「達観してる人」とはどんな人?達観(たっかん)の意味や使い方を解説
人から「達観してる」と言われるのは、どんな人なのでしょうか?
もし自分が言われたら素直に喜んでいいのか、それとも別の悪い意味で言われているのかリアクションに困るかもしれません。
この記事は、達観の正しい意味や類語と、「達観してる」と思われる人の特徴を紹介しています。
また「達観」を使う際に気を付けたい注意点や、例文も紹介しています。
Contents
「達観(たっかん)」とは?
「達観(たっかん)」には、大きく分けると2つの意味があります。
類語に当たる俯瞰(ふかん)や諦観(ていかん)などは、意味も言葉の響きも似ているので、違いに気を付けて間違えないように使いたいですね。
はじめに「達観」の言葉の意味と、類語との違いについて解説します。
「達観」の意味
「達観」の意味の1つ目は、物事の真理や道理を見極めて、目の前にある小さなことには動じないこと。
2つ目の意味は、長い視野を持って将来の情勢まで見通すことです。
「達観」の「達」は物事を成しとげたりゴールに行き着くことを意味し、「観」は仏教用語で真理の会得を意味する「悟り」のこと。
達観には、悟りの境地に行き着いて迷いがない状態でいることと、先々のことや物事全体を見通す大きな視野をもつことの、両方の意味があります。
「達観」の類語と意味の違い
達観の類語には「俯瞰(ふかん)」「諦観(ていかん)」「悟り」などがあります。
それぞれの言葉の意味と達観との違いを説明しましょう。
・俯瞰(ふかん)
俯瞰はもともと、物理的に高いところから下の方を見下ろすことを意味します。
そのため、客観的な見方で物事の全体像を見るときにも使われる言葉です。
達観は、遠い視野で将来または全体を見通すことなので、見方の捉え方が異なります。
達観は将来を見通していて落ち着いている状態を表しますが、俯瞰には現状を表す意味はありません。
・諦観(ていかん)
諦観とは物事を考え抜いた結果、これまでの考えを諦めて新たな境地に至る、という意味です。
達観が先のことを見通して積極的に結果を得たことに対し、諦観は欲することを止めて消極的に結論に至ったことなので、答えを出すまでの心境が違います。
・悟り
悟りは物事や道理を理解することで、達観の「観」と同じような意味を持つ言葉です。
悟りは仏教で、迷いを取り去り真理を会得することを表した言葉で「悟りの境地」などの使われ方をします。
達観は、悟りを得た結果、今は迷いが消えて落ち着いている状態を表しています。
「達観してる人」は褒め言葉とも皮肉を込めた悪い意味とも取れる
「達観してる人」と言う時は、褒め言葉として使う場合と皮肉を込めた悪い意味として使う場合があります。
文字通りの意味なら、先々まで見通していて些細なことに惑わされず、冷静で落ち着いた人のこと。
言葉のイメージから、精神的に成熟した人や感情を表に出さない人、細かい事でいちいち騒がない人のことを褒めるときに使います。
しかし、あまりに冷たい人や何でも諦めているネガティブな人、上から目線の人に対して、皮肉をこめた悪い意味で「達観してる」と言う場合もあります。
自分が言われた場合は、どのような状況で言われたかを思い出して、謙虚に判断するようにしましょう。
達観してる人ってどんな人?
嫌味や悪口ではなく実際に達観してる人は、どのような人だと思いますか?
「達観していて、すごいな」と心から言われるような人には、憧れますよね。
年齢を重ねれば達観できるというわけではなく、若くても大きな視野を持ち毎日を穏やかに過ごしている人もいます。
次は「達観してる」と感心される人の特徴や心理について紹介しましょう。
落ち着いている
達観してる人はいつも落ち着いていて、想定外のことが起きても自分を見失ったり悪あがきしたりすることがありません。
期待していたことがキャンセルになったり、予想もしていなかったピンチが訪れたりするのは、誰の人生にも起こること。
達観してる人は、既に起きてしまったことに対して、動揺したりやけになったりしても、事態が変わらないことを理解しています。
そんな時でも、できることを冷静にこなしていれば、事態を収められることを見越しているので、いつも平常心で過ごせるのです。
細かいことには動じない
達観してる人は細かいことにいちいち動じないので、生まれつきおおらかな性格なのかと思われることもあります。
しかし、本当は大変不幸な経験をしてきた人で、現在の平和な毎日を過ごせるようになるまで、いろいろな苦労を乗りこえてきた人なのかもしれません。
本当に辛い目に合ったことがない人は、自分が今手にしている幸せに気づかず、小さなことでも文句を言ったり落ち込んだりします。
一方、実際に大きな難関を乗りこえて来た人は、大抵のことは大きな問題ではないと考えられるようになるので、多少のことでは動じません。
物事を冷静に対処できる
自分の力を過信している人は、失敗を恐れるあまり冷静さを失うことがありますが、達観してる人は失敗を恐れないので、いつも物事を冷静に対処できます。
なぜなら、失敗は誰にでも起こりうる事で、大切なのはそこからどう回復するかを学ぶ姿勢だと考えているから。
