「精進してまいります」の意味とは?ビジネスでの例文や注意点を解説!
「精進してまいります」は、挨拶や謝罪の場面でよく使われる言葉です。
しかし、正確な意味や使い方をきちんと把握できているという人は決して多くないでしょう。
適切な使い方を押さえておかないと「あいつは正しい言葉遣いができていない」とマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
この記事では、「精進してまいります」の意味や使い方を解説するので、正しく使えるようにチェックしておきましょう。
Contents
「精進(しょうじん)してまいります」とは
「精進(しょうじん)してまいります」とは、「一つに集中し努力する」という意味の「精進」に、敬語の「してまいります」が組み合わさった表現です。
「これから頑張っていきます」ということを、上司や取引先などの目上の相手に表明したいときに使います。
「邁進(まいしん)してまいります」との違い
「精進してまいります」に似た言葉に「邁進(まいしん)してまいります」があります。
「邁進」とは、「恐れることなく突き進む」という意味の言葉です。
「精進」が「ひたむきに努力すること」に重点を置いた言葉である一方、「邁進」は「目標まで突き進むこと」を表しています。
微妙にニュアンスの違う言葉であるため、しっかりそれぞれの意味を覚えておきましょう。
【例文付き】「精進してまいります」を使う場面
ここでは「精進してまいります」を使うシーンを例文付きで解説していきます。
努力を表明したいとき
「精進してまいります」は、努力を表明したい場面で使えます。
【例文】
「ご期待に応えられるよう精進してまいりますので、お力添えをいただければと思います」
年始の挨拶
「精進してまいります」は、年始の挨拶でもよく使われる表現です。
【例文】
「本年もより一層精進してまいりますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします」
新しい職場での挨拶
「精進してまいります」は、入社時や部署移動などの挨拶でも使われます。
【例文】
「本日よりお世話になります〇〇です。新しい環境にいち早く慣れるよう日々精進してまいります」
謝罪文の締め
謝罪文の締めに「精進してまいります」を使うパターンもあります。
【例文】
「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。今回の反省を踏まえ、今後はより一層精進してまいります」
「精進してまいります」を使う際の注意点
ここでは「精進してまいります」の注意点を解説します。
誤った使い方をしないためにしっかり頭に入れておきましょう。
謝罪時に使う場合は問題解決後に
謝罪時の「精進してまいります」は、問題解決後に使うようにしましょう。
トラブルの途中で使ってしまうと「まだ問題が終わっていないのに無責任だ」と思われてしまいます。
問題解決後の謝罪文の締めで使うのが適切です。
相手を主語には使わない
「精進してまいります」は、自分の気持ちを相手に伝えたいときに使います。
そのため、「精進して下さい」「〇〇さんは精進していますね」という言い回しは避けましょう。
「ご活躍をお祈りしております」「〇〇さんの努力する姿に感銘を受けています」といった言葉であれば問題ありません。
目上の相手に使う
「精進してまいります」を使うのは目上の相手の場合だけです。
「まいる」にはへりくだる意味合いがあるため、目下の相手に「精進してまいります」と言うのは不適切です。
頻繁に使いすぎない
「精進してまいります」は頻繁に使いすぎないように気をつけましょう。
多用すると、「定型句として使っている」と相手に思われてしまう可能性があります。
新しい職場での挨拶や新プロジェクトの立ち上げのときなど、ここぞという場面でのみ使うようにしましょう。
「精進してまいります」の言い換え表現
続いて、「精進してまいります」の言い換え表現を紹介します。
努力してまいります
関係性の近い目上の相手には「努力してまいります」を使うこともできます。
「精進してまいります」よりもカジュアルな表現であるため、よりストレートに気持ちを相手に伝えられるでしょう。
励んでまいります
「励んでまいります」も「精進してまいります」の言い換え表現として使われます。
「励む」が「気持ちを奮い起こして物事に取り組む」という意味の言葉なので、目標に向かって努力する姿勢をアピールすることができます。
「精進してまいります」では表現として堅苦しい印象を与えてしまう場合には、「励んでまいります」を使うといいでしょう。
頑張ります
「頑張ります」は、よりカジュアルな言い方なので目上の人間や取引先の相手に使うべきではありません。
ただし、同僚や目下の人間などが相手である場合には「頑張ります」を使った方が自然なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
「精進してまいります」への返答例
「精進してまいります」と言われた際にはどのように返答するのが適切なのでしょうか。
最後に、「精進してまいります」への返答例を紹介していきます。
ご活躍をお祈り申し上げます
相手の努力を応援したいときには、「ご活躍をお祈り申し上げます」と返すとよいでしょう。
また、「ご活躍」を「ご健勝」や「ご成功」などに変えることもできます。
企業が相手の場合には「ご発展をお祈り申し上げます」という表現も使えます。
それぞれのパターンを覚えておきましょう。
応援しております
「応援しております」は、よりストレートな言い方です。
目上の人や同僚、取引先など様々な相手に対して励ます気持ちを伝えられます。
見えないところからひそかに、というニュアンスがある「陰ながら応援しております」も場合によっては使えるでしょう。
期待しています。
部下など目下の人間に対しては「期待しています」と言うこともできます。
ただし、言い方に気を付けないと相手にプレッシャーを与えるおそれがあります。
「〇〇さんのご活躍を期待しています。お体にはどうぞお気を付けください」といったように、後に気遣いの言葉を付け加えるのもよいでしょう。
「精進して参ります」は努力や意気込みを相手に伝える敬語表現
「精進してまいります」はビジネスシーンでよく目にする言葉です。
自分の姿勢をアピールしたい場面で活用すれば、相手に好印象を与えられるでしょう。
ただし、「相手を主語にしない」「問題解決後に使う」など、失礼な印象を与えないように使う前にしっかり注意点を押さえておくことも必要です。
この記事を参考に「精進しております」をビジネスシーンで正しく活用してください!
- 「精進(しょうじん)してまいります」とは、「一つのことに集中し努力する」という意味の「精進」に、謙譲語の「してまいる」と丁寧語の「ます」が組み合わさった敬語表現
- 「精進してまいります」は「努力を表明したいとき」「年始の挨拶」「新しい職場での挨拶」「謝罪文の締め」などに使える
- 「精進して参ります」を使う際の注意点は「謝罪時に使う場合は問題解決後に」「相手を主語には使わない」「目上の相手に使う」「定型句として使わない」
- 「精進してまいります」の言い換え表現は「努力してまいります」「励んでまいります」「頑張ります」
- 「精進してまいります」への返答例は「ご活躍をお祈り申し上げます」「応援しております」「期待しています」