単純接触効果(ザイオンス効果)とは?職場・恋愛での具体例やテクニックを解説
単純接触効果(ザイオンス効果)は、興味がない対象でも繰り返し見たり聞いたりすると、興味を持ち始め印象が良くなる心理効果。
テレビでよく見かける商品に興味が湧いたり、何度か見たことがある人のことが気になったりした経験がある人も多いでしょう。
この記事では、単純接触効果の意味と職場や恋愛での具体例、恋愛に活かすテクニックを紹介しています。
Contents
単純接触効果(ザイオンス効果)とは?
単純接触効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが発表したことから、ザイオンス効果とも呼ばれている心理効果。
初めは興味がなくても、何度も接触しているうちに対象に興味が湧き、好印象になるという心理のことです。
接触は実際に会うことだけではなく、目にする、耳にする、匂いを嗅ぐなど、さまざまな方法が含まれ、オンライン上のコンタクトもその1つです。
単純接触効果は広告やマーケティングなどで、顧客の関心を集めたり好印象を与えたりするのによく利用されています。
単純接触効果の具体例とは?
単純接触効果が活かせるのは、CMだけではありません。
職場での人間関係を構築するために使えば、仕事がやりやすくなったりトラブルを減らしたりできるメリットがあります。
営業職や自営業の人なら、顧客の興味を集めたり親近感を持たせたりするのにも役立つでしょう。
恋愛面では気になる相手を自分に振り向かせたり、好印象を与えたりすることもできます。
続いては、職場や恋愛でザイオンス効果を活かす具体例を紹介します。
職場編
職場の人間関係で単純接触効果を活かすのなら、意識的に繰り返し接触する機会を作りましょう。
営業職や自営業の人が、顧客との関係性を築いたり商品やサービスに興味を持たせたりするためには、メディアなどを使い繰り返しアピールする方法が効果的です。
次は、職場で活用したい単純接触効果の具体例を紹介します。
挨拶をする
何気なく交わす職場での日常の挨拶にも、単純接触効果があります。
出勤時や退勤時だけでなく電話応対、メール連絡での挨拶や定期的な声かけをしていると、相手に親しみを感じたり会話のきっかけができたりします。
他部署の人でも、すれ違った時などに会釈や挨拶をしていれば、業務上協力が必要になった際にスムーズな意思の疎通がとれるようになるでしょう。
実際に顔を合わせなくても、ビジネスチャットやリモート会議などを通じてコンタクトしている相手とは、お互いに信頼関係が生まれます。
雑談をする
職場での何気ない雑談にも、単純接触効果の影響が現れます。
雑談したことがある相手とはコミュニケーションが容易になり、自然に報連相ができるようになるので、連絡ミスによるトラブルが起きにくくなるでしょう。
また、お互いの手助けができるようになる等の協力関係ができて、作業効率や仕事の質が向上するケースもあります。
自分の働いている部署以外の人や関係業者の人でも、普段から雑談する関係になっていると、人間関係が広がったり困った時に特別に助けてもらえたりする場合もあるでしょう。
定例会やルート営業
営業職や自営業の人が顧客との関係性を構築するには、定例会やルート営業などによって会う回数を増やして、単純接触効果を活かします。
短時間の面談や具体的な商談がない打ち合わせでも、何度か顔を合わせる相手には親しみと安心感があるでしょう。
名刺や会社のロゴ入りグッズなどを渡しておけば、相手が仕事を頼む時に思い出すきっかけにもなります。
実際に会わなくても、定期的に電話やメールで様子を尋ね相手の記憶から消えないアピールをすれば、単純接触効果が得られます。
SNSやメールを活用する
単純接触効果は、不特定多数の人に自社や自社製品、サービスに興味を持ってもらうのにも最適です。
SNSやメルマガで情報を繰り返し発信すれば、目にした人が関心を持ったり購買意欲を感じたりする可能性があるでしょう。
対面でのセールスや電話の売り込みほど相手の負担がないので、気軽に見てもらえる上に、多くの人の目に触れるというメリットもあります。
ネットやメディアでトレンドになった商品は、広く興味を持たれ店頭で商品を買う時に選ばれる確率が高くなるでしょう。
恋愛編
単純接触効果を恋愛に活用すれば、付き合う前の相手や片思いの相手に自分のことを印象づけたり、好印象を与えたりできます。
はじめは興味がない相手でも、会う頻度が増えたりオンラインで繰り返し接触したりするうちに、気になり始めたり好感度がアップする可能性があります。
具体的には次のような行動をとると、単純接触効果が活かせるでしょう。
顔を合わせる機会を作る
単純接触効果は、接触する頻度が高いほど相手の心理に影響があるので、関心・好印象を持って欲しい相手と、なるべく多く顔を合わせる機会を作りましょう。
