「恐縮です」の正しい意味とは？ビジネスでの使い方を解説！

「恐縮です」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。

「使ったことはあるけれど、しっかりと意味を理解していない」という人もいるでしょう。

もしも間違った使い方をしてしまった場合、相手に対して失礼になったり、あなたの評価が下がったりしてしまうことがあります。

この記事では「恐縮です」の正しい意味や類語、ビジネスシーンでの使い方を解説します。

「恐縮（きょうしゅく）です」の意味

「恐縮です」とは、「恐れて身が縮むこと」を意味する言葉です。

目上の人から厚意を受けたときの、ありがたさや申し訳なさで身のすくむ気持ちを表し、相手に対して謙虚な姿勢を示すときに使われます。

ビジネスシーンでは、相手に何か頼み事をしたりお誘いを断ったりするときに、クッションとして「恐縮ですが」を使うパターンが多いです。

「恐縮です」の類語

ここでは「恐縮です」の類語を紹介します。

謙虚な姿勢を示す言い換え表現を知っておくと、様々な状況に合わせて使い分けることができます。

「恐れ入ります」

「恐縮です」と似た言葉として「恐れ入ります」が挙げられます。

相手の行動や言葉に対して感謝を伝えるときや、相手に依頼するときのクッション言葉として使用します。

ビジネスシーンだけではなく日常的によく使われる言葉です。

「僭越ながら」

「僭越ながら」と「恐縮ですが」は同じ使い方ができます。

「僭越」は「自分の身分をこえて出過ぎたことをする」という意味です。

自分の立場が低いことを表しながら、意見を述べたり質問したりするときに使用しましょう。

「あいにくですが」

「あいにくですが」は「恐縮ですが」と近い意味を持つ言葉です。

「残念ながら」という意味があり、相手の期待に添えない場合に使います。

先方からの申し出やお誘いを、不快感を与えずソフトに断ることができます。

「失礼ですが」

「恐縮ですが」は「失礼ですが」と言い換えることができます。

意見を言ったり質問をしたりするときに「失礼ですが」と一言添えると、直接的な表現を和らげることができます。

ビジネスシーンから日常会話まで、幅広くライトに使えるのが魅力です。

「恐縮です」を使う際の注意点

「恐縮です」の正しい使い方をしないと、恥ずかしい思いをしたり相手に失礼な印象を与えたりしてしまいます。

ここでは「恐縮です」を使う際の注意点を紹介するので、使う前にしっかりチェックしておきましょう。

相手の行動には使えない

「恐縮です」は相手の行動に対して使えません。

なぜなら「恐れて身が縮む」のは自分だからです。

「恐縮されずにお聞きいただきたいのですが」といった使い方は間違っているだけでなく、失礼にあたるので気をつけましょう。

「恐縮に存じます」は二重敬語

「恐縮に存じます」という使い方は、二重敬語になってしまうのでNGです。

恐縮には「ありがたく思う」や「申し訳なく思う」という意味があります。

「存じます」は「思う」の謙譲語なので、「恐縮」と一緒に使うと「思う」が重なってしまうのです。

重大な過失には使えない

「恐縮です」は重大な過失を起こしてしまった場合には使用できません。

「恐縮」には「感謝」や「申し訳ない」というニュアンスは含まれていますが、「謝罪」は含まれていないのです。

自分のミスで相手に多大な迷惑をかけてしまったときは、「大変申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」といった言葉で謝罪しましょう。

多用は禁物

「恐縮です」の多用は禁物です。

クッション言葉として便利なので、口癖のようになってしまう人も少なくありません。

しかし、「恐縮です」を多用しすぎると、先方に「いつものセリフ」として受け取られてしまい、逆に不誠実な印象を与えてしまいます。

必要以上に「恐縮です」という言葉を使わないように心がけましょう。

シーン別「恐縮です」を使った例文

最後に、「恐縮です」を使った例文をシーン別で紹介するので、理解を深めて使いこなせるようにしましょう。

感謝を伝えたいとき

相手に感謝を伝えたいときの例文はこちらです。

ビジネスシーンで深い感謝の気持ちを伝えたいときに使用しましょう。

依頼をするとき

先方などに依頼をするときは、こちらの例文を参考にしてください。

相手に頼み事をするときは、ただ用件だけを伝えてしまうと冷たい印象を与えてしまいます。

「恐縮」を使って、「仕事を増やしてしまって申し訳ない」という気持ちをしっかりと伝えるようにしましょう。

断るとき

相手の厚意に応えられず断るときの例文です。

「恐縮ですが」と前置きをすると、敬意を払いつつ厚意を断ることができます。

また、断ってしまって申し訳ないという気持ちも伝わるでしょう。

「恐縮です」を正しく活用しよう！

「恐縮です」には、「感謝」や「申し訳ない」という気持ちが込められています。

前置きで使うと、きつい表現を柔らかくするクッションにもなります。

主にビジネスシーンでよく使われる大変便利な言葉ですが、「謝罪」としては使用できないので注意しましょう。

正しい意味と使い方をきちんと覚えて、ぜひビジネスに役立ててください。