デートDVとはなに?具体例や原因・被害を防ぐための対策方法を徹底解説!
恋人と会うのが辛いと感じたら、もしかしたらデートDV被害を受けていることが原因かもしれません。
2人の間にデートDVが起きていても、加害者や被害者は気づかないことがあります。
今回は、デートDVの実態や加害者がデートDVをする原因、被害を防ぐための対策方法を徹底解説します。
当事者にならないためにも正しい知識を身につけましょう!
Contents
そもそもデートDVとは?
そもそもデートDVとは何を意味するのでしょうか?
デートDVの定義を知らないと自分の身に起こっていても気づくことができず、辛い思いをしてしまいます。
どのような行為がデートDVに当たるのか、まずはその定義から見ていきましょう。
デートDVとは「恋人から受ける暴力行為」
DVとは、「ドメスティックバイオレンス(domestic violence)=家庭内暴力」のことを意味する言葉です。
DVの定義は幅広く、物理的な攻撃にとどまらず、行き過ぎた暴言や過剰な経済的負担もDVと見なされます。
デートDVは、恋人から受ける暴力行為のことを意味します。
デートDVの認知度は低く、知らない間に自分が加害者・被害者になることが少なくありません。
現在では、DV防止法やストーカー規制法といった法律も制定され、支援体制も整いつつありますが、デートDVの被害を最小限に抑えるには、加害者の行動がエスカレートする前に気付くことがポイントでしょう。
デートDVの種類
DVというと殴る蹴るといった身体的暴力が一番に思い浮かびますが、そのほかにもさまざまな種類があります。
デートDVは大きく分けて以下の5つに分類されます。
【身体的暴力】
身体的暴力は殴る蹴る、叩くといった行為のほか、髪の毛を引っ張る、首を締める、物を投げるといった行為も該当します。
場合によっては違法行為として処罰される可能性があるDVです。
【精神的暴力】
大声を出したり相手を貶したりといった、精神的に追い詰める行為もデートDVの1つです。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こすこともあり、場合によっては傷害罪として処罰の対象になることがあります。
【性的暴力】
恋人同士であっても性行為の強要はDVに当たります。
わいせつな画像や動画を無理矢理見せるのも同様です。
また、女性被害者の場合、望まない妊娠を強いられたり、避妊に協力してもらえなかったりといったケースもDVに当たるため覚えておきましょう。
【社会的制限】
束縛も立派なDVです。
極端なケースとしては監禁がありますが、相手の行動を制限する行為がこれに当たります。
LINEを勝手にチェックする・友人と遊ぶことは許されないなど、恋人の言動に息苦しさを感じたら、デートDVの可能性があります。
【経済的暴力】
交際相手に必要以上にお金を使わせたり、無理に貢がせたりといった経済的負担を強いる行為もデートDVの1つです。
同棲カップルや既婚者の場合、生活費を渡さない・働くことを禁じて経済的に苦しい状況を強要するといった行為も経済的暴力に当たります。
被害者多数!デートDVの具体事例
交際相手からの暴力行為は誰もがデートDVだとすぐに気づきますが、精神的暴力や行動制限であれば、加害者も被害者もDVだと認識していないことが少なくありません。
ここでは、デートDVの具体事例を紹介していきます。
恋人とのデートが辛いと感じたら、心当たりがないかチェックしてみましょう。
暴言をはかれる
バカやアホ、デブ、ブスといった心ない言葉を平気で口にする行為は立派なDV行為です。
- 「親しい間柄だから許される」
- 「照れ臭いから悪く言ってしまうだけ」
- 「愛情の裏返し」
そんな言い訳をして軽く考えてしまうと、DVという認識すら持つことが難しくなってしまいますが、相手の心を傷つけているという結果に変わりはありません。
被害を受けたら「自分さえ我慢すれば…」と考えず、傷ついている自分の気持ちを恋人に伝えることが大切です。
