「とんでもございません」は間違い?意味や言い換え表現を例文付きで解説!
ビジネスにおいて、「とんでもございません」という言葉を使う機会は非常に多いです。
しかし、「とんでもございません」を間違った敬語だと指摘する人もいます。
「とんでもございません」は、果たして本当に間違った敬語なのでしょうか?
この記事では、「とんでもございません」の意味や言い換え表現、ビジネスでの使い方について解説していきます。
この記事を参考に、「とんでもございません」をビジネスで活用できるようになりましょう!
Contents
「とんでもございません」の意味
「とんでもございません」には、二つの意味があります。
誰かに感謝されたり謝られたりしたときに謙遜する意味と、なにか誤解があったときなどに否定する意味です。
「とんでもないです」「とんでもありません」といった言い方をすることもありますが、「とんでもございません」が一番丁寧な言い方です。
「とんでもございません」の語源
「とんでもございません」の語源は、「道理から外れていること」を意味する「途でもない」だと言われています。
「途」とは「道理、道筋」という意味であり、「途でもない」は「道理や道筋から外れている」「全くそうでない」という意味です。
この「途でもない」が「とんでもない」に変化し、更に丁寧にして「とんでもございません」になったと言われています。
「とんでもございません」は間違い?
実は、「とんでもございません」は間違った日本語だと指摘されています。
「とんでもない」は「とんでも」と「ない」には分解できず、一つの語として成立しています。
そのため、「ない」の部分を「ございません」に変えることは、日本語として正しくないと言われているのです。
ただし、「とんでもございません」は一般に定着した言い方であるため、文化審議会によって使用が認められました。
つまり、元々は正しい日本語ではありませんでしたが、現在は使用しても問題ありません。
もし気になるようであれば、「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」といった言い方にしましょう。
「とんでもございません」の言い換え表現
「とんでもございません」は、「恐れ入ります」「光栄です」「滅相もございません」などに言い換えられます。
それぞれの意味や使い方を詳しく見ていきましょう。
「恐れ入ります」
「恐れ入ります」は、相手から褒められたり感謝されたりしたときに、自らを謙遜する言葉です。
「とんでもございません」とは違い否定のニュアンスはなく、相手の言葉を受け入れる際に使います。
「とんでもございません」と同様に、ビジネスシーンでよく出てくる表現なので覚えておきましょう。
「光栄です」
「光栄です」は、自分の仕事や活動を褒められたときに使う言葉です。
「とんでもございません」は謙遜の意味合いで使うのに対し、「光栄です」は名誉に思う気持ちを強調するときに使います。
そのため、ポジティブな気持ちを伝えたい場合は「光栄です」の方が適しているでしょう。
「滅相もございません」
「滅相もございません」は、「とんでもございません」と同様に謙遜と否定の意味合いを持つ言葉です。
ビジネスシーンにおいて、相手の意見や主張を否定したいときによく使われます。
相手の意見を全面的に否定する言葉ではなく、自らを謙遜しながら否定するので、目上の相手に使っても失礼にはなりません。
「とんでもございません」を使う際の注意点
「とんでもございません」を使う際には、いくつか注意点を押さえておく必要があります。
ここでは、「とんでもございません」を使う上での注意点を紹介していきます。
過度に使いすぎない
「とんでもございません」は、過度に使いすぎないようにしましょう。
「とんでもございません」は否定や謙遜のニュアンスが強いため、使いすぎると過度に自分を卑下する人と思われる可能性があります。
また、ちょっとした褒め言葉や感謝に対して「とんでもございません」を使うと、少し大げさに聞こえることもあるでしょう。
「とんでもございません」のみを使うのではなく、「光栄です」「恐れ入ります」といった言葉と適切に使い分ける必要があります。
誤用と思われる可能性がある
「とんでもございません」は元々間違った言い方であるため、「正しい言葉遣いではない」と考える人もいます。
大勢の人が集まる前で「とんでもございません」と言ってしまうと、「この人は正しい日本語が使えていない」と思われる可能性があります。
そのため、フォーマルな場や大勢の人が集まる前では「とんでもないことでございます」と言う方がいいでしょう。
「とんでもございません」を使った例文
最後に、「とんでもございません」を使った例文をシーン別に紹介していきます。
褒められたとき
謙遜したいときの「とんでもございません」の例文は、以下の通りです。
【例文】
「とんでもございません。私一人ではなしえなかったことです」
「とんでもございません。部長のご指導のおかげです」
「とんでもございません」を使うことで、人から褒められたときに謙遜する姿勢を示すことができます。
感謝されたとき
感謝されたときの「とんでもございません」の例文はこちらです。
【例文】
「とんでもございません。お力になれて嬉しい限りです」
「とんでもございません。こちらこそいつもお世話になっております」
感謝の言葉に対して謙遜の姿勢を表すことができます。
謝罪されたとき
謝罪されたときの「とんでもございません」の例文は、以下の通りです。
【例文】
「とんでもございません。どうかお気になさらないでください」
「とんでもございません。こちらにも不備がありましたことをお詫び申し上げます」
相手への謝罪に対し「気にしなくていいですよ」という気持ちを表すことができます。
誤解を否定したいとき
誤解を否定したいときの「とんでもございません」の例文は、以下の通りです。
【例文】
「とんでもございません。我が社でそのような方針は一切ありません」
「とんでもございません。そのような問題は一切起きておりません」
相手の誤解を強く否定したいときに「とんでもございません」を使うことができます。
「とんでもございません」を正しく使えるようになろう
社会人になると、「とんでもございません」という言葉を使う機会が多くなります。
間違った使い方をしないように、しっかり使い方を理解しておきましょう。
「とんでもございません」を上手に使えば、丁寧な言い方で謙遜の気持ちを表現することができます。
この記事を参考に、ビジネスシーンで「とんでもございません」を活用していきましょう!
- 「とんでもございません」は、褒め言葉や感謝に対して謙遜するときや誤解を否定したいときに使う言葉
- 「とんでもございません」は、「道理から外れている」という意味の「途でもない」が変化した言い方
- 「とんでもございません」は正しい日本語ではないが、既に定着しているため使用しても問題ない
- 「とんでもございません」の言い換えは、「恐れ入ります」「光栄です」「滅相もございません」
- 「とんでもございません」を使う際の注意点は、「過度に使いすぎない」「誤用と思われる可能性がある」