虚栄心の意味とは?自尊心との違いや強い人の特徴・原因を徹底解説
「虚栄心が強い」という表現は、たまに目にすることがありますが、あまりいい印象ではありませんよね。
実際のところ「虚栄心」とは、どのような心のことなのでしょうか。
この記事では、虚栄心の意味や類語を解説するとともに、虚栄心が強い人の特徴やそうなった原因、うまく付き合うための対処法を紹介しています。
Contents
虚栄心とは
普段、なんとなく使っている「虚栄心(きょえいしん)」という言葉ですが、正しい意味を理解して使っていますか?
また、「虚栄心」と一見同じようなイメージの「自尊心」との違いは、何なのでしょうか。
はじめに、言葉の意味や意味が似ている類語、そして「虚栄心」と「自尊心」の違いについて解説します。
意味
虚栄心の「虚栄」とは、見栄を張って本当の自分以上に見せようとすることです。
従って「虚栄心」の意味は、周囲に対して自分のことを実質以上によく見せようと、見栄を張りたがる心を表しています。
他人の前で、本来の自分よりも背伸びしたくなることは、誰にでも多少はあることです。
しかし、度を越して自分を大きく見せたがるような、自己顕示欲が強い人に対しては「あの人は虚栄心が強い」「虚栄心のかたまり」などと、否定的な評価をされるでしょう。
類語
虚栄心に似た意味の類語には、以下のような言葉があります。
- めっき
金属で表面をコーティングすることですが、人が表面だけを装って素の姿を隠そうとする意味としても使われます。
上辺だけ取り繕って本性がバレることを表す「めっきが剥げる」等の使い方があります。
- 飾り気
自分の表面を飾り立てて、実際よりよく見せようと思う気持ちのこと。
「飾り気のない心」などと、否定形で使われることが多いです。
- 気取り
体裁を取り繕い、もったいぶった様子のこと。
「気取り屋」「芸術家気取り」等の使い方をします。
他には「格好をつける」「ふり(をする)」「虚勢」なども、自分をよく見せようとする「虚栄心」に似た意味の類語です。
自尊心との違い
「自尊心」とは、自分自身を尊ぶ心のことです。
自分をよく見せようとする心の「虚栄心」と似ているようにも感じますが、これらの意味は全く違います。
「自尊心」は「ありのままの自分」を尊重するのに対し、「虚栄心」が大切にしているのは周りに対してアピールしたい「自分の理想像」です。
自尊心がある人は自分に対して肯定的ですが、虚栄心が強い人は現実の自分には目を向けず、自分がなりたい仮面をつけた自分像に執着しています。
虚栄心が強い人の特徴
自信たっぷりで自慢話を聞かせたがる人や、SNSでキラキラした自分を発信したがる人など、私達の周りには虚栄心が強い人が溢れています。
中には、実際に話をすると意外に地味な人物だったり、聞かされていたイメージとは違ったりする人もいますよね。
続いては、虚栄心が強い人の特徴について紹介します。
平気で嘘をつく
虚栄心が強い人は、周りにアピールしたい理想の自分と現実の自分のギャップを埋めるために、嘘をつくことがあります。
見栄を張ることが日常化してくると、明らかに現実ではないとバレるような嘘を平気で言う場合もあるでしょう。
しょっちゅう嘘をついているので、罪悪感も感じなくなっていて、本人さえも現実だと思いこんでいる可能性もあります。
あまりに事実と異なる発言が多いと「あの人は虚言癖がある」と警戒されるようになり、人間関係に影響が出ることもあるでしょう。
自分の話ばかりしたがる
自己顕示欲が強くて自分の話ばかりしたがり、相手の話を聞こうとしない態度も、虚栄心の表れです。
「人に褒められたい」「すごいと言われたい」願望に夢中になるあまり、相手に気を配ることがおろそかになります。
人の注目を集めるため、ブランド物など高価なものを購入したり、話題のスポットなどで自撮りした写真をSNSにアップしたりする人も多いでしょう。
また、実際の話より誇張して大げさに話したり、人が話している話題をすり替えて自分の話題にしてしまったりすることもあります。
プライドが高い