たまに長時間一緒に過ごす人より、毎日5分程度顔を見る相手の方が印象が強くなります。
実際に言葉を交わさなくても、相手の視界に入るところにいるだけでも、相手の記憶に残りますので、意識して行動してみましょう。
ただし、ストーカーのようにつきまとうと警戒心を与える恐れがあるので、自然なシチュエーションにする工夫が必要です。
SNSでつながる
実際に会うチャンスが少なくても、気になる相手とSNSで繋がることにより単純接触効果を活かすことができます。
相手のアカウントをフォローし、投稿にいいねやコメントを残すアクションを続けていれば、相手との定期的な接点が生まれ関心を持たれる可能性が高くなるでしょう。
DMに軽い挨拶を送るのもよいですが、気軽に読める内容にするのがポイントです。
自分の投稿も見られるかもしれないので、好印象を残すような投稿をアップして相手の関心を集めましょう。
LINEで写真を送る
LINEで繋がった相手には、自撮りや自分のイメージが伝わる写真を送り、単純接触効果で相手に親しみを感じてもらいましょう。
何気ない挨拶や要件と一緒に、写真やお気に入りの動画を送ればあなたの印象が伝わります。
相手が知っている場所で撮った写真や相手の趣味に合う動画なら、次のLINEを楽しみにしてくれるかもしれません。
しかし、あまりにもしょっちゅうLINEしたり何件も続けて送ったりするのは迷惑なので、相手の負担にならないような気遣いも忘れないようにしましょう。
プレゼントを渡す
単純接触効果の応用編として、気になる相手にあなたのことを思い出すようなプレゼントを渡す活かし方もあります。
食べたら無くなる食べ物やすぐに枯れてしまう花などではなく、ハンカチやペンなど長く使えて、日常生活で手にする機会があるものを選びましょう。
あまりにも高価なものや、相手の趣味や生活に全くそぐわないものは、受け取ってもらえなかったり使ってもらえなかったりする可能性があるので、慎重に選びましょう。
直接会えない時間でも、それを使ったり目にしたりする度あなたの記憶が蘇ります。
単純接触効果を利用した恋愛テクニックとは?
恋愛で最大限に単純接触効果を活かすために、ちょっとしたテクニックを使えば相手への印象を強めたり好感度を高めたりできます。
ザイオンス効果の特性を理解して、より効果的に活用するのがポイントです。
次は、単純接触効果を高めるために利用したい恋愛テクニックを紹介します。
表情で好感度をアップ
好きな人に繰り返し顔を見せるだけでも単純接触効果がありますが、表情で自分の魅力や好意を表現すれば、さらに好感度がアップします。
真顔やムスっとした顔ではなく、いつも笑顔を見せるようにしていれば「楽しそうな人」「優しそうな人」といった印象を与えられるでしょう。
目が合った時に微笑んだり会釈をしたりすれば、相手への興味や好感を抱いている気持ちが伝わります。
人は、好意を持ってくれる相手に好意を返したくなる心理があるため、同じように好意を示してくれるかもしれません。
短期間で印象を与える
単純接触効果は、あまり時間をかけずに短期間で繰り返し接触する方が効果が高いと言われています。
接触し始めたら、短い期間に集中して相手の記憶に残る行動をとるようにして、いつまでもダラダラと続けないようにしましょう。
なぜなら、最初のうちは対象に興味を持っても、長い期間接触し続けているうちに慣れてしまって、関心を持たなくなる可能性があるからです。
恋愛に単純接触効果をより確実に活かしたいなら、数週間、長くても1ヶ月くらいの期間に絞って接触するのがおすすめです。
友人に話題にしてもらう
あまりにも頻繁に接触するのに抵抗があるなら、共通の友人に協力してもらって相手の前であなたの話を話題にしてもらっても単純接触効果があります。
「〇〇さんと、こんなことしたよ」などと、あなたの話が相手の耳に届く度、実際に会わなくてもあなたのことを思い出します。
良い評判なら、特に好印象があり興味が出るでしょう。
第三者からの話が伝わることは、ときには本人が連日LINEしたり顔を見せたりするアピールよりも強いインパクトを与えます。
適度な距離感を忘れない
単純接触効果を用いた恋愛テクニックの仕上げは、適度な距離感です。
いつまでも気になる相手への接触を続けないで、ある程度相手の興味をひいたところで、いったん距離を置いてみましょう。
毎日顔を見せていたのを急に止めたりSNSにコメントするのを控えたりすれば、相手は「最近どうしたんだろう」と、逆に気になり始めます。
相手の心配が高まった頃を見計らって、再び顔を見せたりメールしたりすると、相手はホッとすると同時に、再び接触できた喜びを感じるでしょう。
単純接触効果がマイナスになる場合がある?
