ネットスラング「〇〇で草」「草生える」の「草」って?意味や使い方を解説
ネットで生まれ、使用される俗語をネットスラングといいますが、「草」もそのひとつです。
SNS上でも「〇〇で草」「草生える」といった表現をよく見かけますが、最近では日常会話で使う人も増えてきました。
しかし、ネットスラングとしての意味を知らないと「なんで突然、会話の中に草が出てくるの?」と戸惑ってしまいます。
そこで今回の記事では、ネットスラング「草」の意味と使い方について徹底解説します。
Contents
「草」とは
ネットスラングの「草」は、そのまま「くさ」と読み、「笑い」を意味する言葉です。
面白いときや思わず笑ってしまうとき、馬鹿にして笑うときなどに使われ、単体で「草」と使用されたり「草生える」という形で使用されたりします。
「草」は、匿名掲示板の2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)内で生まれた用語だといわれています。
その後、広くネット上で使われるようになり、今やネット上だけでなくさまざまな場面で「草」を見かけるようになりました。
リアルな会話で使う人も増えており、わたしたちの日常にすっかり定着した感のあるネットスラングだといえるでしょう。
語源
そもそもなぜ「草」が「笑い」を意味するようになったのでしょうか。
草の語源は「(笑)」にあります。
(笑)は、メールやLINE、インタビュー記事などのテキストベースのツールを利用する際に話し手が笑っている様子を表すために文末に置く記号です。
2ちゃんねる上でもよく使われていましたが、徐々に省略されていき、(笑)→(wara)→wと変化していきました。
今でもネット上でよく見かける「w」は、「笑」をローマ字表記した際の頭文字というわけです。
やがてwを繰り返し打った「wwwwww」で大笑いを表現するようになっていきます。
wの数で笑いの度合いを表しているわけですが、これが草が生えているように見えるため「草」と呼ばれるようになったのです。
英語表現だと「lol」が近いかもしれません。
「lol」とは、laughing out loud(大声で笑う)の頭文字を取ったものです。
具体的な「草」の使い方
ネットスラングの「草」は、実際にはどのように使われているのでしょうか。
ここでは、具体的な「草」の使い方を例文付きで解説していきます。
面白いことが起きたとき
「笑い」を意味するスラングなので、一般的に面白いことが起きたときに「草」は使われます。
「笑った」という代わりに「草」というわけですね。
- 「道路に猫いる!可愛い~って近づいたらビニール袋で草」
- 「部長が書類の入った段ボール箱を持ち上げたら底がぬけて草生える」
- 「久々の連休なのに目が覚めたら夕方で草も生えない」
文末にシンプルに「草」と使われる場合もあれば、「草生える」のように動詞的な言い回しとして使われる場合もあります。
また、「草も生えない」=「笑えない」と使われるケースもあります。
嘲笑するとき
「草」が意味するものは、ほのぼのとした「笑い」の表現だけとは限りません。
相手を嘲笑するときにも使われます。
- 「冗談なのに真に受けてキレるとか草」
- 「SNSに盛った自撮りばかり載せてて草」
- 「言い訳が必死過ぎて草」
皮肉や批判の意味で使うとき
SNSや掲示板などでは他人と意見が対立することも少なくありませんが、そんなときにも「草」は皮肉や批判の意味で使われます。
- 「長文で語ってるけど、そもそもの前提が間違ってて草」
- 「漢字も読めないのに文学語るとかマジで草」
- 「書かれてないことまで読み取れる透視能力すご過ぎて草」
「草」の派生語
今やネット界隈で定着した感のある「草」には、さまざまな変化形も生まれています。
ここでは、「草」の派生語を紹介します。
大草原
「大草原」は、「草」よりもさらに上の大爆笑を意味します。
大笑いを意味する「wwwwww」の「w」がたくさん並んでいるさまを、草がいっぱい生えている大草原に例えて表しています。
草不可避
「草不可避」の読み方は「くさふかひ」です。
不可避は、避けようがないことを意味します。
つまり、「草不可避」とは「草を避けられない」ということです。
これから起きることに対して「笑うのを避けられない」「必ず笑ってしまう」という意味で使われます。
草を禁じ得ない
「草を禁じ得ない」の「禁じ得ない」は、禁じることができないという意味です。
主に、自分の感情や気持ちを抑えることができないときに使います。
つまり「草を禁じ得ない」とは、「笑わずにはいられないほど面白い」という意味です。
「草」を使う際の注意点
ネットスラングの「草」は、今やリアルな会話でも使われるようになりつつあります。
しかし、ネットスラングは使う場面を選ぶ言葉なので注意が必要です。
最後に、「草」を使う際の注意点について解説します。
TPOをわきまえる
「草」はネットスラングなので、使う際にはTPOをわきまえることが大切です。
同世代の相手でも、普段あまりネットをしない人であれば、ネットスラングが通じない可能性は充分にあります。
オフィシャルシーンでは当然、スラングは使用禁止です。
どれだけ親しい相手でも、ビジネスシーンで仕事仲間に「草」を使うのは絶対にやめましょう。
その場に合った言葉選びは、大人として当然必要な分別です。
相手や場面を間違えると、「失礼な人」とレッテルを貼られてる可能性もあります。
ネットスラングが使えるのは、ネットの事情に通じているプライベートな相手だけであることを忘れないでくださいね。
皮肉に感じる人もいる
「草」は見知らぬ相手を煽ったり嘲笑したりする際にも使われることがあるため、「草」という言葉に良い印象を持てない人も少なくありません。
本人は単に面白いと思って「草」を使っていても、なかには皮肉に感じてしまう人がいるのです。
そうしたネットスラングに関する知識を知らずにうっかり使ってしまえば、あらぬ誤解を招くことがあります。
言葉に対する価値観が異なる相手もいるので、ところかまわず「草」を使うのはやめましょう。
「草」は笑っている様子を表すネットスラング
SNSの普及とともにネットスラングを使う人は年々増えてきています。
笑っている様子を表す「草」もそのひとつで、今では日常会話で使われるケースも見られます。
たった一文字で笑っていることを表現できる「草」は、自分の気持ちを端的に表したい現代人にとって、便利な言葉といえるのかもしれません。
とはいえ「草」は嘲笑や煽り、皮肉を言う際にも使われてきたため、ネガティブなイメージも持っている人もいます。
そもそもスラングは仲間内だけで使われる俗語で、オフィシャルな場で口にするのは憚られる言葉です。
使う相手や場面を見極めるよう心がけましょう。
- ネットスラングの「草」は「笑い」を意味する言葉
- 草の語源は「(笑)」で、これが(wara)→wと省略され、大笑いする際に「wwwwww」と表記していたのが草が生えているように見えたことに由来する
- 具体的な「草」の使い方は、面白いことが起きたとき・嘲笑するとき・皮肉や批判の意味で使うとき
- 「草」の派生語は「大草原」「草不可避」「草を禁じ得ない」
- 「草」を使う際の注意点は、TPOをわきまえること・皮肉に感じる人もいることに留意すること