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カップルが悩みがちな「ヤマアラシのジレンマ」とは?問題の解決法を伝授

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この記事は約 10 分で読めます。

カップルであれば、誰もが1度は悩む「ヤマアラシのジレンマ」。

ですが「ヤマアラシのジレンマって何?」と、しっかり理解されていない人も多いかもしれません。

ヤマアラシのジレンマは、恋愛のみならず友人や家族にも起こり得る状態です。

今回の記事では、ヤマアラシのジレンマの意味を詳しく解説し、問題の解決法まで徹底的に説明していきます!

 

「ヤマアラシのジレンマ」の意味とは

ヤマアラシのジレンマとは、心理学用語のひとつで、哲学用語や恋愛心理学にも用いられる言葉です。

そもそもヤマアラシは、ハリネズミのように体中が「針毛」といわれる固い体毛で覆われているのが特徴的な動物です。

他人との距離を縮めたいと思う反面、「近づきすぎて傷つきたくない」「お互いに傷つけ合いたくないと感じるジレンマのことを指します。

人は誰でも自分以外の他人を求める一方で、その距離感に悩んだりすることがありますよね。

ヤマアラシのジレンマは、心理的距離に悩む現代社会の人の葛藤をうまくとらえた言葉といえるでしょう。

 

「ヤマアラシのジレンマ」の語源

ヤマアラシのジレンマの語源は、ドイツの哲学者ショーペンハウエルの寓話から生まれた言葉です。

ある寒い日の夜、2匹のヤマアラシが体を寄せ合い温め合おうとしたところ、自分のトゲが相手に刺さり傷つけてしまいました。

近すぎるとお互いに傷つけてしまうだからといって離れすぎると寒くなる…。

そんな2匹はくっついたり離れたりを繰り返し、最終的にちょうど良い距離を探り合ったという話が語源のようです。

 

例え話である「ヤマアラシのジレンマ」の実際は嘘

実は、さきほど解説した「ヤマアラシのジレンマ」は例え話です。

オーストリアの精神科医であるジークムント・フロイトが、人間関係を形成することの難しさをショーペンハウエルの寓話を参考にした例え話なのです。

実際のヤマアラシという動物は、ぴたりと寄り添っても針でお互いを傷つけ合うことはありません。

ヤマアラシのジレンマの「お互いを傷つけあうといった現象は、寓話の中だけの話だったのですね。

 

エヴァンゲリオンで有名になった言葉

ヤマアラシのジレンマは、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で用いられたのがきっかけで有名になりました。

新世紀エヴァンゲリオンの第4話のサブタイトルで「Hedgehog’s Dilemma(ヘッジホッグジレンマ)」と使用されています。

「ヘッジホッグ」とは「ハリネズミ」、つまり「ハリネズミのジレンマ」と訳されます。

また、第3話「鳴らない、電話」では、ミサトとリツコの会話で「ヤマアラシのジレンマ」について言及しているシーンがあります。

これをきっかけに、多くのエヴァファンたちがこの言葉の意味や意図に推測し、話題を集めたのです。

 

ヤマアラシのジレンマに陥りやすい具体例

冒頭でヤマアラシのジレンマは、カップルだけでなく、友達が家族にも起こり得る状態だと説明しました。

ここから、友達・恋愛・家族それぞれのヤマアラシのジレンマに陥りやすい例を解説します。

 

友達

友達の関係でヤマアラシのジレンマに陥りやすい状況は、このような例があります。

 

自分にコンプレックスを持っている

自分にコンプレックスを持っている場合、そのコンプレックスが強ければ強いほど、ヤマアラシのジレンマに陥りやすいです。

友人と仲良くなるにつれ、お互いにわかる部分が増えていきますよね。

しかしそれと同時に、自分のコンプレックスも知られてしまうリスクも増えるということです。

そのため、「仲良くなって一緒にいたい」と思う反面「コンプレックスを知られたくないから離れたい」と悩む状態に陥ることがあります。

 

