「奇しくも(くしくも)」の意味とは?使い方と例文をわかりやすく解説
「奇しくも(くしくも)」は、意味や使い方が間違われやすい言葉です。
正しい意味を理解していないと、人前で恥をかいてしまう恐れがあります。
この記事では、「奇しくも」の意味や使い方を分かりやすく解説していきます。
正しい日本語を身につけるためにも、この記事を一読してみてください。
Contents
「奇しくも」とは?
まずは、「奇しくも」がどんな言葉なのかを解説していきます。
「奇しくも」の意味
「奇しくも」とは、「起こった偶然の出来事を不思議に思うさま」という意味の言葉です。
起こりうるはずのない出来事や、思いがけず起きた偶然や奇跡に対して使います。
字を見ると「きしくも」と読んでしまいがちですが、正しい読み方は「くしくも」になります。
「奇しくも」の語源
「奇しくも」は、形容詞の「奇し」と係助詞の「も」が組み合わさった言葉です。
「奇し」には、「神秘的である」「変わっている」という意味があります。
そこに意味を強める「も」が加わり、「普段と違っていること」を強調する言葉になるのです。
「悔しくも」「苦しくも」とは意味が異なる
同じ読みである「悔しくも」「苦しくも」と「奇しくも」は意味が異なります。
「悔しくも」は「悔しいことに」といった意味を表す言葉です。
一方「奇しくも」には、何かを悔しがる意味合いやニュアンスは含まれていません。
また、「奇しくも」を「苦しくも」と同じ意味合いで使っている人もいますが、これも意味は異なります。
「奇しくも」には、何か辛いことや苦しいことを指すニュアンスは含まれていないからです。
この3つは誤用しやすいので注意しましょう。
「奇しくも」を使った例文
ここでは、「奇しくも」の具体的な使い方を例文を用いて紹介していきます。
「不思議」のニュアンスで使う場合
まずは、「不思議」のニュアンスで使う「奇しくも」を見ていきましょう。
- 「奇しくも、神社で願った出来事が一ヶ月後に叶った」
- 「奇しくも、占い師の助言が完璧に当たっていた」
起こった物事を不思議がるときに「奇しくも」を使うことができます。
「偶然」のニュアンスで使う場合
偶然起きた出来事を述べたいときにも「奇しくも」を使うことが可能です。
- 「奇しくも、会社の先輩と出身地が同じだった」
- 「奇しくも、以前彼と別れた日と同じ日に復縁した」
なぜ起きたのか分からない偶然に「奇しくも」を使うとよいでしょう。
「奇跡的」のニュアンスで使う場合
奇跡的な出来事に対しても「奇しくも」と表現することができます。
- 「遅刻していたが、奇しくも全ての信号が青だったので予定に間に合った」
- 「交通事故に遭ってしまったが、奇しくも一切怪我をせずに済んだ」
ほとんど起きることのない奇跡的な出来事は「奇しくも」を用いて表現できます。
「奇しくも」の類義語と対義語
ここでは、「奇しくも」の類義語と対義語を解説していきます。
「奇しくも」の類義語
「奇しくも」の類義語には、「偶然にも」「不思議なことに」「奇跡的に」などがあります。
いずれも、なにか説明のつかない偶然や神秘的な出来事に使うことが可能です。
また、怪しい偶然を表したいときに使う「妙なことに」も、「奇しくも」の言い換えとして使えます。
「奇しくも」の対義語
「奇しくも」の対義語としては、「案の定」や「思った通り」などが挙げられます。
「奇しくも」は偶然の出来事を不思議がる言葉なので、予想の範疇を超えない出来事や想定の範囲内の出来事を表す言葉が対義語になるのです。
「奇しくも」の誤用に注意しよう
「奇しくも」は、説明のつかない偶然や不思議な出来事を表したいときに使われます。
同じ音で違う意味を持つ言葉が多いので、誤用しないように注意が必要です。
特に、「悔しくも」や「苦しくも」と意味を混同している人が多い傾向にあります。
きちんと違いを押さえておくことが大切ですよ。
間違った言葉の使い方で恥をかかないよう、「奇しくも」の意味をきちんと勉強しておきましょう!
- 「奇しくも」とは「起こった偶然の出来事を不思議に思うさま」という意味の言葉
- 「奇しくも」は形容詞の「奇し」と係助詞の「も」が組み合わさった言葉
- 「奇しくも」は「悔しくも」「苦しくも」と意味が異なる
- 「奇しくも」の類義語は「偶然にも」「不思議なことに」「奇跡的に」
- 「奇しくも」の対義語は「案の定」「思った通り」