報連相の「報告」と「連絡」の違いとは?適切に行うためのポイントを解説

ビジネスにおけるコミュニケーションの基本である「報連相(ほうれんそう)」。
その中でも「報告」と「連絡」は混同されがちですが、それぞれ意味合いや目的は異なります。
「報告」とは、指示を与えられた人が、その進行状況や結果を、指示を出した人に伝えることです。
「連絡」とは、情報を他の関係する人にお互いに伝えることをいいます。
この記事では、「報告」と「連絡」の違いを明確にし、ビジネスシーンで適切に行うためのポイントを解説します。
Contents
報連相の「報告」と「連絡」の違いとは
まずは、「報告」と「連絡」の違いを見ていきましょう。
報告とは
報告とは、上司や関係者に対して業務の進捗状況、結果、問題点などを伝えることです。
報告者は、指示された業務や担当している業務について、その経過や結果を客観的な事実に基づいて伝えます。
報告を受ける側は、報告の内容に基づいて状況を把握し、今後の指示や判断を行います。
例としては、「営業活動の進捗状況を上司に報告する」「担当業務で発生したトラブルの内容と対応状況を報告する」などです。
連絡とは
連絡とは、関係者に対して、業務遂行に必要な情報や予定などを知らせることです。
連絡者は、情報を共有することで関係者間の連携を円滑にし、業務の遅延やミスを防ぐことができます。
連絡を受ける側は、その情報に基づいて自身の行動を調整したり、準備をしたりします。
例としては、「会議の日程と場所を関係者に連絡する」「資料の変更点をチームメンバーに伝える」などです。
指示を仰ぐというよりも情報を伝えるという意味合いが強い点が、報告と異なります。
報告と連絡では伝える相手や目的が違う
報告と連絡では、伝える相手や目的が異なります。
報告は、既に完了している業務や現在の進捗状況を上位者や関係者に伝え、その後の指示や判断を仰ぐことを目的とします。
一方、連絡は、これから業務に取りかかるために必要な情報や途中経過を関係者に共有し、連携をスムーズにすることが目的です。
また、報告には要点をまとめてから伝えるというニュアンスがありますが、連絡はシンプルに情報のみを伝えるというニュアンスが含まれています。
ビジネスシーンで報告を適切に行うためのポイント
続いては、ビジネスシーンで報告を適切に行うためのポイントを解説します。
伝わりやすい報告をするために、しっかりと目を通しておきましょう。
要点や結論を先に伝える
報告を適切に行うためには、要点や結論を先に伝えるようにしましょう。
なぜなら、報告を受ける上司や関係者が忙しく、あまり時間をとれないことも大いに考えられるからです。
なので、最初に結論や最も重要なポイントを伝え、その後に詳細を説明するように心がけましょう。
そのためには、「何を報告するか」「報告の優先順位はどうするか」「どうまとめるか」などを事前に考えておくとスムーズです。
タイミングよく報告を行う
報告の際には、タイミングよく報告を行うことが大切です。
具体的には、
- 指示された業務が完了したとき
- 仕事に変更が必要なとき
- 新しい情報を入手したとき
- 重要な進捗があるとき
などは、速やかに報告する必要があります。
報告が遅れると、状況の把握が遅れたり、適切な対応が取れなくなったりする可能性があります。
特に、ミスやトラブルが発生したときは速やかに報告をして、問題が小さい状態のときに対応できるようにしましょう。
また、定期的な報告のタイミングも守ることも重要です。
事実と意見をきちんと区別する
報告は、事実ベースで要点をまとめることが大切です。
「現在、業務は◯◯まで進んでいます」「〇〇というデータが出ています」のように、客観的な事実やデータに基づいた報告を心がけてください。
もし主観的な意見や感想を言うのであれば、客観的な事実を報告した後に「ここからは私の意見なのですが」と前置きしてから続けるといいでしょう。
ビジネスシーンで連絡を適切に行うためのポイント
最後に、ビジネスシーンで連絡を適切に行うためのポイントを解説します。
目的を明確にする
何のために連絡をするのか、連絡の目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧な連絡は、受け取った側を混乱させたり対応が遅れたりする可能性があります。
たとえば、会議が明日の13:00であることを伝える場合、目的は「会議に必要な準備をそれまでに進めておいてもらう」ことになります。
この目的を把握しておくと、どのようなタイミングや頻度で連絡するべきかが分かりやすくなるでしょう。
関係者全員に連絡する
連絡の際には、必要な情報を関係者全員に漏れなく伝えることが重要です。
連絡漏れがあると、業務に支障が出たり、後々トラブルに繋がったりする可能性があります。
メールのCC機能やチャットなどを活用し、確実に情報が共有されるようにしましょう。
内容や相手の状況によって連絡手段を使い分ける
内容や相手の状況によって、連絡手段を使い分けることも大事です。
電話の方が好都合な場合もあれば、メールの方が好都合な場合もあるでしょう。
また、緊急度の高い内容は電話、記録に残すべき内容はメールや書面、簡単な連絡なら口頭やチャットを使うなどの使い分けも重要です。
他にも、相手が忙しい時間でないか、業務時間外の連絡でないかなども考えるようにしましょう。
社内の相手と社外の相手で連絡の仕方を変える
社内の相手と社外の相手では、言葉遣いや連絡のスピードも変わります。
社内の相手にはスピードと正確性を重視するべきである一方、社外の相手には丁寧で礼儀正しい言葉遣いを心がける必要があります。
また、社外の相手には、繰り返し丁寧に伝え、情報をきちんと確認してもらうことも大切です。
重要な連絡は伝わったかきちんと確認する
重要な連絡を送った後は、相手にきちんと伝わったか確認するようにしましょう。
「〇〇の件、ご確認いただけましたでしょうか?」といった確認をとることで、認識の齟齬を防ぎ、スムーズな連携に繋がります。
報告と連絡の違いをきちんと理解しよう
「報告」と「連絡」は、どちらもビジネスコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。
それぞれの目的と伝え方のポイントを理解し、状況に応じて適切に使い分けるようにしましょう。
そうすれば、より円滑な業務遂行と信頼関係の構築に繋がります。
- 報告とは、上司や関係者に対して業務の進捗状況、結果、問題点などを伝えること
- 連絡とは、関係者に対して業務遂行に必要な情報や予定などを知らせること
- 報告と連絡では伝える相手や目的が違う
- ビジネスシーンで報告を適切に行うためのポイントは「要点や結論を先に伝える」「タイミングよく報告を行う」「事実と意見をきちんと区別する」
- ビジネスシーンで連絡を適切に行うためのポイントは「目的を明確にする」「関係者全員に連絡する」「内容や相手の状況によって連絡手段を使い分ける」など