「論理的」と「理論的」の違いとは?それぞれの意味や使い分けを解説!
「論理的(ろんりてき)」と「理論的(りろんてき)」は、似ている言葉として混同してしまいがちですが、厳密にはそれぞれ意味が異なります。
では、「論理的」と「理論的」はどのように区別すればよいのでしょうか。
この記事では、「論理的」と「理論的」の意味の違いや使い分け方について解説していきます。
この記事を参考に2つの言葉の違いについて知っていきましょう!
Contents
「論理」と「理論」の意味
「論理」と「理論」は、それぞれどのような意味なのでしょうか。
まずは2つの意味について確認していきましょう。
「論理」とは
「論理」とは、「考えや議論などを進めていく筋道」「思考や論証の組み立て」を意味する言葉です。
事実をかけ合わせて、誰しもが納得できるような筋道になれば「論理的」であるといえます。
たとえば「①水に熱を与え続けたら熱湯になる」「②人は熱湯をかけられたら火傷する」という2つの事実があれば、「熱を与えていない水であれば、人は火傷をしない」という結論が導かれます。
この「熱を与えていない水であれば、人は火傷をしない」という結論に至るための①②が、論理なのです。
「理論」とは
「理論」とは、「法則や原理を基にして筋道を立てて考えられた知識体系」のことをいいます。
論理をかけ合わせて組み立てられた一つの説を、統一的に説明できるようにしたものが「理論」です。
論文などで良く使われる「〇〇理論」は、全てこれに当てはまっています。
ただし、「理論」はあくまで仮説であることも多く、事実であるとは限りません。
「理論」「論理」の類語
「理論」と「論理」の類語には何があるのでしょうか。
ここでは、それぞれの類語を紹介していきます。
「理論」の類語
「理論」の類語としては「原理」「定理」などが挙げられます。
「原理」とは「根本となる法則や理由」という意味であり、「地球には重力が働いている」など絶対的に変わらない法則のことを指します。
「定理」とは「公理や定義に基づいて証明された命題」という意味であり、主に数学で使われる言葉です。
いずれも、統一的に説明できるという点で「理論」と似た意味を持っているといえます。
「論理」の類語
「論理」の類語としては「つじつま」「筋」などが挙げられます。
「つじつま」とは「物事の道理」という意味であり、「つじつまが合う」と「論理的に正しい」は同じ意味の言葉です。
「筋」もまた、「物事の道理」という意味であり、論理的に正しいことを「筋が通る」という言い方をします。
使い分けは「過程」か「結論」か
「論理的」と「理論的」の使い分けは、「過程」か「結論」かを考えると分かりやすいです。
「論理」は結論を導き出すためのロジックなので、思考の過程であるといえます。
「理論」は「論理」によって導き出された一つの結果のことなので、「結論」であるといえます。
「論理的」は「過程が論理に基づいている」ときに使い、「理論的」とは「結論が理論に基づいている」ときに使うと良いでしょう。
「論理的」「理論的」を使った例文
「論理的」と「理論的」は、具体的にどのように使えばいいのでしょうか。
最後に「論理的」と「理論的」を使った例文を紹介していきます。
「論理的」を使った例文
「論理的」を使った例文は以下の通りです。
【例文】
「彼は問題を解決する方法を論理的に説明した」
「先生の説明は論理的で分かりやすい」
「理論的」を使った例文
「理論的」を使った例文は以下の通りです。
【例文】
「現象の説明として理論的に妥当である」
「理論的な論文でなければ学会では認められない」
「理論的」と「論理的」の違いをきちんと押さえよう
「論理的」と「理論的」は非常に似ている言葉であり、使い方も混乱しがちです。
しかし厳密には意味が違う言葉であるため、きちんと使い分ける必要があります。
「論理的」と「理論的」の意味の違いを理解するには、「過程」か「結論」かを考えると分かりやすいでしょう。
「論理」を組み合わせたものが「理論」となるからです。
この記事を参考に、「論理的」と「理論的」を正しく使い分けられるようになりましょう!
- 「論理」とは「考えや議論などを進めていく筋道」「思考や論証の組み立て」を意味する言葉
- 「理論」とは「法則や原理を基にして筋道を立てて考えられた作られた知識体系」のことを示す言葉「理論」の類語は「原理」「定理」
- 「論理」の類語としては「つじつま」「筋」
- 「論理的」と「理論的」の使い分けは「過程」か「結論」か