適宜の意味とは?類語や注意点、ビジネスシーンでの具体的な使い方を解説!
「適宜(てきぎ)」とは、「状況に適している」「状況に応じて各自が判断して行動する様子」という2つの意味を持つ言葉です。
ビジネスシーンで使われることが多い言葉ですが、間違った使い方をしている人も少なくありません。
そこでこの記事では、「適宜」の意味や類語表現について紹介します。
「適宜」を使う際の注意点や具体的な使い方についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
「適宜」とは?
「適宜(てきぎ)」とは、「状況に適している」「状況に応じて、各自が判断して行動する様子」という2つの意味を持つ言葉です。
「適」という漢字には「ふさわしい」「当てはまる」という意味があり、「宜」には「その場に当てはまって都合がいい」「ほどよい」といった意味があります。
「随時」との違い
「随時(ずいじ)」は、「その時々」「好きなときにいつでも」という意味の言葉です。
「随時」には「好きなときに」という時間的な意味がありますが、「適宜」は状況に応じて対応するニュアンスなので、時間的な制限がありません。
「適宜」と「随時」の大きな違いは、時間的な範囲があるかないかだと覚えておきましょう。
「適宜」の類語・言い換え
「適宜」の類語表現には、「適切」「ふさわしい」「必要に応じて」があります。
類義語や言い換え表現を知ることで、「適宜」という言葉をより正確に理解できるでしょう。
ここでは、「適宜」の類語・言い換え表現について紹介します。
「適切」
「適切」とは、「状況や目的に合っていてふさわしいこと」という意味の言葉です。
【例文】
- ミスしたときこそ適切な判断が求められる。
- 新人教育では適切な方法とタイミングで注意することが大切だ。
「適切」はビジネスシーンで使われることが多い言葉なので、正しい使い方を覚えておきましょう。
「ふさわしい」
「ふさわしい」とは、「釣り合いがとれていること」という意味の言葉です。
【例文】
- 彼女の業績に対してふさわしい額の報酬が支払われるべきだ。
- 社運を賭けたプロジェクトなので本当に能力がある人こそリーダーになるのがふさわしい。
「適宜」の「状況に適している」という意味に近い言葉として、「ふさわしい」を使うことができます。
「必要に応じて」
「必要に応じて」とは、「対応や用意が必要になった場合に応じる」という意味の言葉です。
【例文】
- 必要に応じて資料の補足をするようにしてください。
- 納期に間に合わせるために必要に応じて残業してもらいたい。
「必要に応じて」は、「適宜」の「状況に応じて各自が判断して行動する様子」に近い意味合いがあります。
「適宜」を使う際の注意点
「適宜」という言葉は、状況や相手によっては失礼になってしまうこともあります。
ここでは、「適宜」を使う際の注意点について紹介するので、しっかりと理解しておきましょう。
目上に使わない
「適宜」を使う際の注意点として、目上の人に使わないことが挙げられます。
目上の人にお願いをするときに「適宜」を使うと、指示を出しているニュアンスが強くなってしまいます。
目上の人に対して、上から目線で指示を出すのは失礼になるのでやめましょう。
どうしても「適宜」を使わなければいけないときは、「適宜〇〇してもらえると幸いです」など、敬語表現と合わせて使うことをおすすめします。
指す範囲を事前に確認しておく
「適宜」が指す範囲が曖昧な場合は、事前に確認しておくように注意しましょう。
たとえば、先輩が「適宜指示を仰ぐように」と言った場合、「仕事の忙しさのタイミングを見て判断してほしい」という意味で使っている可能性があります。
そのため、「困ったときにはすぐにでも」という意味で「適宜」を捉えてしまうと、ミスコミュニケーションが起きてしまいます。
「適宜」はビジネスシーンで多く使われる言葉なので、範囲が曖昧なときは不要なミスを生まないように確認しましょう。
自分で「適宜」を使う際にも、誤解がないように具体的な言葉で補足することをおすすめします。
【例文付き】「適宜」の使い方
「適宜」は具体的にどんな使われ方をするのでしょうか。
最後に、「適宜」の使い方を例文付きで紹介します。
「臨機応変に」という意味の「適宜」
「適宜」は、「臨機応変に」という意味で使われることがあります。
【例文】
- 電話での受付時間は決まっていますが、適宜対応も致します。
- 決められた仕事だけでなく、適宜周りのフォローもしてほしい。
- ミスしたときは適宜報告をするようにしてください。
このように「適宜」は柔軟な対応が必要なときに使われます。
「各自の判断で」という意味の「適宜」
「各自の判断で」という意味で「適宜」が使われることもあります。
【例文】
- 必要なものは適宜自分で購入するのがルールだ。
- アルバイトの採用に関しては、店舗の判断で適宜行っても大丈夫です。
- いちいち確認しなくていいので適宜休憩をとってください。
ビジネスシーンでは各自で物事を判断しなければいけない場面が多いため、「適宜」がよく使われます。
「最善の選択を」という意味の「適宜」
「適宜」は、「最善の選択を」という意味で使われることもあります。
【例文】
- 在庫が不足したり余りすぎたりしないように、適宜補充する必要がある。
- 大きなトラブルにつながる可能性があるので、周りに確認した上で適宜判断してください。
- 相手の要望に沿うように適宜対応をお願いします。
「各自の判断で」の使い方に似ていますが、「その場に最も適した判断を」というニュアンスが含まれている使い方です。
「適宜」の意味を理解して正しく使いこなそう!
「適宜」とは、「状況に適している」「状況に応じて各自が判断して行動する様子」という2つの意味を持つ言葉です。
「随時」と混同しやすいので、きちんと違いを理解しておく必要があります。
また、ビジネスシーンにおいては目上の人に対しては使わないなどの注意も必要です。
この記事で紹介した類語や例文を参考にして、「適宜」を使いこなしましょう。
- 適宜とは「状況に適している」「状況に応じて各自が判断して行動する様子」という2つの意味を持つ言葉
- 適宜の類語・言い換えは「適切」「ふさわしい」「必要に応じて」
- 適宜を使う際の注意点は「目上の人に使わない」「指す範囲を事前に確認しておく」