過去の友人関係にトラウマがある

過去に友人関係でトラブルがあり、それがトラウマになっていると、ヤマアラシのジレンマに陥りやすい傾向があります。

新しい友人と出会い「仲良くなりたい」と思うと同時に、過去のトラブルが蘇りまた傷つきたくない」といった2つの切ない感情に悩んでしまいます。

昔の友人関係のトラウマが、ヤマアラシのジレンマの引き金になってしまうパターンです。

 

他人と自分を比較してばかりいる

他人と自分を比較してばかりいる人は、友達と自分も比較してしまいがちです。

「友達が素敵だから一緒にいたい」と思う反面、「一緒にいると自分が劣っていると感じる…だから離れたい」といった劣等感に苛まれてヤマアラシのジレンマに陥ります。

 

恋愛

恋愛関係において、どのような場合でヤマアラシのジレンマに陥りやすいのかを解説していきます。

 

「友達以上恋人未満」が長い男女

友達以上恋人未満の関係を長く続けていると、ヤマアラシのジレンマに陥りやすくなります。

恋人になりたいから「もっと近づきたい」という反面、今の関係が壊れてしまうのが怖いからこれ以上近づくことができない」という切ない感情が湧いて悩むことがありますよね。

このように、友達以上恋人未満の期間が長ければ長いほどもどかしさが募り、ヤマアラシのジレンマになる可能性は高いのです。

 

素を出せないカップル

自分の素を出せないカップルも、ヤマアラシのジレンマに陥りやすい傾向があります。

好きだから「本音を言いたい」「素直な気持ちを伝えたい」と思う反面、「本音を言ったら嫌われるかも」「気持ちを伝えたら後悔するのではないか」と思うことがあります。

そういった心の葛藤から素を出せないパターンです。

 

復縁を繰り返すカップル

「え!また付き合ったの?」「もう別れたの!?」と、付き合ったり別れたりを繰り返しているカップルっていますよね。

復縁を繰り返すカップルは、ヤマアラシのジレンマそのものといえます。

付き合って親密になると些細なことでも傷つけ合ってしまいそれが嫌だから別れる

そして、別れて離れるとさみしくて、そばにいたいと思うからまた付き合う

これはまさに、ヤマアラシのジレンマを体現している状態です。

 

家族

家族間でもヤマアラシのジレンマに陥ることがあります。

 

二世帯住居に住んでいる

二世帯住居に住んでいると、ヤマアラシのジレンマに陥りやすい状態です。

一般的な住居より共有スペースが広い二世帯住居。

義理の両親とも距離が近く、アドバイスや注意をうける機会も多くなります。

そのため、両親が近くにいて「安心する」「頼りになると感じる反面、近すぎて「口うるさい」「うっとおしい」と感じるジレンマに悩みやすくなるのです。

 

ケンカが繰り返される夫婦

ケンカが幾度となく繰り返される夫婦は、ヤマアラシのジレンマに陥りやすいです。

ケンカを通じて仲が深まる場合もあるので、すること自体は悪いことではありません。

しかし、ケンカが何度も繰り返されるということは、自分の欲求のままに相手を傷つけ合っているだけの可能性が高いです。

自分の欲求を満たすために近づいて、意に反する行動を取ればお互いに傷つけ合う、そしてまた離れていくを繰り返す…

この状態も、まさにヤマアラシのジレンマ状態だといえます。

 

関係修復を諦め解決法を探さなくなった夫婦

関係修復を諦め、解決法を探さなくなった夫婦もヤマアラシのジレンマといえます。

誰でも解決法を試したり、努力したりしても改善されないと落ち込みますよね。

そして「試しても意味がないし、傷つくだけ」と思い、自分を守るために関係修復を諦めてしまいます

また「相手にこれ以上嫌われたくない」と関係修復を諦め、解決法を探さない場合もあるでしょう。

「修復したい」と思う反面、「嫌われる、嫌われたくない」というジレンマから関係修復を諦めてしまうのです。

 