多くのメリットがある単純接触効果ですが、シチュエーションや行動期間によってはマイナスに働き、悪い印象を与えてしまう危険性もあります。
最後は、ザイオンス効果の活用を考える前に確認したい、逆効果になる恐れがあるケースを紹介しましょう。
印象が悪ければ逆効果
単純接触効果は、繰り返し接触することで相手の心理に良い影響を及ぼす心理効果ですが、既に悪い印象を持たれている場合は、さらに印象が悪くなる危険性があります。
第一印象が悪い相手が何度も目の前に現れたら、気に入るどころかますます嫌いになって、最悪の場合完全にブロックされる可能性もあるでしょう。
単純接触効果が有効なのは、相手が感じている印象がニュートラルな状態からやや好印象の場合のみです。
相手の反応を見て、嫌がられているようなら止めた方がいいでしょう。
頻度が多すぎるとウザいと思われる
単純接触効果を得ようと、あまり頻繁にコンタクトをとると、ウザいと思われ始めて逆効果になってしまうケースもあります。
相手に関心を持たれたり少し好意を持たれたりしたからといって、しつこくすると急激にイメージダウンします。
それは接触による刺激が一定以上になると、嫌悪感に変わるからです。
せっかくの単純接触効果を台無しにしないためにも、相手に重いと感じさせない内容の接触で不快感を与えない頻度で行うようにしましょう。
恋愛は進展が遅いと思われることも
単純接触効果は婚活や恋活など、スピード感が必要とされる交際にはあまり使わない方がいいでしょう。
自然に始まるお付き合いと違って、ゴールが明確な婚活または恋活は、出会ってから付き合うまでにあまり時間をかけないのが一般的です。
初デートから3回目くらいまでには、交際の意思表示を見せないと相手に本気度が疑われる恐れがあります。
長期間「5分程度顔を見せるだけ」「毎日LINEするだけ」だと、進展が遅いからと思われ、フラレてしまうかもしれません。
単純接触効果は職場でも恋愛でも使える心理テクニック!
単純接触効果はザイオンス効果とも呼ばれる心理効果で、繰り返し接触すると興味がなくても興味を持ったり、好印象になったりする心理テクニック。
広告やマーケティングだけでなく、職場や恋愛でも役に立ち、会う頻度を増やしたりSNSやメールを利用したりすることで、相手に興味や親近感を与えることができます。
恋愛で活かす場合は、表情などの伝え方、行動する期間にも配慮すれば、より効果を高められるでしょう。
ただし、シチュエーションや接触の方法によっては、マイナス面に働く恐れもあります。
単純接触効果を仕事や恋愛に正しく活かせば、相手との良い関係性ができるでしょう。
- 単純接触効果とは何度も接触すると対象に関心を持ち好印象を受ける心理効果
- 職場や恋愛に活かせば、相手に興味を持たせたり人間関係を良くしたりできる
- 伝え方や行動期間などの恋愛テクニックを使えばより効果がアップする
- 相手の気持ちや状況を無視した行動をとると、マイナスに作用することもある
- ザイオンス効果を仕事や恋愛にうまく活かそう