「今後ともよろしくお願いいたします」の適切な使い方を例文付きで解説!
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンにおいてよく使う言葉です。
何気なく使っている人も多いでしょうが、実は使うのに適していない場面があるのをご存知ですか?
場合によっては相手に不信感を与えてしまうかもしれません。
この記事では、「今後ともよろしくお願いいたします」の意味や言い換え、適切な使い方を例文付きで解説していきます。
この記事を参考に適切な使い方を知っておきましょう。
Contents
「今後ともよろしくお願いいたします」とは?
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンの挨拶やメールの締めの言葉としてよく使われます。
「よろしく」には「ちょうど良い具合に」という意味があり、相手に好意を示したり頼み事をしたりする時に使います。
そこに「今後とも」が付くことで、「継続的なお付き合いをしたい」という好意的な気持ちを伝えることができるのです。
「引き続きよろしくお願いいたします」との違い
「引き続きよろしくお願いいたします」は物事が継続して行われることを示しており、案件が継続中の時に使われます。
「今後ともよろしくお願いいたします」は、「案件は終了しているが、将来的にもお付き合いをしたい」という時に使います。
状況に応じて、しっかり使い分けるようにしましょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」の使い方
「今後ともよろしくお願いいたします」は、どのような場面で使うことができるのでしょうか。
使用頻度の高い場面と使い方について紹介します。
挨拶で使う
「今後ともよろしくお願いいたします」はビジネスや日常生活の挨拶で使うことができます。
例えば、引越しをした際のお隣さんへの挨拶に「本日隣に引っ越して参りました〇〇です。今後ともよろしくお願いいたします」というような形で使うことができます。
新しく関係を築いていく相手に対し、「これから仲良くしてください」という気持ちを伝えたい時には「今後ともよろしくお願いいたします」という言葉が適しています。
ビジネスメールの結びの文に使える
「今後ともよろしくお願いいたします」は丁寧な表現なので、ビジネスメールにおいても問題なく使用できます。
「将来的に一緒にお仕事をしたい」と思えた相手に向けたメールをする時、結びの文として使うのが相応しいです。
「これからも関係を維持したい」という気持ちを相手に示すことができます。
「何卒」「切に」で強調できる
「何卒」や「切に」を使うことで、「お世話になります」という気持ちをより強調して伝えることができます。
「何卒、今後ともよろしくお願いいたします」「今後とも切によろしくお願いいたします」といったように使いましょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換え
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンでも問題なく使える言葉です。
ただし、状況によっては別の表現が適切な場合もあります。
ここでは、ビジネスシーンでも使用できる「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換えフレーズを紹介します。
「今後ともお力添えのほど」
言い換え表現の一つに、「今後ともお力添えのほどよろしくお願いいたします」があります。
「力添え」は「他人の仕事を手助けすること」という意味で、「お力添え」はそれをより丁寧な表現にしたものです。
「~のほど」を組み合わせることで断定の表現を避け、柔らかい言い回しにすることができます。
「これからも相手からのサポートを受けたい」「協力関係を続けたい」という場合に使用しましょう。
「今後とも一層のご厚情を賜りますよう」
かしこまった表現をしたい時は、「今後とも一層のご厚情を賜りますようよろしくお願いいたします」と言いましょう。
「心からの深い思いやりの気持ち」を意味する「ご厚情」に、「賜る」という「もらう」の謙譲語を合わせることで、より丁寧でかしこまった表現になります。
目上の人や取引先の人に対して使うと良いでしょう。
「今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう」
「今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようよろしくお願いいたします」も、同じ意味で使用できる言い換えのフレーズです。
「お引き立て」は「ひいきにする」という意味があります。
そこに謙譲語の「賜る」を合わせることで、「今後とも一層のご厚情を賜りますようよろしくお願いいたします」と同様に、より丁寧でかしこまった表現になります。
「これからもひいきにしてほしい」「これからも良好な関係を続けてほしい」という気持ちを示せるため、こちらも目上の人や取引先とのやりとりで使うのに適しています。
「今後ともよろしくお願いいたします」の注意点
「今後ともよろしくお願いいたします」はビジネスでも使える便利な言葉ですが、誤った使い方をすれば相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
