満身創痍とはどういう状態?言葉の意味や正しい使い方を例文付きで解説!
普段当たり前に使っていても、正しく説明するのが難しい言葉は案外多いものです。
今回の記事では、四字熟語「満身創痍(まんしんそうい)」の意味や使い方について解説していきます。
言葉遣いにイマイチ自信がないという人は、ぜひ今一度チェックしておきましょう。
Contents
満身創痍とはどういう状態?
「満身創痍」は、体が傷だらけでボロボロの状態を表す言葉です。
体全体を意味する「満身」と、銃や刃物で付いた傷や怪我を意味する「創痍」の組み合わせから成っています。
ここでは、「満身創痍」の正しい意味について今一度振り返っていきます。
体が傷だらけでボロボロの状態
「満身創痍」には全身傷だらけになったがごとく、身体的ダメージを受けた状態という意味があります。
怪我や故障に苦しみながらも戦ったスポーツ選手などが、「満身創痍」と評されることが多いのはそのためです。
また、怪我や病気などで体のコンディションが悪いことを、自ら「満身創痍」と表すこともあります。
精神的に追い込まれた状態
「満身創痍」は肉体的に追い詰められた状態を意味する言葉ですが、その意味が転じて精神的に追い込まれた状態や、辛いことが続いて心がボロボロな人を比喩的に表現するときにも使われるようになりました。
この場合、一般的に第三者が他人の辛い状況を指して「満身創痍」と評することが多いです。
満身創痍の使い方【例文付き】
続いて、「満身創痍」の具体的な使い方を見ていきましょう。
体がボロボロなとき
身体的な疲れや故障がひどい状態を表すときの「満身創痍」の使い方は以下の通りです。
- 彼は満身創痍の状態だが、本人は来月の大会にも出るつもりだ。
- 残業続きで満身創痍の彼女はいつ倒れてもおかしくない。
この場合の「満身創痍」は怪我やひどい疲れが溜まっている状態、つまり体のコンディションが悪いことを表しています。
場合によっては倒れてしまう、あるいは怪我や故障のせいでギリギリの状態だと感じ取ることができるでしょう。
精神的に追い込まれているとき
精神的に追い込まれたときの「満身創痍」の使い方は以下の通りです。
- 彼女は仕事のトラブルに失恋が重なり、まさに満身創痍の状態だ。
- 彼はプライベートのトラブル続きで満身創痍だったが、見事に立ち直った。
上記の例文のように、精神的ショックが重なった場合や精神的に追い込まれている人を評する場合にも「満身創痍」は使えます。
単にへこんでいるというよりは、精神的に疲れている・ダメージを受けているといったニュアンスで使うことが多いです。
努力ややる気を表すとき
「満身創痍」は努力ややる気を表す際にも使うことができます。
- 朝から晩までの過酷な練習に耐え、満身創痍で試合に挑む。
- 満身創痍ではあるが、仲間のために踏ん張りたい。
「満身創痍」には「心身ともにボロボロになるほど頑張った」というニュアンスが暗に含まれるため、自分のやる気や努力をアピールしたいときにぴったりの表現です。
満身創痍の言い換え表現
最後に、「満身創痍」と近い意味の言葉や言い換え表現を紹介します。
文脈や伝えたいイメージに合わせて使い分けることで、より豊かな日本語表現が身に付くでしょう。
疲労困憊(ひろうこんぱい)
「疲労困憊」とは、心身ともに疲れ果てボロボロになった様を意味する言葉です。
ニュアンスとしては「満身創痍」と近いですが、ひどい疲れを意味する「困憊」という漢字が使われているため、疲れや体力の消耗により肉体的に限界を迎えている状態を表します。
疲れて一歩も動けない、体力ぎりぎりであることを表したいときは、「疲労困憊」が適切でしょう。
半死半生(はんしはんしょう)
「半死半生」とは死んでもおかしくない状態、やっと半分生きているような状態を意味します。
「満身創痍」と比べてより深刻な事態を表しており、戦争や事故で深刻な怪我を負った人・一歩間違えれば命が危なかった人に使われます。
気息奄々(きそくえんえん)
「気息奄々」とは、息も絶え絶えで死にそうな様を意味します。
やっと命をつないでいる状態であり、「満身創痍」や「半死半生」と比較しても、より深刻な事態を表しているといえます。
「気息奄々」は倒産しそうな企業や危機に瀕した国など、人以外に使うことも可能です。
満身創痍は身体だけでなく心が疲弊している場合にも使われる
「満身創痍」とは、体や心に大きなダメージを受けボロボロになった状態を意味します。
自分あるいは他人の状況を表すときに使われる言葉であり、ただ「疲れている」「傷だらけだ」と言うよりもより切迫した状況を伝えることができるでしょう。
「満身創痍」というと傷だらけの「体」というイメージが強いですが、心が疲弊している場合にも使うことができるので、ぜひさまざまなシーンで活用してみてください。
ビジネスシーンでも使われる言葉なので、しっかり覚えておきましょう。
- 「満身創痍」とは、心身がダメージを受けボロボロになった状態を意味する
- 満身創痍は体がボロボロになったとき以外にも、精神的なダメージや自身の努力を表すときに使われる
- 満身創痍の類語表現には「疲労困憊」「半死半生」「気息奄々」がある