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「拝見させていだたく」は間違い!「拝見」の正しい意味や使い方を紹介

定義
この記事は約 6 分で読めます。

ビジネスシーンでよく耳にする「拝見」という言葉。

会話やメールでもよく使われますが、間違った使い方をしている人も少なくありません。

目上の相手に間違った使い方をしてしまうと、失礼にあたる可能性もあるので注意が必要です。

この記事では、「拝見」の意味や正しい使い方を紹介します

「拝見」を使うときの注意点も解説するので、ぜひ参考にして正しい日本語を使いこなしましょう。

 

「拝見」とは

「拝見」の意味を理解せずに使っている人もいるでしょう。

まずは「拝見」の意味を紹介します。

 

意味

「拝見」は「見る」の謙譲語表現で、「見させていただく」という意味の言葉です。

「拝」は「おがむ」という意味であり、自分がへりくだることで目上の相手に敬意を示すことができます。

たとえば、取引先で資料に目を通すときに「拝見します」と一言添えると、丁寧な印象を与えられるでしょう。

また、「拝見」は「見る」以外に、「会う」という意味でも使われます。

「お顔を拝見する」と表現することで相手に敬意を示せるので、目上の人に対して使ってみましょう。

 

「拝見する」と「ご覧になる」の違い

「見る」の敬語表現には、「拝見する」だけでなく「ご覧になる」があります。

「拝見する」は謙譲語で主語は自分ですが、「ご覧になる」は尊敬語で主語は相手です

そのため、目上の相手に対して「拝見しましたか?」と使うのは間違いなので注意しましょう。

主語が目上の相手の場合、「ご覧になりましたか?」が正しい表現です。

 

「拝見」の使い方【例文付き】

目上の人に敬意を示すことができる「拝見」は、ビジネスシーンでもよく使われる表現です。

ここでは、「拝見」の具体的な使い方を例文付きで紹介します。

 

メールや書類を見たとき

ビジネスシーンでは、メールや書類でやり取りをする機会が多いですよね。

「見ました」でも意味は伝わりますが、「拝見しました」に言い換えることで、より丁寧に表現することができます。

【例文】

  • メールに添付いただいた資料を拝見しました。大変参考になりました。
  • プレゼンの資料を拝見しましたが、いくつか質問がございます。

 

取引先や顧客に会うとき

前述した通り、「拝見する」は「会う」という意味でも使うことができます。

「拝見」を使うことで敬意を示しながら、会えて嬉しいという気持ちも表現することができるでしょう。

【例文】

  • 久しぶりにお姿を拝見できて、心より嬉しく思います。
  • 先日のイベントでお顔を拝見しました。

 

「拝見」を使うときの注意点

「拝見」は丁寧な表現ですが、正しい使い方をするために気をつけるべきポイントがあります。

ここでは、「拝見」を使うときの注意点を解説するので、チェックしておきましょう。

 

「拝見させていただく」は間違い

「拝見」も「させていただく」も謙譲語表現なので、「拝見させていただく」という表現は二重敬語になってしまいます。

一見、丁寧に思えるかもしれませんが、表現として不適切です。

同様に「拝見いたします」も不適切なので、正しく「拝見します」「拝見しました」と使いましょう。

このように過剰にへりくだった敬語は、相手に違和感を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

 

謙譲語と尊敬語の使い分けに注意する

「拝見」は「見る」の謙譲語ですが、敬う対象によって謙譲語と尊敬語を使い分ける必要があります。

たとえば、取引先とのやり取りで、自分の上司が資料を見たことを伝えるときは「上司が拝見しました」と表現するのが適切です。

上司の方が自分より立場が上なので「ご覧になりました」を使いたくなるかもしれませんが、自分の上司に尊敬語を使ってしまうと取引先に対して失礼な印象を与えてしまいます。

取引先とのやり取りで敬うべきはあくまで「取引先」ということを意識して、謙譲語と尊敬語を使い分けましょう。

 

「拝見」と似た謙譲語表現

自分の行為を謙譲語で表現する言葉は「拝見」以外にもたくさんあります。

最後に、「拝見」と似た謙譲語表現を紹介するので、この機会にそれぞれの意味を理解しておきましょう。

 

拝読(はいどく)

「拝読」は「読む」の謙譲語です。

「拝読」も「拝見」も、文章を確認したことを目上の相手に伝えるときに使われる表現ですが、この2つの言葉には微妙なニュアンスの違いがあります。

拝見」は「見て確認する」という意味合いの言葉ですが、「拝読」には「文章をしっかり読んで理解する」というニュアンスがあります。

ビジネスチャットやメールなど事務的な文章であれば「拝見」で問題ありませんが、本や手紙など、丁寧に読む必要がある文章の場合は「拝読」を使うようにしましょう。

 

拝聴(はいちょう)

「拝聴」は「聞く」の謙譲語です。

「聴」には意識的に耳を傾けるという意味があるため、「拝聴」は「目上の人の話を謹んで聞く」という意味になります。

講演会やセミナーなどで、講師の話を聞いたときに「講演を拝聴しました」と表現するのが正しいでしょう。

また、音楽を聴いたときにも使える表現なので、演奏会やコンサートの感想を伝えるのにも活用できます。

 

拝受(はいじゅ)

「拝受」は「受け取る」の謙譲語です

上司や取引先から資料や書類を受け取ったときに「拝受しました」と使うことができます。

ビジネスシーンだけでなく、友人や知人から贈り物を受け取ったときなどにも使える表現です。

 

ビジネスシーンで「拝見」を使いこなそう!

「拝見」は「見る」の謙譲語で、目上の人に敬意を示す丁寧な表現です。

ビジネスシーンで頻繁に使われる言葉なので、積極的に活用して円滑なコミュニケーションを図りましょう。

ただし、「拝見」を正しく使うときには、主語や二重敬語に気をつける必要があります。

相手に敬意を示すのはもちろん、自分の評価を高めるためにも正しく言葉を使うことが大切です。

「拝見」の使い方をマスターして、ビジネスシーンで使いこなしてくださいね。

 

まとめ
  • 「拝見」は「見る」の謙譲語表現
  • 「拝見する」には「見る」だけでなく「会う」の意味もある
  • 「拝見させていただく」は二重敬語になるので間違い
  • 「拝見」は自分をへりくだる表現なので相手に対して使うのは不適切

 

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スズキコージロー

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