてもらいたい・必要とされたい・地位を得たいといった「集団的承認」を求める欲がこれに該当します。
社会や集団で認められるには、相手にとって価値のある行為が必要です。
このような関係にある人々を「集団的他者」といい、ありのままで愛される関係ではありません。
承認欲求はさらに、低次の「他者承認欲求」と高次の「自己承認欲求」の2段階に分類されます。
「他者承認欲求」は、他人に認められたい・注目されたいという欲求を指し、「自己承認欲求」は、承認欲求を満たすべく能力を高めようと努力したり、自分で自分を認められるよう行動する一般的承認を含む欲求です。
自己実現欲求
ここまでの欲求をすべて満たしても、人間はさらに次の欲求を満たしたいと思う生きものです。
自分の持つ能力を発揮したい・新しいことに挑戦したい・あるべき自分になりたい、といった「自己実現欲求」は、人間の欲求のなかでもっとも高次にあたるもの。
大金持ちになりたい、好きな仕事をしたいといった欲求がこれに該当します。
強い承認欲求が恋愛の邪魔をする理由
承認欲求が強い人たちは、自己中心的で相手の気持ちを思いやることが苦手なため、人間関係をうまく築けない傾向があります。
強すぎる承認欲求は、ときに恋愛の邪魔をすることも。
男性・女性関係なく、承認欲求が強い人にありがちな恋愛のパターンについて、具体的な例をいくつか挙げてみましょう。
寂しがり屋でかまってちゃん
承認欲求が強い人にとって、物事の基準はすべて「自分」。
自分のことをどう思っているか、自分の存在をどれくらい大切に思っているか、相手の事情はおかまいなしに確認したがります。
ひとりでいると不安や寂しさがつのるため、会いたいと何度も連絡することもあるでしょう。
こういった行動は「かまってちゃん」として、相手をうんざりさせてしまいます。
嫉妬深く束縛してしまう
認められたい気持ちが人一倍強いため、相手にとっての一番が自分でなければ不安になり、気が済みません。
自分に自信がなく、好きな人や恋人が他の異性にとられてしまうのではと常に不安で、自分以外の異性と関わることを許せません。
嫉妬深く、相手を信頼することができないのです。
こうした自分以外の異性を見ないようにブロックしたい気持ちが、束縛という形になってあらわれます。
過去の恋愛や他人の恋愛と比較してしまう
うらやましがられたい、注目されたいという欲求も強いため、他人の恋愛と比較し優劣をつけてしまうことがあります。
承認欲求の強い人は、自信のなさから、自分の恋愛がダメだと思い込むことも多いでしょう。
過去の恋愛や他のカップルの関係を引き合いに出し、相手に求めるものがどんどん大きくなっていきます。
こういった言動や要望は、相手にワガママで自己中心的だと思われることもあるでしょう。
自己顕示欲が強く自分第一の考え
とにかく自分を見てほしい、認めてほしいという考えにとらわれており、自分のことしか考えることができません。
自分第一で、相手の価値観を尊重することができないのです。
よく見られたいアピールや自慢話が相手をうんざりさせていることにも気付くことができないため、話題も「自分が、自分が」と自分のことばかり。
相手を思いやることのできない恋愛は、うまくいくはずがありません。
承認欲求が題材にされた本を紹介
承認欲求を題材にした本は年々増えており、誰かに認められたい人、心に孤独を抱えている人、自己肯定感を持てずに悩む人が増えている今の時代を象徴しています。
今回は、数々の本のなかでもとくに分かりやすく書かれたおすすめの一冊を紹介します。
- 熊代亨「認められたい」
承認欲求がうずまく現代社会のなかで「どうすれば認められるのか」をテーマに書かれた本。
精神科医の熊代亨氏による、エッセイ的要素を含んだ著書です。
一見、コミックと見間違うような印象的な表紙とドキッとするようなタイトルに惹かれ、思わず手にとってしまう一冊。
人気アニメを例に「承認欲求」を分かりやすく解説したり、現代人が求める「所属欲求」についても分かりやすく解説されています。
英語で「認められたい」を言うと?
例文①:I want to be recognized
直訳すると「自分の存在を認めてもらいたいと思う」。
「be recognized」は、評価される・認識されるという意味合いを持つ言葉です。
社会的欲求や承認欲求を表現するときや、親和的他者から認められたいという表現に適切といえるでしょう。
例文②:I want public recognition
「public recognition」は「表彰」という意味。
「I want public recognition」というと、賞賛されたい、社会的に認められたいという意味合いが強いです。
強い承認欲求、自己実現欲求を表現するときに適切といえるでしょう。
人からの評価は気にしすぎず、ありのままの自分を受け入れる勇気を持ちましょう!
他者からの評価は、誰もが気になるもの。
人の目を気にせず生きていけるほど、強い人間ばかりではありません。
しかし、人の目や人からの評価ばかりに目を向けていては、自分を見失ってしまう可能性があります。
自分らしさをなくしてしまっては、恋愛も仕事もうまくいかなくなるでしょう。
ありのままの自分を受け入れてくれる人は必ずいます。
まずは、自分自身がありのままの自分を受け入れる勇気を持つことが大切です。
そうすることで、今よりもずっとラクに生きられることでしょう。
- 承認欲求が強い人は、うらやましがられたり注目されたいという思いが強い
- 承認欲求が強いと、わがまま・自己中心的だと思われることもある
- 欲求には段階があり、承認欲求は人間として高次的な欲求である
- 強すぎる承認欲求は恋愛に悪影響を及ぼすこともある
- ありのままの自分を受け入れてくれる人は必ずいる!まずはありのままの自分を受け入れる勇気を持とう