朝令暮改とは?意味や類語、ビジネスでの使い方などを解説!
「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」とは「方針が頻繁に変わり、定まらないこと」を意味する言葉です。
あまりなじみのない言葉なため「どういう意味か知らない」「見たことはあるけど意味が分からない」という人も多いでしょう。
この記事では、「朝令暮改」の意味や類語、ビジネスにおける使い方などを解説していきます。
この記事を参考に、朝令暮改の意味を理解しておきましょう!
Contents
「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」とは?
「朝令暮改」とは「方針が頻繁に変わり、定まらないこと」という意味になります。
上司の意見が頻繁に変わったり、会社の方針がコロコロと変わったりしたときに「あの上司は朝令暮改だ」「うちの会社は朝令暮改だ」といった使い方をします。
基本的には「あいつは朝令暮改だから信用できない」「朝令暮改の会社に振りまわされて困っている」など、ネガティブな使い方をすることが多いです。
由来
「朝令暮改」は中国の書物である漢詩が由来となっています。
漢の時代の中国は法律や命令が頻繁に変わっていたため、農民は振り回されて困っていました。
そのことから、「朝に出した法律(令)が、暮れには変わっている(改)」という意味で「朝令暮改」という四字熟語が生まれたのです。
「朝令暮改」は良い意味でも使われる
「朝令暮改」は悪い意味としてだけでなく、良い意味で使われることもあります。
本来は「あいつは朝令暮改で信用できない」など批判的な文章で使われますが、ビジネスシーンにおいては柔軟性を持つ人や会社に対して「朝令暮改」を使うこともあります。
世の中の流れや価値観を汲み取って柔軟に考え方を変えることを「朝令暮改」と表現している場合には、良い意味であるといえるでしょう。
ビジネスシーンでは注意が必要
良い意味でも悪い意味でも使うことのできる「朝令暮改」ですが、ビジネスシーンで使う際には注意が必要です。
一般的には「朝令暮改」は否定的な意味で使われることが多いため、褒め言葉として「朝令暮改」を使っても相手に悪口として受け取られてしまう可能性があります。
「朝令暮改」を使うときは、時と場合に応じて適切に使い分ける必要があるでしょう。
「朝令暮改」の類語
「朝令暮改」の類語としては「二転三転(にてんさんてん)」「朝令暮変(ちょうれいぼへん)」「右顧左眄(うこさべん)」などがあげられます。
それぞれの意味を見ていきましょう。
「二転三転(にてんさんてん)」
「二転三転(にてんさんてん)」は、「物事の成り行きが二度三度変わること」を意味する言葉です。
「朝令暮改」とほとんど同じ意味を持っていますが、「朝令暮改」は「上の立場からの人間の命令がコロコロと変わること」という意味なのに対し、「二転三転」は「状況がガラリと変わること」という意味です。
「朝令暮改」の方が限定的なシーンで使われるということを覚えておきましょう。
「朝令暮変(ちょうれいぼへん)」
「朝令暮変(ちょうれいぼへん)」は、「朝令暮改」と全く同じ意味を持つ言葉です。
他にも、「朝改暮令(ちょうかいぼれい)」「朝改暮変(ちょうかいぼへん)」「朝変暮改(ちょうへんぼかい)」なども全て同じ意味になります。
最も使われることが多いのは「朝令暮改」ですので、「朝令暮改」のみ覚えておけば大丈夫です。
「右顧左眄(うこさべん)」
「右顧左眄(うこさべん)」は「右を見たり左を見たりして迷うこと」という意味の四字熟語です。
周囲の状況や周りの目を気にしすぎて、なかなか物事を決断できない優柔不断な人を「右顧左眄な人」などといったように表します。
「朝令暮改」は「決断がコロコロと変わること」という意味なので、「決断ができず迷う」という点では「右顧左眄」は少し違う意味になります。
「朝令暮改」の例文
最後に、「朝令暮改」を使った例文を紹介しますので見ていきましょう。
悪い意味の「朝令暮改」
悪い意味で使われる「朝令暮改」の例文はこちらです。
【例文】
「部長は朝令暮改だから信用ができない」
「うちの会社は朝令暮改で、社員は常に振り回されている」
「部長や会社の指示がコロコロ変わって迷惑している」という意味の批判的な文章になります。
良い意味の「朝令暮改」
良い意味で使われる「朝令暮改」の例文はこちらです。
【例文】
「今の企業は、朝令暮改の精神を持つべきだ」
「時代の流れの早さについていくには、朝令暮改な考え方が必要になる」
こちらは「一つの考え方に固執せず、柔軟性を持つ必要がある」という意味で「朝令暮改」が使われています。
「朝令暮改」は「物事の方針が頻繁に変わること」という意味
「朝令暮改」は、「物事の方針が頻繁に変わること」という意味の四字熟語です。
現在は世の中の流れや情勢が変わりやすく、「朝令暮改」を使う機会も増えています。
「朝令暮改だね」などと言われたときに意味を理解しておけば、会話がスムーズに進むようになるでしょう。
この記事を参考に朝令暮改という言葉の意味や成り立ちを理解し、使いこなしていきましょう!
- 「朝令暮改」とは「方針が頻繁に変わり、定まらないこと」という意味
- 「朝令暮改」には良い意味と悪い意味があり、ビジネスシーンで使うには注意が必要
- 「朝令暮改」の類語としては「二転三転」「朝令暮変」「右顧左眄」などがある