難読漢字「臥薪嘗胆」の意味や使い方、類語をわかりやすく解説!
「臥薪嘗胆」という四字熟語。
日常生活では馴染みのない言葉かもしれませんが、ビジネスシーンや座右の銘として使われる機会はあります。
見たことはあるけど、読み方がわからない人も少なくないはず。
この記事では、「臥薪嘗胆」の意味や読み方、正しい使い方について解説します。
Contents
臥薪嘗胆の意味・読み方
「臥薪嘗胆」とは、「復讐や目的のために苦労を重ねる」という意味を持つ四字熟語です。
成功のために努力を惜しまないという並々ならぬ決意を表すときに使われます。
読み方は「がしんしょうたん」です。
臥薪嘗胆の由来
「臥薪嘗胆」という言葉は、中国の故事が由来とされています。
春秋時代、呉の王・闔閭(こうりょ)は、越の王・勾践(こうせん)との戦いに敗れて亡くなりました。
父親の仇を討つことを決めた闔閭の息子・夫差(ふさ)は、硬い薪(たきぎ)の上で臥して(寝て)復讐心を忘れないようにしたのです。
数年後、夫差は越を攻めて勾践を降伏させますが、勾践は呉に賄賂を渡すことで死刑を免れます。
生き延びた勾践は屈辱を忘れないために、苦い胆を嘗めて、夫差への復讐を誓い、やがて国力を取り戻すと呉を攻め、夫差は自決に追いやられるのでした。
この故事に出てくる「薪の上で寝る(臥薪)」と「肝を嘗める(嘗胆)」が「臥薪嘗胆」の語源になっています。
臥薪嘗胆の使い方・例文
臥薪嘗胆は日常的に使われることは少ないです。
しかしビジネスシーンで使うとなれば、言い表し方がわからないとなることだけは避けたいところ。
以下、例文もあわせて使い方について解説します。
努力した結果を述べるとき
努力した結果を述べるときに、「臥薪嘗胆の末」という表現が使われます。
受験勉強や長年にわたったプロジェクトなど、これまで積み重ねてきた苦労が実を結んだときの喜びを表すことができます。
<例文>
- 臥薪嘗胆の末、大学に合格することができた
努力した思いを述べるとき
努力した思いを述べるときにも、「臥薪嘗胆の思い」という表現が使われます。
一緒に苦労を共にしてきた仲間がいれば、この言葉で奮起させたり、ねぎらったりすることができるでしょう。
<例文>
- 臥薪嘗胆の思いで取り組んだ頑張りを発揮しよう
- 任されたプロジェクトに臥薪嘗胆の思いでやってきた
目的のために努力しているとき
「臥薪嘗胆」は、「臥薪嘗胆する」のように動詞としても使うことができます。
失敗して思うような成果が上げられなかったときに、「次こそ成功する」という決意表明として自分を奮い立たせるのもいいかもしれませんね。
<例文>
- その悔しさをバネに臥薪嘗胆します
- 臥薪嘗胆したことで成果を手にすることができた
臥薪嘗胆の類語
最後に「臥薪嘗胆」の類語を紹介します。
状況によって使い分けてみましょう。
堅忍不抜(けんにんふばつ)
「堅忍不抜」とは、「つらいことに負けず、じっと耐え忍ぶ」という意味です。
「つらい状況に耐えて努力する」という点が、臥薪嘗胆に通じるものがあります。
我慢するというニュアンスが強く、「堅忍不抜の精神でやり抜く」といった使い方が多いです。
漆身呑炭(しっしんどんたん)
「漆身呑炭」とは、「復讐するために、どんな苦労もいとわない」という意味です。
この言葉の語源も、「仇討ちのために漆を身体に塗り、炭を呑んで別人を装った」という中国の故事が由来になっています。
臥薪嘗胆とほとんど同じ意味なので、そのまま言い換えて使うことができます。
捲土重来(けんどちょうらい)
「捲土重来」とは、「一度衰えた者が再び盛り返して巻き返す」という意味です。
臥薪嘗胆に含まれる「リベンジを果たす」というニュアンスと合致しています。
「捲土重来を期す」や「捲土重来を果たす」といった使い方をします。
辛酸(しんさん)をなめる
「辛酸をなめる」とは、「つらいことや苦しいことを経験する」という意味です。
目的を達成するための苦労というよりは、苦労そのものを指します。
そのため臥薪嘗胆と言い換えるなら、「辛酸をなめて成功を勝ち取った」のように補足して使うといいでしょう。
難読漢字を理解して教養を身につけよう!
目的のために苦労を重ねるという意味の「臥薪嘗胆」は、努力の大切さを教えてくれる言葉です。
日常生活では馴染みのない言葉かもしれませんが、ビジネスシーンや座右の銘などで使われる機会も多く、覚えておいて損はありません。
日本語の正しい意味を理解するのも、成長するために必要な努力です。
読めない漢字や知らない言葉を目にしたら、調べることを習慣にして、教養を身につけましょう。
- 臥薪嘗胆は「復讐や目的のために苦労を重ねる」という意味
- 「臥薪嘗胆の末」「臥薪嘗胆の思い」「臥薪嘗胆する」など、さまざまな使い方がある
- 「臥薪嘗胆」の類語は「堅忍不抜」「捲土重来」「辛酸をなめる」など