虚栄心が強い人はプライドが高く、自分が他の人より優れているという考えに固執しています。
自分以外の人が称賛されていたり、自分より幸せそうな人がいたりすると、敵対心を感じてその人のあら捜しや、行動にケチをつけることもあるでしょう。
自分の方が下に見られたと思うと、感情的になり過剰に反応してしまいます。
他人のことを認めたがらないのは、自分以外の人に注目が集まると、自分が軽んじられるかもしれないという恐怖を抱いているせいかもしれません。
マウントをとる
他人との会話やチャットなどで、虚栄心が強い人は相手の話にマウントをとりたがる傾向があります。
住んでいる場所や仕事、持ち物、恋人、家族など、相手が羨ましがるようなことを言って、自分の方が上だとアピールするのです。
相手が雑談のつもりで言った何気ない一言に対しても、負けたくないと思う感情が生まれ、相手に勝とうと必死になります。
虚栄心が強い人は本来の自分を見失っており、人と比較することでしか自分の存在価値を認められなくなっている可能性があります。
虚栄心が強い原因
虚栄心が強く、周りの人から面倒がられるような人でも、本人はそれに気づいていないことがほとんどかもしれません。
彼らが度を越した虚栄心を持つようになったのには、何か心理背景があるのでしょうか。
次は、虚栄心が強い人の心理に潜む原因について解説します。
自己肯定感が低い
虚栄心が強い人が、本来の自分よりよく見られるように見栄を張ってしまう言動の原因の1つに、自己肯定感の低さがあります。
自信に満ちているように見えますが、内面は強いコンプレックスを抱えていたり、他人に対して劣等感があったりするので、等身大の自分を人に見せられません。
自己肯定感が高い人は、素の自分を人に見せても平気ですが、現実の自分に対して不満を持っている人は、偽りの自分をアピールして自信のなさを隠そうとします。
承認欲求が強い
SNSのフォロワーや「いいね」の数にこだわったり、自慢話をして人から褒めてもらいたがったりする、承認欲求の強さも強い虚栄心の原因といえるでしょう。
人からもっと注目されて認められたいという願望から、わざと目立つような言動をとって自己顕示欲を満たそうとします。
他人から認められないと安心できないので、いつも周りの反応を気にしています。
そして、十分なリアクションがないと感じると不安になり、さらに虚勢を張る悪循環に陥ることもあるでしょう。
周りの目を気にする
虚栄心が強い人は、自分の価値観よりも周りの人にどう思われるかを、重要視します。
たとえば、恋愛をする場合は自分が好きなタイプの異性よりも、付き合ったら人に自慢できるような相手を選ぶでしょう。
それは、自分の判断力や自分自身に自信がないため、周りから褒められるような相手と付き合って、自分もよく見られたいと思うからです。
好きな人と交際していても、友達の恋人の方が世間的にステータスが上に思われる人なら、劣等感を覚えて不満になることもあります。
人に弱みを知られたくない
人に自分の欠点を知られたくないし、もし本当の自分を知られたらバカにされるだろうと思う恐怖心から、虚栄心が強くなることもあります。
人には見せられない自分の弱さを隠すために、本来の自分とは違う強い人物やリスペクトされるような人物を心の中で作り上げ、その人のふりをします。
自分にも周りにも素直になりたいという気持ちを持っているのに、ありのままの自分や弱みを人に見せる勇気が出なくて、見栄を張り続けている人もいるでしょう。
自分を過大評価している
虚栄心が強い人は自分のことを過大評価していて、自意識過剰になってうぬぼれる傾向があります。
「自分はもっと高い評価を受けるべきだ」「みんなが私の言動に注目している」と勘違いして、他人も同感してくれるように大きなことを言ってしまうのです。
自分が思うほど周りの人から意識されていないのに「みんなが私のことをこう思っている」と強く思い込み、急に落ち込んだり感情的になることもあります。
虚栄心が強い人との上手な付き合い方
職場やプライベートな付き合いなどで、虚栄心が強い人と接する必要があると気が重いですが、下手に相手を刺激してトラブルにならないよう注意しましょう。