「全ての物事には意味がある」と思っているので、例え思い通りに行かないことがあっても、傷ついたり挑戦することを恐れたりしないでしょう。
「逆にチャンスだ」と発想を切り替えられるので、いつもモチベーションを保ったまま前に進めるのです。
欲がない
いろいろなものを欲しがったり、出世や人気、愛情を求めたりと、人の欲望にはキリがありませんが、達観した人は自分の欲にあまり悩まされません。
周りの影響を受けて人を羨んだり、自分が持っていないからと妬んだりすることがなく、自分と他人をきっちりと分けて考えることができるからです。
自分が既に持っているもの、必要なものを理解し、満足して満ち足りた状態なので、必要ないものを欲しがることや得られないからと苦しむこともないでしょう。
何事も客観的に見れる
達観してる人は、偏った見方をすることがなく何事も客観的に見ることができます。
いろいろなことを広い視野で正しく判断できるので、間違った情報やデマに踊らされることもなく、常に冷静です。
人間関係では、特定の人やグループの味方になったり敵対視したりせずに、公平な立場でいられるでしょう。
全ての人の気持ちや立場、関係性を把握しているので、特定の人を攻撃することはなく、誰に対しても穏やかに接することができます。
【例文付き】「達観」の使い方
最後に、達観を使った表現を例文や解説とともにいくつか紹介しましょう。
達観は使い方により良い意味として褒めている場合と、皮肉としての悪い意味で使う場合があります。
誤解を招くことがないように、使う相手や使うシーンには注意が必要です。
【褒め言葉としての使い方】達観してる①
例文1)あの人は知識が豊富で冷静に物事を捉えられる達観してる人だ
意味は「あの人はいろいろなことを知っているので、客観的な判断ができる」で、褒め言葉として達観を使っています。
広い視野があり、思い入れや偏った考えを持たない見方ができる人のことを「達観してる人」と表現した良い意味での使い方です。
例文2)彼女は婚活に達観してるので、相手に高過ぎる理想を求めない
「彼女は婚活に関して理解があり、非現実的な高い条件を要求することはない」という意味です。
婚活市場を現実的なスタンスで把握していて、妥当な相手に満足できる女性のことを、達観してると表現しています。
【皮肉を込めた使い方】達観してる②
例文1)あの子ってやけに達観してるよね
意味は「あの子は、まるで自分は何でも知ってるみたいな態度だね」で、上から目線な態度を「達観してる」と表現した否定的な言い方です。
または、冷たいことやリアクションが薄いことを達観と皮肉って、「あの子は、何に対してもネガティブでつまらない」という意味で達観を使うこともあります。
例文2)後輩の育成について先輩に相談したが、達観してるからかスルーされた
意味は「後輩をサポートする件を先輩に話したが、現状維持で特に問題ないと取り合ってくれなかった」になります。
先輩が目下の人には無関心な様子、ことなかれ主義で相談に消極的な様子を、嫌味を込めて「達観してる」と表現しています。
【褒め言葉としての使い方】達観視
例文)私の上司は社会情勢を達観視できる人だ
意味は「私の上司は広い視野を持ち先々の社会情勢も読み取れる人だ」です。
「理解」や「判断」ではなく「達観視」を使うことで、先を読む視野の広さや正確に答えを出せる客観性を持つことを表現しています。
達観を使った言葉を目上の人やビジネスの席で使う場合は、このように尊敬の意味を込めつつ使うようにしましょう。
「部長は女性管理職の活躍を達観視している」のような使い方は、相手の対応の冷たさを批判しているようにも取れるので、避けた方が無難です。
恋愛は達観しすぎないのが大切
達観している人は落ち着きがあって、物事を冷静に対処できるのでビジネスシーンでは頼りになる存在といえます。
ただし、恋愛においては受け身になったり、感情が見えなかったりして損してしまう可能性があります。
恋のチャンスを逃さないためにも、恋愛には積極的な姿勢を心がけましょう。
もし素敵な出会いを探しているなら、マッチングアプリを利用するのも一つの手です。
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「達観」の意味を正しく理解して失礼のない使い方をしよう
「達観」には、物事や心理を見極めて小さなことには動じなくなることと、遠い視野で将来の情勢を見通すことの2つの意味があります。
「達観してる」と言われるのは、褒め言葉として文字通りに受け取って良い場合と、嫌味として言われていて反省すべき場合があるので、気を付けましょう。
達観してる人の特徴は、落ち着いていることやいつも冷静さを失わずに客観的でいられること、周りの人に惑わされないことなどがあります。
達観の意味と使い方の注意を正しく理解して、特にビジネスの場では失礼のない使い方をしましょう。
- 達観には落ち着いていることと、先を見通すことの2つの意味がある
- 「達観してる」は褒め言葉だけでなく、嫌味として使われることもある
- 達観してる人は自分をしっかり持ち、周りに惑わされることがなくいつも冷静
- 達観の意味を理解して、失礼のないように正しく使おう