「心中お察しします」とはどういう意味?使い方や注意点を例文付きで解説

「心中お察しします」という言葉をしっかりと使いこなせていますか?
相手を気遣う表現ですが、実は使える状況には決まりがあります。
誤った場面で使ってしまうと、相手を不快にさせてしまうので注意しましょう。
今回の記事では、「心中お察しします」の意味と使い方、使用の際の注意点について例文付きで解説します。
Contents
「心中お察しします」の意味
「心中お察しします」とは、「お気持ちよくわかります」という意味の相手を気遣う言葉です。
不幸やトラブルに見舞われた人の心情を理解し、同情の気持ちを表す際に使われます。
「心中」は「心の中」「胸中」という意味で、「察する」は「物事の事情を推し量る」「相手の気持ちに同情する」という意味があります。
【例文付き】「心中お察しします」の使い方
「心中お察しします」という言葉は、どのように使えばいいのでしょうか。
ここでは、「心中お察しします」の使い方を例文付きで紹介します。
不幸や事故があったとき
「心中お察しします」は、不幸や事故があったときに使うことができます。
たとえば、身内が亡くなったり、事故に遭ったりすると、相手がどんな思いをしているかは容易に想像できるでしょう。
そんなときに「心中お察しします」を一言添えることで、相手を気遣う気持ちを伝えられます。
- この度はご愁傷様でした。心中お察しします。
- 交通事故に巻き込まれてお辛かったことと、心中お察しします。
トラブルに見舞われたとき
「心中お察しします」は、仕事上のトラブルが発生したときに使うこともできます。
上司がトラブルに直面したり、理不尽な扱いを受けたりした際に、相手の気持ちに寄り添い、「今後も一緒にやっていきたい」という気持ちを伝えることができます。
- 突然のトラブルでプロジェクトが急に中止になったとのこと、心中お察しします。
- 会議で企画が通らなかったとのこと、心中お察しします。
「心中お察しします」をビジネスシーンで使うときの注意点
続いて、「心中お察しします」をビジネスシーンで使うときの注意点を解説します。
相手に失礼がないように、注意点をしっかりと理解しておきましょう。
お祝いやめでたいことでは使わない
「心中お察しします」は、お祝いやめでたいことでは使わないようにしましょう。
「心中お察しします」は、不幸やトラブルに見舞われた相手を気遣う言葉です。
お祝いやめでたいことで使うと、相手を不快な気持ちにしてしまう恐れがあります。
嬉しい気持ちに水を差す行為なので、十分に注意しましょう。
相手の事情をまた聞きしたときは使わない
「心中お察しします」は、相手の事情をまた聞きしたときにも使わないようにしましょう。
他人の不幸に関する話題は、とてもデリケートです。
万が一、聞いた話が間違っていた場合、相手を不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。
また、話自体が事実であっても、本人から話を聞いていないのであれば、「噂好き」と思われてしまいます。
良い印象は持たれないので、本人が直接話してこないうちに、先回りしてこちらから声をかけるのはやめましょう。
相手との関係性によって使い分ける
「心中お察しします」は丁寧な表現ですが、それだけに相手との関係性によって使い分ける必要があります。
親しい間柄であれば、丁寧さが逆効果になる場合もあるので注意しましょう。
友達の場合は、「辛かったね」と普段通りの言葉遣いの方が気持ちが伝わりやすいはずです。
また、上司や目上の人に対して使うと、「君に何がわかるんだ!」と反感を買う可能性もあります。
お互いの関係性を考慮した上で、相応しい表現を選びましょう。
「心中お察しします」の言い換え表現
続いて、「心中お察しします」の言い換え表現を紹介します。
言葉の意味をしっかりと理解して、適切に使い分けましょう。
お気持ちお察しします
「心中お察しします」は、「お気持ちお察しします」に言い換えることができます。
「心中」に比べて「お気持ち」は柔らかい表現なので、ビジネスシーンに限らず、プライベートでも使える表現です。
ご心労お察しします
「ご心労お察しします」という言い方もあります。
「心労」は「しんろう」と読み、精神的な疲れや気苦労を意味する言葉です。
心配事を抱えている相手の状況を理解し、その苦労に寄り添うことができます。
硬い敬語表現なので、親しい間柄で使われることはまずありません。
胸中お察しします
「心中お察しします」は、「胸中お察しします」と言い換えることもできます。
「胸中」は「きょうちゅう」と読み、文字通り「胸のうち」「心の中」という意味です。
心中とほとんど同じ意味で使われます。
拝察いたします
「拝察いたします」と言い換えることもできます。
「拝察」は「はいさつ」と読み、「人の心中を推し量ること」という意味のへりくだった言葉です。
非常に丁寧な敬語表現なので、改まった場面に相応しいフレーズと言えるでしょう。
逆に、プライベートな場では硬すぎる印象を与えます。
「心中お察しします」と言われたときはどう返すべき?
「心中お察しします」は気遣いの言葉なので、自分が「心中お察しします」と言われたら、感謝の言葉を返すようにしてください。
たとえば、以下のように返しましょう。
- お心遣い、ありがとうございます。
- ご丁寧にありがとうございます。
より深い感謝の念を伝えたいときは、相手の気遣いに対して恐縮する気持ちを表すのがおすすめです。
- お気遣いのお言葉、恐れ入ります。
- お気遣いいただき、恐縮です。
- お心遣い、痛み入ります。
「相手の思いやりを申し訳なく思う」という言い回しは、自らをへりくだることで相手に対する敬意を表す謙譲表現です。
フォーマルな場面や目上の人に対して使いましょう。
最初に「恐れ入ります」「恐縮です」とだけ伝え、「お気遣いいただき、ありがとうございます」と続けてもOKです。
失礼がないよう、相手に合った言い回しで感謝の気持ちを伝えましょう。
「心中お察しします」は相手の辛い気持ちに寄り添う言葉
「心中お察しします」は相手の辛い気持ちに寄り添う言葉です。
不幸に見舞われた人の心情を理解し、同情の気持ちを表すことができます。
ただし、「お祝いやめでたいことでは使わない」「相手の事情をまた聞きしたときは使わない」など、注意点もあるのでしっかりと理解しておきましょう。
また、目上の相手に対して使うと、「君に何がわかるんだ!」と反感を買う恐れもあります。
相手との関係性や状況を考慮し、言葉を正しく使うようにしましょう。
- 「心中お察しします」は、相手の辛い気持ちを推し量り、寄り添う気持ちを表す言葉
- 「心中お察しします」をビジネスシーンで使うときの注意点は、お祝いやめでたいことでは使わない・相手の事情をまた聞きしたときは使わない・相手との関係性によって使い分ける
- 「心中お察しします」の言い換え表現は、「お気持ちお察しします」「ご心労お察しします」「胸中お察しします」「拝察いたします」
- 「心中お察しします」と言われたときは、感謝や恐縮する気持ちを伝えよう