相手の気持ちを思いやりつつ、自分にもストレスがかからないような、大人の対応がベストです。
最後は、虚栄心が強い人と上手に付き合う方法を紹介します。
まともに相手にしない
虚栄心が強い人が自分の話や自慢話をしてきても、まずはまともに相手にしないことを心がけましょう。
相手がマウントをとってきても、本音で言い返したり感情的になったりすれば、話がヒートアップしてお互いに嫌な思いをすることになります。
また、話を真剣に受け止めて関心を示したり褒めたりすると、話が長引く可能性もあります。
何を言われても適当に聞き流して、相手の話がエスカレートしないようなスマートな対応を心がけましょう。
プライドを傷つけないようにする
虚栄心が強い人はプライドが高いので、相手を傷つけないような配慮も大切です。
軽んじられたり、否定されたりすることを気にするタイプなので、最低限のマナーを守って相手を刺激しないように気をつけましょう。
「またつまらない話が始まったな」「だから何?」と思っても、露骨に態度に出せば、相手はもっと関心をひこうとますます話を大きくするかもしれません。
形式的でも相手をリスペクトする姿勢で接すれば、相手の承認欲求が満たされ、結果的にその場を早く切り抜けられます。
嘘と分かっても全否定しない
相手が見栄を張って、明らかに嘘と分かることを言ってきても、矛盾点を指摘したり全否定したりするのは避けましょう。
相手の気分を害してその後の関係性を悪くしたり、その後のトラブルになったりするよりも、適度なスルーがおすすめです。
人を騙すような悪意のある嘘なら問題ですが、虚栄心が強い人のハッタリはほとんど問題がないものばかりです。
ただし、大きなトラブルに発展しそうな嘘の場合は、その嘘に言及しつつ、相手を追い詰めないように慎重な対応をしましょう。
悪気はないことを理解する
「あの人は虚栄心が強い」と思うと、全ての言動が嫌に感じてストレスになります。
しかし、虚勢を張る理由は自信のなさや、人からかまわれたいだけで、悪気はないことを理解すれば、大目に見られるかもしれません。
自分も同じように見栄を張ってしまうことがあるので、お互い様かもと割り切るのもいいでしょう。
世の中には、いい人のふりをして近づいてきて人を騙す人がいますが、虚栄心が強い人は、わかりやすいだけに人間的な素直さがあるのかもしれません。
適当に距離をおく
虚栄心が強い人が原因で、実際に面倒に巻き込まれたり、いつも話を聞かされて精神的に辛かったりする場合は、無理をせずに適当に距離をおきましょう。
虚栄心が強い人は、気が弱い一面もあるので、優しく話を聞いてくれそうな相手にはつきまとっても、突き放すような人は相手にしなくなります。
職場の人なら仕事の時間以外の付き合いは断ったり、友達なら2人で会うのは避けたりして、適度に距離をおきながらストレスをためないようにしましょう。
虚栄心は誰でも多少は持っている!心理を理解してうまく対処しよう
虚栄心とは、自分のことを実質以上によく見せようと見栄を張りたがる心のこと。
ありのままの自分を尊ぶ「自尊心」とは、意味が異なるので注意しましょう。
虚栄心が強い人の特徴は、プライドが高く自分をよく見せるために嘘をついたり、自己顕示欲が強くマウントをとりたがったりすることです。
そうなった原因は、自己肯定感の低さや承認欲求、周りの評価を気にしすぎることなどで、人に素の姿を知られるのを恐れています。
虚栄心が強い人とうまく付き合うには、相手を刺激しないように適度な距離をおきながら、割り切ること。
誰でも多少は持っている虚栄心を理解して、付き合いがストレスにならないように対処しましょう。
- 虚栄心とは周りに本当の自分以上に見せようと見栄を張りたがる心
- 虚栄心が強い人の特徴は、平気で嘘をついたり自己顕示欲が強かったりすること
- 自分に自信がないと人から褒められることで安心しようとして虚栄心が強くなる
- 虚栄心が強い人とは、相手の心理を把握して適度な距離で付き合おう
- 虚栄心は誰でも多少はあるので、特徴を理解してうまく対処してみよう