良好な関係を築いていきたい相手に対し失礼のないよう、使用する際の注意点を知っておきましょう。
「よろしくお願い致します」は誤用
「よろしくお願い致します」といったように、「致します」を漢字で表記するのは誤用です。
公用文において使用する「〜いたします」などの補助動詞は、基本的にひらがなで表記するよう示されています。
「〜いたします」は「〜する」の謙譲語の「〜いたす」に、「ます」を付けた相手への敬意を高めた表現です。
「致します」は「致す」という動詞を丁寧にした表現で、「全力で全うする、到達させる・至らす」という意味になります。
ビジネスシーンで補助動詞の「〜いたします」を使う時は、ひらがなで表記しましょう。
謝罪では使わない
仕事でミスをしてしまったり、相手に失礼なことをしてしまったりした場合は「今後ともよろしくお願いいたします」は使わない方が無難でしょう。
反省の意を示した後、すぐに今後のお付き合いについて話すと、「この人反省していないのでは?」と相手に不信感を与えてしまう可能性があります。
謝罪する場合には、「重ねてお詫び申し上げます」や「より一層気を引き締めてまいります」といったフレーズで締めくくると良いでしょう。
一回限りの相手には使わない
今後お付き合いがなくなる相手に対し、「今後ともよろしくお願いいたします」という表現を使うのは避けた方が良いでしょう。
「今後とも」は継続的なお付き合いをする相手に向けて使います。
取引が終了する相手や商談がまとまらなかった場合には、「またの機会があれば」という気持ちを込めて「またご縁がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします」と締めくくるのが適切です。
親しい相手には使わない
同僚や部下に対して「今後ともよろしくお願いいたします」を使うと、少しよそよそしい印象になってしまうかもしれません。
親しい相手に対しては、もう少しフランクな言葉を使いましょう。
「これから一緒に頑張っていきましょう!」といった言葉を使うと、親しみが感じられますよ。
違う言い方や表現も使えるようにしておく
メールでのやりとりが続くと、「今後ともよろしくお願いいたします」という末尾ばかりになってしまいがちです。
毎回同じ末尾だと、相手に「くどい」と思われてしまうかもしれません。
「何卒」や「切に」を付け加えたり、相手によって表現を変えてみたりしてみましょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」を使った例文
実際に「今後ともよろしくお願いいたします」を使用する際、どのような使い方をしたら良いのでしょうか。
例文を参考にしながら解説していくので、仕事に役立てていきましょう!
ビジネスメール
ビジネスメールでは、結びの文として「今後ともよろしくお願いいたします」がよく使われます。
相手に感謝を伝えたい時や「より一層良い関係になっていきたい」と望んでいる時に使うことができます。
【例文】
- お気軽にご連絡いただけますと幸いです。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
- この度はありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
社内での挨拶
部署異動や社内表彰で挨拶をする際、相手に良い印象を残したいですよね。
挨拶は人の第一印象を決めるものです。
これから一緒に仕事をしていく上で「これからお世話になります」という気持ちが伝わると、人間関係が円滑になり仕事もしやすくなるでしょう。
また、普段からお世話になっている上司や先輩に対しても、日頃の感謝を伝える時に使うことができます。
【例文】
- はじめまして。この度□□̻部署に配属となりました〇〇です。ご迷惑おかけすることもあると思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
- 一層精進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほど、今後ともよろしくお願いいたします。
「今後ともよろしくお願いいたします」を活用しよう!
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスメールの締めでよく使われる言葉です。
きちんと意味や使い方を理解すれば、より気持ちを相手に伝えることができます
また、言い換えの表現を知っておけば、メールの締めが毎回ワンパターンになってしまうことも防げます。
「今後ともよろしくお願いいたします」の意味をしっかり理解して、ビジネスシーンで活用していきましょう!
- 「今後ともよろしくお願いいたします」は、相手と継続的なお付き合いをしたい場合に使う
- 「今後ともよろしくお願いいたします」は、日常生活やビジネスシーンでも使うことができる
- 「今後とも一層のご厚情を賜りますようよろしくお願いいたします」といった言い換えで、目上の人や取引先など、敬意を示したい人により丁寧な言い方で気持ちを伝えることができる
- 「今後ともよろしくお願いいたします」は、謝罪の場や関係が切れる相手には使えない
- 「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスメールや社内の挨拶で使用できる