「ヤマアラシのジレンマ」問題で悩む人の解決法

この人間社会において、ヤマアラシのジレンマは誰にでも直面する問題といえます。

ここでは、ヤマアラシのジレンマに悩んだときに試してほしい解決法を紹介します。

 

客観的な視点を持つ

ヤマアラシのジレンマを解決するには、客観的な視点を持つことが大切です。

客観的な視点がないと、自分の気持ちや考えにしか視点がいかず、思い込みが激しくなります

とくにヤマアラシのジレンマに陥っている最中は、自分が直面している問題にしか目がいかないため、客観的な視点を持つことが難しい状態なのです。

まずは思い込みをなくし、自分や相手の気持ちを考える客観的な視点を持てば、ヤマアラシのジレンマから抜け出せますよ。

 

きちんと行動する

友人や恋人と関係が拗れてしまったとき、解決法が見つかったならきちんと行動に移すことも、ヤマアラシのジレンマを解決する方法のひとつです。

「解決法を試したい!でもうまくいかないかもしれない」というヤマアラシのジレンマに陥った場合、ネガティブ思考が先行してなかなか行動に移せません。

しかし、相手との関係が拗れてしまっているときだからこそ、勇気を出してきちんと行動することが大事です。

ただし、こちらから謝っているにも関わらず、少しも受け入れず突っぱねるような相手なら、無理して関係を修復する必要はありません。

ヤマアラシのジレンマは、相手との関係を見直すいいきっかけだと考えるのがおすすめです。

 

距離をおいてみる

相手との距離が近すぎると、関係性に慣れて依存してしまい、お互い傷つけ合ってしまう場合があります。

近づきすぎてヤマアラシのジレンマに陥っているなら、相手と距離をおいてみるのもいい方法です。

離れてみることで客観的な判断ができることもあるでしょう。

そのうえで、相手とちょうどいい距離はどこなのか、少しずつ探してみてください。

 

第三者からアドバイスをもらう

ヤマアラシのジレンマに陥っていると、自分視点でしか問題を見ることができず、1人で抱え込んでしまう傾向があります。

考え方が偏ってしまう、なかなか解決の糸口を見いだせません。

そこで、第三者からアドバイスをもらうというのも、おすすめしたい解決方法のひとつです。

第三者から冷静な意見をもらえば、自分の考えに捉われることなく、他の人の新しい発想によって解決への糸口が掴める可能性が高くなります。

 

理想とする関係を築いている人たちを参考にする

どうしてもヤマアラシのジレンマに陥ってしまうなら、周りの人間関係を参考にしてみるのもおすすめです。

自分の理想とする関係を築いている人達に話を聞いてみたり、観察してみたりすると、自分にはない発想が見つかるはずです。

「なんとかしてヤマアラシのジレンマから抜け出したい!」と思っているなら、ぜひ理想とする人たちを注意深く観察してみてください。

ジレンマから解放されるだけでなく、愛する人とよりよい関係を構築できるようになるでしょう。

 

「ヤマアラシのジレンマ」は心理学で使われる用語のひとつ

心理学ではジレンマについてたくさんの研究がなされています。

そのひとつが「ヤマアラシのジレンマ」です。

ヤマアラシのジレンマは、友人関係や恋愛関係、家族間でも陥る可能性があります。

1度このジレンマに陥るとなかなか抜け出せず、仕事や生活に支障をきたす場合もあるので気をつけたいところです。

ヤマアラシのジレンマに陥ると辛いですが、関係を深めるには乗り越えなくてはならないジレンマともいえます。

このジレンマを理解して、友人や恋人、家族と素敵な関係を築いてくださいね。

 

まとめ
  • ヤマアラシのジレンマは心理学で使われる用語のひとつ
  • 実際のヤマアラシは2匹が寄り添っても針で傷つけ合うことはしない
  • カップルだけでなく、友人や家族でもヤマアラシのジレンマに陥ることがある
  • ヤマアラシのジレンマに悩んだら、抱え込まずに解決法を実行する

 

 

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