「以降」とはその日を含む?含まない?意味やいつからなのかを解説
「この日以降でお願いします」など、日常会話やビジネスシーンでよく使われる「以降」という言葉に、一瞬戸惑ったことはありませんか?
たとえば「3日以降」の場合、3日からなのか、3日は含まないのか、分からなくなることがありますよね。
この記事では「以降」の意味や「含むか含まないか」問題の解説と、正しい使い方を紹介しています。
Contents
「~以降」とはどんな意味?
「以降」の読み方は「いこう」で、意味は「それより後」のことです。
「以降」の「以」は「ある時点から」という意味を持つ漢字で「降」は時が移ることや後のこと。
つまり「以降」とは、ある時点から後という意味になります。
使うときは日付や時間、数字などの基準をつけて「それより後」という意味を示し、日付や時間などの範囲や条件を表します。
たとえば「今週は忙しいのですが、来週以降なら大丈夫です」と言われた場合は「来週より後であれば対応できます」という解釈ができるでしょう。
「以降」の英語表現
仕事上、または外国人の友達とコミュニケーションをとる機会がある人は「以降」の英語表現も確認しておきましょう。
日本語の「以降」を英語で表す場合には、下記のような表現があります。
- after I will call you after 3PM.
(午後3時以降に電話します。)
- from You can use this coupon from next month.
(このクーポンは来月以降使えます。)
- since We have been dating since graduating from high school.
(私たちは高校卒業以降付き合っています。)
「以降」とはその日や時間・数字を含む?
「以降」とは、基準として示された日付や時間、数字を含めて「それより後」を示す言葉です。
「◯日以降」と言われて、その日を含むのか含まないのか悩まないように「以降はその時点を含む」と覚えておきましょう。
次は、日付や数字で「以降」を使った場合、具体的にいつからなのかなどの例を紹介します。
日付や時間に対して使う場合
日付や時間に対して「以降」を使う場合は、起点となっている日付や時間を含めた、その後の継続的な日付や時間を意味しています。
- 12月1日以降 12月1日も含めて12月2日、3日など、その後すべての日付のこと
- 夜10時以降 夜10時ちょうどからその後ずっとの時間を意味する
- 2022年以降 2022年、2023年、2024年〜のように2022年も含めた後の年のこと
数字に対して使う場合
「以降」を数字に対して使う場合は、基準点を含む、それより後の数字を表しています。
- 1以降10までの整数 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10の整数のこと
- 10,000以降 10,000も含めた、その後すべての数字を意味する
「以降」を使うときの注意点
日常会話やビジネスシーンで「以降」を使う場合の注意点は、その後からいつまでのことなのかを明確に伝える必要があることです。
たとえば「3日以降に提出して下さい」といった伝え方をすると、人によっては3日に提出する人もいれば、10日に提出する人もいます。
ある程度の締切を指定する必要があれば「3日以降5日までに提出して下さい」のように「以降」だけでなく終了する時点も合わせて相手に提示しましょう。
期限を表す言葉には「◯◯までに」「◯日中」などがありますが、いずれも基準となっている日を含む表現です。
たとえば「3日以降で5日中に」の場合は「3日か4日か5日」にという意味になります。
【例文】「以降」の正しい使い方
「以降」を使う表現には、これから先の話をするケース、過去から現在まで継続している話をするケース、範囲や条件を限定するケースがあります。
続いては「以降」の正しい使い方を例文とともに紹介します。
- 未来の話をする場合
正式なコメントは、来週以降に発表させて頂きます。
(来週も含めて、それから先の日付を意味する)
- 過去から現在までの話をする場合
彼の退職以降、彼がどこで何をしているのか全く分からない。
(過去から現在まで継続している月日を表す)
- 条件を限定する場合
平日の午後5時以降は留守番電話で対応しています。
(時間の範囲を表す)
「以降」の類義語
「以降」の他にも、それから後を意味する類語はいろいろあります。
それぞれの意味や使い方を理解して、正しく使い分けましょう。
最後は「以降」の類義語、言い換え表現について紹介します。
「~以後」
「〜以後」は、以降の類義語で言い換えられる表現になる言葉です。
「以降」と同様に、その前につけた起点を含んだ「その後」という意味で使う場合と「以後、気をつけます」のように単独で使う場合があります。
「以降」との違いは「以降」は「起点から後の継続する時間」を表しているのに対し「以後」は「起点となる時間や日付を強調した、その後」というニュアンスがあることです。
たとえば「これ以降」は、今から先のある程度長い時間帯を表していますが「これ以後」の場合は「今のこの瞬間から変わる」のように、基準をフォーカスする意味になります。
「~以来」
「〜以来」は「以降」の類義語で、基準となっている日付や時間などを含めて、その後のことを表す言葉です。
ただし「以降」は「明日以降」のように未来の話でも使えますが「以来」は「明日以来」という使い方はできません。
「以来」は未来の話には使えない言葉なので、気をつけましょう。
「〜以来」とは、ある時点から引き続き状況が変わっていない、確定した状況を表す言葉なので、これからどうなるか分からない未来の出来事には使えません。
「今後は~」
「今後は〜」は、今から後のことを意味する言葉で、先の話をするという点では「以降」に意味が似ている類義語です。
しかし「今後」は漢字が示す通りに「今」が基準となっているので、「来週今後」のように他の起点と組み合わせられません。
範囲を示す言葉を伴わないで、単独で使うだけの言葉です。
「今後」はビジネスシーンでよく使われる言葉の1つで「今後とも宜しくお願いします」のように、終了してしまうことなく継続するというニュアンスを表すのに用いられます。
「以降」はその日や時間を含む言葉!使い方をマスターしておこう
「以降」とは、ある日付や時間、数字などより後のことで、基準として示した日や時間なども含まれています。
ビジネスシーンなどで期限がある場合には、いつまでのことなのかを合わせて提示する必要があるでしょう。
「以降」を使うシーンは、未来の話、過去から現在まで継続する話や、範囲を限定する場合です。
同義語「以後」「以来」「今後」は、使い方やニュアンスが異なる場合があるので気をつけましょう。
「以降」の使い方をマスターして、日付や時間に関するコミュニケーションを正しく行えるようにしましょう。
- 「以降」とは、それより後のことで基準となる日や時間を含む
- 締切がある場合は、いつまでのことかも伝える必要がある
- 日付、時間、数字などの範囲を表し、未来の話、過去から現在までの継続した話、条件の提示に使う
- 言い換え表現にする場合は、ニュアンスや使い方の違いに注意しよう
- 日付や時間などを表す「以降」の意味を理解して、正しく使おう