無理やり性的な行為をしてくる
デートDVでは相手の都合を考えず、自分がしたいときに無理やり性的な行為を強要してくるという事例も少なくありません。
「恋人同士なんだから応じるべき」と考えてしまうと、嫌々ながらでも従ってしまうかもしれませんが、セックスは2人の合意のもとでおこなうべきです。
恋人の誘いを断ったとき、過剰に不機嫌になる場合は、別れることを検討した方がいいかもしれませんね。
メールや携帯電話の履歴をチェックする
恋人のメールや携帯電話の履歴をチェックしたり、他の異性のアドレスやID、メッセージを削除したりといった行動もデートDVです。
- 「浮気が心配」
- 「好きな人のことは何でも知っておきたい」
- 「恋人同士なのだから隠し事はいけない」
そんな考えからつい見てしまうのかもしれませんが、親しき仲にも礼儀ありです。
恋人といえどもプライバシーを侵害して良いことにはなりません。過剰な束縛は、相手の人権を無視している行為です。
恋人への好意から、束縛したくなる気持ちは分かりますが、相手の人間関係を制限する行為は立派なデートDVに当たるため気を付けましょう。
お金を払わせられる
デートのたびに高級レストランに行っては相手に全額支払わせたり、頻繁にプレゼントをねだって高価なブランド品を買わせたりといった行為は経済的暴力に当たります。
「恋人ならこれくらい当たり前」と考えている人もいるでしょうが、お互いの認識がズレている場合、支払いの場面で相手はとても嫌な気持ちになっているかもしれません。
「彼氏・彼女が支払うべき」と勝手に決めつけ、恋人に強要すれば、相手の選択権の自由は侵害されてしまいます。
デート代をいつも恋人に奢ってもらっている人は、自分の言動を振り返った方がいいかもしれません。
彼氏彼女に自分と一緒にいることを強要する
彼氏彼女に自分と一緒にいることを強要する行為もDVに当たります。
相手の予定を変更させることや、友人との約束を断らせている人は要注意。
好きな恋人といくら一緒にいたくても、相手の行動を制限するのはよくありません。
また、自分を優先しないことに機嫌を損ねて無視したり、別れると脅したりするのは、恋人に対する精神的攻撃であることを理解しておきましょう。
加害者がデートDVをしてしまう原因・心理
大好きな恋人なのになぜ傷つけるようなことをしてしまうのでしょうか。
加害者がデートDVをしてしまう原因や心理を見てみましょう。
支配欲が強い
支配欲が強いと、身近な相手を自分に従わせようとしてしまう場合があります。
言葉で脅したり暴力を振るったりして、自分の支配欲を満たそうとするのです。
自分の意見を押し付けてくる・自分の思い通りにならないとすぐイライラするといった恋人は、支配欲が強くデートDVをしてくる恐れがあるので注意しましょう。
愛情表現だと勘違いしてしまっている
DV行為を愛情表現だと勘違いしてしまっている場合もあります。
とくに人間関係の監視や行動の制限は愛するパートナーを守るためと信じ込み、DVであることに気づけないケースは少なくありません。
そのため、歯止めが効かずにエスカレートしやすく、監禁したり暴力で従わせたりといった行為にまで発展してしまうことがあります。
暴力や暴言を重く捉えていない
デートDVの加害者は暴力や暴言を重く捉えていない場合があります。
「暴言は親しい相手だからこそ許される冗談」「暴力はちょっと小突いたのを大げさに言っているだけ」としか思っておらず、それを許さない相手が間違っていると自己正当化する人は要注意。
暴力や暴言を軽く捉えているので、同じことを繰り返してしまいます。
気付いたらDV被害者の心がボロボロ…というケースも少なくないでしょう。
デートDVの対策方法
デートDVでは被害者が「自分に悪いところがあったから」と考えてしまうことも少なくありません。
しかし、いかなる理由があろうとも、DVが許されることはありません。
もしデートDVに見舞われたら、どのように対応すればよいのでしょうか?
デートDVの対策方法について見ていきましょう。
嫌だという意思をしっかり伝えよう
DV被害者でい続ける人の多くは、相手の気持ちを考えることができる優しい心の持ち主です。
DVを受けると、「自分が悪かったのではないか」と考えてしまうところがあります。
しかし、どんな理由があっても暴力を容認する必要はありません。
加害者の恋人に「嫌だ」という意思をしっかり伝えるようにしましょう。
被害者の中には自分に非があり、それを改めればDVがなくなると考えて、嫌だと伝える代わりに相手に従う選択をしてしまう人もいます。
しかし、加害者本人がDVをしていることを認識していなければ、暴力行為が終わることはありません。
たとえ自分に非があったとしても、対等の関係であれば話し合いで解決できるはずです。
あなたの好きな人は理性的に話し合える人だと信じ、平和に解決する道を探りましょう。
配偶者暴力相談支援や警察・弁護士に相談しよう
残念ながら、恋人とデートDVについて話し合おうとしても、まったく聞く耳を持ってもらえないケースがあります。
他に相談できる知人がいれば間に入ってもらえることもありますが、交際相手が交友関係に過敏になっている場合、他人を頼ることでかえって相手を怒らせてしまうことも考えられます。
しかし、1人で悩む必要はありません。
そういうときには、配偶者暴力相談支援や警察・弁護士に相談しましょう。
各都道府県の男女共同参画センターや福祉事務所などでは、配偶者や交際相手からのDV被害者支援を行っており、配偶者暴力相談支援センターの機能を果たしています。
被害者のカウンセリングだけでなく、必要に応じて相談者の安全確保や一時保護などに対応しているところもあるため、身の危険を感じたら一度相談するのがおすすめです。
また、内閣府が設置した配偶者・交際相手からのDV相談窓口は、全国どこからでも利用することができます。
「もしかしてこれってDVかな?」と思ったら、まずは相談してみましょう。
第三者に意見を求めることで、現状を客観的に判断できるようになるはずです。
【DV相談ナビ】
・電話相談:#8008(シャープ はれれば)
※全国共通の番号で利用できるDV相談ナビサービス
※発信地などの情報から最寄りの相談機関に自動転送
※匿名でも相談可能
【DV相談+(プラス)】
・電話相談:0120-279-889
・SNS・メール相談:https://soudanplus.jp/
※電話・メールは24時間対応・SNSチャット相談は12:00~22:00
※外国語での相談にも対応可能
無理をしないで別れることも大切
異性関係はどちらか一方が我慢して成立するものではありません。
話し合いができず、デートDVを止めることができないのであれば、無理をしないで別れることが大切です。
「別れてもいいんだ」という意識を持つことで、相手との関係を冷静に見つめる余裕が出てくるはずです。
いかに相手が束縛し、力で支配しようとしてきても、そんな権利は相手にはないのですから、自分にとって何がベストかを考え、我が身の安全を第一に考えましょう。
DV被害から避難を考えている方へ
DV被害から避難を考えている方は、以下の手順で行動を起こしてみてください。
身の安全を第一に考えて行動することが大切です。
【恋人の場合は・・・】
①相手に悟られないように避難先と移動手段を決めておく
②いつでも動けるよう荷物をまとめ、現金を常に用意しておく
※避難先の住所や新しい連絡先を相手に知られないよう用心して動く
③避難後、家族にはDVがあった事実を伝え、身の安全のため自分に関する情報を相手に知らせないよう依頼する
【既婚者の場合は・・・】
①行政に住民票や戸籍などが開示されないよう要請する
②警察に配偶者からの捜索願を受理しないよう要請する
③準備が整い次第、避難場所に移動する
④裁判所に「保護命令(※)」の申し立てを行う
(※)保護命令:保護命令はDV防止法で定められた制度。接近を禁じる「接近禁止命令」と、同居していた住居から退去を命じる「退去命令」の2つがあり、両方申し立てることができる。未婚者でも申し立て可能。
デートDVが疑われる場合は信頼できる人に相談することが大切
デートDVは加害者だけでなく、被害者本人でさえも気づかないことがあります。
暴言や暴力を受けると「自分が悪い」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、いかなる理由があってもDV行為が許されることは決してありません。
デートDVが疑われる場合は、信頼できる人に相談することが大切です。
第三者の意見を聞くことで、何が正しいかを冷静に判断できるでしょう。
相手が別れてくれなかったり、ストーカーしてきたりする場合は、各種相談窓口に相談するのがおすすめです。
恋人の暴言や暴力に苦痛を感じているのなら、それは単なる痴話喧嘩ではありません。
事実を軽く考えず、周りの人によく相談してベストな方法を見つけてくださいね。